1年余りに及ぶ南極生活、観測隊にも週末は来る。ただ会社や店の営業日も関係ないし、テレビも見られないので曜日感覚は薄れる。観測船「しらせ」と同じように金曜日の食卓にカレーが登場し、「もう週末か」と気づく。 【動画】南極連載ホワイトメール「凍るシャボン玉」=中山由美撮影 週末でも、気象観測や調理の当番などで休めない人もいる。平日や当番時は忙しいので、非番の時に自分の仕事に集中する人や係の仕事をする人もいる。じっとしていられない人が多いのが越冬隊員だ。 「今日こそ、本気で休もう」と迎えた2020年8月16日の日曜日。天気もいいので部屋に閉じこもっているのはもったいない。 「滑れそうかな?」「行って… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
291回もの任意聴取、協力した果ての逮捕 勾留よりつらかったこと
家宅捜索から1年半が経った2020年3月11日、横浜市の機械メーカー「大川原化工機」社長の大川原正明さん(72)と役員の島田順司さん(68)、顧問の相嶋静夫さん(当時71)は外為法違反容疑で警視庁公安部に逮捕された。 「逮捕です。家宅捜索するので立ち会ってください」。この日、大川原さんの自宅に現れた捜査員が言った。 「やっぱりそうか」 大川原さんがそう思ったのには理由があった。 この半年ほど前、1冊の本を手に入れていた。タイトルは「実録『国策捜査』―無許可輸出事件の闇」(文芸社)。精密機器メーカー「セイシン企業」(東京)が外為法違反(無許可輸出)の疑いで摘発された事件を当事者の目線で描いている。 セイシン企業と同社の幹部は、ミサイルの飛距離を伸ばすための研究開発に使われる機械をイランに不正に輸出したとして警視庁公安部に摘発され、04年に有罪判決を受けた。 強引な捜査、頭に浮かんだ「人質司法」 「強引な捜査。似ている……… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ダイコク」に立ち入り検査 独禁法違反容疑で 公取委
米田優人2022年4月19日 12時29分 関西を中心にドラッグストアを展開する「ダイコク」(本社・大阪市)が、医薬品などの納入業者に対し閉鎖する店舗の在庫の返品に応じるよう不当に求めていた疑いがあるとして、公正取引委員会は19日午前、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いで同社に立ち入り検査を始めた。関係者への取材でわかった。 関係者によると、同社は2020年春ごろから、店舗を閉鎖する際、優越的な立場を利用して余った在庫商品を納入業者に引き取るよう求めていた疑いが持たれている。 同社のホームページによると、1957年創業で、20年8月期の売上高は726億円。同社は朝日新聞の取材に「担当者が不在のためお答えできない」としている。(米田優人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
富岡町の「桜のトンネル」に食害危機 原発避難中に伝染病拡大
福島県富岡町のシンボルとして長く親しまれ、今春も多くの人の目を楽しませた夜の森地区の「桜のトンネル」が、この先、枯れてしまうかもしれないピンチに陥っている。原発事故後に避難指示が出ていた間、手入れが行き届かなかったためだ。「桜を生かしたまちづくり」に取り組む町が対策に乗り出した。 JR夜ノ森駅の東側にL字形にのびる「桜のトンネル」は、120年ほど前に入植者らによって植えられたのが始まりだ。その後、地元の小中学生たちが植樹を続けるなどして、2・2キロの道路両脇に約420本のソメイヨシノが立ち並ぶようになった。 春になると「桜まつり」が開かれ、県内外から多くの人が花見に訪れる町の名所になった。住民有志も桜染め教室や桜をテーマにした手紙のコンテストを開くなど盛り上げていた。 しかし、11年前に原発事故… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「イチョウ保存が最優先」と言ったのに 真逆の伐採案に区が意見反映
東京都千代田区道「神田警察通り」の整備に伴う街路樹伐採問題で、区に意見を求められた有識者の一人が、「聞き取りを元に区が作成した書面を事前に確認できず、自分の意見が正確に伝わらなかった」と訴えている。街路樹の保存を訴えたが十分に反映されたなかったといい、区も「事前に確認を求めるべきだった」としている。 問題になっているのは、区道約1・4キロを整備する2期工事分(約250メートル)。4車線のうち1車線を減らして歩道を拡張し、歩行者と自転車の通行スペースを設ける計画で、沿道のイチョウ32本中30本を伐採するもの。区は近く着手する予定で、住民らが反対している。 区によると、区議会から「学識経験者の意見を聞き、保存案も検討するように」と申し入れがあり、2020年7~8月、保存案と更新(伐採)案の2案を街路樹の専門家4人に示し、個別に約2時間ずつ意見を聞いたという。 区は意見をまとめた文書を作成。住民アンケートの結果とともに、町会長らでつくる協議会に配布した。文書に沿って説明し、伐採方針を決めた。区はその後、区議会に4人の意見の骨子と、整備計画に反映した意見を文書で提出した。文書には4人の肩書のみを記し、実名は伏せられた。 これらの文書をめぐり、区の聞き取りに協力した藤井英二郎・千葉大名誉教授(環境植栽学)は、「区が協議会や区議会に提示する前に、一度も確認する機会がなかった」と述べた。 藤井さんは日本庭園学会会長も務めた街路樹研究の第一人者。区の聞き取りに対し、「保存が最優先」と述べたという。区の担当者には「数十年かけて成長した街路樹の枝や葉の茂りなどは数年では得られない。既存の街路樹を現在の場所でいかしながら整備する必要がある」と改めて伝えた。 しかし、区が作成した文書には、保存案、伐採案のいずれにも藤井さんの提言などが記されていた。藤井さんは「自分の発言が、どの問いかけに対するものかが記載されてないため、保存、伐採を同等に評価しているように受け取られかねない」と指摘。「事前に確認できたら『保存案』を主張し、『伐採案』を否定する見解となるように修正を求めた」と話した。実際、藤井さんの意見をまとめた文書には、低木と草の種類を誤って記した箇所もあった。 これに対し、区は、「文書作成後、専門家に確認を求めた方が丁寧だった」と説明。ただ、一連の手続きについては、「専門家4人に同じ資料を示して聴取し、特定の専門家を特別扱いするような意図はまったくない。公平公正だったと認識している」と説明した。藤井さんの「保存すべきだ」との意見を整備計画に採用しなかった点については、「(道路整備という)目的を達成させるためには反映できなかった」とする。 山下祐介・東京都立大教授(社会学)は「行政の考えに合った意見を恣意(しい)的に選び、施策の根拠付けに利用することはあってはならない。聴取した専門家から疑念を抱かれるのでは、手続きが不適切だったと疑わざるを得ない」と指摘する。また、今回の事例で専門家が匿名とされた点も問題視する。「政策決定に関わるようなケースでは、どの専門家がどのような発言をしたのか、行政は公表する責任がある。万が一、行政によって意見が捏造(ねつぞう)されても、区民には確認できないからだ」と話す。(武部真明) 藤井英二郎・千葉大名誉教授 「保存が最優先と答えた」 ◇… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ウクライナから日本に逃れた母娘の二重奏 カザルス願った平和の曲
戦禍のウクライナから逃れて東京都杉並区で暮らし始めたチェロ奏者の母娘が18日、同区役所ロビーで開かれたコンサートに出演した。日本の奏者と「ふるさと」を弾いた後、「私たちも『ふるさと』を思っています」と語り、150人ほどの聴衆からあたたかな拍手を送られた。 タチアナ・ラブロワさん(53)と、娘のヤーナ・ラブロワさん(30)。タチアナさんはキーウ(キエフ)、ヤーナさんはチェルニヒウで暮らしていたが、日本にいるタチアナさんの音楽仲間を頼り、ポーランド経由で3月末に来日した。 タチアナさんはウクライナ国立歌劇場のチェロ奏者で、ヤーナさんもプロの奏者。この日は、日本フィルハーモニー交響楽団が区役所のロビーで開いた公演にゲストで参加。母娘で弾いた、チェロによる二重奏曲(グリエール)など4曲を演奏した。 そのうちの1曲が「鳥の歌」。世界的チェロ奏者のカザルスが、平和への祈りを込めて演奏し続けたことで知られている。タチアナさんは聴衆に語りかけた。「私たちは破壊のためにこの世界にいるのではない。破壊という歌ではなく、鳥の歌を聴きたい」 ■会見で語った演奏できる喜び… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
見過ごされてきたひきこもり女性 生きづらさ語る「女子会」で居場所
2月上旬、ひきこもっていたり、ひきこもり経験があったりする人や家族が埼玉県所沢市の会議室に集まった。不登校やひきこもり、発達障害などの当事者らでつくる「ひきこもりUX会議」が開いた当事者会だ。 「どうにかしなきゃと思う時が一番どうにもならない。まずはのんびりお話から始めませんか」。自身もひきこもり経験がある代表の林恭子さん(55)が参加者に呼びかけた。 この日開かれた「ラウンジ」では経験談や交流を通じて生きづらさの解消をめざす。トークセッションや経験者の講演後、参加者は自分の立場にあった様々な交流会に参加できる。 その一つが「ひきこもり女子会」。この日は「家族関係」「人間関係」「世代別トーク」「夢ややりたいこと」「主催者に聞こう」などのテーマを設け、自らの経験を話しながら交流した。似たような境遇の人と出会い、語り、共感しあうことが目的だ。 「女子会があったら参加しやすい人がいるんじゃないか」と6年前から始め、これまでに160回以上開いて延べ4600人以上を集めた。林さんは「女性同士だからこそ共感できることもある。これまで当事者会などでは男性の参加者が多く、女性が参加しにくい雰囲気もあった。そこからまた女性の参加者が減る悪循環もあった」という。 過去の報道などから「ひきこもり=男性」のイメージが根強く、「女性は見過ごされた存在だった」と林さんはいう。女性に配慮した支援も遅れていると指摘する。 内閣府のひきこもりの実態調… この記事は有料会員記事です。残り743文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
インスタで「暴走あるらしいよ」 道交法違反容疑で少年逮捕 北九州
上月英興2022年4月18日 18時14分 バイクで暴走したなどとして、福岡県警折尾署は18日、同県水巻町のとび職と北九州市若松区の塗装工の、いずれも16歳の少年2人を道路交通法違反(共同危険行為など)の疑いで逮捕し、発表した。暴走は事件前に写真投稿アプリ「インスタグラム」で告知され、現場には観衆200~300人が集まり、署員約60人が出動する騒ぎとなったという。 署によると、2人は3月10日午後11時20分ごろ、中間市内の市道で約300メートルにわたってバイクと原付きバイクで並走するなどし、信号無視をしたり、対向車を停止させたりした疑いがある。また、塗装工の少年は無免許でバイクを運転した疑いがある。この少年は約30分後に車と接触し、足に軽傷を負ったという。 同日午前には、具体的な場所を明示して「10時半から暴走あるらしいよ! 3台か4台でバチバチと思うよ」などと投稿があり、署員が警戒していた。現場近くのコンビニは観衆の集結を受け、トイレを閉鎖。「はよ開けろちゃ」「殺すぞ」「ほっといてもするぞ」と脅したとして、観衆の女子高校生(16)が強要未遂の疑いで逮捕されたほか、公務執行妨害などの疑いで2人が現行犯逮捕された。(上月英興) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
強制不妊手術、20日に全国一斉の電話相談会 全員の被害回復を
2022年4月19日 5時00分 旧優生保護法(1948~96年)の下で障害者らに不妊手術が強制された問題で、全国の弁護団や弁護士会は20日に全国一斉の電話相談会を開く。 被害者の一部は全国各地で国に対して裁判を起こしており、大阪高裁は2月、東京高裁は3月に、国に損害賠償を命じる画期的な判決を出した。一方で3年前に施行された一時金支給法の申請者も少なく、被害実態を把握できていない状況だ。 電話相談会で弁護団などは、被害者とつながりを持って実態を国に伝え、全ての被害者が泣き寝入りせずに高い水準で被害回復されることを目指すという。 手術を受けた被害者だけでなく、親族や医療関係者らの相談も受け付ける。 都道府県ごとの電話番号は被害弁護団のホームページ(http://yuseibengo.starfree.jp/archives/2215)に。東京は03・5501・2151、大阪は06・6364・1811、福岡は092・721・1208、愛知は052・804・1251など。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
広島の5歳児死亡、防犯カメラに川沿いを1人で歩く姿 死因は水死
広島市西区の川岸付近で16日に倒れているのが見つかり、死亡が確認された男児(5)がその直前、川の周辺を1人で歩いている姿が防犯カメラの映像などに映っていたことが捜査関係者への取材でわかった。 男児はこの日、近くの市立保育園の園庭で遊んでいたといい、何らかの方法で園外に出た可能性があるとみられる。 広島県警は18日、男児の死因は水死だったと発表した。 捜査関係者などによると、男児が通っていた保育園には三つの門があり、二つは施錠されていた。正門は園児を迎えに来る保護者らが出入りするが、園の防犯カメラには男児がここから出る様子は映っていなかったという。 園の敷地は植え込みに囲まれているが、隙間が複数ある。一部は植え込みの内側にネットも張られている。 一方、県警が付近の防犯カメラや近くを通った車のドライブレコーダーを調べたところ、園の近くや、男児が倒れていた現場よりやや下流の川沿いで、男児が1人で歩いている様子が確認できたという。 どこから園外に出たかは「わからない」 現場の上流の岩場では、子どものものとみられる泥のついた足跡も見つかった。県警は、男児が川に転落して流された可能性もあるとみている。 県警によると、16日午後0… この記事は有料会員記事です。残り309文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル