まったく食に不案内だから、畏友(いゆう)の野口千恵さん(52)に電話をかけた。まちおこしの情報発信を手がけるKINAKO通信(和歌山市)の編集局長さんだ。「待っていました。まさにネギをしょったカモ。精進カキフライを食べにいこう」。カモとは失礼なと思いつつ、カキは「海のミルク」ともいって精がつくことぐらいは私でも知っている。そのカキの精進料理ってなんだ? 向かったのは和歌山市の歓楽街アロチにあるイタリア料理店イル・テアトロ。出てきた精進カキフライの見た目はカキフライそのものだった。サクサクだ。プリプリだ。 だが、店を営む神谷龍雄さん(52)と松井容子さん(53)の夫婦によると、中身は豆腐だという。水切り豆腐をペースト状にして青ノリを加えたあとにマイタケとシイタケではさむ。これらが一体となってカキそっくりの食感を奏でているのだった。菜園風ピザも食べおえて、「精進料理はものたりない」という私の先入観はすっかり消えた。 引き離される母牛と子牛の姿に 神谷さんがイタリア料理留学… この記事は有料記事です。残り904文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
夏休みの絵日記、描けなかった認知症の母 本当は会いたい、でも…
エメラルドグリーンの水が打ち寄せる琵琶湖の砂浜は、家族連れや大学生らでにぎわっていた。 そこに集ったのは滋賀県内の高校に通う男女4人。「きれいー」。まだあどけなさが残る表情ではしゃぐ姿は、どこにでもいる高校生だ。 学校も学年も違う4人。共通点は「ヤングケアラー」であることだ。家庭できょうだいの世話や家事を日常的に担う状態にある。 8月上旬、子どもの居場所づくりに取り組む「NPO法人こどもソーシャルワークセンター」(大津市)が1泊2日のキャンプを開いた。琵琶湖でボート体験やピザ作り、花火を楽しんだ。 記者は一緒にキャンプを過ごした。 「映画館へ行く」「浴衣を着て京都観光に行く」――。初日のプログラムで、夏休みに行きたい場所や、やりたいことをペアを組んで思い思いに自由に話し合った。 少し襟足が伸びた高校3年生のケンは、月曜日の予定に「(NPOの)センターで好きなだけゲームしてのんびり過ごす」と書き込んだ。ペアを組んだ職員に「ほんまは、月曜から金曜日まで毎日センターに行きたい」とつぶやいた。 ヤングケアラーを対象にしたキャンプが琵琶湖で開かれました。参加した高校生3人をめぐる物語を伝えます。 現実の夏休みはバイトに明け… この記事は有料記事です。残り2156文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ゼロからやり直し」台風15号、農業に打撃 災害ごみ推定2万トン
有料記事 床並浩一、黒田壮吉 中村純2022年10月3日 9時23分 台風15号によって相次いだ土砂崩れや浸水被害は、静岡県内の農業にも打撃を与えた。被害は広範囲にわたり、全容の把握はできていない。生産者からは落胆の声が漏れる。 ◇ 「(1974年の)七夕豪雨以上に被害は大きい。ゼロからやり直しだよ」 静岡市清水区庵原町の清水庵原球場近くでイチゴを栽培する農家の西ケ谷晴夫さん(68)は肩を落とす。 今回の記録的大雨で、近くの裏山を流れる沢で土砂が流れ落ち、大量の土砂や岩石が4棟の農業用ハウス内に流れ込んだ。苗場から9月に定植したばかりだったイチゴの苗ごと土砂に覆われたという。 地域住民有志やボランティア… この記事は有料記事です。残り980文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
市街地に出没「アーバン・ベア」、遭遇したらどう対処? 相次ぐ目撃
有料記事 聞き手・滝口信之2022年10月3日 9時24分 福島県内でクマの目撃情報が相次ぎ、人的被害も起きている。7月にはクマに襲われたとみられる死亡事故もあった。クマとの遭遇が増えた理由やその際の対処法について、野生動物に詳しい福島大学食農学類の望月翔太准教授(野生動物管理学)に聞いた。 ――クマの目撃情報が今年4月~7月末で262件と、昨年を上回るペースで増えています。理由は。 「4~8月と、9月以降のクマの出没は分けて考える必要があります。4~8月に増える原因は、前年秋にブナやミズナラの木の実が豊富だったことにより、クマがしっかり食べて冬眠中に子どもを産み、春先に栄養状態の良い状態で出てきているからです」 「秋以降の出没は、山の実の… この記事は有料記事です。残り1150文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道庁旧本庁舎の仮設見学施設で火災 国の重要文化財、けが人なし
有料記事 平岡春人、石垣明真2022年10月3日 4時34分 3日午前0時半ごろ、札幌市中央区北3条西6丁目の国の重要文化財・北海道庁旧本庁舎(通称・赤れんが)付近から煙が出ているのを住民が見つけ、119番通報した。道警や札幌市消防本部によると、旧本庁舎前に整備中の仮設見学施設から出火し、約470平方メートルのうち約300平方メートルが焼け、午前3時前に鎮火した。負傷者はいないという。 旧本庁舎は現在、改修工事中。今年8月、中央部分にある八角塔屋根(高さ約6・5メートル、幅約8メートル)を切り離し、庁舎前に移設。八角塔屋根を展示する3階建ての仮設見学施設を造っていた。 道警によると、同施設の3階部分から火が出たという。1~2階は八角塔屋根の展示スペース、3階は旧本庁舎の歴史と改修内容の展示スペースになることになっていた。10月上旬のオープン予定だった。 旧本庁舎は現在、建物の上に… この記事は有料記事です。残り355文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
未接種なのにワクチン接種と届け出か 詐欺容疑で医師を再逮捕へ
高嶋将之、山口啓太2022年10月3日 5時00分 札幌市の女性ら3人に新型コロナウイルスワクチンを接種したと偽り自治体から接種委託料を詐取したとして逮捕、起訴された「王子北口内科クリニック」(東京都北区)院長の船木威徳被告(51)が、別の患者に関しても同様に偽って委託料をだまし取ったとして、警視庁は船木院長を3日に再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。 捜査関係者によると、船木院長は昨年10~12月、同クリニックを訪れた愛知県稲沢市に住む患者計3人について、ワクチン接種をしたとする虚偽の予診票(接種記録)を作成し、同市から接種委託料計約1万4千円を詐取した疑いがある。 ワクチンは住民票を置く市区町村で接種を受けるのが原則だが、同クリニックでは昨年7~12月末に13都道府県の計約230人に接種しており、大半が区外の住民だった。同庁は、ワクチンを接種しないで接種済証がほしい人たちの要望に応える形で、接種の偽装を繰り返したとみている。 船木院長はこれまでの調べに「ワクチンは危険だと思っていた」と接種に否定的な供述をしており、ワクチン接種を希望する患者に対しても「生理食塩水を打ったことがある」と話しているという。(高嶋将之、山口啓太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
予期せぬ妊娠、虐待死…医師が問う「変われない日本の性教育」
予期せぬ妊娠や、赤ちゃんが置き去りにされる事件の背景には何があるのか。妊娠相談や性教育の実践者らによる日本財団の有識者会議は今年8月、人権教育を基本にした「包括的性教育」の必要性を指摘し、学習指導要領の見直しなどを求める提言書を発表した。会議の座長を務め、一般社団法人全国妊娠SOSネットワーク代表理事で医師の佐藤拓代さんに、会議での議論を通じて感じた日本の性教育の課題を聞いた。 「炭酸水をあてたら…」 偏る性知識 ――提言のきっかけを教えてください。 長年、妊娠に関する相談業務に携わってきた関係で、日本財団から声がかかりました。日本における虐待死亡事例(心中を除く)の約半数は0歳児で、背景には若年者を中心とした予期せぬ妊娠が指摘されています。私も妊娠などの相談を受けるなかで、性教育の必要性は日々痛感していました。 今の子どもたちの性の知識は… この記事は有料記事です。残り2960文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京・品川区長選、再選挙へ 立候補6人、法定得票届かず
東京都品川区長選が2日に投開票され、立候補した新顔6人のうち、当選に必要な法定得票(有効投票総数の4分の1)に達した候補がおらず、区選挙管理委員会が再選挙の実施を決めた。同区長選で再選挙となるのは初めて。 4期務めた現職の浜野健氏が引退を表明し、同区長選としては公選制が復活した1975年以降で最多の6人が立候補。前都議や自民党推薦の前区議らが争った。当日有権者数は33万516人、投票率は35・22%(前回32・71%)。有効投票数は11万3395票で、最多得票の前都議は約589票足りなかった。 公職選挙法は、地方自治体の首長選の場合、有効投票総数の4分の1の票を得た候補者がいなければ当選者なしとなり、再選挙が行われることになる。 今回の区長選に立候補したのは、元銀行員の山本康行氏(46)、元大学教授の村川浩一氏(75)=共産党推薦=、元区議の大西光広氏(65)、前区議の石田秀男氏(63)=自民党推薦=、前都議の森沢恭子氏(43)、前区議の西本貴子氏(61)。諸派の大西氏以外は、いずれも無所属。開票の結果、森沢氏が最多得票だったが、有効投票数(11万3395票)の4分の1に達しなかった。 森沢氏は2日深夜、報道陣に対し、「(再選挙は)想定していなかった。気持ちを切り替えて再挑戦する決意だ」と語った。2番手だった石田氏も同日夜、事務所で「勝ちきれなかったが、新たな挑戦が始まるので、みなさんに支援いただきたい」と話した。他の4人を含めて再選挙に向けた動向が注目される。 選挙戦は明確な対立軸が見えづらい争いとなった。 山本氏は、地元選出の松原仁衆院議員(立憲民主党)から支援を受け、民間の経験を生かすなどと主張した。村川氏は「現区政を根本的に転換する」とし、羽田空港新飛行ルートの撤回を訴えた。政治団体代表の大西氏は新庁舎計画について「民間活用で財政負担ゼロに」と主張した。 区議会最大会派の自民党区議だった石田氏は同党国会議員らの支援を受け、区議6期の実績を強調。2期目だった都議を辞職した森沢氏は第2子以降の保育料無料化などを掲げた。西本氏は羽田空港新飛行ルートについて「国に撤回を求める」などと訴えた。 区議補選(被選挙数3)も2日に投開票された。(細沢礼輝) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
改修工事中の北海道庁旧本庁舎付近から出火 国の重要文化財
2022年10月3日 1時49分 3日午前0時すぎ、札幌市中央区北3条西6丁目の北海道庁旧本庁舎(通称・赤れんが)付近から出火した。午前1時現在、火が出ており、消防隊が消火作業に当たっている。旧本庁舎は現在、改修工事中。 旧本庁舎は明治政府が1888(明治21)年、米国風ネオ・バロック様式の建物を建てたが、1909年に火災で焼失し、ゴシック様式で再建された。北海道命名100年記念事業として創建時に近い外観で復元することになり、約250万個のれんがを使って68年に完成。翌年には国の重要文化財に指定された。改修工事は2025年2月までの予定だった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鹿児島市の住宅街で火災 3人の遺体発見、小学生の男児は避難
加治隼人2022年10月3日 3時02分 2日午後11時5分ごろ、鹿児島市谷山中央4丁目の会社員、中崎幸男さん(56)宅で「2階建ての家が燃えている」などと近隣住民から119番通報があった。中崎さん宅は家族4人暮らしで、この家から3人の遺体が見つかった。 市消防局と鹿児島南署によると、出火当時は家族4人全員が家におり、小学生の男児が避難したが、残る3人とは連絡がとれていない。警察が遺体の身元の確認を急いでいる。 現場はJR鹿児島中央駅から南へ約8キロ離れた、住宅街。火の手は隣接する住宅2棟に延焼した。(加治隼人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル