比嘉展玖、安井健悟2021年11月16日 20時42分 古葉竹識さんが「生涯忘れられない」と朝日新聞に語った光景がある。 原爆投下から30年。焼け野原から復興途上の広島で、初優勝を決めたカープが平和大通りをパレードした。「僕がオーナーにお願いしたんです」。自身は熊本出身だが、妻が原爆で母を亡くした。「たくさんの人が遺影を高く掲げて、『監督! じいちゃん喜んでるよ』『父ちゃん喜んでるよ』と口々に叫んでいたんです」 沿道を埋めた約30万人のファン。15歳で被爆した草田カズヱさん(91)=広島県海田町=もその一人だった。カープ創設時からのファンだ。ケロイドが残る足に沈んだ気持ちをソフトボールで晴らし、結婚後も夫とカープの応援に熱中した。古葉さんにはカープが25年ぶりに優勝した2016年にテレビ出演した際に会った。これまでの感謝を伝えたところ、目に涙を浮かべて喜んでくれたという。「普段は優しい顔だったが、勝負の時にはとても厳しかったという古葉さん。厳しくても選手がついてきたのは、とても魅力的な監督だったのだと思います」と悼んだ。 草田さんの孫で俳優・作家のうえむらちかさん(36)も「カープ女子」。16年の優勝パレードの中継番組で古葉さんと共演した。古葉さんは1975年のパレードと被爆後の歩みに触れ、「カープは広島にとって『希望の光』だった。だからその分、頑張らないといけない」と語ったという。うえむらさんは「古葉さんの思いを、ファンの私たちがこれからも受け継いでいきたい」と話す。 《広島カープは わしらの 希望の星じゃ》 漫画「はだしのゲン」の作者、故・中沢啓治さん(1939~2012)は最後の書き下ろし作品となった「広島カープ誕生物語」にそんなセリフを書き込み、古葉さんが果たした初優勝までを描いた。妻ミサヨさん(79)=埼玉県所沢市=は古葉さんの訃報(ふほう)に「復興する広島に強い希望を与えた監督。惜しい方をまたひとり亡くしたのが悲しい」と語った。(比嘉展玖、安井健悟) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
琵琶湖の水位低下「マイナス63センチ」 14年ぶり対策会議設置へ
会員記事 奥平真也、鈴木洋和2021年11月16日 21時00分 少雨傾向が続き、近畿の水がめ、琵琶湖の水位が低下している。16日午前6時時点で「マイナス63センチ」。2007年12月以来、約14年ぶりの低い水準となっており、このまま好天が続けば取水制限になる恐れもある。滋賀県は近く、水位低下連絡調整会議を設置し、生態系への影響などについて調査に乗り出す方針だ。 この時期の平年値は「マイナス36センチ」。三日月大造知事は16日の会見で「毎日琵琶湖を見ているが(湖面が)確実に小さくなっていっている印象を持つ」と懸念し、今後、節水の呼びかけも検討すると明かした。 彦根地方気象台によると、10月の降水量は平年値より大幅に少なく、大津市は43ミリで平年値の3割、彦根市は30ミリで平年値の2割にとどまったという。担当者は「今年は(10月に)台風がこず、前線が停滞しないなど、まとまった雨が降らなかった」と説明する。 琵琶湖の水位は、雨が降らな… この記事は会員記事です。残り475文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
祖父の介護で大学院退学、同級生は就職 孤立した自分が今できること
「友達の誘いを断っていたとか、ぼくもそういうことあったよな、と思い出しながらお話を聞いていました」 「自分はヤングケアラーなのかわからないと思うこともあるけれど、ほかの人の話を聞いて自分の立場を考える機会になった」 7月、大阪府枚方市の大阪歯科大牧野キャンパスで、ヤングケアラーとして家族をケアした経験者や支援者でつくる「ふうせんの会」が当事者のつどいを開いた。 会場に集まった約20人が輪になり、Zoomでオンライン参加した人も加わって、一緒に語り合った。 語り合いの前には、小学生のころから精神疾患のある母を支えてきたという大学生の女性が経験を話す時間もあった。 ケアラーの縁が人生を切り開くきっかけに 会では2カ月に1度、こうしたつどいを開いている。つどいで発言する・しないは本人に任されている。聞いているだけでももちろんOKだ。 ふうせんの会は2019年12月に発足し、朝田健太さん(35)や、ヤングケアラーの調査や研究をしている大阪歯科大教授の濱島淑恵さん(51)らが運営する。 朝田さんは大学生だった22歳の時から、同居していた認知症の祖父を約10年間介護していた。大学院に進んだが、祖父の見守りや介助が増え、退学した。同級生が就職して働く中、自分は日々、介護を担う状況に悩み、孤立した時期もあった。今は経験を生かし、社会福祉士として働いている。 さまざまな状況で家族を支え… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪の新規感染者は13人 死者は2人
2021年11月16日 17時42分 大阪府は16日、新たに13人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。また、70代と80代の男性2人の死亡も確認された。 府内の感染者は延べ20万2986人、死者は3058人になった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
組み立て10秒、ぱっと開けばベッドに 北九州の段ボール会社が開発
【動画】実際に段ボールベッドを組み立ててもらった=城真弓撮影 北九州市の段ボール製造販売会社「太陽インダストリー」が、避難所などですばやく組み立てられる折り畳み式の段ボールベッドを開発した。1台の組み立てにかかる時間は、わずか10秒ほど。担当者は、避難所運営の負担軽減になればと期待を込める。 組み立て前の段ボールベッド=2021年10月11日午前11時48分、北九州市戸畑区、城真弓撮影 10秒ほどで段ボールベッドが完成する=2021年10月11日午前11時50分、北九州市戸畑区、城真弓撮影 完成した段ボールベッド。新型コロナウイルスなどの対策のためパーティションがついたものとついていないものがある=2021年10月11日午前11時51分、北九州市戸畑区、城真弓撮影 避難所などで使われる段ボールベッドの多くは、複数枚のパーツを避難所で職員らが組み立てて設営する。かさばらず備蓄できるが、日常的に使うものではないため、組み立てに慣れていない場合が多く、1台あたり早くても10分ほどかかるという。 同社は昨年、新型コロナウイルス禍の感染予防対策として、段ボールのパーティション(仕切り)を開発。区役所窓口で活用されたのが縁で、避難所運営の課題を聞いたという。 東日本大震災以来広まった段… この記事は会員記事です。残り498文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ禍で業績回復したのに…「給与が遅配」 雇調金不正の実態
会員記事 松島研人、山下寛久2021年11月16日 14時30分 国の雇用調整助成金(雇調金)をだまし取ったとして、愛知県警は16日、情報システム会社「インプレスト」(名古屋市中区)社長の宮本大容疑者(42)=同県一宮市=ら2人を詐欺の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。 ほかに逮捕されたのは、元社員の荻野直人容疑者(34)=名古屋市港区。2人は共謀して昨年7月ごろ、勤務実態がないのに4人分の雇調金を申請し、約390万円をだまし取った疑いがある。 4人はいずれも過去に同社のアルバイトとして働いたことはあったが、申請時は勤務していなかったという。県警は、宮本容疑者が4人を同社の従業員だとした上で、休業しているように見せかけたうその書類を作成して、労働局に提出したとみている。 同社関係者によると、同社で… この記事は会員記事です。残り946文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鎌倉市のアパートで火災 5棟に延焼 住民と連絡取れず
土居恭子、織井優佳2021年11月16日 14時32分 16日正午ごろ、神奈川県鎌倉市大町1丁目の2階建てアパート付近から火が出ていると、目撃者の女性から110番通報があった。アパートに隣接する住宅と店舗計5棟にも延焼し、消防による消火活動が続けられている。鎌倉署によると、アパートの住民の男性(81)と連絡が取れていないという。 現場は、JR鎌倉駅から南へ約300メートルで、古くからの住宅や商店が密集する地域。修学旅行生や観光客が行き交う若宮大路からも黒い煙がもうもうと上がるのが見えた。 火災現場のすぐ近くの食料品店では、近所の人たちが心配そうに消火活動を見守った。エプロン姿の女性は「燃えているのは古いアパートだけど、近くの店にも火が回っているかも」と不安そうに話した。一帯の道路は人も車も通行が規制され、「中に友人が住んでいるんだけど」と警察官に話しかける人の姿もみられた。(土居恭子、織井優佳) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日大元理事ら追起訴 田中理事長の立件は見送り 背任罪で特捜部
2021年11月16日 15時23分 日本大学板橋病院をめぐる背任事件で、東京地検特捜部は16日、医療機器などの納入で日大に約2億円の損害を与えたとして、日大元理事・井ノ口忠男(64)と医療法人「錦秀会(きんしゅうかい)」(大阪市)の前理事長・籔本雅巳(61)の両容疑者を背任罪で追起訴し、発表した。建て替え工事の設計・監理業者の選定に関する最初の起訴分と合わせた日大の損害の総額は約4億2千万円となった。 特捜部は医療機器などの納入に関与した会社役員・吉田徹也容疑者(50)も在宅起訴した。 井ノ口容疑者は一連の取引の「お礼」として田中英寿理事長(74)夫妻に計7千万円を渡したと供述したが、特捜部は田中氏が資金作りの仕組みまで認識していたとは言えないと判断し、現時点での立件は見送ったとみられる。 発表によると、3容疑者は板橋病院に医療機器と電子カルテ関連機器を納入する取引で、籔本容疑者側の無関係の2社を不必要に介在させ、今年3月と5月、2社の利益として計約2億円を上乗せしたリース契約を日大に結ばせて損害を与えたとされる。 関係者によると、籔本容疑者側の会社から井ノ口容疑者の知人の会社には計約7千万円の送金が予定されていた。約2700万円が振り込まれた後、特捜部の捜索を受けて残りの送金は中断したという。 建て替え工事をめぐる最初の事件では、評価点を改ざんして選定した都内の設計業者から籔本容疑者のペーパー会社に対し、2億2千万円の日大資金が2020年8月に流出したとされる。その後、6600万円が井ノ口容疑者の知人の会社に送金されたという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「最近は女性より生きづらい」と5割が回答 電通総研の男性意識調査
土居新平2021年11月16日 12時00分 「男らしさ」をめぐり電通総研が男性の意識を調べたところ、約半数が「最近は男性の方が女性よりも生きづらい」と回答した。男性が家事をすることには、若い世代ほど消極的だった。ジェンダー平等を促す19日の国際男性デーを前に、同社が16日、公表した。 調査は8~9月、全国の男性3千人にインターネットで実施。18~30歳、31~50歳、51~70歳の年代別にまとめた。 「最近は男性のほうが女性よりも生きづらくなってきている」は、いずれの年代も約5割が「そう思う」と答え、世代間での隔たりはなかった。「自分が抱える心配や不安、問題についてたくさん話す男性は、真に尊敬されるべきではない」かどうかは、「そう思う」と答えた51~70歳は42%で、31~50歳は34%、18~30歳は35%だった。 「男の子が料理や裁縫、掃除、子守の仕方を教わるのは、よいことではない」との設問に「そう思う」と答えた人は18~30歳で24%、31~50歳で16%、51~70歳で11%。「男性は家事をしなくてもいい」に「そう思う」は18~30歳で16%、31~50歳で11%、51~70歳で9%だった。 調査にあたった電通総研の中川紗佑里氏は「半数の男性が生きづらさの高まりを感じているのは、ジェンダー平等への意識の高まりとともに男性優位の状況が変わり、男性自身も変化しなければならないという不安が背景にあるのだろう」と分析。「若い世代で家事や育児について消極的な考えが多いのは、家庭内外で男性も家事をすべきであるという風潮が高まっており、『これ以上は必要ない』と考えているからではないか」と話した。(土居新平) Think Gender 男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
オークションに未使用ブーツ、出品者は県警 事の発端は4年半前
公的機関からの出品を専門に扱うインターネットのオークションサイトに10月、ある物が出品された。「レディース ショートブーツ茶色【未使用】」。出したのは兵庫県警だった。ファッション関連の物品を、警察がなぜオークションに? スエード製▽サイズはS▽靴底に「MADE IN JAPAN」の文字▽最低入札価格は400円……。 サイト「KSI官公庁オークション」には、8枚の写真とともに、商品の特徴が掲載されていた。 「商品知識はありませんので、外見などで判断できるもの以外の情報提供は困難です」の一文も。県警が出品に至った経緯は書かれていない。 出品「三度目の正直」 出さないわけにはいかない事情 事の発端は4年半前、2017年3月にさかのぼる。 県警によると、県内のとある… この記事は有料会員記事です。残り951文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル