田中奏子2022年9月22日 18時35分 三菱電機は22日、兵庫県尼崎市にある伊丹製作所などで下水道料金の未払いが見つかり、約14億2600万円を追加で同市に納付すると発表した。1994年4月~2021年12月の約27年間にわたり、下水道への排水量について、計測を誤ったり、申告が漏れたりしていた。30日までに納付するという。 同製作所では1994年4月以降、使用した水が蒸発するなどして下水道に排出されない場合に適用される市の減免制度を使い、蒸発分を差し引いた使用量を申告していた。しかし、設備の更新などで蒸発量が変わった後も使用量を見直していなかった。昨年秋に同社の担当者が気づき、市に報告していた。 同社には94年以降の設備更新の記録が残っていなかったため、尼崎市と相談し、制度によって減量されていた全額の約11億1400万円を支払うことで両者が合意した。地下水を使用して下水道に排出していた際の申告も漏れていたため、今回、その未払い分もあわせて支払う。 同社は「公共の水道インフラの維持や更新の財源となる下水道使用料の一部を長期にわたってお支払いできておらず、尼崎市と市民の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます」としている。(田中奏子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ネットバンキング不正送金被害、8月から急増 偽サイト誘導に注意を
インターネットバンキングの口座から不正に送金される被害が8月以降、急増している。金融機関の偽のサイトに誘導して情報を抜き取る「フィッシング」の手口が多いとみられ、警察庁と日本サイバー犯罪対策センター(JC3)は22日、緊急に注意を呼びかけた。 警察庁によると、全国の警察が把握したネットバンキングの不正送金の被害は2019年以降、減少傾向が続いていた。今年も7月までは比較的少なく、同月は30件、被害額は約1億600万円だったが、8月は70件、約2億1300万円に増加。特に8月下旬以降の増加が目立つといい、9月は15日までの半月で184件、約1億6900万円にのぼっている。 8月ごろから、銀行や信用金庫などの金融機関を装った偽のサイトに誘導するフィッシングが同じく急増しているといい、警察庁は不正送金被害の多くはフィッシングの手口によるものとみている。 フィッシングは実在する金融… この記事は有料記事です。残り218文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
台風14号で東西線の線路冠水 東京メトロ「工事の不備が原因」
小川崇2022年9月22日 19時07分 東京メトロは、台風14号の影響で18日に東西線が冠水したトラブルについて、周辺で行われていた工事の不備で雨水が線路に流れ込んだことが原因だったと22日発表した。これにより信号トラブルが発生し、高田馬場―日本橋間で約8時間運転を見合わせ、約13万9千人に影響が出た。 東京メトロによると、18日午後1時15分ごろ、飯田橋駅付近の工事現場から雨水が大量に流入し、神楽坂―九段下間で約430メートルにわたって冠水した。資機材を運ぶための搬入口に、ふたを設けていたが、金具で固定されていなかったことが主な原因という。 飯田橋駅付近では、東西線の混雑緩和のため、折り返し設備の改良工事が進められていた。東京メトロの担当者は「荒天が想定される場合、雨水流入の可能性のある箇所について、工事取引先と点検作業を徹底する」と説明している。(小川崇) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
あの夜、迎えに来なかった父へ 約束の全日本吹奏楽コンでサックスを
ホールの客席に父の姿はなかった。 8月20日、熊本市で開かれた九州吹奏楽コンクール。奄美大島(鹿児島県)の名瀬中学校(名中(なちゅう))は大会最少の13人で舞台に立った。サックス担当の三原千音(かずね)君(2年)は父・秀樹さんを思った。 「今ここにいるのは、父のお陰かもしれない」 12分間の本番は折り返し、自由曲「ドラゴンの年」が始まる。先生が指揮の手を振ると、スネアドラムの鋭いリズムが曲間の静寂を打ち破った――。 吹奏楽は昨年、中学に入って始めた。五つ上の兄の影響だ。全国大会常連の高校でフルートのソロを堂々と披露する姿に憧れた。 そのときは鹿児島市の街中の中学に通っていたが、その後、「名中で音楽がしたい」と思うようになったのには別の理由があった。 小学生の頃、車の中でよく流れていた曲がある。 1977年の課題曲C「ディスコ・キッド」。 ハンドルを握る父は「中学生のとき全国大会で吹いたんだ」と、少し得意げに言った。吹奏楽の甲子園と呼ばれる「普門館」。奄美出身の父は当時、名中の吹奏楽部員として、その舞台に立ったらしい。 「本当に普門館に行ったの?」と、最初は信じられない気もしたが、父は長年、教師として吹奏楽の指導に携わっていた。千音という名前も、「音楽に長く向き合ってほしい」という願いからと聞いていた。 吹部(すいぶ)に入れと言われたことはない。ただ、中学に上がった兄が入部を迷っていた頃、話の流れで「千音も吹いてみて」と愛用のフルートを渡された記憶がある。 今思えば、父は自分にも吹部に入ってほしかったのかもしれない。 かつて普門館の舞台に立った父と、背中を追うように吹部に入った息子。しかし、島での日々は一転します。6月の夜のことでした。記事後半には、演奏に励む千音君の動画もあります。 昨年の春、父は名中の校長になり奄美へ単身赴任した。そのとき、「名中の吹部に入るか」と聞いてきた。冗談だったかもしれないが、どんなところかは気になっていた。 転機は、数カ月後の夏のコンクール県大会だった。 父の誘いもあり、名中の演奏… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
4630万円誤入金の阿武町、田口被告と和解 被告が陳謝・解決金
4630万円を誤入金した山口県阿武町が、住民の田口翔被告(24)=電子計算機使用詐欺罪で起訴=に返還や弁護士費用などを求めた民事訴訟は22日、山口地裁萩支部で和解が成立した。田口被告が陳謝し、解決金を支払うなどの内容。 和解条項は、田口被告が町と町民に迷惑をかけたことを陳謝する▽解決金として約347万円を払う▽解決金は誤入金された4630万円の残額の弁済を含む――など9項目。 町は、誤入金額に弁護士費用などを加えた約5116万円の支払いを求めて5月12日に提訴。その後、4630万円のほぼ全額を独自に回収したとして、弁護士費用など約486万円の支払いを求め、協議が続いていた。約347万円は、被告が口座からカード決済で出金した分について法務局に弁済供託していた。 阿武町の花田憲彦町長は「和… この記事は有料記事です。残り288文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
有罪判決の翌々日には覚醒剤使用か 元アイドル田中聖被告
有料記事 近藤咲子、上保晃平2022年9月22日 15時30分 千葉県柏市内で覚醒剤を所持、使用したとして、覚醒剤取締法違反(所持・使用)の罪に問われたアイドルグループ「KAT―TUN」の元メンバーで動画編集業、田中聖(こうき)被告(36)=柏市大井=の初公判が22日、千葉地裁松戸支部(本間敏広裁判官)であった。田中被告は起訴内容を認めた。 田中被告、起訴内容「間違いありません」 84席の傍聴席は満席 午前11時、101号法廷に田中被告が黒スーツに黒縁メガネ姿で入廷した。同支部で傍聴席が最も多い84席ある法廷で、20代から40代とみられる女性も目立ち、席が埋まった。 起訴状などによると、田中被告は6月29日午後10時半ごろ、柏市内で覚醒剤0・062グラムを所持。その前日の28日ごろには、覚醒剤のフエニルメチルアミノプロパンの塩類若干量を加熱し、気化させて吸引したとされる。 田中被告は、罪状認否で、「間違いありません」とはっきりした口調で答え、起訴内容を認めた。 判決後の1週間で2~3回使用か 検察側は冒頭陳述で、田中被告が今年6月20日に名古屋地裁で覚醒剤取締法違反(所持、使用)などの罪で懲役1年8カ月執行猶予3年(求刑懲役2年)の有罪判決を受けた後、翌々日の22日ごろから覚醒剤を使用したと指摘。28日までの間に2~3回使ったとした。 検察側の証拠調べによると… この記事は有料記事です。残り392文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
お茶農家が嘆く異変「経験が役に立たない」 適地が4分の1減る国も
日本三大銘茶の宇治茶。静岡茶などに比べると茶葉の蒸し時間が短く、煎茶は濁りのない澄んだ黄緑色が特徴だ。その色に似合わず、飲むと奥行きのある渋みや香りがしっかりと広がる。 宇治茶の歴史は鎌倉時代、中国から持ち込まれた種子を高山寺の高僧が育てたのが始まりとされる。その後、室町幕府に奨励され、産地として発展。織田信長や豊臣秀吉、千利休にも愛され、天下の宇治茶として名をはせた。 その栽培は京都南部の山城地域を中心に今も続く。周囲に宇治川や木津川が流れ、水はけの良い肥えた土と年間1500ミリほどの降雨に恵まれる。小高い傾斜のある地形は昼夜の温度差をもたらし、良質なお茶生産に欠かせない気候条件がそろう。 「宇治茶は生産規模こそ大きくはないが、安定した高品質な茶を提供することで長く信頼を得てきた」。府茶業会議所の戸塚浩司事務局長は、先人らが紡いできた宇治茶の伝統をそう誇る。 だが、宇治茶栽培の現場は今、変わらぬ味を守るための変化の中にいる。 7年前のことだった… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京・北区の特養施設で入居女性死亡 男性職員を殺人容疑で公開手配
2022年9月22日 12時18分 東京都北区の特別養護老人ホームで入所者の女性が頭から血を流して死亡した事件が16日にあり、警視庁は22日、この女性を殺害したとして、施設の介護職員の菊池隆容疑者(50)=東京都板橋区舟渡4丁目=を殺人容疑で公開手配し、発表した。菊池容疑者は事件発覚後から連絡が取れなくなっており、同庁は逃亡を図ったとみている。 捜査1課によると、菊池容疑者は15日午後10時~16日午前1時ごろ、北区浮間2丁目の「浮間こひつじ園」で、入所していた山野辺陽子さん(92)に何らかの暴行を加えて殺害した疑いが持たれている。15日夜から夜勤に入り山野辺さんのフロアを担当し、16日朝までの勤務だったが、山野辺さんが頭から血を流した状態で見つかった時点ではすでに行方がわからなくなっていた。 山野辺さんは胸椎(きょうつい)と腕の骨が折れ、ひじを脱臼していたほか、顔から胸や背中にかけてやけども負っていた。同課は菊池容疑者が山野辺さんに熱湯をかける暴行も加えたとみている。死因は頸髄(けいずい)・脳幹損傷の疑いがあるという。 同課が足取りを確認したところ、菊池容疑者は16日午前2時半ごろに東京都渋谷区内のATMで現金約80万円を引き出し、その後はJR上野駅近くの入浴施設で着替えてから電車を乗り継いでJR我孫子駅(千葉県我孫子市)で降車。タクシーでつくば駅(茨城県つくば市)に向かい、同10時半ごろに同駅からつくばエクスプレスで都内方面に戻ったという。 同課は防犯カメラの映像や職員の聞き取りなどから、菊池容疑者が山野辺さんの死亡に関与したと判断、公開捜査に踏み切った。菊池容疑者は身長180センチくらいで、体格はがっしりしているという。 情報は赤羽署(03・3903・0110)まで。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京にあった「モータープール」 古地図に刻まれた★印の意味は?
連合国軍総司令部(GHQ)が置かれた旧第一生命館。進駐軍の駐車場として使用された「モータープール」……。終戦から2年後の1947年に発行された東京都千代田区の地図には、米軍占領下にあった東京の姿が色濃く刻まれている。その復刻版を、区が「区制75周年記念マップ」として制作したところ好評を博している。 復刻版のもととなった地図は、当時の日本地図株式会社が発行したもので、縦51センチ、横76センチ。神田神保町にある古地図を扱う「秦川堂(しんせんどう)書店」に残っていた。代表の永森進悟さん(55)は「戦後間もない頃は物資不足もあり、地図を作っても部数は少なかったとみられます。昭和22年(1947年)の地図は珍しいです」と話す。区が誕生したのも同じ47年。貴重な地図が何かの役に立てばと、区に譲り渡した。 現在の千代田区内は戦時中、空襲で焦土と化し、焼失を逃れた建物の多くは戦後、米軍に接収された。地図には、「★」印で接収施設が記されている。旧第一生命館のほか、明治生命館や東京会館、帝国ホテル、山の上ホテルなどにも★印がついている。 「かつての東京を思い出した」 九段会館は「アーミイホール… この記事は有料記事です。残り791文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
徳島の民団本部に脅迫状、赤い文字で「次は実弾」 ヘイトクライムか
在日本大韓民国民団(民団)徳島県地方本部の事務所に銃撃をほのめかす内容の脅迫状が届き、徳島県警が捜査を始めたことが21日わかった。近年、在日コリアンの関連施設が放火されるなどの事件が全国で相次いでおり、在日外国人の人権問題に取り組む弁護士は在日コリアンをねらったヘイトクライム(憎悪犯罪)の可能性を指摘している。 民団県地方本部によると今月16日夕、同県小松島市内の事務所の郵便受けに、切手を貼らず直接投函されたとみられる封筒が入っているのを事務員が見つけた。定規を使って書いたような直線的な赤い文字で脅迫めいた文言を記したA4判1枚の手紙が入っており、県警小松島署に通報したという。 手紙は「反日政策ヲ続ケル様デアレバ、次ハ実弾」「浄化スル」などと記されていた。「先日ハ空砲ニヨル威嚇射撃で事ナキヲ得タガ」と、事務所を狙って空砲を撃ったかのような記述もあった。文末には「民族赤報隊」と記されていた。 「銃で脅す脅迫状初めて」 名古屋や京都では放火事件も 県警によると、事務所の周囲… この記事は有料記事です。残り472文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル