2021年11月19日 20時15分 日本大学板橋病院をめぐる事件で、背任罪で起訴された日大元理事・井ノ口忠男被告(64)と医療法人「錦秀会(きんしゅうかい)」(大阪市)の前理事長・籔本雅巳被告(61)が19日夜、東京拘置所から保釈された。10月の逮捕から44日目となるこの日、東京地裁が保釈を認める決定を出した。保釈保証金は井ノ口被告が4千万円、籔本被告が8千万円で即日納付された。 16日に追起訴された両被告について、弁護人が翌17日に保釈請求していた。地裁は証拠隠滅や逃亡を疑う相当な理由はないと判断したとみられる。 両被告は、板橋病院の建て替え工事の設計業者選定をめぐり、評価点を改ざんして選定した都内の設計事務所から籔本被告のペーパー会社に2億2千万円の日大資金を不正送金したとして起訴された。さらに、同病院に医療機器などを納入する取引で籔本被告側の2社を不必要に介在させ、計約2億円を上乗せしたリース契約を日大に結ばせて損害を与えたとして追起訴された。 関係者によると、井ノ口被告は金の流れの事実関係は認めつつ「大学に損害は与えていない」と違法性を否定。籔本被告は追起訴分については違法性も認めているという。 事件をめぐっては、日大の田中英寿理事長(74)が過去3年間で、籔本被告から受け取った現金など1億円超を税務申告していない疑いがあり、特捜部は意図的に所得を隠した所得税法違反にあたる可能性もあるとみて捜査を続けている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
神津島沖合に「大量の軽石」 漁師は不安「キンメダイ漁が…」
小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場(ふくとくおかのば)」の噴火で生じた軽石が、伊豆諸島の神津島(東京都神津島村)近海で大量に広がっているのが確認され始めた。19日に漁に出た神津島の漁師が沖合で見つけた。船のエンジンに入り込むトラブルも起きており、漁業への影響が深刻化するおそれがある。 神津島では軽石の漂着に備え、18日に島の西側にある港にオイルフェンスをとりつけたばかり。 漁師の浜川一生さん(43)らは19日未明、5隻の船で島の東側の多幸湾からキンメダイ漁に出港した。 午前6時ごろに島の南西70キロあたりで漁を始めると、大量の細かい軽石が天の川のように帯状になってゆらゆらと近づいてきた。気づけばあちこちに固まりが浮いている。キンメダイは水深約600メートルまで仕掛けを下ろして釣り上げる。軽石をよけたくても船はすぐには動かせないが、なんとかかわした。 ただ、漁船のエンジンルームを開けると、冷却用の海水こし器のフィルターに米粒大の粒がいっぱいつまっていた。「そっちは大丈夫か?」と仲間の船に無線で聞くと、「こっちもつまってる」。5隻みなエンジンに入り込んでいた。 「あっちもこっちもいっぱい海面に広がって、よけきれないよ」「これじゃエンジンが壊れるな」。びくびくしながら、漁を早めに切り上げて戻った。大量の軽石は帰るころには島の南西30キロほど沖まで迫っていたという。 18日は30~40隻が漁に出たが、「エンジンに石が詰まった」と話していたのは仲間1人だった。海面にはほとんど見えなかったのに「19日は全然違った。帯状になって次々流れて来てよけるのが大変だった」と浜川さん。「島の周りに来るのも時間の問題。キンメダイ漁は島の主力産業なのにどうしよう」と困惑している。(中山由美) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
経済同友会事務局に不正アクセス メールなど計4千件流出か
経済同友会は19日、事務局員に貸与しているパソコン数台で不正アクセスが確認されたと発表した。会議のメモや資料、出席者との間で交わされたメールなど計4千件ほどが流出した可能性があるという。流出が疑われる情報は会議出席者の氏名や年齢、所属企業の住所などで、銀行の口座番号やマイナンバーなどは含まれていないとみている。 経済同友会は同日、警視庁などに報告。安全確認などのため現在、会員専用サイトなど一部のシステムの運用を止めているという。 同会によると、今年8月以降計3回、経済同友会が使うクラウド型などのサーバーで不正アクセスが起きた可能性を知らせる警報が鳴った。システム管理会社に通報のうえ、専門業者などが調べてもらったところ、今月15日に不正アクセスをされた可能性が高いという報告を受けたという。内部情報を狙った「標的型攻撃」の可能性が高いとみている。(伊藤弘毅) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
身の丈超えた「夢」はじけた 地方都市が再開発の果てに背負ったつけ
現場へ! 再開発 追われる地権者⑤ 中国山地をのぞむ岡山県北部にある津山市は、人口約9万9千人を数える県内第3の都市だ。 6月、市内2カ所にサテライトオフィスを作るため、市は約1億5千万円の予算を計上した。市内の宿泊客の7割はビジネス客のため、出張先での仕事場として需要が見込めるという。 その一つは、中心部にある商業ビル「アルネ津山」に設けられる。1~3階に出店していた百貨店の天満屋(岡山市)が4月、ネット通販の拡大に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による消費低迷で売り場を縮小した。それで空いた3階のフロアを活用する。 アルネ津山は総事業費約27… この記事は有料会員記事です。残り1088文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
パワハラ行為「断じて行っていない」 菊池市長が内部通報に反論
大木理恵子2021年11月19日 17時05分 熊本県菊池市の幹部職員が江頭実市長(67)からパワーハラスメントを受けたと訴えたことをめぐり、江頭市長は19日の定例記者会見で「パワハラに該当する行為は断じて行っていない」と反論した。その上で第三者でつくる委員会での調査を望む考えを示した。 市などによると、経済部の50代の男性課長が今月1日、庁内の通報制度「職員目安箱」を利用してパワハラ被害を訴える内容の文書を投稿。総務課が受理した。文書では「市長から多くの嫌がらせや威圧的な言動を受け続け、心身ともに限界に達した」などと主張している。 江頭市長は会見で「業務上、注意や指導を行うことは多々ある。本件を含めパワハラに該当する行為は断じて行っていないと常々考えている」と説明。課長がパワハラと訴えた内容の一部は、担当部署の事業に関する提案内容が不適切だとして差し戻したものだと主張した。 その上で、自身の言動を課長がどう受け止めるかはわからず、第三者の委員会による客観的な調査と判定を求めた。 市は今後、課長や江頭市長らへの聞き取りを進める。内規では、調査結果をまとめた上で、副市長を委員長とする「市職員ハラスメント防止対策委員会」に諮って対応を検討することになっている。総務課によると、第三者に審議を委ねる可能性もあるという。(大木理恵子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日大元理事らの保釈認める決定 東京地裁 背任事件
2021年11月19日 17時16分 日本大学板橋病院をめぐる事件で、背任罪で起訴された日大元理事・井ノ口忠男被告(64)と医療法人「錦秀会(きんしゅうかい)」(大阪市)の前理事長・籔本雅巳被告(61)について、東京地裁は19日、保釈を認める決定を出した。保釈保証金は井ノ口被告が4千万円、籔本被告が8千万円で即日納付された。 東京地検は決定を不服として準抗告するとみられ、これが退けられれば、両被告は10月の逮捕以来、約40日ぶりに保釈される見通し。 両被告は16日に追起訴され、弁護人が翌17日に保釈を請求していた。地裁は証拠隠滅や逃亡を疑う相当な理由はないと判断したとみられる。 両被告は、板橋病院の建て替え工事の設計業者選定をめぐり、評価点を改ざんして選定した都内の設計事務所から籔本被告のペーパー会社に2億2千万円の日大資金を不正送金したとして起訴された。さらに、同病院に医療機器などを納入する取引で籔本被告側の2社を不必要に介在させ、計約2億円を上乗せしたリース契約を日大に結ばせて損害を与えたとして追起訴された。 関係者によると、井ノ口被告は金の流れの事実関係は認めつつ「大学に損害は与えていない」と違法性を否定。籔本被告は追起訴分については違法性も認めているという。 事件をめぐっては、日大の田中英寿理事長(74)が過去3年間で、籔本被告から受け取った現金など1億円超を税務申告していない疑いがあり、特捜部は意図的に所得を隠した所得税法違反にあたる可能性もあるとみて捜査を続けている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
レアな沖縄本いかが 地元出版社が集結 東京・銀座でフェア
伊藤和行2021年11月19日 14時00分 沖縄が本土に復帰してから来年で50年となるのを前に、首里城や空手、琉球料理や沖縄戦など、沖縄に関する本を一堂に集めた「おきなわ本フェア」が今月30日まで、東京都中央区銀座1丁目の「銀座わしたショップ本店」で開かれている。沖縄の50年を知り、考える上で参考になりそうな、地元の出版社など16社の計約180点が並ぶ。 沖縄は出版活動が盛んだ。「出版年鑑2018」(出版ニュース社)によると、18年3月時点で県内に拠点を置く出版社は18社ある。人口比では東京や京都などに続く規模で、県内の書店は郷土本コーナーが充実している。 ただ、本土の書店には並びにくいのが現状だ。地元の出版社は、全国の書店に本を届ける大手取次店と契約しておらず、書店への直接販売では輸送コストがかかることが主な理由だ。 そんななか、沖縄本を本土の人に読んでもらおうと、地元の出版社18社は19年4月、「沖縄出版協会」を設立。それぞれ自慢の本を持ち寄り、東京や神戸の書店などで「おきなわ本フェア」を開いてきた。来年1月には大阪市内の大型書店でも開催予定だ。 協会事務局長の呉屋栄治さんは「個々の努力では限界がある。力を合わせ、フェアを全国に広げていきたい」と話す。 今回出品されている本は、「沖縄の戦争遺跡」(沖縄時事出版)や「基地の島コンパクト事典」(沖縄文化社)、「沖縄さかな図鑑」(沖縄タイムス社)、「芭蕉布(ばしょうふ)物語」(榕樹書林(ようじゅしょりん))、「組踊(くみおどり)の世界」(ゆい出版)、「上地流空手道」(東洋企画)など、本土の書店では入手しにくいものが多い。 フェア開催中の27日には、沖縄戦を現地で指揮した牛島満・第32軍司令官の孫、牛島貞満さんのトークイベント「第32軍首里司令部壕(ごう)の保存・公開・活用を考える」なども予定している。入場無料。(伊藤和行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大学生内定率71.2% 急落した前年から1.4ポイント改善
桑原紀彦2021年11月19日 14時00分 来春卒業予定の大学生の就職内定率は、10月1日時点で71・2%だった。文部科学省と厚生労働省が19日、発表した。コロナ禍で急落した昨年同期の69・8%から1・4ポイント改善したが、一昨年同期と比べると5・6ポイント低く、コロナ前の水準には回復していない。 企業が正式な内定を出す10月1日時点の状況について、国公立大24校と私立大38校の計4770人を抽出して調査した。男子の内定率は70・7%(昨年同期比1・9ポイント増)、女子は71・7%(同0・8ポイント増)で男女とも昨年から上昇。ただ、いずれも一昨年同期比では6ポイントほど低い。文系は70・8%(昨年同期比2・1ポイント増)、理系は72・6%(同1・9ポイント減)だった。 文科省の担当者は「航空や観光、飲食業の景況が本調子でない分、一昨年よりは内定率が低い。引き続き採用は続いており、就職支援に取り組む」と話す。(桑原紀彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アレフへの処分請求を公安調査庁が撤回 ただし再請求も視野
伊藤和也2021年11月19日 14時01分 公安調査庁は19日、オウム真理教の後継団体「アレフ」に対する再発防止処分の請求を撤回し、発表した。団体規制法に基づく報告義務に違反したとして処分を出すよう公安審査委員会に求めていたが、報告書が提出されたという。 ただ報告書には、収益事業の内容や事業による資産など必要な情報の一部について記載がないといい、違反状態は続いているとして、同庁は再発防止処分の再請求も視野に調査を進める。19日には東京都と埼玉県内にある拠点施設2カ所に立ち入り検査に入った。 公安調査庁によると、アレフは団体規制法上、観察処分により構成員の氏名や住所、保有資産などを3カ月に1度報告しなければならないが、5、8月と2度続けて報告を全くしなかった。同庁は10月25日、再発防止処分を請求した。 今月11日になって5、8月分の報告書の提出があり、持参した担当者は「遅れていた報告書です」と述べたという。11月分も期限の15日に提出された。 再発防止処分が請求どおり認められれば、施設の使用や信徒の勧誘、土地・建物の取得、寄付金の受領などが6カ月間禁じられることになっていた。 観察処分は00年1月に初めて行われてから3年ごとに更新されており、今年1月に7度目の更新請求が認められた。アレフのほかに対象になっている「ひかりの輪」と、内部対立でアレフから分派した集団は報告書を毎回出しているという。(伊藤和也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
人襲うサル、同一犯? 2カ月で25人、食べ物目的じゃないならなぜ
8月以降、北九州市若松区でサルに人が襲われる被害が続いている。市は群れから離れたハナレザルとみているが、通常は短期間で群れに戻るとされ、長期化している理由は謎だ。市は18日、関係者を集めた初の対策会議を開き、今後ワナの数を増やすなど対策を強化することを決めた。 最初に被害が報告されたのは8月7日。有毛地区で農作業中だった30代の女性がズボンの上から下半身をかまれた。以降、若松区では、小学生や女性を中心に、かまれたりひっかかれたりする被害が相次ぎ、10月25日までに24件25人の被害が確認された。 動物の赤ちゃんさらう被害も 同区の響灘緑地グリーンパークでは、サルが園内で飼育動物に近づいたり動物の赤ちゃんを一時的にさらったりする被害もあった。 目撃情報は同区だけで10月末までに324件、市全体では487件に及ぶ。2015年度以降、毎年37~243件確認されていることと比べても格段に多い。 市によると、大きさなどの特徴から、4歳ほどのオスで、同一個体とみられている。オスは一般的に、発情期前の夏ごろに群れを離れ単独行動をする習性があるといい、今回もハナレザルの可能性が高いという。 市南部周辺や香春町を中心に活動する群れが過去に確認されており、市はその群れから離れたとみている。ハナレザルは通常秋から冬にかけて別の群れと一緒になったり、群れをつくったりするという。市の担当者は「自然に戻ってくれるのが人間にとってもサルにとっても理想」と祈る。 だが、11月に入り、川を隔てた遠賀町でも目撃された。市の担当者は「長期間におよび、行動予測が困難になっている」と嘆く。 捕獲も失敗続き 捕獲も失敗続きだ。8月にワナを2基設置したが捕獲できず、9月に目撃情報が相次いだグリーンパーク内に移した。当初はワナ内にバナナを置いたが、専門家に「食べたことのないものは食べない」と指摘され、食べた痕跡があったアケビを入れたこともあったが、食いつかなかった。 一方、畑を荒らすなどの食害報告はほとんどない。「街中で食べ物は調達できているのでは」と担当者はみている。食べ物目的ではないとすれば、なぜ人に危害を加えるのか――。 一般的にハナレザルは警戒心が強く、人を襲わないという。市の担当者は「個体の個性で、ちょっかいをかけているのでは」。 ただ、専門家も入って行われた18日の会議では、「ハナレザルではなく迷いザルでは」といった意見も出たという。迷いザルは、群れとはぐれてしまった子どものサルのことだ。 一方、大きさからやはり発情期前のハナレザルだとの指摘もあり、市の担当者は「ハナレザルが群れと長く離れるうちに、何かしらの理由で戻れず、迷いザルのようになってしまったのかも」。真相ははっきりしない。 冬にかけて発情期を迎え、凶暴化することが予想される。2~3年たって体が大きくなれば危害の程度も深刻になる懸念がある。 市は今月中にもワナの数を5基に増やし、大型のワナも別に設置する予定だ。群れに戻る可能性のある1、2月ごろまでは様子を見るが、被害が収まらなければ麻酔銃の使用も検討するという。(城真弓) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル