オウム真理教による地下鉄サリン事件から20日で27年となった。現場の一つとなった東京メトロ霞ケ関駅(東京都千代田区)ではこの日、駅員が黙禱(もくとう)し、献花台に花を供えて犠牲者を悼んだ。 事件では、オウム真理教の信徒らが地下鉄日比谷線、千代田線、丸ノ内線の5車両でサリンを発生させた。21~92歳の乗客や駅員ら14人が死亡し、6千人以上が重軽傷を負った。 霞ケ関駅助役だった夫の一正さん(当時50)を失った高橋シズヱさん(75)も同駅で献花した。サリンが入ったナイロン袋を片付けた一正さんは、搬送先の病院で亡くなった。 シズヱさんは「若い人に『事件が起きた実感がない』と言われる。経過だけでなく被害者や遺族の気持ちもきちんと伝えていきたい」と話した。 2018年には、事件に関与… この記事は有料会員記事です。残り179文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「またか」相次ぐ地震に戸惑う岩手県民 沿岸を中心に強い風雪被害も
西晃奈、唐沢俊介2022年3月20日 13時24分 また大きな揺れに見舞われた。18日午後11時25分、岩手沖を震源とする地震があり、野田村で最大震度5強を、普代村では震度5弱を観測した。気象庁は今後1週間ほど、同じくらいの強さの地震に注意が必要だとしている。相次ぐ地震に県民は戸惑いを見せる。 野田村では、破損したコンクリート製の煙突が木造の民家に落ち、屋根の一部が壊れた。けが人はいなかった。また、県道安家玉川線で土砂崩れがあり、一時通行止めになった。 同村の30代男性職員によると、自宅で揺れを感じてからスマートフォンの緊急地震速報が鳴った。「またか」。焦ったが、津波の心配がないという一文をスマホで見て、「安心感が違った」。その後、役場に駆けつけたが、庁内の資料が散乱するなどはなかった。 震度4を観測した宮古市職員の40代男性は「揺れは感じたけど短かったので怖さはなかった」と話した。 県は19日、災害対策本部員会議を開いた。同日午後2時半現在の集計で、人的被害は出ていないとした。 19日は揺れが大きかった沿岸を中心に、強い風雪による被害が目立った。民家の窓ガラスが割れたり、停電が多発したりした。(西晃奈、唐沢俊介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
せっせと働いたリツさん、最期の言葉は「ありがとう」
「あおいけあ」社長 加藤忠相さん 私は、神奈川県藤沢市で「あおいけあ」という小規模介護施設の社長を務めています。三つの小規模多機能型の介護施設「いどばた」「おたがいさん」「おとなりさん」、認知症グループホーム「結(ゆい)」を運営しています。ポリシーは、最期まで役割をもって生きてもらう、ということです。3回に分けて紹介します。 まずは「結」の小筆リツさんのケースについて。 リツさんが初めて結に来たのは、2009年12月でした。83歳の時でした。栃木県の農家の出身で、2人の子どもを愛してやまない、根っからの良妻賢母でした。毎朝早く、パジャマ姿に前掛けをして台所へ出ました。 日中は、掃除や洗濯、庭掃除… この記事は有料会員記事です。残り1056文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「離れて暮らすと会いたくなる」 結婚した三女、今家族の存在を思う
札幌を早朝に出た特急列車が、待ち合わせ場所の新函館北斗駅(北海道北斗市)に着いた。夕張市の谷口家8人きょうだいの5番目で三女の小雪さん(23)は、結婚して北斗市に住む。久しぶりに会うので顔が分かるか自信がない。改札口で携帯を鳴らすと、黄色いジャケットのすらりとした若い女性が電話を取るのが見えた。 初めて取材した10年前は中学1年生。次女麻保さん(28)や弟の慎策さん(20)、誇吾郎(こごろう)さん(18)たちと一緒に夕張市内の民謡教室に通っていた。 歌がうまかった。伸びのある声で、先生からも「筋がいい」と太鼓判を押されていた。 中学校に入り、バレー部と民… この記事は有料会員記事です。残り799文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
水草はOK、カメはかわいそう?「ため池マン」が示す駆除のジレンマ
1月末の兵庫県稲美町。県内最古とされるため池「天満大池」のほとりには、県の絶滅危惧種となっている多年生の水草「アサザ」を守るため、子どもからお年寄りまで、150人ほどが集まっていた。 マントを翻し登場したのは、兵庫のため池の環境を守るために生まれた正義のヒーロー「ため池マン」。来場者に向かってポーズを決めると、「強敵の外来植物、ナガエツルノゲイトウを倒しに行くぞ!」と声を張り上げた。 「強敵」と言われたナガエツルノゲイトウ(ナガエ)は南米原産の水草。米国や豪州にも外来種として入り込んでおり、茎の節一つからでも再生してしまう。 「冬なので地上部が見えませんが、根をわずかに残しただけで繁殖します。ブロックの隙間に入り込むと、なかなか取れません。下流の町の100カ所以上にはびこっています」 生き物が死ぬことは、時に悲しくつらい。それでも人は、様々な理由でいのちを奪い、助けることをあきらめる。「かわいそう」と断じるにはあまりある思いを抱えて。様々な生き物の最期に向き合った現場からの報告です。 生物の専門家などでつくる兵庫・水辺ネットワークのメンバーで、天満大池の活動にもかかわる碓井信久さん(68)がナガエの生息地を指し示しながら説明すると、参加者からため息が漏れた。 「水陸両用」、ナガエの生態 ナガエは「地球上で最悪の侵… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
車いすの14歳、ねぶた愛をかなえた医師の提案 挑む姿はDVDに
祭りがなくなっても、車いすでも、ねぶたを楽しもう――。昨夏、難病と闘う青森市の少年が、開催されるはずだった青森ねぶた祭の運行ルートを、車いすで練り歩いた。その様子は映像におさめられ、ねぶたを楽しみにしている全国の障害者らに届けられている。 昨年8月3日夕方、青森市の青い森公園。ボランティアたちのねぶた囃子(ばやし)に囲まれながら、小山内龍弥さん(14)が車いすで歩み始めた。ところどころ段差を乗り越え、本町方面を回って約2キロ。「体力がもたないのでは」と車で並走した母親の美和子さんの心配をよそに、浴衣姿の龍弥さんはしっかり座り続け、運行ルートを練り歩いた。 龍弥さんは、難病「毛細血管… この記事は有料会員記事です。残り959文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
池袋事故遺族への中傷投稿、警視庁が20代男を聴取 関与認める供述
東京・池袋で2019年4月に起きた車の暴走事故で妻子を亡くした松永拓也さん(35)がSNSで誹謗(ひぼう)中傷された事件で、警視庁が愛知県に住む20代の男から任意で事情を聴き、男が関与を認める供述をしたことが捜査関係者への取材でわかった。 警視庁は19日午前、男の自宅を捜索し、携帯電話などを押収した。 松永さんのツイッター投稿に対して11日、「金や反響目当てで、闘っているようにしか見えませんでした」との返信があり、松永さんから相談を受けた警視庁が侮辱容疑で捜査を始めた。16日には被害届も受理していた。 捜査関係者によると、過去の… この記事は有料会員記事です。残り295文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナで悔し涙を流した医師、中学生が励まし続けた 卒業前に初対面
新型コロナウイルスと向き合い、悔し涙を流した医師と、励まし続けた地元の中学生たち。卒業式を前に初めて対面した。「ありがとう」を伝えるために。 周囲の山に雪が残る群馬県沼田市の沼田市立利根中学校(生徒53人)の多目的ホール。卒業式前日の3月10日、拍手に包まれた。同じ市内の利根中央病院に勤める鈴木諭医師(41)が、3年生21人と対面した。 鈴木諭医師(右)に寄せ書きと木製マグネットを贈る生徒たち=2022年3月10日、群馬県沼田市利根町追貝、張春穎撮影 鈴木医師は2020年2月、災害派遣医療チーム(DMAT)の先陣として、横浜港に停泊するクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号に乗り込んで以降、新型コロナと向き合ってきた。 協力したのに「悔し涙」 その理由とは 悔し涙を流したのは、その年の4月。東京都などに出た最初の緊急事態宣言が、全国に拡大した頃だ。 利根中央病院も協力しようと… この記事は有料会員記事です。残り1020文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
マスクで歌OK、保護者の参加増… コロナ禍の卒業式、制限緩和も
新型コロナウイルスの感染「第6波」が収まらないなか、各地の卒業式では、昨年より制約をやや緩める動きが出ている。マスクを着けての校歌斉唱を認めたり、保護者の参加人数を増やしたり。コロナ下で迎えた3度目の卒業シーズン。感染対策と思い出づくりを両立させようと、模索が続いている。 東京都世田谷区の区立富士中学校(生徒数326人)で18日にあった卒業式。卒業生94人がマスクを着けたまま校歌を斉唱した。歌が認められなかった昨年にはなかった光景だ。 会場の体育館には約300人が集まった。保護者は約150人。昨年は生徒1人につき1人までだったが、今回は2人までに緩和され、門出を祝った。 感染防止のため学校は式の前にマスク着用を求めるアナウンスをし、入り口を開けたままにして換気した。卒業証書授与では壇上に上がる生徒一人ひとりがマスクをはずして保護者らに顔を見せた。 卒業生代表あいさつで上平美優希さん(15)は「コロナ禍の2年間は不安と戸惑いの連続。受験生なのにどうして、という思いもあった」と振り返り、「不安な気持ちに寄り添ってくれた」と両親に感謝の言葉を贈った。 式の後、生徒たちは校庭へ出て先生と談笑したり、保護者に写真をとってもらったりした。永松沙羅さん(15)は中学生活を振り返り、「コロナで不自由なことが多くてつらかったけど、先生方が工夫してくれて楽しかった」と話した。一斉休校のあった2020年3月以降、体育大会や合唱コンクールが軒並み延期に。それでも規模を縮小するなどして代わりの行事で思い出をつくった。 卒業式1週間前の「駆け込み修学旅行」 卒業が間近に迫った今月10… この記事は有料会員記事です。残り1445文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
特産イチゴ、町内の子ども全員の卒業祝いに コロナ対策で一石三鳥
渡辺純子2022年3月19日 16時39分 福岡県筑前町が、町内の小中学校と幼稚園、保育園を巣立つ約800人全員に、卒業祝いとしてイチゴを贈っている。今年初めての取り組みだ。 お祝いしながら町の特産をPRし、コロナ禍にあえぐ観光イチゴ農園も支える「一石三鳥」。経費約150万円は、コロナ対策の国の臨時交付金を使った。 大きな「あまおう」2パックずつをもらい、子どもたちは「大好き」と喜んだ。卒業祝いは花が定番だが、「花よりイチゴ」と保護者たち。(渡辺純子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル