熊本県立東稜高校に通っていた男性(23)が在学中のいじめ被害を訴えている問題で、学校が設置した第三者委員会が3日、1年3カ月に及ぶ調査をまとめた調査報告書を公表した。いじめを認定し、不登校との因果関係も認めた。また、当時、男性が相談したのにいじめと認めず、県教育委員会に報告しなかった学校の対応は「問題」だと指摘した。 22ページにわたる報告書には、男性が入学直後から複数の同級生にいじめられ、不登校を余儀なくされた経緯が克明に書かれている。 7年間、いじめの被害を訴え続け、ようやく認められた男性はこの日会見を開き、報告書を「今までの苦しみを理解しようとする気持ちが伝わるものだった」と評価した。学校に対しては「違った対応があれば私も家族ももっと違う人生を送っていたでしょう」と述べた。 男性は2015年に同校に入学。複数の同級生からいじめを受けたと在学中に訴えたが学校はいじめを否定、不登校との因果関係も認めなかった。その後、男性は2年生だった17年2月に通信制高校に転学した。 男性の相談を受けた県弁護士会が、いじめ防止対策推進法上の「重大事態」として調査するよう求める要望書を20年に県教委に提出。男性自身も県教委に要望し、昨年7月に、第三者委員会の調査が始まった。 報告書では、1年生から2年… この記事は有料記事です。残り809文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「確信歩き」や座る位置は高校時代から 村上の三冠王に元相棒ら感激
有料記事 杉浦奈実、吉田啓2022年10月3日 21時03分 3日、史上最年少の三冠王に輝き、DeNA戦で王貞治氏を超えるシーズン56号本塁打を放ったヤクルトの村上宗隆選手(22)。かつて地元・熊本でともに汗を流した仲間たちの心に残っているのは、その才能以上に、ひたむきに努力する姿だった。 九州学院高校の1学年後輩で、捕手だった村上選手とバッテリーを組んでいた東洋大学4年の田尻裕昌さん(21)は「ムネさんなら絶対やってくれるだろうと思っていた」と喜んだ。王氏と並んだ55号以降、三冠王もあってプレッシャーがあっただろうが、高校時代からの練習態度を見てきたので、「応援したい」と、見られる試合は全部見てきた。本塁打を打てなくなった時期も、慌てる様子がなく、自分のペースでやっているように見えたという。ダイエーホークス(当時)で平成唯一の三冠王に輝いた、松中信彦氏に続く熊本県出身者の活躍がうれしい。「おめでとうございますとラインで伝えます」と言葉を弾ませた。 高校時代の村上選手は主軸・主将・捕手と、チームの大黒柱だった。内角をしつこく攻めたり、外角一辺倒にしてみたりと、大胆な配球をする捕手だったという。今季の活躍は配球を読む力に捕手の経験が生き、また、チームの勝利を第一に考える人間性や、結果に満足しない向上心がもたらしているのでは、と推し量る。 ベンチの中で監督の近くに座… この記事は有料記事です。残り1040文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
顧問、顔殴った翌日も生徒をたたいて蹴る 校長会見「心からおわび」
兵庫県姫路市の姫路女学院高校は3日、ソフトボール部顧問の40代男性教諭が部員の女子生徒(1年)の顔をたたいてけがを負わせていたとして、校長らが会見を開き謝罪した。保護者からは全治1カ月で、ショックで登校できない状態だと連絡があったという。男性教諭は自宅謹慎中で、同高は懲戒処分を検討している。 会見で摺河(するが)祐彦(まさひこ)校長は「生徒やご両親、その他の生徒にもショックや不安を与え申し訳ない。心からおわび申し上げます」と話した。 学校によると、男性教諭は、9月24日に兵庫県内であった地区大会で、女子生徒がユニホームを忘れたことに腹を立て、平手で生徒の左のほおを殴った。たたく前に生徒の母親と電話で話した際には「たたきますよ」などと言ったという。母親は学校に対して「まさか本当にたたくとは思わなかった」と話したという。 生徒はたたかれた後も試合会場に残っていたが、教諭は「帰れ、お前なんかいらん」などと話したという。生徒はたたかれた影響で口を開けにくい状態になり、保護者からの連絡によると、あごが外れた外傷性開口障害と診断された。 翌25日にも試合があり、男性教諭は生徒に対し「反省しているのか」などと声をかけながら、頭をたたいたり、腰のあたりを蹴ったりしたという。学校は「ふざけた感じでたたいたりしたようで、24日の行為よりは弱い力だったようだが、体罰にあたるとみている」と説明した。 学校によると、生徒は25日… この記事は有料記事です。残り279文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
有機栽培だけじゃない 野菜のエシカル包装 SDGs時代の販売戦略
自社生産の有機スプラウト(新芽野菜)を、まるごとエシカル(倫理的)包装にしたらどうだろう。 岐阜県中津川市の野菜メーカー「サラダコスモ」が、こんなアイデアを思いついた。 めざすのは、環境や社会に優しい包装だ。だがもう一つの狙いがある。 エシカルに包装してみた野菜は、「ブロッコリーの新芽」「かいわれ大根」「ラディッシュの新芽」。 容器は、ペットボトルを再利用した素材を使った。 スプラウトが根を張る培地は木材パルプを用いた。 9月からは、ふたの役目を果たすトップシールを紙製にした。従来はプラスチック製だった。 和紙のような手触り。15種類の切手風のイラストで飾られている。社員がデザインした。 エシカル包装は、SDGs(国連の持続可能な開発目標)の理念が広がる将来をみすえたものだ。 SDGs時代はどんな消費行… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「犯人知っているやろ」と飲食代踏み倒した疑い ユーチューバー逮捕
2022年10月3日 18時24分 大阪・ミナミで5月、暴力団幹部(48)の遺体が見つかった事件にからみ、「殺した犯人を知っているやろ。店つぶしたるぞ」とクラブ店長らを脅して飲食代金を踏み倒したとして、大阪府警は3日、自称ユーチューバーの細江徳義容疑者(35)=大阪府守口市寺方錦通1丁目=ら男女5人を恐喝容疑で逮捕し、発表した。府警は認否を明らかにしていない。 捜査4課によると、細江容疑者は、遺体で見つかった幹部に連れられ、このクラブに入店したことがあったという。5人の逮捕容疑は5月15日未明、大阪市中央区のクラブに入り、店長らに「今日は金を払わんからな」などと言い、飲食代金4万7千円の支払いを免れたというもの。2日前に同区内の雑居ビルの敷地で幹部の遺体が見つかり、府警が他殺とみて捜査している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
母と紡いだ「へ・つ・た」 編み出した独自話法 絶望の底から国会へ
天畠(てんばた)大輔(40)はこの夏、国会議員になった。参院選比例区で、れいわ新選組から出馬、特定枠で当選した。 天畠は1日24時間365日、介助者が常にそばにいなければ、生きていくことができない重度の障害者だ。 四肢がまひし、ひとりでは動くことも声を出して話すこともできない。視覚は色や立体がある程度わかるが、文字は読めない。水の中で目を開けたような感じだという。また、意思と関係なく体が勝手に動き、筋肉の緊張が起こって、頻繁にあごが外れる。あごが外れると息ができなくなるため、だれかがそばにいて、あごを戻してくれなければ死んでしまう。 天畠大輔さんは、体を動かすことができないだけでなく、自らの口で言葉を発することができません。日常生活のすべてをほかの人にゆだねなければならない天畠さんですが、周囲にはいつも介助者たちの笑顔があふれています。約10年前に天畠さんと出会い、講演や海外視察にも同行し、親交を深めてきた大久保真紀編集委員が、天畠さんと介助者たちの物語をつづります。天畠さんとは直接、あるいはメールでやりとりをしました。 14歳のときに急性糖尿病になり、医療ミスで心肺停止状態になったのが原因だ。当時の医師の診断は「植物状態で知能も幼児レベルに低下した」だった。 だが、半年後。病室で息子が… この記事は有料記事です。残り2559文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
スシロー、また誤ってネタ提供 期間限定品を先に販売 客には返金へ
金子智彦2022年10月3日 14時04分 回転ずし大手「スシロー」で、10月1日からのキャンペーンで提供予定だったキハダマグロを、一部の店舗で誤って9月下旬に販売していたことが分かった。通常のにぎりの「まぐろ」「漬けまぐろ」で使用するメバチマグロの方が、キハダマグロより仕入れ値が高いという。同社では対象商品のマグロを食べた客に返金対応を行う。 今回の問題は、運営する「あきんどスシロー」(本社・大阪府吹田市)が1日、HPで明らかにした。 スシローの親会社「フード&ライフカンパニーズ」(F&LC)によると、普段使っているメバチより少し大きめにカットした「ちょっと大切りキハダまぐろ」を、郊外型店舗では1皿120円(税込み)で提供するキャンペーンを1日から始める予定だった。 しかし、9月28~29日にかけて宮崎、福岡、大阪、長野の6店で、にぎりや持ち帰り用のセットメニューのネタとして、キハダの方を使用していた。単純な誤りのほか、メバチの在庫が切れたためにキャンペーン用のキハダを先行使用した店もあったという。誤って提供したネタの量や客数などは明らかにしていない。対象店舗にレシートを持参した客には購入相当額を返金するという。 スシローは、ウニなどの期間限定商品を品切れなどで販売できない店舗があったのに宣伝を続ける「おとり広告」をしたとして、消費者庁から6月に措置命令を受けた。7月にはビール半額キャンペーンの店内広告を一部店舗で開始前に掲示するなど、不祥事が相次いでいる。 F&LCは「今後は、誤った材料を使用しないよう、店舗での管理方法の徹底に努めて参ります」としている。 問い合わせは同社(06・6368・1012)。(金子智彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「保育園いれるのあきらめた」双子持つ母の失望 待機児童減ったのに
朝8時半、ママチャリの前と後ろに次男と長男を乗せ、大阪市の女性は重いペダルをこぎ出した。 15分かけて到着した保育園で、2人を降ろして園内へ。長男の支度を調えて、保育士に一声かけると、次男とともに再び自転車に乗った。 再び自転車を走らせて15分。ようやく次男の園が見えてきた。 女性がひとり家に着くころには、10時近くになっていることも珍しくない。雨の日には更に時間がかかる。 2人の子どもを育てるシングルマザーの女性はこう話す。 「待機児童が減ったと言われても……。選べない、というのは聞いていたけれど、それって、やっぱりおかしくないですか」 女性はこの春、ようやく次男を保育園に入れることができたが、きょうだいで別々の園になってしまった。 求められる物品購入、思わぬ出費に自分の食費を… 負担は送迎だけではない。 女性は「私のように困っている人が減ったわけではないと思うんです」と話し、次男の入園説明会で衝撃を受けた出来事を打ち明けた。 今春の待機児童が調査開始の1994年以来、最少となる2944人だったと厚生労働省が8月に発表した。社会問題化した待機児童は一定程度、解消したかに見えるが、現場をつぶさに訪ねると、従来の保育施策のほころびや矛盾が随所に見えてくる。 まずは、待機児童にカウントされない保護者の声から聞いていきたい。 「これを、来月までに購入し… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Gunosy執行役員逮捕 前の勤務先で3100万円背任容疑
山口啓太2022年10月3日 11時47分 取引先に水増し請求をさせて勤務先の不動産会社に損害を与えたとして、警視庁は、同社の執行役員だった山本裕太容疑者(40)=宇都宮市桜4丁目=を背任容疑で逮捕し、3日発表した。山本容疑者は現在、ニュース配信アプリ開発会社「Gunosy」(東京都渋谷区)の執行役員を務めている。調べに対し、「今は容疑を否認します」と話しているという。 丸の内署によると、山本容疑者は不動産会社「ケイアイスター不動産」(埼玉県本庄市)の執行役員だった2018年10月~20年2月、同社のネットシステムの開発や保守管理などを請け負っていた宇都宮市のウェブ制作会社の20代男性社長と共謀。男性社長に業務委託費を水増しさせて約1億円を請求させ、ケイアイスター社に約3100万円の損害を与えた疑いがある。 ケイアイスター社側が高額な請求を不審に思い、20年3月に社内調査して発覚。21年3月に刑事告訴していた。山本容疑者は20年3月に自主退社したという。 水増し分の約3100万円は、山本容疑者が代表を務めるコンサル会社や自身の口座などに送金されていた。共謀したとされるウェブ制作会社の男性社長は、署の任意の調べに「(山本容疑者に)30%水増し請求するように指示された」と話しており、署は山本容疑者が不正な水増しを主導したとみている。(山口啓太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新船「フェリーろっこう」就航へ 快適な設備が売り、神戸と宮崎結ぶ
小野大輔2022年10月3日 11時58分 神戸港と宮崎港を結ぶ宮崎カーフェリー(本社・宮崎市)の新船「フェリーろっこう」が完成し、4日の神戸発の便から運航が始まる。個室を従来の7倍以上に増やすなど、利用者の様々なニーズに合わせた設備が売りだ。 同社によると、「ろっこう」は全長194メートルで、従来の「こうべエキスプレス」より24メートル大型化した。 一方で旅客の定員は690人から576人に減らしてゆとりをもたせ、個室は29部屋から216部屋に増やした。ペットと一緒に過ごせる客室や、いつでも使えるシャワールームも設け、プライベート感や快適性を高めたという。 船内は黒や赤の落ち着いた色調で神戸のおしゃれさをイメージ。壁の一部には神戸タータンの柄もあしらった。排出される煙の有害物質を抑える装置を付けて環境にも配慮したという。 旅客業務部長の橋本光史さん(53)は「宿泊しながら移動もでき、夜景も日の出も楽しめるのが船の魅力。広い船内で旅情を味わってほしい」と話す。 4日からは「ろっこう」と、今年4月就航の「たかちほ」の2隻体制で1日1便運航する。所要時間は12時間20分から14時間40分。(小野大輔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル