川村剛志2021年11月22日 21時00分 東京電力は22日、福島第一原発で、設備の修理にあたっていた40代の男性社員2人が内部被曝(ひばく)した疑いがあると発表した。本来は顔を覆う全面マスクや防護服を装着して作業すべきだったが、防塵(ぼうじん)マスクや作業服といった簡易な装備で作業していたという。 東電によると、2人は医師の診察を受け、異常はなかった。今後50年間の内部被曝線量は記録する必要がある2ミリシーベルトを大幅に下回ると推計している。尿を測定して詳しく調べるという。 2人は19日午前10時過ぎから約1時間半、同僚2人と、汚染水に含まれる放射性物質を取り除く設備につながる配管を交換。このとき、配管内に付着していた放射性物質を体内に取り込んだ可能性があるという。 作業後の検査で、2人の鼻の内側から放射性物質が検出された。同僚2人の作業服からも放射性物質が検出されたが、体内への取り込みはなかったという。東電は「本来は全面マスクなどを装着する区域として、作業すべきだったと反省している」と説明している。(川村剛志) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長期欠席議員、報酬カット条例案を提出へ 維新大阪府議団
浅沼愛、久保田侑暉2021年11月22日 19時00分 大阪府議会(定数88)の大阪維新の会府議団は22日、不祥事などで長期欠席する府議の報酬を削減する条例案を年内に提出する方針を固めた。定例会に一度も出席しなかった場合を長期欠席とみなし、その間の報酬を支給しないという中身。維新は府議会で過半数となる47議席を占めており、可決する見通しだ。 不支給の月数に応じて期末手当も減らす。産休や感染症法に基づく疾病、入院して議会運営委員会が認めた場合は除外とする。 府議会事務局によると、府議の議員報酬は、月65万1千円。議員が刑事事件の容疑者として逮捕された際の支給の一時停止は条例で定められている。無罪なら支給されるが有罪の場合は支給されない。ただ、それ以外の理由での長期欠席については報酬の停止や減額の規定はないという。 議員報酬の取り扱いをめぐっては今年7月の東京都議選で当選した木下富美子都議が無免許事故の発覚後、都議会を体調不良で欠席し、その間も議員報酬を得ていた。 全国都道府県議会議長会によると、長期欠席した議員報酬削減については昨年1月1日時点で、秋田、群馬、新潟、鳥取、福岡、鹿児島の7県がすでに条例で定めているという。(浅沼愛、久保田侑暉) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
プール飛び込みで両手足まひ、教員に罰金100万円判決 東京地裁
新屋絵理2021年11月22日 19時20分 東京都の都立高校で2016年、危険な体勢でプールに飛び込みをさせ当時3年生だった元男子生徒に両手足まひなどの障害を負わせたとして、業務上過失傷害の罪に問われた教員の松崎浩史被告(49)の判決公判が22日、東京地裁であった。鏡味薫裁判官は「生徒の安全を守るべき教諭としての過失は重い」として、求刑通り罰金100万円の判決を言い渡した。 判決によると、松崎被告は水泳の授業で元生徒に対し、プール上に差し出したデッキブラシの柄を越えて飛び込むよう指示した。判決は、この指示で元生徒の入水角度が大きくなりプールの底に頭を打ち付けたと認定。そのうえで「被告は危険性を認識していたのに十分に検討しなかった。被害者は生活全般の介助が必要になり、結果は重大だ」と指摘した。 松崎被告はこれまでの公判で、元生徒に謝罪したうえで、デッキブラシを使った理由を「少しでも遠くに飛べればと思った」と説明。ただ「事故は故意ではなかった」と述べた。元生徒は「私の体は一生戻らない」と訴え、教育職員免許法上で失職となる禁錮以上の実刑判決を求めていた。ただ検察側の求刑が、失職の対象とならない罰金刑だった。 元生徒の母親は判決後、「判決は納得できず息子も私も家族も次の一歩が進めない」とコメントした。 松崎被告は東京簡裁に略式起訴されたが、簡裁は書面審理のみの略式裁判は相当ではないと判断し、正式な裁判を開くと決定していた。事故をきっかけに都は、飛び込みでなく水中から原則スタートするようすべての都立高校に通知した。(新屋絵理) 元生徒 「教員をやめて」「罪に向き合っているとは思えない」 元生徒が公判で読み上げた意見陳述の主な内容は以下の通り。 事件から5年3カ月が経ちました。医師からは「普通だったら死んでいた」と言われました。こんなに医学が発達しているのに、私の体が回復することはありません。 1日も安心して生活を送ったことはありません。入院、検査、手術と、病院に通い続けた日々を想像できますか。被告は、私の大変さを全くわかっておらず、自らの罪に向き合っているとは思えません。被告は教師に戻り元の生活に戻りましたが、私の母は店をつぶして介護の毎日です。 被告は「教員をやめることも考えた。死ぬことも考えた」と述べましたが、なぜ教員以外の仕事を考えないのでしょうか。不幸になってほしいというのではありません。責任をとって(教員を)やめてほしいのです。私の体は一生戻りません。家族の平穏な生活も戻りません。(新屋絵理) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京王線切りつけ「惨殺する計画を実行」 放火と殺人未遂容疑で再逮捕
京王線の車内で乗客が刺されるなどした事件で、警視庁は22日、住所不詳、無職の服部恭太容疑者(25)=殺人未遂容疑で逮捕、処分保留=を現住建造物等放火と殺人未遂の疑いで再逮捕し、発表した。容疑を認め、「死刑になるための有効かつ効率的な手段として多くの人を惨殺する計画を実行した」と話しているという。 捜査1課によると、服部容疑者は10月31日午後8時ごろ、東京都調布市を走る特急電車(10両編成)で乗客に向けてライター用のオイルをまいて火を付け、床0・11平方メートルを焼損させたほか、会社員の女性(60)ら複数の乗客を殺害しようとした疑いがある。2リットルのペットボトルに詰めたオイルをまき、さらに500ミリリットルのペットボトル2本に詰めたオイルも投げつけて、火が付いたライターに引火させた可能性が高いという。 車両には防犯カメラがなく、同課は乗客がスマートフォンで撮影しSNSに投稿した動画を解析して状況を調べている。被害者の特定はなお続けており、炎が上がった周辺にいた10~60代の男女15人前後になるとみている。 服部容疑者は直前まで都内のホテルに宿泊していた。捜査関係者によると、「ホテルの浴室でペットボトルに入れた水をまき、練習した」と供述しているという。電車に持ち込んだリュックサックには、ほかにもオイルの入ったペットボトルがあった。使わなかった理由を「火柱が上がり、煙がすごかった。自分はここでは死なないので引き返した」と話しているという。 容疑者、事件直前まで家族とやり取り 服部容疑者は福岡市の小中学… この記事は会員記事です。残り603文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪地検、邸宅侵入事件の起訴を取り消し 別の日の動画を証拠に
大阪地検は22日、昨年10月に邸宅侵入罪で在宅起訴した男性(30)について、起訴を取り消し、発表した。関係者によると、犯行を裏付ける有力な証拠としていた動画が、事件とは別の日付の動画だったという。 関係者によると、男性は2017年11月、正当な理由がないのに府内のマンションの建物内に侵入したとして、邸宅侵入罪で昨年10月に起訴された。男性は、起訴内容について「わからない」などと述べ、弁護側は否認していた。 検察側は、携帯電話でマンション内を撮影したとされる動画をもとに、男性がマンションに侵入した日時を特定したと主張。この動画を有罪立証の柱に据えていた。弁護側が、この動画に疑義を唱えていた。大阪府警が改めて映像を解析したところ、撮影日が約2カ月前の17年9月だったことが分かったという。 刑事訴訟法によると、邸宅侵入罪の時効は3年。侵入した日付が9月であれば、男性を起訴した昨年10月の時点で、すでに時効が成立していたことになる。 地検は「改めて関係証拠を精査した結果、被告による侵入日時が異なることが判明した」と説明。起訴を取り消した理由について「既に公訴時効が完成していることが分かった」としている。 男性の弁護人の赤嶺雄大弁護士によると、地検から今月、起訴を取り消す方針を伝える文書が送られてきたという。赤嶺弁護士は「不正確な解析結果をもとに起訴したのは問題だ。起訴から1年以上、なぜ誰も誤りに気づかなかったのか。同じような不正確な解析を根拠にして有罪となるおそれがあり、冤罪(えんざい)につながりかねない。しっかりと検証し、説明してほしい」と話した。 男性は別の罪でも在宅起訴されており、大阪地裁で証拠や争点を絞り込む公判前整理手続きが続いている。(米田優人) 過去にも取り消し、謝罪も 検察統計によると、昨年1年間に全国の地検と区検で起訴を取り消したのは21件。被告が死亡したり、心神喪失で罪に問えなくなったりしたケースを除くと7件しかない。 大阪地検は2013年、給油カードを使ってガソリンを盗んだとして大阪府警に窃盗容疑で逮捕された男性会社員について、起訴を取り消した。地検は、防犯カメラの撮影時刻が実際の時刻と約8分違っていたのに、時刻のずれなどを調べず、思い込みで男性を起訴したとして謝罪した。 東京地検でも今年7月、軍事転用可能な機械を無許可で輸出したとして、外国為替及び外国貿易法違反などの罪で起訴した機械メーカーの幹部2人の起訴を取り消している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
授業を工夫したら「隣のクラスと差がつく」 熱血教員は学校を去った
関西地方の小学校に6年間勤めた男性(32)は今春、教員を辞めた。 いつもやる気にあふれ、何よりも授業に力を入れてきた。 それが暗転したのは、その「授業」を巡る、ある出来事がきっかけだった。 26歳で採用され、6年間、毎年学級担任を務めた。 子どもたちと向き合うことに、喜びを感じていた。 勉強が分かった時のうれしそうな表情を見たとき、担当した子が卒業後に顔を出してくれたとき。 やりがいを感じる瞬間は何度もあった。 子どもの学力を高めたい一心で、授業準備や教材研究を仕事だと思ったことは一度もなかった。土日も自宅でパソコンに向かった。 特に力を入れていたのが、英語教育だ。 大学を卒業後、海外で働きながら英語力を養った。その経験から、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能をバランス良く養成するために、どうしたらいいかを考えた。 朝の時間に、さいころを振って出たテーマについて英語で話す活動も採り入れた。 子どもたちは物おじせずに取り組み、力がどんどん上がった。 一方、仕事には疑問もあった。授業に関係のない業務が多すぎることだ。 放課後にはまず、校内の会議や研修、打ち合わせがある。 それが終わると、事務仕事が待っている。 代表的なのが、学校の庶務を教員が分担する「校務分掌」だ。 3年間担った「会計」では、遠足などにかかった費用を計算して精算書をつくり、全ての領収書を貼り、事務職員に提出するといった作業がある。 提出後に「3円違っている」と指摘され、数日間かけて全ての数字をつきあわせ直したこともある。 疑問が募った。 「これって教員の仕事なのか」 教員の苦悩は、事務作業だけにとどまりません。記事の後半では、授業に力を入れてきた男性教員が、別の道を選ぶようになったいきさつをまとめています。 苦労が評価された矢先に 本来、放課後は翌日の授業準… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
第257世天台座主、森川宏映さん死去 96歳
2021年11月22日 16時15分 森川宏映さん(もりかわ・こうえい=第257世天台座主)22日、老衰で死去、96歳。通夜は25日午後7時、密葬は26日正午から大津市坂本4の6の1の滋賀院門跡で。本葬は日時未定だが、同市坂本4の6の2の天台宗務庁で。通夜・密葬の葬儀委員長・喪主は水尾寂芳(じゃくほう)・延暦寺執行(しぎょう)、本葬は阿部昌宏(しょうこう)・天台宗宗務総長。 愛知県春日井市出身。京都大を卒業後、延暦寺一山・真蔵院や京都・毘沙門堂の住職を務めた。2015年12月、延暦寺住職を兼務する天台座主に就任。今年6月に延暦寺で営まれた天台宗の宗祖最澄の1200年大遠忌の法要では大導師を務めた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
38歳で「一度死んだ」 外国人18万人登録のサービスができるまで
外国から日本に来ている人たちが困っていること、そのすべてを解決しようと立ち上がった。それが「YOLO(ヨロ) JAPAN(ジャパン)」のCEO(最高経営責任者)加地太祐(たいすけ)さん(45)だ。「ボクは一度死んだ」という思いが、外国人との共生に尽くす覚悟の源なのだとか。まずは写真をごらん下さい。 ――ゾンビたちに囲まれて楽しそうですね。 「とある古びたガレージで凄惨(せいさん)な事件がありました。そのガレージで起こる様々な怪奇現象に、あなたは耐えられますか? そんな『ドライブインお化け屋敷』を、3月から土日限定でしています。お客さんは止めてある車に乗るだけですが、来るぞ、来るぞ、と分かっていても怖いですよ~」 ――ゾンビに扮しているのは外国人の方々ですね。 「留学などで日本に来ている人のバイト先って、飲食店やコンビニが多いのですが、コロナ禍で飲食の仕事がなくなってしまい、日常生活に困っている。そこで、非日常的でおもしろい仕事をしてもらおうと考えました」 「『ゾンビ・パフォーマー、時給千円から』とネットで求人するとSNSですごく拡散しました。楽しく働きたいと思う気持ちは人類共通。15人ほど採用しました」 ――不動産の賃貸契約、銀行口座の開設や後払いができるカード作成、就職の支援。取り組んでいる外国人支援サービスを挙げて説明すると、この欄からあふれます。 「外国人が日本で暮らすのにいちばん必要なもの、それは日本での信用です。たとえば、部屋を借りたい人に『外国人だからおことわり』と言うのは、偏見、差別であり許されないことです。でも、現実には、それが横行している。そこで、まずはわが社が知っている外国人歓迎の不動産会社を紹介します」 「けれど、それだけでは何の解決にもならない。そこで信用の源ともいえる収入をつくるため、弊社が運営するメディアで600件を超える求人を掲載しています。これからも信用度を高める取り組みを一つ一つすすめ、日本から偏見、差別をなくしたい」 「英語、ベトナム語、中国語など六つの言語で病院予約ができたり、オンライン診療の通訳サービスもしたりしています」 ――あなた、何者ですか? 後半では、加地さんが外国人支援をはじめることになったきっかけや、38歳でおとずれた「運命の日」について聞きます。 「大阪市に生まれ、小学生の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「渡りに船」の取引はわなだった 大量の食肉とともに消えた取引先
関東地方の食肉輸入会社に「商社の社員」を名乗る男から電話がかかってきたのは、2020年夏のことだった。 「大口で食肉を卸してほしい」。男はそう持ちかけてきた。 コロナ禍で外食需要が激減していた時期。会社は大量の在庫を抱え、食肉輸入会社の男性社長は「渡りに船」と取引に応じた。「取り込み詐欺」の始まりとは夢にも思わなかった。 中小企業を狙い、高級食材や電話製品をだまし取る取り込み詐欺の被害は後を絶ちません。コロナ禍が続く中、在庫を抱えた企業の被害も目立ちます。被害に遭わないためにどうすればよいのか、記事の後半で専門家に聞きました。 数日後、社長は案内された「オフィス」を訪ねた。 テナントビルの一室で、机や固定電話が並び、何人かの男性がいた。いずれも40代後半くらいで、スーツ姿。顔つきや髪形は街中のサラリーマンそのものだった。久々の大口取引。商談がうまくいくようにと考えた。 応対した人物の名刺には「営… この記事は有料会員記事です。残り1226文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
2人死亡の住宅火災 不明の伯父らしき人物、発生後に付近で目撃情報
兵庫県稲美町岡で19日深夜に発生し、全焼した民家から2人の遺体が見つかった火災で、連絡がとれていない50代の住人男性らしい人物を火災発生後に付近で見た、との情報があることが捜査関係者への取材でわかった。この男性は車の運転免許を持っていないといい、県警は徒歩で現場を離れたとみて所在の確認を進めている。 また、捜査関係者によると、現場から可燃性の液体が検出されたという。県警は放火事件とみて、21日夜、加古川署に捜査本部を設置した。この男性が何らかの事情を知っている可能性があるという。 捜査1課によると、火災の通報は19日午後11時50分ごろ。木造2階建て約220平方メートルが全焼した。2人の遺体について、この家に住む小学生の兄弟とみて身元の確認を進める。 民家には兄弟のほか、50代の父と40代の母、そして母の兄で兄弟の伯父にあたる50代男性が5人で暮らしていた。出火当時、仕事に出ていた母を父が車で迎えに行っており、2人は不在だった。 所在がわかっていない伯父は、数年前からこの家で同居していたという。普段は1階で寝ていたとの情報がある。 兄弟が通っていた小学校では… この記事は会員記事です。残り291文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル