吉本美奈子2021年12月26日 19時30分 「ねぼとけさん」の愛称で知られる釈迦涅槃(ねはん)像の1年間の汚れを落とす「御身拭(おみぬぐ)い」が26日、福岡県篠栗町の南蔵院で行われた。今年一番の寒さの中、約200人の参拝客は新型コロナウイルス感染防止のため、1カ所にとどまらず進みながら拭き上げた。横たわった像は全長41メートル、高さ11メートル。参拝客は白いさらし、僧侶は竹ざさを使い、ほこりを払っていった。(吉本美奈子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「数年に一度」の強い寒気、太平洋側も大雪の恐れ 交通機関に影響
2021年12月26日 18時56分(2021年12月26日 19時34分更新) 「数年に一度」の強い寒気が北から流れ込み、26日も日本海側を中心に雪が強まった。大雪は28日まで続く見通しで、太平洋側の平地でも大雪となる恐れがある。気象庁が大雪や暴風雪への警戒を呼びかけているほか、国土交通省も不要不急の外出を控えるよう求め、冬タイヤやチェーンの装着の徹底を呼びかけている。 気象庁によると、26日午後6時時点での24時間降雪量は、新潟県妙高市で68センチ▽群馬県みなかみ町74センチ▽鳥取県大山町76センチ▽福島県只見町66センチ▽京都府舞鶴市44センチ。滋賀県彦根市では、観測史上最も多い45センチを記録した。 NEXCO東日本は26日午後3時、新潟県内の関越道堀之内インターチェンジ(IC)と大和スマートICを閉鎖。NEXCO中日本も、滋賀県内の北陸道米原JCTから長浜ICを午後4時半から通行止めにした。降雪が予想される区間の高速道路の使用を控えるよう注意も促す。 日本航空は北海道や日本海側で発着する49便を欠航。全日空も77便欠航した。JRは東海道・山陽新幹線が速度を落として運行したため、遅れが生じた。 27日午後6時までの24時間に予想される降雪量はいずれも多いところで、北陸、近畿90センチ▽東北、関東甲信、東海、中国60センチ▽四国、九州北部20センチ▽九州南部10センチ。JR東日本は、大雪が見込まれる奥羽線の一部区間などで27日の運転を取りやめると発表した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ガソリン販売、規制強化を求める動き 悩む業者「客はどうすんねや」
大阪市北区のビル放火殺人事件では容疑者が事前に購入したガソリンが使われたとみられる。大阪市が「販売自粛」を要請するなど、さらに規制強化を求める動きも出てきたが、国は慎重な姿勢だ。 「ガソリンスタンド(GS)に小分けの持ち帰り販売の自粛を要請する」。大阪市の松井一郎市長は24日、報道陣にこう語った。 市にガソリンの販売を止める権限はないが、各消防署を通じて協力を求める。新規の客が対象で、松井氏は「揮発性の高いガソリンが大勢の方の命を奪った要因。少しでもリスクを減らしていきたい」。 大阪市のGSの30代男性店員は「規制が厳しくなっていくのは仕方がない」と話す。 同市の別のGSでは、携行缶を持ってガソリンを買いに来るのは工事業者ら月に10人ほどだという。身元や使用目的を確認して販売している。40代の男性店長は「決まった人しか買わず、使用目的がはっきりしているので、犯罪に使われることはないだろうと思っていた」と話す。 使用目的の確認などが義務化されたのは2020年2月からだ。36人が死亡した前年の京都アニメーション放火殺人事件を受け、総務省消防庁が省令を改正した。運転免許証などで身元を確かめ、販売量とともに記録して1年間保管するように求めた。 給油所が従わなければ3カ月以下の懲役か30万円以下の罰金が科される可能性もある。使用目的を答えないなど不審な客がいれば警察に通報するよう呼びかけた。 同庁はインターネットなどでガソリンを売る業者に対しても本人確認や記録の保管を要請した。 ただ、今回の放火殺人事件の容疑者は、大阪市西淀川区のGSでガソリンを事前に購入した際、「バイクに使う」と申告していたという。大阪府警は虚偽の説明をしたとみている。 「(客に)うそをつかれたら調べようがない」 兵庫県内で給油所を経営する男性は語る。ガソリンを買いに来る人はほとんどが顔見知りで、目的は農機具の燃料としてだ。 「事件を完全に防ぐにはガソリンを『売っちゃだめ』としない限りはダメだろう。だがそうしたら(客は)どうすんねや、となります」と漏らす。 省令改正の実効性を疑問視す… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
オミクロン株市中感染受け、福岡県が県民向け無料検査
新型コロナウイルスのオミクロン株の市中感染が確認された福岡県で26日、感染に不安を感じる無症状の県民を対象にした無料のPCR検査と抗原定性検査が始まった。オミクロン株の市中感染確認は大阪、京都、東京に続いて4都府県目。福岡県は今後、薬局などでも無料で検査できるようにする。 感染者を早く発見して拡大を封じ込めることと、県民の不安を解消することがねらい。県内では「ワクチン・検査パッケージ」として、健康上の理由などでワクチンを接種できない人や12歳未満の子どもを対象にした無料検査が24日から始まっていた。だが25日にオミクロン株の市中感染者が1人確認されたため、国と協議。ワクチンを接種した県民も無料で検査を受けられるようにした。 26日に無料検査が始まった… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
数年前から通院、構造を把握か 容疑者は脳に損傷 大阪のビル放火
大阪市北区の雑居ビルで17日に発生し、25人が死亡した放火殺人事件で、容疑者の男が現場となったクリニックに2、3年前から通院していたことが捜査関係者への取材でわかった。クリニック関係者らの証言から判明した。男は患者として通う中で院内の構造を把握していたとみられる。 男は住所、職業不詳の谷本盛雄容疑者(61)。大阪府警によると、事件後のビル内に容疑者名義の診察券が残されていた。 谷本容疑者は、事件の1カ月ほど前からビルの約3・5キロ西にある大阪市西淀川区の住宅に滞在。府警は事件後に住宅を家宅捜索し、クリニックから処方された薬の袋を押収した。関係者の証言も含め、府警は谷本容疑者が2、3年前から通っていたとみているが、電子カルテの復元などを通じてさらに確認する。 院内の防犯カメラ映像の分析で、府警は、谷本容疑者が2カ所あるクリニックの出入り口の両方に火を放ち、多くの人を巻き込んだとみている。院内の消火栓扉は動きにくいよう工作されており、府警は谷本容疑者が患者として通う中で構造を把握し、計画的に事件を起こしたとみている。 谷本容疑者は事件の約3週間… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
奈良県で初のオミクロン感染 米国から帰国「市中感染考えにくい」
奈良県は26日、県内の20代の女性が新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」に感染したと発表した。県内のオミクロン株の感染者は初めて。市中感染の可能性は低いという。 県によると、女性は19日に米国から羽田空港に帰国。同じ便にオミクロン株の感染者が乗っていて濃厚接触者とされたが、検疫検査は陰性だった。 14日間の待機期間中は県内の宿泊療養施設に入り、22日に発熱して入院した。県保健研究センターのゲノム解析で25日、オミクロン株と確認された。女性は現在も入院中だが、熱は下がっているという。 女性は一人暮らしで、空港から自宅まで公共交通機関を使っていなかった。県の担当者は「基本的には市中感染とは考えにくい」と話している。(清水謙司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長期避難解除 でも集落は解散へ 九州北部豪雨で被災の福岡・朝倉市
2017年の九州北部豪雨で被災した福岡県朝倉市で6地区91世帯に出ていた長期避難世帯の認定が、今月1日までにすべて解除された。国が巨額を投じた復旧工事は進むが、それに伴って家を奪われた人も多く、地区に戻る住民は少ない。災害が決定打となり、集落ごとに定められた地区をやむなく「解散」する動きも出ている。 ダンプカーが土ぼこりをあげる細い道を約3キロ、沢沿いに上ると、人家の跡がいくつかあった。長期避難が1日に解除された乙石(おといし)地区。だれもいない山里に、砂防ダムを造るパワーショベルの音が響く。「帰りたくても、家を建てる場所がない」。避難先から様子を見にきた区会長の佐藤達美さん(71)がつぶやいた。 17年7月5~6日、朝倉市や福岡県東峰村、大分県日田市などを線状降水帯による猛烈な雨が襲った。河川の氾濫(はんらん)や土砂崩れが多発し、朝倉市だけで33人が亡くなり、2人が行方不明となった。 朝倉市で特に被害が集中したのは、大分県境に近い山間部。別荘も含めた12世帯のうち9世帯が全壊した乙石地区は18年、ほかの5地区と合わせ、被災者生活再建支援法に基づき、二次被害を避けるための対策工事が終わるまで住めない「長期避難世帯」に認定された。 対象となった6地区ではこの4年間、復興工事が進んだ。一方で、下流域を次の災害から守る砂防ダムの新設が、元々の暮らしの場を奪った。 乙石地区では、中心部に6基の砂防ダムを造るため、残っていた家も撤去された。代わりの宅地はダム完成後に造成される予定だが、家が再建できるのはさらに数年先。住民には高齢者も多く、ほとんどが地区に戻ることをあきらめ、公営住宅などにすみかを定めた。 佐藤さん自身も、息子が市外に2世帯住宅を建て、妻も「帰りたくない」と漏らす。「自分ひとり帰ったとしても、集落として成り立たない」 5日に開いた集落会議では、ダム完成後に市が整備予定のメモリアル広場(仮称)ができたら、地区を解散する方針を決めた。「さみしいけど、けじめをつけないと。それが地域への恩返しだと思う」 昨春、長期避難を解除された… この記事は会員記事です。残り968文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 【1/24まで】2つの記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本海側を中心に、大雪や暴風雪に警戒を 空の便も欠航相次ぐ
2021年12月26日 15時07分 強い冬型の気圧配置が続く影響で、気象庁は日本海側を中心に大雪や暴風雪への警戒を呼びかけている。大雪は28日まで続く見込みで、太平洋側の平地でも大雪となる恐れがあるという。 26日午後2時時点で、この24時間で最も降雪量が多かったのは新潟県妙高市で82センチ、鳥取県大山町で72センチ、群馬県みなかみ町で69センチ。 27日午前6時までの24時間に予想される降雪量はいずれも多いところで、北陸90センチ▽近畿、中国80センチ▽東北70センチ▽関東甲信60センチ▽北海道、東海40センチ▽四国、九州北部20センチ▽九州南部10センチ。 日本航空は26日、北海道や日本海側で発着する35便を欠航。全日空も77便の欠航を決めている。また、NEXCO中日本は、北陸自動車道(金沢森本IC―小杉IC)を同日午後6時から通行止めにする予定で、降雪が予想される区間の高速道路の使用を控えるよう注意を促す。 ◇ 東京管区気象台は26日午前0時10分ごろ、港区虎ノ門の気象庁で初雪を観測したと発表した。昨季より17日早く、平年と比べても8日早いという。 観測班の担当者は「顔にぽんと当たり、白い固形物を目視したため、降雪とした」と話す。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
衆院選で買収の疑い、自民・古川康氏の選挙事務員らを逮捕 佐賀
大村久2021年12月26日 15時23分 10月31日投開票の衆院選で、特定の候補者の選挙運動をする見返りに報酬を支払うなどしたとして、佐賀県警は26日、佐賀市嘉瀬町の小林祐子容疑者(63)と同市兵庫南2丁目の映像制作会社経営、保利一誠容疑者(38)を公職選挙法違反(買収)の疑いで逮捕し、発表した。県警は2人の認否を明らかにしていない。 関係者によると、小林容疑者は10月の衆院選で佐賀2区に自民党公認で立候補し、比例九州ブロックで復活当選した元佐賀県知事、古川康氏(63)の選挙事務所の事務員。 県警によると、小林容疑者は11月25日、SNSなどに投票を呼びかける内容の投稿をした選挙運動の報酬として、保利容疑者に計43万5千円を支払い、保利容疑者は受け取った疑いがある。保利氏の報酬が5万6千円、数人の選挙運動員に対する報酬の資金が37万9千円だったという。 保利容疑者は今月7日、SNSなどを利用した選挙運動の見返りに複数の選挙運動員に金銭を支払う約束をしたとして、公選法違反容疑(買収の約束)で逮捕されていた。(大村久) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
開高健が愛した越前ガニ なじみの旅館の特製丼、今も健在
1番ガニがサンバーイ! 2番ガニはゴハーーイ! 福井県越前町の越前漁港。カニ漁が始まって1カ月が経過した12月7日の朝に訪れると、そこは競りの活気に満ちていた。 地べたにびっしりと並ぶカニ。辺りに響く競り人のかけ声。仲買人たちは次々と競り落とし、発泡スチロールに入れて素早く運び出していく。 「今年は高いぞ」 競りの手伝いをしていた元漁師の男性。高揚感たっぷりにこう話した。 タラバガニ、毛ガニ、ワタリガニ……。中でも「ズワイガニは甘みもうまみも抜群」(男性)。とりわけ、福井ブランドの「越前がに」は、三国港(坂井市)に水揚げされた雄ガニが皇室へ毎年「献上がに」として送られるなど、地元の誇りでもある。 競り場の近くで船を片付けていたのは、漁師の家に生まれて4代目の山下弘嗣さん(34)。「カニのシーズンで年収の8割くらい稼ぐ」と胸を張った。 県内では1997年以降、産地を証明する黄色のタグをつけ始め、ブランド化が進んだ。2015年からは重さ1・3キロ以上など、条件をクリアした雄ガニを最高級の「極(きわみ)」として売り出している。11月にあった町内の朝市には、県外ナンバーの車が押し寄せ、飛ぶように売れていた。 町内の越前海岸沿いには、祖父母が同県坂井市出身の作家・開高健(1930~89)がカニを食べに通った旅館「こばせ」がある。5代目の長谷裕司(ひろし)さん(60)によると、食通の開高が、旅雑誌の編集部に紹介されて最初に訪れたのは1965年だったという。 雄も雌もよく食べた開高が残した色紙が旅館のロビーにある。 作家・開高健が愛したのは、いったいどんな特製丼だったのでしょうか。記事の後半で紹介します。 「この家ではいい雲古の出るものを食べさせてくれます」 ちゃめっ気あふれる開高が「やってごらんなさい」と作らせたのが、2合の飯にセイコガニ(雌)8パイ分の身を乗っけた丼だ。 今は「開高丼」として、ハーフサイズまで3種類が客に提供されている。しゃりしゃりした外子(受精卵)と濃厚な内子(卵巣)、うまみの強いみそなどが絡み合って、まさに日本海の宝石箱に思える。「名前をいただいた分、プレッシャーも感じる」と長谷さんが言う。 開高と同じ大きさの丼を食べなければ取材を尽くしたことにならない――。そう考えて長谷さんにオリジナルサイズのもの(税込み1万5400円)を相談してみたが、急な依頼のため、小さな丼も含めてかなわなかった。 一方で、カニは庶民の手が届きにくくなっている。 県水産課によると、「水ガニ」と呼ばれる脱皮直後の雄ガニも含めた平均では、キロ単価で2004年に3604円だったのが、20年は6289円と倍近くに。今年も11月末までに6088円。年末に価格は高騰するため、昨年とそう変わらなくなるだろう。 流通の仕方も独特だ。越前町漁協の南直樹さん(57)によると、多くの仲買人は注文を受けたうえで仕入れるから、一般の市場に並ぶカニは少ないという。 カニ旅館に料亭、すし店。競りでの売買の時点で卸し先も、入る口までもが決まっていることが多く、特に「今年は1キロで2万7千円から3万円程度」(南さん)という雄ガニは庶民の口になかなか入らないのが現実だ。 県内のある旅館ではセリ値の高騰を理由に、今シーズンは途中で越前ガニのランチをやめた。スタッフの女性によると、宿泊客はさすがに受けているが「もうけは全然ない」と明かす。漁師の山下さんも「漁師にとってはありがたいんだけど、お客さんに直接売るところでは本当に大変」と心配する。 そうした問題も認識しつつ、取材の仕上げにどこかで食べなければ。福井市中心部のお食事処「飛驒」でセイコガニ(この日は2500円)を出してもらった。 越前漁港に揚がった一匹。身は食べやすくきれいに並んでいる。ふと、疑問が浮かんできた。福井の酒と合わせると、どんな感じだろう? 美浜町の銘酒、早瀬浦を出してもらった。 セイコをちょびっと、お酒を一口、セイコをちょびっと、お酒を一口……。永遠に続けていたかった。 漁期はセイコガニが12月いっぱいで、残りわずか。雄のズワイガニは3月20日まで。(小田健司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル