足立菜摘2021年9月6日 21時44分 松山市の地盤調査会社ハイスピードコーポレーションが、四国3県で戸建て住宅とアパートの地盤調査データを偽造していた問題で、同社は6日、新たに43件の偽造が判明したと発表した。偽造は計76件になり、いずれも同じ若手社員(今年5月に退職)が担当したとしている。今後、ほかの社員が調査した現場についても、社内調査を進める方針という。 新たに偽造がわかったのは愛媛県41件、高知県2件。同社によると、愛媛県は松山市や新居浜市など12市町、高知県では高知市といの町の物件だという。すでに完成した住宅で被害が生じているかや地盤の補強工事が必要かどうかは調査中だとしている。 同社によると、元社員は昨年4月の入社から退職までの間に計202件の調査を1人で担当した。 今年8月に元社員をめぐる33件のデータ偽造が報道された後、愛媛県は同社に詳細調査を要請した。同社が元社員が担当した調査の電子データなどを再確認したところ、開始時刻や地点が重複しているなどの矛盾が相次いでわかった。 最終的には33件と別に43件で、通常は建築予定地の5地点で実施する調査の一部を省き、架空のデータを報告書に記していたことが判明したという。全5地点の調査を省いた物件はないという。 同社の担当者は取材に、「いま、建物を施工する工務店側に偽造について説明している。偽造があった物件は基本的に自社で再調査するが、依頼があればほかの地盤調査会社に再調査してもらう」としている。 同社は3日に愛媛県にも報告した。県は76件について建築基準法に違反する行為がないか、設計者や施工者と同社の連名で報告するよう求めた。 同社は6日、ホームページに「新たに判明した不正物件対象のお客様に迅速に報告の上、誠実に対応してまいります。今後も調査を行い、全容解明に努める」とのコメントを出した。(足立菜摘) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「性的指向による不公平なくして」 札幌・SOGIハラ訴訟
内縁関係も対象となる扶養手当などを同性カップルに支給しなかったのは憲法が保障する「法の下の平等」に反するとして、元北海道職員が道と地方職員共済組合に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が6日、札幌地裁で開かれた。元職員は意見陳述で性的指向による不公平をなくすよう訴えた。道と共済組合は請求棄却を求めた。 原告は札幌市の社会福祉士、佐々木カヲルさん(52)。戸籍上は女性だが、性自認については「男ではなく女ともいえない」としている。女性のパートナーと同居し、自身の住民票に編入させている。弁護団によると、同性間の扶養関係が認められるかを問う訴訟は全国初。 訴状などによると、佐々木さんは道職員だった2018~19年、道に寒冷地手当の増額や扶養手当の支給を求めた。いずれも内縁関係であれば支給されるが、同性間の内縁関係は認められないとして支給されなかった。また、共済組合に扶養認定を届け出たが認められなかった。佐々木さんは「性的指向によるハラスメント(嫌がらせ)を受けた」などとして退職した。 佐々木さんは意見陳述で、「私を普通に取り扱ってほしい。個人として尊重され、人が生まれながらにして持っているはずの権利を私にも与えてほしい」と訴えた。 佐々木さんは、道などの対応について、「他の職員との公平性を欠き、道民の理解が得られないとしており、不合理な区別、差別だ」と指摘。事実婚、内縁関係と同等の取り扱いをしてほしいと求める要望書や、パートナーとの関係性を証明する書類を提出したにもかかわらず、「無視され、差別され続けた」と述べた。 佐々木さんは、今回の訴えを「SOGI(ソジ)ハラ訴訟」と呼んでいる。「SOGI」とは、どの性を好きになるかを表す「性的指向(Sexual Orientation)」と、自分の性別をどう考えるかを表す「性自認(Gender Identity)」の頭文字を取った言葉だ。 同性婚を認めない民法などの規定が「法の下の平等」を定めた憲法14条に違反すると認めた3月の札幌地裁判決は、「性的指向など人の意思によって選択・変更できないものに基づく区別は、真にやむを得ない区別であるかによって、その合理性を慎重に検討されなくてはならない」とした。 今回の訴訟で弁護団は、性的指向によって道などの取り扱いが異なることについて、「真にやむを得ないといえるほどの理由はない」と主張している。 佐々木さんは法廷で、「社会的に多数である人々、マジョリティーの理解が得られない場合、公の機関こそが、率先して制度を柔軟に解釈・運用し、古い制度を改正し、民間の理解水準を高めていくことが求められる」と述べた。 弁論後の記者会見で佐々木さ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
昨夏の豪雨で球磨川の最大流量見直し 熊本・人吉で毎秒8200トン
伊藤秀樹2021年9月6日 20時30分 昨年7月に熊本県南部での記録的な豪雨によって氾濫(はんらん)した球磨(くま)川水系の治水をめぐり、国土交通省は6日、洪水時の最大流量を同県人吉市で毎秒7千トンとする想定を毎秒8200トンに見直す案を同県などに示した。蒲島郁夫知事は6日、この案を受け入れる考えを示した。国交省は新たな想定に基づいて河川整備基本方針を見直す方針で、最大支流の川辺川に整備をめざす流水型ダムの規模などを決める前提にもなる。 河川整備基本方針は治水の長期目標を定めるもので、球磨川水系の現行方針は2007年に策定された。人吉市の基準地点で最大流量を毎秒7千トンと想定しているが、昨年7月の豪雨ではそれを上回る毎秒7900トンだったと推定される。 同省によると、人吉市で80年に1度の規模の洪水に対応する従来目標は維持し、気候変動で増加する降水量分を加味して人吉市での最大流量を毎秒8200トンと算出。流水型ダムなどで毎秒4200トンをため、人吉市で安全に流せる流量を毎秒4千トンと設定した。 下流の同県八代市・横石の地点でも現行方針の最大流量毎秒9900トンを1万1500トンに増やす。 昨年7月の豪雨と同規模の洪水が起きた場合、人吉市で堤防は越えないが、安全に流せる「計画高水位」を最大約1メートル超える計算になる。八代市の萩原地区でも計画高水位を最大約0・4メートル超えるという。(伊藤秀樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
札幌冬季五輪「フルスタジアムで」橋本会長が有観客開催の誘致に意欲
2021年9月6日 20時30分 東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長が6日、札幌市が目指す2030年冬季五輪招致の実現に改めて意欲を示した。「(東京五輪・パラリンピックという)大きな事業を経験したわけですから、一つの大きなレガシーとして引き継いでいく、提案をすることは非常に重要だ」と述べた。東京五輪とパラリンピックを総括する記者会見で明らかにした。 札幌五輪の組織委員会のトップとして関わる意欲について問われ、橋本会長は「もしまた組織委の会長という依頼があればぜひ受けたい。もっと完全な大会で、(有観客の)フルスタジアムで国民の笑顔あふれる大会をめざしたい」と話した。また、「アジアでも非常に人気の高いウィンタースポーツをどのように観光と結びつけていくかが大きな課題」とも述べた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
名古屋市で自宅療養中の30代男性死亡 保健所からの電話つながらず
東海3県では6日、計1424人の新型コロナウイルス感染が確認されたほか、名古屋市で軽症と判断され自宅療養中だった30代男性が、肺炎で亡くなったと発表された。ワクチン未接種だったという。 市によると、男性は8月29日に感染判明。今月2日に体調確認などで保健所が電話で男性と話したが、3日から出なくなった。男性の職場の上司が5日に自宅を訪ね、倒れているのを見つけた。その後死亡が確認された。基礎疾患はないが、重症化リスクがある「肥満」(BMI30以上)だったという。 保健所からは携帯も含めて複数回線から電話することや家族などの緊急連絡先にかけることもあるが、今回は感染者急増で連絡が行き届かなかった可能性があるという。市は今後、家族や知人、警察などにも連絡し、感染者本人と接触するようにするとしている。 愛知県では20日連続で1千人を超える1190人が感染。入院患者は週末に35人増え1042人(病床使用率64・1%)、重症者は88人(同51・8%)。大村秀章知事は、12日までの緊急事態宣言を「医療は厳しさを増し、解除は難しい」との見通しを示した。自宅療養者は1739人増え1万9015人となった。 一方で、県は10月第1週までに県内12歳以上の88・5%が2回接種できる量のワクチンが供給される見通しだと明らかにした。県が市町村で配分の偏りが出ないよう調整を続ける。 三重県では109人の感染を確認。6日朝時点の病床使用率は69・2%で過去最も深刻になった。岐阜県では125人が感染し、病院など3件のクラスター(感染者集団)が確認された。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アッケシソウ、赤紫に色づく 北海道網走の能取湖畔
神村正史2021年9月6日 17時30分 北海道網走市の能取湖畔で、アッケシソウの群落が色づき、辺りを赤紫色に染めている。今年は20日ごろにピークを迎えるとみられ、9月いっぱいは楽しめそうだ。 能取湖はオホーツク海とつながる海水の湖。アッケシソウはアカザ科の一年草で、海水の入り込む海岸の草地に生え、秋に緑から赤へと色づく。色と形がサンゴに似ていることからサンゴソウとも呼ばれる。 湖南側の卯原内(うばらない)地区には、国内最大級の約4ヘクタールの群落がある。卯原内観光協会によると、今年は8月20日ごろから色づき始めた。すでに7分ほどとなり、群落全体が赤いじゅうたんのようになっている。 ただ、毎年9月に開かれる「能取湖さんご草祭り」はコロナ禍のため2年連続で中止になった。訪れる人は木道から静かに赤紫に染まった景色を眺めていた。(神村正史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
深まる赤い色 淡路島でサルビア見頃
田辺拓也2021年9月6日 17時30分 兵庫県淡路市の公園「あわじ花さじき」で、サルビアが見頃を迎えている。園内の約1万1千平方メートルの斜面に、赤や青などの約20万本が植えられている。 同園によると花は8月上旬から咲き始めた。秋が深まるにつれて花の発色が鮮やかになり、10月下旬まで楽しめるという。入園無料。(田辺拓也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
HIV検査に誤って梅毒用キット使用 大阪府、8人と連絡とれず
浅沼愛2021年9月6日 17時46分 大阪府は6日、エイズウイルス(HIV)に感染しているかを調べる検査で、誤って梅毒用の検査キットを使っていたと発表した。藤井寺保健所で8月25日に検査を受けた8人に誤って使用したが、匿名での検査のため連絡は取れないという。保健所は謝罪し、「申し出があれば再検査をする」としている。 府によると、8人はHIVと梅毒の両方の検査を希望していた。検査キットは共に採血した血液を垂らして検査するもので形が非常に似ている。同保健所では間違いを防ぐために梅毒用には緑色のシールをつけていたが、この日は他の保健所から送られてきた検査キットを使ったため緑色のシールがなく、HIV用と勘違いしたという。 1日、検査担当の職員が在庫を確認した際、HIV用と梅毒用の数が合わなかったために発覚した。田中英夫保健所長は「保健所の検査の信頼性を揺るがしかねず、深く反省する。再発防止に取り組む」と陳謝した。問い合わせは藤井寺保健所生活衛生室検査課(072・952・6165)まで。(浅沼愛) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「宅飲み」で泥酔の警官、牛丼店で店員投げ飛ばした疑い
2021年9月6日 13時27分 泥酔状態で牛丼店を訪れ、店員を投げ飛ばしたとして、警視庁は、西新井署刑事組織犯罪対策課の巡査部長、瀬月内(せつきない)恵太容疑者(42)=東京都江戸川区東葛西8丁目=を暴行容疑で現行犯逮捕し、6日発表した。 人事1課の説明によると瀬月内容疑者は容疑を否認し、「自宅で焼酎を飲み始めたのは覚えているが、飲んでいるうちに記憶をなくし、逮捕されるまでのことを覚えていない」などと話しているという。 逮捕容疑は5日午後9時40分ごろ、東京都江東区の牛丼店近くの路上で、店員の50代男性を投げ飛ばし、腹を蹴るなどしたというもの。男性は頭を打つなどして約1週間のけがを負った。同容疑者は柔道の有段者だという。 同課によると、瀬月内容疑者はこの日は当直勤務明けで、午後1時ごろに帰宅し、焼酎などを長時間飲んだ。夜になり自宅から約5キロ離れた牛丼店を訪れ、店内の券売機を蹴って立ち去った。店員の男性が店外まで追いかけて注意したところ、投げ飛ばされたという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鬼滅の刃の類似品を販売した罪、卸会社代表らを起訴 元社長は不起訴
人気アニメ「鬼滅の刃」を連想させる商品を販売したなどとして男女4人が逮捕された事件で、名古屋地検は6日、商品卸売会社「レッドスパイス」(横浜市)と、同社代表の呉(ウー)暁斌(シャオビン)容疑者(56)=中国籍、同市=を不正競争防止法違反(混同惹起(じゃっき)行為)の罪で起訴した。ともに逮捕された同社の元社長の女性(52)ら3人は不起訴処分にした。地検は理由を明らかにしていない。 起訴状によると、同社で商品の仕入れや販売業務を統括していた呉容疑者は昨年4~8月、「緑色と黒色の市松模様」「ピンク色の麻の葉模様」など鬼滅の刃に登場するキャラクター4人の衣装の柄に似た模様を使ったバスタオルなど244点(計12万3360円)を愛知県蟹江町のゲームセンターに販売。今年1月には、これらの模様を使ったパーカなど556点を中国から輸入したとされる。 同地検は、4人が鬼滅の刃の商標を無断で使用したとする商標法違反容疑については、いずれも不起訴処分にした。 「お客さんも分かって遊んでいる」 なくならない類似品 「鬼滅の刃」に登場するキャ… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:615文字/全文:1084文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル