1972年5月15日、米軍統治下にあった沖縄は日本に復帰しました。しかし、50年たったいまも米軍基地が集中する沖縄は、過度な負担を抱え続けています。基地問題は恩恵を受けるすべての人に関係するのに、自分のことと考えるのは難しい。そんな沖縄問題を遠く離れた本土の教室でどう教えるか。模索する教員たちがいます。 千葉県の公立高校で社会科を教えてきた永井英司さん(68)は、米兵による少女暴行事件が起きた1995年、いてもたってもいられず沖縄へ飛んだ。抗議やデモで騒然としていると想像した。だが、そこで見たのは静かな街と、けたたましい音で頭上を横切る米軍機だった。「これが沖縄の日常か」。教科書をなぞるだけでは伝わらない実像を知った。 その後は悲惨な戦争の歴史か… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
愛知、岐阜で楽しめる「世界ラリー選手権」どんな競技?
世界ラリー選手権(WRC)の日本大会「フォーラムエイト ラリージャパン2022」が11月10~13日、愛知、岐阜両県で開かれる。ラリーは、市販車をベースにした車で公道を走る自動車レース。WRCはその最高峰の大会で、F1などと並び「世界4大モータースポーツ」の一つとも言われる。どんな競技なのか。 里山や田畑が広がる日常の風景を切り裂くように猛スピードで走り去るマシン。鮮やかな運転技術を、観客に見せつけるようにドライバーと助手席のナビゲーター(コ・ドライバー)が連携し、コースの難所を駆け抜ける。公道を使う自動車競技ラリーの醍醐(だいご)味だ。 競技エリア「スペシャルステージ」(SS)は、愛知、岐阜県の10カ所余りに設けられる予定だ。ラリーカーは「リエゾン」と呼ばれる移動区間を経て、SSを1台ずつ走る。舗装道路だけでなく砂利道、季節によっては雪道など様々な路面を高速で走行。その合計タイムを競う。 SSの設定場所などの詳細は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
電化100年、記念のヘッドマーク列車が出発進行 高校生らデザイン
篠原大輔2022年4月3日 10時30分 【奈良】近鉄天理線(平端―天理間の4・5キロ)の動力が蒸気機関から電気になって、1日で100年。同日、天理駅構内で電化100周年記念式典があり、小学生と高校生がデザインしたヘッドマークをつけた列車の運行が始まった。 記念式典の最後に、大阪上本町駅を出発した臨時急行が天理駅へ入ってきた。同駅間の直通運転も100年前の4月1日に始まった。臨時急行には天理市内の小学生がデザインしたヘッドマークが先頭と最後尾についていた。 2月中旬に近鉄と天理市教育委員会が沿線の高校や市内の小中学校に記念ヘッドマークのデザインを依頼。約70点の応募作から5作品が選ばれた。1日から30日まで、平日は午前10時台から午後4時台の天理線40本、土日祝日も同時間帯の32本の列車に取り付けられる。 天理高校3年で美術部の乾美咲さんは、ホームに立つ女子高生の前を列車が通過し、スカートが風でなびく様子をデザインした。「100周年と聞いて、駆け抜けてきた電車が走り続けていくというイメージで作りました。いつも乗ってる電車に自分の作ったヘッドマークがつくなんて信じられないです」と笑った。(篠原大輔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
女性活用、女性のためにやるな 「フロントランナー」が断言するわけ
「『女性の人権のため』に女性活用をするから、日本はダメなんだ」 当時48歳で日本IBM初の女性取締役になった内永ゆか子さん(75)は、女性活用のあり方についてこう断言します。今から20年前、朝日新聞土曜版「be」の「フロントランナー」初回に登場した内永さんは、今も女性活躍のためのNPO法人理事長を務めるなど、時代の先端を走り続けています。そんな内永さんに、聞きました。この20年間、「日本の女性」を取り巻く風景は、変わりましたか? ――お手元に20年前の「be」があります。ご自身の記事に「男性だけで世界に通じますか?」という見出しが躍っていますね。読んでみていかがですか。 一生懸命やったのに…下がってしまったジェンダー指数 私、今と同じことしか言っていないですね。むしろ、日本社会は退行している。男女平等を示す世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ指数」などは、順位が落ちています。 ――指数の発表が始まった2006年、日本は115カ国中79位だったのに、今は156カ国中120位。ショックです。 この10~15年の間、日本も女性活用を一生懸命やりました。でも、世界はもっと、ものすごい力を入れて推し進めてきた。 なぜか? この間、テクノロジーの進歩によりビジネスのスピードがどんどん速くなり、世界が狭くなっていった。もはや改善活動などでは競争に勝てない。ビジネスモデルを変えないと、勝てなくなってきたんです。成功体験を同一にする、過去の成功体験の額縁からしかものを見ていないリーダーばかりが集まっても、ビジネスモデルは変えられない。意思決定するグループの中に、違う価値観やバックグラウンドを持つ人間を入れる必要があるということで、戦略として女性をはじめとした多様な人間を、世界は経営に入れるようになった。世界共通のマイノリティーで一番数が多いのは女性ですからね。ビジネスの世界の人間は多様性が戦略だと気づいたのです。 ――「成功体験を同一にする、過去の成功体験の額縁からしかものを見ていない」とは。 「電話機で成功した人たち」だけじゃダメ 電話を例にとりましょう。黒電話から始まって携帯電話、ガラケーが生まれ、スマホになりましたが、今、スマホを電話機だと思っている人はいませんよね。当然電話機の機能はありますが、もはや世界とつながるための「私のプラットフォーム」で、そこでビジネスを受け、友達も作る。電話機を提供している人がビジネスリーダーだと思っていたら、違った。プラットフォームの仕組みを提供している人間だったわけです。同じ成功体験、価値観だと電話機止まり、同じビジネスモデル止まりなんです。 日本はまだ、女性活用を「女性の人権のため」と思ってやっている。政府が言っているから、とかね。それはもちろん大切ですが、女性のためにと思ってやると間違える。そうじゃなくて、違う価値観を入れ、多様な人材を生かすための最初の一歩なんだと。経営戦略の手法としてやらないと、女性活用は進まないんです。女性のための女性活用としてやるからうまくいかない。 ■経営戦略としての女性活用… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「不思議な列車」伊予灘ものがたり2代目が出発 たぬき駅長ら出迎え
福家司2022年4月3日 11時30分 JR予讃線の観光列車、伊予灘ものがたり(松山―伊予大洲・八幡浜間)の2代目車両による運行が2日始まった。松山駅では記念の出発式典があり、初代車両のラストランから約3カ月ぶりとなる運行再開を祝った。 式典では、JR四国の西牧世博社長が「2代目の伊予灘ものがたりが四国、愛媛の観光振興のきっかけになるよう、新たな物語を皆様と紡いでまいりたい」とあいさつ。テープカットの後、野本明人駅長や国、県、沿線各市関係者らの出発合図で初便「大洲編」が発車。乗客は車窓に広がる満開の桜や穏やかな伊予灘を望み、春の旅を楽しんでいた。 沿線の各駅などでは住民らによる歓迎の「おもてなし」に沸いた。五郎駅(大洲市)でも、住民の扮する名物の「たぬき駅長」が列車を迎えた。「たぬき駅長」を長年続ける井上金徳さん(80)は「伊予灘ものがたりはみんなを笑顔にする不思議な列車。2代目の車両もすばらしく、今日は待ちに待った日でうれしい」と話していた。 2代目は初代の普通用から特急用車両となり、1両増え3両編成になった。外観は夕日に映えるメタリック塗装が施され、定員最大8人の個室も新設されている。JR四国によると、初日と3日は満席。4月の予約率(3月31日現在)も8割を超えている。(福家司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
たった一度の花見 亡き母に、今年も桜の下で 神戸・王子動物園
たった一度だけの、母との花見。王子動物園(神戸市灘区)の桜を見ると、その日の記憶がよみがえる。 「明日、花見行くで」 63年前の4月、小学6年生だった田村稔さん(75)に、母のキヨさんは突然告げた。 晴天の日曜日。2学年下の妹と母の3人で10分ほど歩き、動物園に行った。満開の桜の下には、大勢の家族連れがいた。敷いたござがあおられるほどの、冷たい風が吹く。母の甘い卵焼きが入った弁当には、花びらではなく砂が入った。 「早めに帰ろ。花見どころやないわ」 髪を押さえて、母が言う。結局、1時間ほどで花見は終わった。 花見の前年、田村さんの父は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地震で脱線の東北新幹線、郡山―福島が再開 山形新幹線も東京直通に
福島県沖で先月16日に起きた地震の後、不通となっていた東北新幹線の郡山―福島間が2日、臨時ダイヤで運転を再開した。通常の半分ほどの本数だが、半月ぶりに東京―福島間が直通となった。あわせて山形新幹線も東京までの直通運転を再開。福島駅と山形駅の新幹線ホームは、久しぶりににぎわった。 この日、朝日に照らされたJR福島駅の新幹線ホームは、スーツケースや大きな荷物を手にした人たちが行き交っていた。新幹線が到着するたび、多くの乗客が乗り降りした。 間もなく都内に転勤する仙台市の会社員女性(24)は、住まいを選ぶために東京へ行くという。朝4時に起きて在来線で1時間半かけて福島まできて、9時過ぎの上り新幹線に乗り込んだ。「福島まで復旧したのはよかったけど、まだ不便ですね。早く仙台から乗れるようになってほしい」 一方、新庄―福島間で折り返し運転をしていた山形新幹線「つばさ」は、通常の75%にあたる上下計24本の臨時ダイヤで東京まで運転を始めた。 群馬県太田市のガードナー菜穂子さん(41)は、小学校3年の長男陽輝(はるき)君(8)と山形駅で上り「つばさ258号」に乗ろうとしていた。地震の後、新幹線と在来線を乗り継いで山形市内の祖父母宅に帰省し、直通運転の再開を待っていた。親子は「行きは車内がぎゅうぎゅう詰めでしんどかったが、きょうは座れるのでうれしい」と話した。 山形市の伊藤智彦さん(47)と妻の恵里奈さん(46)は、新幹線が大好きな長男翼玖(たすく)君(3)とともにホームの新幹線を見物にきた。親子3人で直通運転の再開を喜んでいた。 東北新幹線は、地震の際に東京発仙台行きの「やまびこ223号」が脱線したほか、あちこちで高架橋や電柱の損傷が見つかり、那須塩原―盛岡間で運転を見合わせた。約1週間後に那須塩原―郡山間と一ノ関―盛岡間で運転を再開したほか、脱線した車両を移動させるなどして復旧作業が進められている。 JR東日本によると、東北新幹線の残る不通区間のうち、仙台―一ノ関間は4日に、福島―仙台間は20日前後にそれぞれ再開し、全線が復旧する見通しだ。(福地慶太郎、辻岡大助) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
花で醸す「クラフトサケ」同級生2人の挑戦 海外で日本酒造りめざし
日本酒の醸造方法を用い、季節のエディブルフラワー(食用の花)や果物を加えた酒をつくっている醸造所がある。きっかけは、中学時代の同級生2人が抱いた、海外での「日本酒」づくりという夢。コロナ禍ですぐの実現はかなわなかったが、地元・福岡で新しい酒造りに挑み、世界進出の夢を追い続けている。 福岡市中央区の住宅や店が立ち並ぶ一角に、醸造所を併設したパブ「LIBROM Craft Sake Brewery(リブロム クラフト サケ ブルワリー)」がある。昨年5月にオープン。客席からは、醸造タンクや作業の様子を見ることができる。 福岡県産のイチゴ「あまおう」を使った酒は、上品な香りが特徴で、甘みが口いっぱいに広がる。これまで2回つくったが、いずれもすぐに完売する人気ぶりだった。 代表の柳生光人さん、醸造責任者の穴見峻平さんはともに北九州市出身の29歳。中学の同級生で、同じサッカー部だった。 店名の「LIBROM」は、イタリア語の「自由」と「ロマン」を掛け合わせた造語だ。自由な醸造で、ロマンあふれる酒造りを目指したいという思いを込めた。 柳生さんは、大学時代に何度も訪れたイタリアで酒造りを思い立った。 当時、留学や海外旅行を経験… この記事は有料会員記事です。残り1131文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「心崩れた」ランドセルと遺体 捜査1課の刑事がカレー屋になるまで
京都市中心部のビジネス街に、30種類以上の豊富なメニューで人気のカレー店がある。 「欧風カレーハウス ガーネッシュ」。日本三大祭りの一つ、祇園祭の山鉾(やまほこ)をイメージして、山に見立てたメレンゲがつく「鷹山(たかやま)カレー」が名物だ。 店を切り盛りする吉野明彦さん(61)は元刑事。52歳で京都府警を早期退職し、2014年に店を開いた。 古巣の捜査1課の後輩たちは出前の常連だ。 夜にカレーを食べると火事や事件が起きてしまうというジンクスがあるらしく、注文が入るのは決まって昼どき。「コロナ禍のなか、本当にありがたい」 振り返ると、転機は2011年3月11日だった。 船に乗っているような長い揺れ。 「何が起こってるんや」 吉野さんは府警本部にいた。少しして、建物や車が流されるテレビの映像が飛び込んできた。 東日本大震災。全国の警察官が、支援部隊として被災地へと向かった。吉野さんもその一人だった。 医師にみとられなかった遺体… この記事は有料会員記事です。残り1181文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【5/10まで】記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
入学式、東海大が一新 式典やめて屋外で歓迎イベントに なぜ?
コロナ禍のもと、各大学でサークル活動が制限されるなどして学生の孤立が課題となるなか、東海大学湘南キャンパス(神奈川県平塚市)で1日、新入生に早くキャンパスになじんでもらおうと、従来型の入学式の代わりに歓迎イベントが開かれた。昨年までは、体育館などの会場で壇上から語られる話を新入生が聞く形の入学式だったが、今年はクイズラリーなど新入生が楽しめる企画を在校生と職員で練ったという。 イベントは「Tokai Entrance Festival」。感染予防のため、新入生6千人弱を2日間に振り分けた。 1日午後、同キャンパスでは、地図を手にした新入生たちが歩き回っていた。1グループ5人ほど。構内100カ所にクイズの紙が貼り出され、解いた数を競う趣向だった。 地図を見ながらほかのメンバーと相談していた男子学生は「まだ友達もできていないけど、初めて会った人と話しながらキャンパスを歩き回れて楽しい」。大分県出身で一人暮らしを始めたばかりの女子学生も「かしこまった式典より面白かった」と話した。 他大学を招いたラグビーと女… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル