【動画】2階建て「Max」E4系新幹線が10月1日でラストラン=高橋俊成撮影 国内で最後の2階建て新幹線「E4系」が10月1日、定期運行を終える。車両の高速化などで次第に役割を終え、JR東日本の上越新幹線が最後だった。引退を惜しむのは、鉄道ファンだけではない。長年輸送を支えてきたJR職員たちも、思い出やねぎらいの言葉を口にした。 上越新幹線の乗務員らが所属する新潟新幹線運輸区の伊藤雅之さん(44)は、新幹線の車掌になって7年。巡回などで階段を通るのはこの車両ならではで、これまで何段上り下りしたか、数え切れない。年のせいか、「ここに張りを感じる」と太ももを指して笑う。 乗車券の確認などで車内をまわると、様々な乗客に出会った。登山シーズンは、リュックを背負う人を多く見かけた。冬はスキー板の置き場所を案内した。印象に残るのは、階段を駆け上がる子どもの姿や驚きの声。「2階でしか見られない景色を目に焼き付けて欲しい。いつまでも記憶に残してもらうためのお手伝いをしたい」 同運輸区の運転士、戸嶋始さ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国内最後の2階建て新幹線、ラストランへ 大量輸送の時代支えた
【動画】2階建て新幹線「Max」が引退へ=嶋田達也撮影 国内で最後の2階建て新幹線「E4系」が10月1日、定期運行を終える。新幹線の2階建て導入から約35年。長距離化、高速化するなかで大量輸送を支えてきた。最後まで残っていた2階建てはJR東日本の上越新幹線で、乗客からは引退を惜しむ声があがる。東京駅発のラストランは同日午後6時32分、越後湯沢駅に向けて出発する。(高橋俊成、小川崇) 仕事、恋愛、帰省、思い運んだ日々 9月下旬、夕方の東京駅。高さ約4・5メートル、全長約200メートル(8両編成)の新幹線「E4系」がホームに入ってきた。2階席に座る多くの乗客が、窓越しからスマホをかざした。ホームでも利用客らが、Maxの愛称で知られる車両の姿をカメラに収めていた。 都内の女子大学生(22)は「帰省するたびに使ってきた。最後になるかもしれないと思って」とE4系を選び、帰省先の新潟に向かった。会社員の女性(44)は3歳の長男と初めて乗車。E4系に乗るために越後湯沢まで行き、日帰りで戻ってきたという。「2階までベビーカーを持ち上げるのは大変だったが、見晴らしがよかった」と話した。 「この10年で何回乗ったんだろう。数え切れないくらいですね」。新潟県長岡市の会社員、堀美穂さん(34)はE4系に乗った日々を振り返る。 横浜市出身。大学卒業後、富山県に本社がある製薬会社に入った。勤務地の東京の支店から本社に行く時は、いつも緊張しながら同僚らとE4系に乗った。北陸新幹線がまだ金沢まで開通しておらず、本社に行く際は越後湯沢駅(同県湯沢町)で乗り換えた。トンネルを過ぎて大雪が積もった光景に「すごい所に来てしまったな」と思った記憶がある。 後に夫になる交際相手は新潟出身だった。横浜と新潟の遠距離恋愛。彼に会いにいくときはE4系に乗ることが多かった。E4系で過ごす時間は、仕事での緊張から「好きな人に会える」という楽しみへと変わった。 結婚し、7年前に新潟県長岡市へ転居した。長女が生まれると、横浜の実家に帰省する際にE4系を使った。ベビーカーを持って階段を上がるのは大変だったが、2階席からの眺めに喜ぶ娘の顔があった。E4系は移動手段から楽しむ場所へと変わった。 自宅からは新幹線の線路が見える。コロナ禍の影響で列車での帰省は控えていたが、今春、5歳になった長女がふと口にした。「Maxときに乗りたい」。E4系の引退を、どこかで聞きつけたようだった。 今月11日、2人の娘とともに2年ぶりにE4系に乗車した。この日も2階席を選んだ。道中、収穫期を迎える田園風景を眺めた。長女は「また乗りたい」と笑顔を見せた。 見慣れた景色の記憶はモノクロだったり色鮮やかだったり。「乗るたびに、自分の気持ちが車窓からの印象に反映されていた。何回も乗ったからこそ、さみしいです」 ■高速化進み、最高時速に壁… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
盗まれた高級時計、買い取り店に13点 容疑者「報酬は交通費だけ」
2021年9月30日 12時26分 ビンテージやアンティークの時計を扱う東京・吉祥寺の有名店で5月、高級腕時計が盗まれた事件で、警視庁は栃木県高根沢町の無職中田秀平容疑者(26)を窃盗と建造物侵入の容疑で逮捕したと、30日発表した。中田容疑者は容疑を認め、「金が欲しかった」などと供述しているという。 捜査3課によると、中田容疑者は5月18日午前0時半過ぎ、東京都武蔵野市の「江口洋品店・江口時計店」に忍び込み、「カルティエ」「オメガ」などの腕時計24点(販売価格計1234万円)を盗んだ疑いがある。トイレの腰高窓を打ち破って店内に侵入、腕時計の入ったショーケースをバールでたたき割ったという。防犯カメラの映像などから、同課は逃走まで1分ほどだったとみている。 被害品のうち13点は、都内と愛知県の買い取り店で見つかった。指示役と腕時計の転売役の共犯者がいるとみられ、中田容疑者は「受け取った報酬は交通費の5千円だけだ」と話しているという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ボタン忘れた女子児童に「セクシーだね」 暴言など11件で教諭処分
堀越理菜2021年9月30日 10時00分 熊本市は29日、担任する児童に対する体罰や暴言があったとして、市立小学校の男性教諭(48)を停職3カ月の懲戒処分、当時の校長を文書訓告とし、発表した。 市教育委員会によると、教諭は2019~20年度、担任していた学級の児童延べ26人に対し、計11件の体罰や暴言などを行った。 体罰は、長縄跳びの練習中、教諭の指導に「それはやりすぎではないですか」と意見した児童を押して転倒させたものなど2件。児童の顔の特徴を捉えて「目つきが悪い」「私をにらまないで」と言ったり、ボタンをとめ忘れていた女子児童に「セクシーだね」と言ったりした暴言も5件あった。成績が悪かった児童の漢字テストの点数をほかの児童の前で公表する▽女子児童に抱きつこうとするふりをする――など4件の不適切な言動もあったという。 教諭は現在は別の小学校に勤務しており、指導に熱くなってしまったなどと理由を説明し、「たくさんの子どもたちを傷つけて大変申し訳ない」と述べているという。市教委の担当者は「教育に対する期待と信頼を裏切る結果となった」と謝罪した。(堀越理菜) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
上野の双子パンダもうすぐ命名 19万件の応募、黒柳徹子さんら検討
本間ほのみ2021年9月30日 10時18分 上野動物園(東京都台東区)で6月に生まれた双子のジャイアントパンダの名前の候補を決める「名前候補選考員会」が29日、オンラインで開かれた。全国から応募のあった名前の中から委員会で候補を絞るなどして検討し、都が名前を決める。双子の名前は10月中旬以降に発表される予定だ。 2頭の名前は「カタカナ9文字以内」を条件に8月に募集したところ、計19万2712件の応募があった。この日は、寄せられた名前の中から、日本パンダ保護協会の名誉会長を務める黒柳徹子さんら計6人の選考委員が名前候補を検討した。双子であることや、2頭の「お姉さん」にあたるシャンシャンとのつながりなどを考えながら議論したという。 9月28日に園が公開したオスとメスの双子の様子によると、2頭とも体重は5・5キロに。動きは活発で、メスは前脚で上半身を支えながらおなかも持ち上げられるようになり、行動範囲が広がった。園が撮影した動画では離れたところにいる母親のシンシンのもとへハイハイで向かっていた。2頭の公開時期は未定だが、公開に向けて人の声や物音に慣れさせようと、保育室ではラジオを流しているという。(本間ほのみ) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
眼科開業医を逮捕 前の勤務先の患者情報、不正にコピーした疑い
土居恭子、小寺陽一郎2021年9月30日 10時32分 勤務先の眼科医院から数千人分の患者情報を不正に入手したとして、神奈川県警は30日、医師の中原将光容疑者(43)=横浜市=と、この医院に勤めていた女(42)=同=を不正競争防止法違反(営業秘密の領得)の疑いで逮捕した。中原容疑者は医院を退職後に別の眼科医院を開業しており、県警は、入手した情報を新規の患者を増やすために使った可能性があるとみて調べている。 捜査関係者によると、2人は共謀し、横浜市内の眼科医院に勤務していた2018年11月ごろ、不正の利益を得る目的で、この医院の営業秘密にあたる数千人分の患者の氏名や住所などの情報を、記録媒体に不正にコピーした疑いがある。 中原容疑者は退職後の21年春ごろ、東京都町田市で眼科医院を開業。ウェブサイトでは「院長からご挨拶(あいさつ)」として、全国の眼科医院で累計2万8千件以上の手術経験があると説明している。県警が、中原容疑者が勤務していた横浜市の眼科医院から相談を受け、捜査していた。(土居恭子、小寺陽一郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
死因は脳挫傷 転んで頭を打ちつけた可能性 福井県議死亡で県警
柳川迅2021年9月29日 20時00分 頭にけがを負った状態で見つかり、その後死亡した福井県の辻一憲県議(当時56)について、同県警は29日、司法解剖の結果、死因は脳挫傷などだったことを明らかにした。依然として事故、事件いずれの可能性もあるとし、情報提供を呼びかけた。 捜査1課によると、死因は左の頭頂部から後頭部にかけて打撲を負ったことによる外傷性くも膜下出血と脳挫傷。頭の骨が折れていたほか、左の肩とひじに打撲があったという。頭は硬い平面にぶつけたと考えられ、転んで路面に打ちつけた可能性もある、とした。 発見前、座り込み、立ちすくむ姿 同課は発見までの経過も説明した。19日午後、辻県議は越前市長選の立候補予定者の事務所開きに出席した後、越前市宮谷町の自宅に戻った。その後、自宅周辺の住宅地で自身の政策ビラを配布しており、午後3時15分ごろに会話した住民がいた。同4時半ごろから同8時ごろにかけて、何カ所かで座り込んだり、立ちすくんだりしている様子が目撃されたという。話しかけた住民もいるが、うなずくだけで会話はなかったという。辻県議が目撃された場所のうち2カ所では血痕らしきものが見つかった。同じ時間帯に、言い争う声などは確認されていないという。 辻県議は19日午後9時50分ごろ、越前市上真柄町の住宅の植え込みに座りこんでいるところを帰宅した住民が見つけ119番通報。市内の病院で手術を受けたが、意識不明のまま26日夜に死亡した。 情報提供は越前署(0778・24・0110)へ。(柳川迅) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「強制不妊手術」独自の救済条例案を否決 明石市議会「国の問題」
天野剛志2021年9月30日 5時00分 旧優生保護法(1948~96年)で障害などを理由に不妊や中絶の手術を強いられた市民とその配偶者に各300万円を支給する兵庫県明石市の条例案について、市議会は29日、賛成少数で否決した。自治体による支援金支給は全国でも異例で、泉房穂市長は30日にも修正案を提出する考えを示した。 国の一時金支給法は、不妊手術を受けた本人を対象に一律320万円を支払う。市の条例案は、同法の対象外である中絶手術を受けた人や配偶者も含める内容。だが市議会本会議では「甚大な人権被害を受けた被害者を支援するべきだ」との意見がある一方、「本来は国の問題で裁判でも係争中。その中で、なぜ明石市民の税金を使うのか。対象人数も未確定で何人まで増えるのか不明だ」との意見も出た。採決では議長や棄権した6人らを除く21人のうち賛成は9人にとどまった。「反対ではないが、市民や第三者の声を聞く手順を踏んでおらず、市長が独断専行している」と棄権した議員もいた。 条例案は泉市長が「国の対応は不備があり、市としてできることをしたい」と市議会に提案していた。 議場には強制不妊手術を巡る国家賠償訴訟の原告で、同市内に住む聴覚障害者の小林宝二さん(89)と喜美子さん(89)夫妻の姿もあった。宝二さんは「まだまだ私たちのことを理解してもらえる段階ではないと思った。市長が再チャレンジすると言ってくれたので、私も分かって頂けるまで頑張りたい」と手話を使って語った。 各地の訴訟では、旧法は憲法違反と判断する一方、手術から20年の除斥期間が過ぎたとして賠償請求を退ける判決が相次ぐ。優生保護法被害兵庫弁護団の藤原精吾団長は「条例案は、国の一時金支給法の不十分さを示すだけでなく、期限を設けていない点で、国の責任を免除した判決の誤りも示すものだった。意味は大きかっただけに、否決は極めて残念だ」と話した。(天野剛志) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
吉祥寺の有名時計店でカルティエなど盗んだ疑い 栃木の男逮捕
【動画】時計店での犯行の様子 東京・吉祥寺の時計店で5月、高級時計が盗まれる事件があり、警視庁が栃木県に住む無職の男(26)を、窃盗と建造物侵入の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材で29日分かった。 この店は、1980年以前のビンテージやアンティークを専門に扱っている有名店。被害が報じられた際には、全国のファンから励ましの声が届いていた。 捜査関係者によると、男は5月18日午前0時半過ぎ、東京都武蔵野市の「江口洋品店・江口時計店」に窓ガラスを割って侵入。「カルティエ」などの腕時計二十数点(計約1230万円相当)を盗んだ疑いがある。おおむね容疑を認めているという。 警視庁は防犯カメラの映像などから男を特定した。事件後、別の詐欺事件に関与したとして同庁に逮捕されていたという。同庁は共犯者がいるとみて調べている。 「頑張って」「やめないで」の声に励まされ 被害に遭った江口洋品店・江… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
安田菜津紀さん、ルーツ探る旅 父が語らなかった祖父母は……
海水浴に行った幼き日の安田菜津紀さんと父=安田さん提供 フォトジャーナリストの安田菜津紀さん(34)が自身のルーツを探る旅を続けている。高校時代に亡き父が韓国籍だったと知ったことや、最近になって朝鮮半島出身の祖父母についての情報を得たことを今月18日、大阪府東大阪市内で語った。 対談で話をする安田菜津紀さん=2021年9月18日、大阪府東大阪市岩田町4丁目、宮崎亮撮影 東大阪朝鮮初級学校(同市)の創立75周年を記念する対談企画で、ジャーナリストの中村一成(イルソン)さん(51)と登壇した。企画は同校オモニ会などが主催した。 安田さんは幼き日の忘れがたい記憶から語り始めた。飲食店を営む父が早く帰宅し、絵本の読み聞かせに熱心な母に代わり自分をひざに乗せ、ページをめくった。だが読み方がおぼつかなく何度もつっかえる。安田さんは「もういい」と絵本を突き返し言った。 「お父さん、日本人じゃないみたい」 いつも穏やかな父は笑っていたが、目の奥が悲しげだった。 高2の時、戸籍を見た 父の欄に「韓国籍」 中2の時に亡くなった父の出自を安田さんが知ったのは、高2の時。NPOのプログラムでカンボジアに渡ることになり、パスポート取得のため戸籍を取ると、父の欄に「韓国籍」とあった。 父はなぜ生前にルーツを語らなかったのか。取材の旅を続ける中で、安田菜津紀さんはその理由に思いをはせるようになります。会ったことのない祖父母の名前も初めて知ることになりました。 驚きのあまり身が固まった。同時に、あの日の父の表情や、父が何かを隠しているのではという家庭内での「小さな違和感」の答えを見つけた気がした。母からは不安定な生活のため十分な教育を受けられなかったようだと聞いた。 小学校入学前の安田菜津紀さんと父=安田さん提供 誰かに話したかったが、ネット上で朝鮮半島への中傷を目にすると躊躇(ちゅうちょ)した。日本人として育った自身の「加害性」と向き合わざるを得なくなった。隣国を揶揄(やゆ)するような報じ方をするテレビ番組を無批判に聞き流していなかったか。在日コリアンへの差別事件には「背を向け、知らなくても生きていけていた」。 祖母は32歳で早世、祖父はプロボクサーだった その後はカメラを手に国内外を巡り、貧困地域の子どもや難民、被災者らに寄り添うジャーナリストとなった。ただ父が生前に語らなかったルーツの詳細は不明のまま。新たな情報を得たのはつい昨年のことだ。 亡くなった外国人の情報が記されている「外国人登録原票」の写しを国に請求できると知り、父と祖父母について請求したものが交付された。 祖母の名は「金玉子(キムオッチャ)」。11歳で釜山から来日し、いまの自分より若い32歳で亡くなっていた。祖父は「金命坤(キムミョンゴン)(一部記載は金明根)」。最近になり本人を知る人からプロボクサーだったと教えてもらった。最初に記載されていた日本の住所は父の出生地の京都市伏見区だった。 この地を案内したのが対談相手の中村さんだ。京都朝鮮第一初級学校(当時)周辺でのヘイトスピーチ事件の著作がある。自身の母が在日2世で、日本人の父から民族差別の言葉を投げかけられる姿を見て育った。母も祖母もルーツを隠していた。「安田さんが、自分がしようと思ってもできなかったルーツの探訪を続けているのがうれしかった」 中村一成さん=2021年9月18日、大阪府東大阪市岩田町4丁目、宮崎亮撮影 安田さんは事件当時の同校の保護者だった在日2世の男性に話を聞いた。男性は通名で日本の公立校に通い、民族差別を受けた経験から、あえて娘を朝鮮学校に通わせたという。「ルーツを肯定的に捉えてのびのび暮らせる環境に身を置かせたかった」と安田さんに語った。 ヘイト事件の映像はいまもネ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル