国吉美香2021年10月3日 16時26分 沖縄県警は2日から3日にかけて、在沖海兵隊の米兵2人を道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕し、発表した。 沖縄署によると、上等兵エリージャ・デイビス容疑者(22)は2日午前3時45分ごろ、沖縄市内で酒気を帯びた状態で車を運転した疑いがある。一方通行の道路を逆走しているのを警察官が確認。容疑を認めているという。 また、浦添署によるとスラバナ・ラマヤナプ容疑者(23)は3日午前2時10分ごろ、浦添市内で酒気を帯びた状態で車を運転した疑いがある。基準値の2倍以上のアルコールが検出されたが、「こんなに数値が上がるのはおかしい」と述べ、容疑を否認しているという。(国吉美香) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
母のおなかで水俣病に 憎しみが「生まれてよかった」に変わるまで
【動画】坂本しのぶさん。中学時代のバス旅行で自分の「病」の正体を知り、母を憎んだ。しかし年月を重ね、ある決心をした。 米国人写真家ユージン・スミスが水俣でカメラを向けた子どもたちは、ユージンの帰国後も自らの人生を懸命に生きてきた。歩けなくても夢を追い、公害の現実を伝える。命とは何か、生きるとは何か、身をもって次の世代に示し続けてきた。 「あっ、ユージン……とても懐かしい」 9月11日、胎児性水俣病患者の坂本しのぶさん(65)は、熊本県水俣市の隣町にあるつなぎ美術館(同県津奈木町)で始まったユージン・スミスらの作品展を訪れた。 写真の中に10代だった自分がいる。ユージンらが写った作品もあった。車いすから見上げた。車いすを押すのは、ユージンと水俣に住み、患者を撮ったアイリーン・美緒子・スミスさん(71)。しのぶさんとの付き合いは、水俣で撮影を始めた1971年から50年になる。 当時、原因企業チッソの「企業城下町」にあって、孤立した患者家族が初めて同社を訴えた水俣病第1次訴訟(73年に患者側が勝訴)のただ中にあった。しのぶさんの母フジエさんは原告の中心的存在だった。 しのぶさんは15歳。ユージンとアイリーンさんによる写真集「MINAMATA」では、自分の「病」の正体を、中学時代のバス旅行で知ったことがつづられている。先生が「母親が汚染された魚を食べて、生まれつき病気になった」と話すのを聞いてしまい、ある感情がわき起こった。 お母さんが憎らしかったと。私を病気にした。恐ろしか。恐ろしか。恐ろしか、私が考えたこつは。出刃ぼうちょうで殺そうて決めたよ――グサッ――そっで、自分も死のうて…… 自ら戦慄(せんりつ)するほどの感情を、必死にこらえた。周囲に年下の自分を可愛がってくれた兄や姉のような患者仲間がいたから。「みんながおったから、ここまで生きてきた」 ぎこちない足どり 会場は静まり返った 別の写真には「水俣病患者」… この記事は有料会員記事です。残り1061文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら MINAMATA 水俣病と水俣に生きる人々を撮り、世界に伝えた米国の写真家ユージン・スミス。彼の写真とまなざしは、現代もなお終わらない受難を照らしている。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
保護者の目も気になる? 大学の授業のオンライン化、教員の刺激に
コロナ禍のもとで一気に広がったオンライン授業は、大学教育に大きなインパクトを与えた。朝日新聞と河合塾の共同調査への学長からの回答には、オンライン授業に様々な課題を感じながらも、授業内容の改善や大学間連携の強化につながると期待する声も多かった。 共同調査「ひらく 日本の大学」は2011年から続いている。今年は6~8月、国公私立の775大学を対象に実施。85%に当たる655大学が回答した。 大学教育の今後について各学長に尋ねたところ、6項目の選択肢の中で、「そう思う」「ある程度そう思う」が最多の計97%に達したのは、「教育のDX(デジタル化による変革)・ICT活用が進む」だった。「教員が授業でのICT活用の有効性を感じた」「学生の理解度を把握しやすい」との声が多かった。そんな中、鳥取大は「確保できる非常勤講師など教育人材の地域格差が少なくなる」との期待を示した。 「授業改善が進む」も計92%に達した。尚絅(しょうけい)学院大は「ICT活用、授業外学習の具体的な指示を含めて、授業内容・方法を全面的に見直す良い機会になっている」とした。また、福岡県のある私立大は「保護者などに授業を公開せざるを得なくなったことは、教員の大いなる刺激になる」とした。 「遠隔システムを利用した他大学(海外の大学も含む)との連携が進む」は計75%。摂南大は「オンラインでは時間的にも経済的にも少ない負担で海外と交流できるため、コロナ終息後も一定数は続くのでは」とした。 「学生の授業外学修時間がコ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
広がるオンライン授業 大学から「60単位以下」ルール撤廃求める声
全国の国公私立大を対象にした今年度の朝日新聞と河合塾の共同調査では、92%の学長が、オンライン授業の普及で授業改善が進むと考えていた。各大学ではどのような授業改善が進んでいるのか。共同調査への回答をみると、様々な取り組みが進められている。 「多くの教員が学習支援システムを利用するようになり、蓄積されるデータで教員が学生の理解度を把握しやすくなった」と書いたのは九州大だ。その結果、「学生の学びの進度に合わせて授業方法を工夫する、といった改善につながっている」とした。 甲南大は、対面授業を重視するものの、学生の状況に応じて視聴できる「オンデマンド授業」についても「予習・復習がしやすく、授業の理解が促進される等の利点もある」とした。 地方の大学を中心に、遠距離でもつながることができる特徴に期待する声も目立った。関西国際大は「前橋市から沖縄県までの国内の6大学1短大で、コロナ禍をテーマとした教育プログラムを実施した」。さらに「連携協定を結ぶ海外の大学ともコロナ禍を題材に学生が参加するシンポジウムを開いた」という。 上智、早稲田は…… 上智大は、オンラインで海外… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
貧しい「周縁」で起きた未曽有の公害 同じことは東京湾で起きえたか
【MINAMATA ユージン・スミスの伝言】ユージンが見つめた人々の勇気と不屈の魂 米国人写真家ユージン・スミスが水俣の地を踏み、今年9月で半世紀がたった。彼が写真で伝えた水俣病に、世界はどう向き合ってきたのか。 環境庁(現環境省)発足の契機となった水俣病は、経済への偏重が辺境で暮らす人々の人権を脅かす問題を世界に問い続けてきた。 水俣病の被害が拡大した1960年代、日本は高度経済成長をひた走る一方で「公害先進国」と言われた。67年制定の公害対策基本法で「経済の健全な発展との調和を図る」とする「調和条項」が盛られ、経済偏重から抜け出せないまま多くの被害者を生んだ。 「脱公害」にかじを切った70年の公害国会で条項は削除され、翌年に環境庁が発足した。だが、70年代後半の世界不況から80年代の小さな政府をめざす新自由主義への流れの中で、「日本の公害・環境行政は退潮した」と宮本憲一・大阪市立大名誉教授(環境経済学)は指摘する。 19年に世界で亡くなった6人に1人は環境汚染が原因 公害研究の先駆者である宮本… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
人間が死へと向かうプロセス もっと快いものに見直したい
僧侶・高橋卓志さん 僕は今春、S状結腸がん手術の全身麻酔で意識を失った際、「疑似的な死」を経験したと思っています。実際は4時間半経っていたのに、感覚的には数秒。完全なるブラックアウトで、夢も見ない。術後、覚醒しきれない頭で「快い」と考えていました。 フランスの歴史学者フィリップ・アリエスの著書「死を前にした人間」(みすず書房)に、こんな一文があります。「死は『麻酔状態を思わせる快さ』を持っているのに、聖職者と教会は、その快さを、異様で恐ろしいいでたちのもとに隠蔽(いんぺい)し、その性格をゆがめようとしている」 寺に生まれ、僧侶になって半世紀近く、僕は約4千人の葬儀をし、緩和ケア病棟でもうすぐ旅立つ人たちへ「死とはこういうもの」と説いてきました。仏教の「往生」もキリスト教の「復活」も、死後の世界の話です。でも実は何も存在しないんじゃないか、全てが喪失するだけなのでは――。これが疑似的な死で、率直に感じたことです。死が一人称に迫る今、「あちらの世界から見守りを」などと言い続けてきた自分の罪深さを思います。 僕は若いころから、たくさん… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
めぐみさん57回目の誕生日がつらくて 早紀江さんが明かす胸の内
北朝鮮に拉致された横田めぐみさんが、5日に57歳の誕生日を迎える。新潟市で下校途中だった中学1年生が突然連れ去られて今年で44年。母の早紀江さん(85)は「娘の誕生日を思い出すとつらい。と同時に、どうして解決にこんなに長い時間がかかるんだろうという思いが募る」と胸の内を明かした。 早紀江さんは2日、川崎市が開いた「拉致被害者家族を支援するかわさき市民のつどい」に参加した後、取材に応じた。 長女の救出を訴え続ける母が思い出すのは、拉致される1カ月前の13歳の誕生日のことだ。 仲良しの友人2人が当時の自… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
世界に誇る「MANGA」選手権 日中韓の新人作家たちの作品を紹介
山本大輔2021年10月2日 17時30分 北九州市漫画ミュージアムが、昨年の「日中韓新人MANGA選手権」に参加した漫画家20人の作品を紹介する「報告展」を10月11日まで開いている。 選手権は若手漫画家の支援や漫画文化の普及が目的。同ミュージアムなどが主催し、今年も9月に21人が参加したが、2年連続でオンライン開催となった。 日本が世界に誇るMANGAの原点「4コマ」にこだわる。ただウィズコロナの時代、ITなども駆使して「枠」にとらわれない発想で漫画振興を目指す。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
関電旧経営陣の責任は? 「異例」の構図で追及へ 6日に初弁論
関西電力の元役員らが原発立地自治体の元助役(故人)側から多額の金品を受け取るなどした問題で、関電と株主が森詳介元会長ら旧経営陣6人に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が6日、大阪地裁で開かれる。旧経営陣は刑事告発もされており、真相解明に向けて、刑事、民事の両面で責任が問われている。 6日に始まる民事訴訟の法廷では、異例の光景が見られそうだ。別の訴訟で争っている関電側(現経営陣ら)と株主側がそろって原告席に並び、旧経営陣の責任を追及する構図になっているためだ。 関電を巡っては、元役員らが福井県高浜町の元助役・森山栄治氏(故人)らから30年以上にわたり、高額の金品を受け取っていた問題が発覚。東日本大震災後、電気料金値上げに伴いカットした役員報酬の一部について、退任後、嘱託報酬の形で補塡(ほてん)していたことなども判明した。 一連の問題を受け、関電の監査役会が設置した調査委員会は昨年6月の報告書で、金品受領問題や役員報酬補塡問題について、森元会長らの注意義務違反を認定。関電は「会社の社会的信頼を損なった」として、森元会長ら旧経営陣6人に損害賠償を求めて提訴した。 一方、一部の株主は「関電による責任追及の範囲が狭い」とし、現経営陣を含む計22人を訴える株主代表訴訟を起こした。 二つの訴訟は、もともと別だ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「母の死を無駄にしない」 告訴に提訴、自分の役目を考え続ける日々
26人が犠牲になった静岡県熱海市の土石流は3日、発生から3カ月を迎える。今も住民の太田和子さん(80)の行方が分かっておらず、県警が約50人態勢で捜索を続けている。 市によると、12世帯19人(1日時点)がなお避難生活を送っている。一時は最大約580人が避難していた。現場の一部には今も大量の土砂が堆積(たいせき)しており、立ち入り禁止の地域が残っている。県によると、住宅132棟が被災して53棟が全壊した。県は土石流の起点付近にあった盛り土が被害を甚大化させたとみて調べている。 遺族らは、盛り土を造成した業者や現在の土地所有者らに損害賠償を求めて提訴しているほか、重過失致死容疑などで告訴もしている。 被害者まとめ、再発防止を訴える 「悲惨な災害を二度と起こしてはならないという使命感」 母親の瀬下(せしも)陽子さん(当時77)を亡くした千葉県の雄史さん(53)は9月28日、盛り土の関係者らを相手取り、約32億7千万円の損害賠償請求訴訟を起こした記者会見で、提訴する理由をそう訴えた。自身をふくむ70人の原告を代表して強調した。 行方不明だった母親が見つか… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル