久保田侑暉2022年1月24日 16時00分 新型コロナウイルス感染の急拡大を受け、大阪府の吉村洋文知事は24日、府の独自基準「大阪モデル」に基づいて「非常事態」を示す赤信号を同日点灯すると発表した。府が確保する病床全体(3734床)の使用率が非常事態の目安の50%に達する見通しとなったため判断した。感染者のうち入院している人の割合を示す「入院率」は23日時点で、3・7%まで低下した。 吉村知事は記者団の取材に応じ、「オミクロン株急拡大による非常事態」を宣言した。コロナ病床の逼迫に加え、一般医療との両立が困難になる恐れがあるとした。 大阪市内の国際展示場に設置している「大阪コロナ大規模医療・療養センター」(1千床)を1週間以内に開設することも明かした。医療機関や宿泊療養施設で感染者を受け入れきれない「災害級」の状況に備えて整備しており、自宅療養者が2万人を超えるなかで「一時避難」の場として運用を始めるという。 政府は25日に大阪、兵庫、京都3府県などへの「まん延防止等重点措置」の適用を決定する方針だが、大阪府は緊急事態宣言の要請も視野に入る状況となった。 府は8日から大阪モデルで「警戒」を呼びかける黄信号を点灯しており、感染急拡大に伴って赤信号に移行する。23日の確保病床の使用率は47・8%となり、1週間前より20・7ポイント上昇した。内訳は軽症中等症病床(3122床)が56・4%、重症病床(612床)が3・8%。 府は21日、軽症中等症病床について最も深刻な「フェーズ5(災害級非常事態)」に移行し、確保病床3122床すべてで患者をすぐに受け入れられる態勢をとるよう医療機関に要請したが、看護師の配置などが整うまでには2週間程度かかる。軽症中等症病床のうち患者をすぐに受け入れられるのは23日時点で2617床で、使用率は67・3%にのぼる。 府は7日、入院は「中等症以上」「65歳以上で重症化リスクがあり、発熱が続くなどの症状がある人」などに限定する方針を打ち出した。今月中旬以降の感染者急増に伴い、23日時点の入院患者は1785人、宿泊療養者は2700人、自宅療養者は2万4195人、入院・療養先調整中は1万9357人で、入院率は3・7%となった。(久保田侑暉) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
つり橋工事めぐり、富山市建設部長を逮捕 官製談合防止法違反の疑い
野田佑介2022年1月24日 16時00分 富山市が整備を進めているつり橋工事の設計業務を巡り、特定の業者が受注できるように便宜を図ったとして、富山県警は24日、同市建設部長の舟田安浩容疑者(58)=富山市五艘=を官製談合防止法違反の疑いで逮捕し、発表した。 県警は、業務を受注した建設コンサルタント会社「パシフィックコンサルタンツ」(東京都千代田区)の社員西上律治(54)と、デザイン会社「ジイケイ設計」(同豊島区)の社員西元咲子(43)の両容疑者についても、公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕した。県警は3人の認否を明らかにしていない。 捜査2課によると、舟田容疑者は市建設部次長だった2019年4月、富山市が市内で整備を進めている全長124メートルのつり橋「呉羽丘陵フットパス橋梁(りょう)」の設計業務を、企画提案内容などを総合評価する「プロポーザル方式」で公募した際、両社が受注できるように市が求めるコンセプトや提案限度額などを公表前に両社に漏らすなどして便宜を図り、公正な入札を妨害した疑いがある。 設計業務は、両社で作る共同事業体が同年7月に受注している。(野田佑介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
中学受験本番、こんな親の行動には要注意 おおたとしまささん
今年も中学受験本番のシーズンになりました。試験直前や当日、親はどんな言葉をかければいいのでしょうか。また、残念ながら第一志望校に不合格になったら、親はどうふるまうべきでしょうか。 中学受験に詳しい教育ジャーナリストで、朝日新聞デジタルの「コメントプラス」のコメンテーターでもある、おおたとしまささんに心構えを聞きました。 ――試験直前なのに子どもがふざけているように見えるときは、どうすればいいでしょうか。 この時期は子ども以上に親がハラハラドキドキするものですが、これはもう親心ですからしょうがないと思います。 親がナーバスになる一方で、子どもが何だかのんきなことをしているように見える、というのは「あるある」です。 そこで「もう入試○日前か、わかってるの!」といった言葉によって親の不安をぶつけてしまうと、「じゃあもう勉強しない!」というバトルに発展してしまいます。 子どもの精神状態を想像してみてほしいんです。実はものすごく緊張し、プレッシャーを感じているからこそ、反動で逆のことをしてしまうというのは、よくあること。ダメ出しするのではなく、落ち着ける雰囲気を作るようにしてほしいです。 Apple Podcasts や Spotify ではポッドキャストを毎日配信中。音声プレーヤー右上にある「i」の右のボタン(購読)でリンクが表示されます。 ――入試当日の朝は、どんな言葉をかけるべきでしょうか? 子どもは当然緊張しますし、親も吐きたくなるほど緊張すると思います。お子さんと数年間、決して楽ではない受験勉強を並走してきたわけですから、親御さんにも万感の思いがあるでしょう。 それでついつい、かっこいい… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
トンガ支援で海自輸送艦「おおすみ」出港へ 飲料水や高圧洗浄機など
広島県呉市の海上自衛隊呉基地で24日午前、海底火山の噴火で被害を受けた南太平洋・トンガの緊急援助に向かう海自輸送艦「おおすみ」(全長178メートル、基準排水量8900トン)に、支援物資を積み込む作業が始まった。準備が整い次第、出港する。 呉基地によると、搭載したのは国際協力機構(JICA)が用意した飲料水(6万リットル)やポリタンク、火山灰を取り除く高圧洗浄機60台など。新型コロナウイルス対応のため、PCR検査をした海自と陸上自衛隊の隊員計約300人が乗り、約10日かけて現地に向かう。 この日早朝から、呉基地に物資を積んだトラックが続々と到着し、隊員らが仕分けをして運び入れた。同艦にはこのほか、海自のエアクッション型揚陸艇「LCAC(エルキャック)」と陸自の大型ヘリコプターCH47各2機、トラックなども搭載する。 防衛省はすでに、航空自衛隊の輸送機を20日に支援に派遣している。(能登智彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
伝説上の「麒麟」のランタン、一夜限り点灯 昼も展示 京都の萬福寺
小西良昭2022年1月24日 13時00分 京都府宇治市の萬福寺(まんぷくじ)で23日夜、伝説上の生き物・麒麟(きりん)を模したランタンがともされた。同寺を開いた中国の僧・隠元禅師の350回忌となる今年、寺は中国のランタンをそろえたフェスティバルを企画しており、その一夜限りの試験点灯だ。 ランタンは高さ約2・5メートル、長さ約2・8メートル。色のついた水を入れた3センチほどの小瓶をランタンの表面に敷き詰めており、昼に見ても美しいという。フェスティバルはコロナ禍収束後に開く予定。時期が見通せず、ひとまず春までは点灯せずに境内で展示する。 担当する僧の内藤香林(こうりん)さん(70)は「隠元禅師と、ゆかりの寺を広く知ってもらい、コロナ後に訪ねてほしい」と話す。今回の点灯は中国のテレビ局が旧正月(春節)に放映する予定だという。(小西良昭) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「~が?」「ちや」土佐弁と富山弁、似ている? 記者が謎に迫った
太平洋側の高知と日本海側の富山。直線距離で500キロ近く離れた両県の方言、土佐弁と富山弁が似ていることに、富山県出身の記者が気づいたのは、京都に住んでいた大学時代だった。 海の向こうに立山連峰が見渡せる富山県の雨晴海岸=富山県提供 「どこにおるが?」(どこにいるの?)は、富山県民なら老若男女、誰でも使う方言だ。ところが、関西弁が主流の大学で、後輩が耳慣れた「~が?」を使っているのを耳にし、驚いた。その後輩は高知県の出身だった。 高知県の代表的な景勝地、桂浜=高知市浦戸 あれから数年。記者は高知と同じ四国の香川県に赴任した。土佐弁と富山弁は本当に似ているのか、それはなぜなのか。その疑問を確かめるべく、四国山地を越え、高知へ向かった。 用意したのは、富山県民がよ… この記事は会員記事です。残り1522文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
繁殖引退犬を引き取る保護団体 「下請け愛護」、業者延命の手助けか
「里親探しに困ってませんか?」「うちで引き取りますよ」。神奈川県内の犬の繁殖業者のもとには、そんな電話やメールが毎月のように寄せられている。相手は動物愛護団体。繁殖から引退させる犬を求め、連絡してくるという。「ほかのブリーダーさんのところに『犬が足らない』と言って連絡してきた団体もある。団体間で、業者の犬の取りっこが始まっているようです」 動物愛護団体の多くはこれまで、もともと野良だったり、捨てられたりして地方自治体に収容された犬を保護し、それらを「保護犬」として新たな飼い主に譲渡する活動に力を注いできた。だが2020年度に全国の自治体が引き取った犬は2万7635匹。00年度には28万匹余りが引き取られていたから、この20年で10分の1まで減ったことになる。自治体の収容数が減れば、自治体を通した保護活動は下火になってくる。こうしたなか、業者の犬を引き取り、保護することに軸足を移す団体が増え始めているのだ。 先の業者も、以前は自分たちで繁殖引退犬のもらい手を探していた。そのために面と向かって「(繁殖犬の)使い捨てだ」と非難されることもあった。だが数年前から、動物愛護団体に引き取ってもらうようになった。「自分でもらい手を探すより楽。どんどん持っていってくれて助かってます。『使い捨て』批判も受けなくて済む。繁殖を続けていくのに、いまは団体さんがいないと困るというのが現実」と歓迎する。 ただ、業者の犬を引き取って… この記事は会員記事です。残り1281文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「運転やめる」73歳の決断 免許返納、増える高齢ドライバーの事情
高齢の運転者による事故が後を絶たない。ただ、免許の自主返納を勧められても、加齢による衰えを認めなかったり、生活に支障を来したりで、返納に応じられない高齢者も多い。そんな中で、「運転をやめる」と決めた73歳の男性に、決断の理由を聞いた。(古田寛也) 大阪市住吉区の男性(73)は昨年12月中旬、自身の軽乗用車を処分した。 運転歴は50年。製本会社や清掃会社で働き、通勤や仕事で毎日のように運転してきた。一昨年に清掃の仕事を退職してからも、買い物や、手術を受けた右足のリハビリのための通院で、ハンドルを握らない日はほとんどなかった。 いまは20代の息子と2人暮らし。「もう年だし、運転はやめたら」と息子から諭されることはあったが、車のない生活は考えられなかった。「自分はまだ大丈夫」と言い聞かせてきた。 12月半ばだった。買い物を終え、自宅まで約2キロのいつもの交差点にさしかかった。前方に赤信号で停車している車が見え、ブレーキを踏む。だが、止まりきれずに追突した。双方にけがはなかったが、距離感やブレーキを踏む感覚が鈍っていることに気づいた。 「前に車がなかったら、そのまま横断歩道で人をはねていたかもしれない」。3日後に車を手放した。 事故後に足が痛むようになり、通院のタクシー代は自動車保険でカバーしている。ただ、いつまで支払われるかは分からない。「往復でタクシー代が3千円以上かかる。年金生活でこの負担はきつい」 高齢者を対象に開かれた免許返納の相談会で、判断能力などを測るテストを受ける参加者(手前)。光ったボタンを押す速さと正確さを計測する=2021年12月14日、大阪市住吉区山之内4丁目、古田寛也撮影 リハビリの通院先へは車なら10分だが、公共交通機関となると、1時間に1本のバスで30~40分かかる。転倒防止のために歩行器のレンタルを始めたが、雨や風の日はつらい。 息子は日中、仕事があってサポートは期待できない。男性は「薬を一度に多く出してもらい、通院回数を減らすしかないかな」と話す。 地元の社会福祉法人に相談し… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
外環道の工事再開に向けて住民説明会 東京・調布の市道陥没めぐり
高橋淳2022年1月24日 9時04分 東京都調布市で市道が陥没し、工事が中断している東京外郭環状道路(外環道)について、東日本高速道路(NEXCO東日本)は23日、練馬区内で、再発防止策に関する沿線住民向けの説明会を開いた。同社は、陥没地点とは反対側の大泉側本線などについて工事を順次再開する方向だが、時期は未定という。 午後4時からの説明会には住民約15人が参加。同社側は陥没の原因について掘削マシンへの土砂の取り込み方に問題があったなどと説明した。今後は取り込み量の管理を厳しくし、振動・騒音対策についても積極的に情報公開するなどと理解を求めた。住民からは「コロナ禍で参加者も少なく、これで納得は得られない」などの意見が出た。(高橋淳) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
勝野→受験に勝つの 呼野→幸せを呼ぶの 合格祈願の駅名お守り
受験生の合格祈願にと、JR九州が縁起のよい駅名をもじったお守りをつくった。1個1千円で、2月1日に福岡県の直方駅など5カ所で発売する。 筑豊線の「勝野駅」に「受験に勝つの」、日田彦山線の「呼野駅」に「幸せを呼ぶの」の願を掛けた。「勝」「幸」の文字や駅名がお守り袋に刻まれた。 筑豊地区の社員が「勝野」の駅名にヒントを得て企画。「受験が終わったら袋の中身を見て下さい」。鉄道会社ならではの、ねぎらいの心を忍ばせている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル