「ひとり焼き肉」「ひとりカラオケ」「ひとりツアー旅行」……。そうした「おひとりさま」向けのサービスは、今でこそ私たちにとって身近なものになったが、その「原型」とも呼べるものが、なんと54年も前に4コマ漫画「サザエさん」のなかで描かれていた。 1968年9月25日の朝日新聞朝刊に掲載された漫画のなかで、仕事帰りに焼き鳥の屋台に立ち寄った波平は、カウンターに見慣れない間仕切りを見つけ、店主に「これはなんだい?」と尋ねる。 その正体が「こどくを愛するお客のちゅうもん」に応えた「ひとり焼き鳥」を楽しむための装置だとわかると、「なるほど」と目を丸くする。 今でこそ間仕切りはコロナ下で当たり前となったが、漫画が掲載された当時は物珍しいサービスだったことだろう。 だが、この漫画を読んでもらった有識者によると、波平が驚いてみせた理由はもっと深いところにありそうだ。 「『サザエさん』は、男性が… この記事は有料記事です。残り1133文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
五輪汚職が影、つれないバッハ氏の真意は それでも根強い札幌有力説
東京オリンピック(五輪)・パラリンピックを巡る汚職事件が、札幌市がめざす2030年冬季五輪の招致に暗い影を投げかける。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が日本側と距離を置く動きが最近目立つ。それでも、「札幌有力」説は根強い。 トップ選手と約1万5千人の市民ランナーが朝の国立競技場を駆けた。 東京大会の開催1周年を記念するイベント「Thank you Tokyo!」が16日、東京・国立競技場であった。午前8時、レガシーハーフマラソンのスタートを、東京大会に携わった関係者が見守る。しかし来日する予定だったIOCのバッハ会長の姿は、なかった。 IOCに質問すると、「スケジュールの都合」とし、「代わりに日本のIOC委員が出席する」との素っ気ない返答だった。 バッハ会長は9月中旬にも、秋元克広・札幌市長とスイス・ローザンヌのIOC本部で面会する予定を直前にキャンセルした。 表向きは「日程の調整がつかなかった」。だが、調整は済んでいた。バッハ会長が「東京大会の汚職事件が騒がれているタイミングで会うのはマイナスでしかない」との側近の助言を受け翻意したのが真相だ。 一見、疎遠にも映るバッハ氏の行動は、実はIOC、そして札幌招致へのダメージを少なくするためのリスクマネジメントに映る。9月下旬に来日して関係者と会った際の様子が、それを物語っている。 「バッハ氏、五輪疑惑の捜査に強い関心」 2030年大会の招致を目指す秋元克広・札幌市長は、国際オリンピック委員会(IOC)の動きについて、最近の朝日新聞のインタビューでこう話した。 「安倍晋三元首相の国葬で来… この記事は有料記事です。残り2062文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
斉藤雪乃さん、寝台特急で出会った少年との忘れられない思い出
大学1年生の夏休みだったかな。鉄道好きの弟から、「青春18きっぷ」を使って東京へ行こうと提案があった。JR大阪駅(大阪市)から快速列車とか乗り継いで、JR大垣駅(岐阜県大垣市)へ。そこから夜行快速列車の「ムーンライトながら」で東京駅へ向かった。東京に行くことが目的じゃなくて、「青春18きっぷ」で乗り継いで行きたかった。 新幹線で東京へ行ったことは何度もあったけど、「こんなに時間がかかるんだ」ということを肌で感じたかった。旅の道中を味わいたかったし、ローカル線の列車に乗っていると地域性が見られるのもいい。車内の広告が関西で見かけないものだったり、車内アナウンスの方法が違ったり。新幹線では味わえない魅力がある。「駅そば」が好きなんですが、地域によってだしの味が変わっていく。東に行くほど濃くなったんです。「青春18きっぷ」は鉄道アイドルとしての原点ですね。 鉄道好きは母の影響 自宅の近所にあったJR西日本の吹田総合車両所(大阪府吹田市)や、阪急電鉄の正雀工場(同府摂津市)へは小さい頃よく行きました。鉄道が趣味だったんです。母はシベリア鉄道に乗って旅をしたことがあって、母からは「鉄道好きは私の影響ね」と言われています。 だから芸能事務所へ出した書類の趣味の欄には「鉄道の旅」と書いたんです。すると、「関西で鉄道アイドルになってみないか」ということで、「じゃあ」と。知識も無いのに軽いのりでした。 鉄道関係での最初の仕事は、フリーペーパーに鉄道のコラムを書くことでした。「鉄道アイドル」としての活動が始まりました。「青春18きっぷ」の旅日記とか、鉄道模型を扱う店を取材した感想を書いたりしました。やってみて知らないことは、自分で列車に乗ったり、ファンの人に教えてもらったりした。ブログに載せるとファンの人たちがコメントで教えてくれました。 トワイライトエクスプレスではたくさんの思い出が 2015年に大阪―札幌間の定期運行を終えた寝台特急「トワイライトエクスプレス」が好きで、12月の自分の誕生日に合わせて乗っていました。仕事で2回、1人で2回、弟と一緒に1回の計5回乗ったけど、それぞれに思い出があります。昼前に大阪を出て、翌日の昼ごろに札幌に到着する。だいたい22時間ぐらい。 初めて乗った時は窓から眺め… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
M-1王者ノンスタ22年ぶりの路上漫才 仲良しなんかじゃないけど
「オレ、クビになるんか」 吉本興業のお笑いコンビ「NON STYLE」の石田明(42)は、びびっていた。 呼び出されたのだ。岡本昭彦社長に。しかもサシで。 何かしでかしたはずや。頭を巡らせる。 闇営業の時のアレか。ヤイヤイ言うてもうたもんなあ。 意を決して会いに行くと、社長は言った。 「力を、貸してほしい」 !? これは、多分(テレビ番組の)「ドッキリ」や。 こんなことが自分の人生に起きるとは――。 「やりたいことないんか」 実際は真面目な話だった。 社長の話はこう。 まずは、芸人養成所のNSCを変えたい。カリキュラムを作ってほしい、と。 そして、本題へ。 「石田、なんかやりたいこと、ないんか」 大阪を盛り上げる巨大プロジェクトは、この瞬間から始まった。 「大阪城夢祭(ゆめまつり)」(大阪市主催)。名前に負けず劣らず、スケールも大きいイベントが10月15日から9日間、大阪城公園をジャックする。 目玉は、「太陽の広場」周辺で開く「大阪楽市楽座」。漫才にコメディー、芝居とあらゆるエンタメのショーを繰り広げる。 プロデュースを任されたのが石田だ。 ◆大阪城夢祭 10月15~23日、大阪城公園の天守閣前本丸広場、太陽の広場などで開催。「NON STYLE」石田明がプロデュースする大阪楽市楽座は、太陽の広場周辺で午前11時~午後6時。コメディー劇場「楽市楽座亭」(有料)は、9日間で50ステージ以上ある。石田が脚本・演出を手がける舞台「結」では、芸人にとって武器であるはずのしゃべりを封印。動きや表情で楽しませる非言語の芸を披露する。 大阪出身の芸人で、2008年のM―1グランプリ優勝から14年。今も目が回るほど忙しい。 劇場での漫才、テレビ出演、NSCの講師、と息つく間もなく動いている。 なぜこんなことに? 理由は、「超絶イエスマン」だから。 頼まれたら断れない。 もともと控えめな性格で、人前に出るタイプではなかった石田さん。後に相方となる井上裕介さんの誘いを断れなかったことから、人生が動き出します。壮絶だった貧しい生い立ちと、巻き込まれっぱなしの不運な半生に訪れる変化。やがて漫才日本一となり、1千万円の賞金、さらには1億円を手にするまで、チャンスをどうつかんでいくのか。記事後半で。 増える仕事、つながる縁。い… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
明石市長、ツイッター休止を表明 「反省し、おとなしくする立場」
天野剛志2022年10月16日 15時24分 市議への暴言の責任をとり、今期限りで政治家から引退すると表明した兵庫県明石市の泉房穂市長(59)は16日午前、ツイッターへの投稿を「休止する」と自身のツイッターで表明した。 泉市長はツイッターに「昨年12月21日以来、積極的に発信をしてきたが、諸般の事情に鑑み、休止させていただく」などと投稿。フォロワー数は約37万件に上るが、再開は現時点で不明という。 泉市長は取材に対し「(ツイッター上で)説明も一定できた。今は反省し、おとなしくする立場」と話した。暴言の後にツイッターでの発信をやめようと考えたが、「問い合わせが多く、説明責任を果たしたい」と考えて16日まで続けたという。 泉市長は8日に、市長への問責決議案に賛成する会派の市議2人に「選挙で落としてやる」などと発言。以降、ツイッターへの投稿を止めていたが、12日に市議会で引退を表明した後に、経緯や謝罪の思いを投稿していた。 市長の任期は来年4月30日まで。その後は子育て支援などの施策を全国に広める活動を続けていくとしている。(天野剛志) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
24歳男性を刺した疑い同居の女を現行犯逮捕 大阪、男性は死亡
2022年10月16日 11時19分 交際相手の男性を刃物で刺したとして、大阪府警は16日、アルバイトの田中友理容疑者(33)=大阪市浪速区大国1丁目=を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕し、発表した。男性は搬送先の病院で死亡が確認された。「殺すつもりはなかった。こんなに刺さるとは思っていなかった」と話し、容疑を否認しているという。 府警は殺人容疑に切り替えて捜査を進める。 浪速署によると、16日午前2時ごろ、田中容疑者は自宅のマンションで同居する交際相手の松井響(きょう)さん(24)の背中を刃物で刺した疑いがある。約10分後に田中容疑者が自分で「彼氏の背中を包丁で刺した」と119番通報したという。署は2人の間に何らかのトラブルがあったとみて調べている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
唐揚げを1カ月に64個、山形がランキングで全国一に
高橋昌宏2022年10月16日 12時00分 山形県民は月に64個食べ、全国一の唐揚げ好き――。冷凍食品会社のニチレイフーズが行ったインターネット調査でわかった。全国屈指の「ラーメン王国」として知られてきた山形だが、唐揚げもまた「県民食」なのか――。 調査は同社が8月、全国の20~70代の約1万4100人に行った。 唐揚げを食べる頻度に1回で食べる個数を掛け合わせ、1カ月平均の個数を推計したところ、山形は64・0個。51・0個で2位の福島、48・7個で3位の東京とも、大きな差がついた。最下位の長野の24・9個と比べると、山形は2・5倍以上という結果に。 山形はまた、総菜、コンビニ、専門店、外食店、冷凍食品、手作りの全形態で食べる唐揚げの個数の推計値が1位となり、史上初の完全全国一を達成した。 昨年の調査では、山形は55・0個で、1位の茨城の55・4個と競っていた。(高橋昌宏) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
300円台でおなかいっぱい 「かっちゃ」の店が値上げしないわけ
ソーメン100円、ショウガ焼き定食350円、金曜は「感謝デー」でシーフードカレーの大盛りが300円で食べられる。77歳のかっちゃ(お母さん)が1人で切り盛りする食堂は、コロナ禍で客が減る一方、光熱費に加え、野菜に調味料まで高くなるなか、値上げするつもりはないという。どうしてやっていけるのか。 JR青森駅のほど近く、古い店が並ぶいろは通りに「総菜田中」はある。店の中は薄暗く、ちょっと入りにくい雰囲気だが、「がんばるあなたに応援」と書かれた札に背中を押される。 「はい、いらっしゃい」。4坪足らずの小さな店の奥で、フライパンを振っていた店主の田中剛子(つよこ)さんが目でうなずいた。座席は9席。客はテーブルに並べられた大皿から、日替わりの総菜を選ぶ。350円も出せばおなかいっぱいという人が多い。 「値上げするつもりはありません」。かっちゃはそう言い切ります。記事の後半では、その秘密と言葉の裏にある思いを伝えます。 田中さんは蓬田村の自宅から… この記事は有料記事です。残り1404文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
あのMグラブ、どこで買える? 甲子園選手を支えるブランドの技と心
テレビで野球観戦をしていると、大手メーカーのものではない、独特のロゴが刺繡(ししゅう)されたグラブを目にすることがある。 今年の全国高校野球選手権大会決勝。甲子園の先発マウンドに立った仙台育英の左腕斎藤蓉(よう)投手は、左利き専用グラブのみを製造する「チアキ」というメーカーのグラブを使っていた。 プロ野球ヤクルトの山田哲人選手は「ドナイヤ」という大阪のメーカーのグラブだ。 4人で立ち上げた「メジャーステージ」 ムラタ(相模原市中央区)もそんなオリジナルの野球用品を製造するメーカーのひとつ。 社長の村田淳さん(64)は1998年、社員4人の会社で「メジャーステージ」という野球用品ブランドを立ち上げた。 今年、夏の甲子園に初出場した社(やしろ)高(兵庫県)の勝又優太選手(18)によると「収まりが良く、落球しにくい」のが特徴だ。 村田さん自身も野球選手として活躍した経歴を持つ。 桜美林(東京都町田市)の1番ライトとして甲子園に出場し、チームを全国制覇へ導いた。「優勝後、東京駅からオープンカーに乗ってパレード。約4時間かけて町田に着いた」と振り返る。 その後、日体大に進学。4年では明治神宮大会に2番レフトで出場し、日本一に輝いた。 卒業後はプロの道には進まず、父が経営する産業資材会社の関連会社に入社した。それでも「スポーツにかかわる仕事をしたい」と父の会社にスポーツ部門を新設した。 一つでも多くの球を拾ってほしい 当時の野球用品市場は大手メーカーが席巻していた。そんななか、あえて自社ブランドにこだわったのは理由があった。 高校1年のころ。金属バット… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
もんじゅ、核燃料取り出しが完了 廃炉の第1段階の主要作業
佐藤常敬2022年10月16日 8時20分 日本原子力研究開発機構は14日、廃炉作業中の高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の原子炉などから核燃料を取り出す作業を終えたと発表した。廃炉の第1段階の主要作業だった核燃料530体の取り出しが終わった。 原子力機構によると、13日夜、原子炉と隣接する炉外燃料貯蔵槽から核燃料124体を水の入ったプールに移す作業が終わった。 もんじゅの廃炉工程は約30年で4段階ある。第1段階の核燃料取り出しは2018年8月に開始。原子炉と貯蔵槽で冷却材のナトリウムに漬かっている計530体の核燃料を洗浄し、水の入ったプールに移した。原子力規制委員会の審査を経て、取り扱いの難しいナトリウムの抜き出しをする第2段階は、23年度開始の見込みだ。 14日、同機構と文部科学省の担当者が市役所を訪れ、池澤俊之副市長に作業完了を報告した。(佐藤常敬) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル