石川県は8日、金沢市内の大型体育館「いしかわ総合スポーツセンター」(同市稚日野町)に避難施設を開設した。被災地外のホテルや旅館を活用した「2次避難所」の準備が整うまでの間を過ごす「1・5次避難所」だ。高齢者や障害者、未就学児のいる家族を中心に受け入れる。 メインアリーナには、広さ約4平方メートル、高さ約2メートルのテントが231個並べられた。中では大人2人までが過ごす想定で、マットや毛布を用意。新型コロナウイルスやインフルエンザの感染者が過ごす別室も設けた。看護師が24時間常駐する。 初日の8日は雪や被災者の体調不良などでキャンセルがあったが、午後6時までに15人を受け入れた。受け入れ前に視察した馳浩知事は報道陣の取材に「避難所の劣悪な環境を少しでも改善したい」と話した。(西田有里、佐藤道隆) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
住民2割が外国人の町 「100円の日本語教室」で地元民が探る共生
金曜の午後7時ごろ。群馬県大泉町の閑静な住宅街にある公民館の別館に人が集まり始めた。普段は静かな館内が少しずつにぎわってくる。 「20日は、はつか」 「どようび、どよおび。『う』と『お』はどっち?」 それぞれの机で、外国の人たちが日本語の読み書きを練習している。分からない言葉が出てくると、手を上げて近くにいる講師に質問する。 ボランティア団体「大泉国際交流協会」が週に3回開いている日本語教室の一コマだ。 この日参加した9人は、ミャンマー、パキスタン、ペルー、中国などから来日した人たち。多くは大泉町やその周辺で暮らしている。10~20代の若者が多く、工場や介護などの仕事を終えてから来たようだ。 「あいうえお」が理解できていない人もいれば、日本語でちょっとした会話ができる人もいる。参加者によってレベルが異なるため、授業ではなく自習形式だ。ひらがなの書き方や文法、文章読解など、それぞれのレベルに応じたプリントを使って学習する。 宿題もOK 母に連れられ、ランドセルを背負った男の子がやってきた。昨年10月に中国から来日した小学2年の袁銘(えんみん)君(8)=同県千代田町=だ。早速、ランドセルから算数の教科書とノートを取り出し、九九の宿題を始めた。 「さざんがく!」「しは さんじゅうに!」 横にいる男性講師と一緒に、九九を暗唱していく。ひととおり言い終えると、通っている小学校の宿題に挑戦だ。分からない言葉を聞きながら、1時間もかからずに算数と国語の問題を終えた。 母・歓(かん)さんは、宿題をする息子を隣で見守っていた。「日本語がすぐに理解できないから、自宅では宿題がすすまなくて……。ここに来ると息子は宿題を頑張るから、ありがたい」と話す。 銘君の講師をしていたのはベトナム人のファム・ヴァン・ヒエウさん(34)。この教室の卒業生で、来日4年目。今は町内の派遣会社で働いている。「この教室で勉強したから、日本語が理解できるようになった。恩返しのつもりで、みんなのサポートをしている 」と話す。 地元民の思い 大泉国際交流協会は町主体で… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
絶滅危惧の専門職 過酷ないじめ乗り越え、目指す宮大工
宮大工を目指す若者たちが集まる「塾」がある。 大阪府太子町にある、一般社団法人「宮大工養成塾」。現在、大阪校では6人の塾生が、中学や高校を卒業後に入塾し、宮大工を目指している。 塾生は三重県志摩市の薬師寺で、3年前から始まった老朽化の進む本堂や庫裏などの修復に取り組む。 宮大工養成塾は若手宮大工の育成のため、2016年に「金田社寺建築」の金田優社長(37)が設立。塾生は授業料などの費用を納め、金田社長と塾生のみで、実際に寺社の建築や修復をしながら宮大工の技術を学ぶ。 宮大工は、手作業で木材を加工し、釘や金具を使わない「木組み」と呼ばれる伝統的な工法などを駆使して、神社仏閣などを建築したり修復したりする。 伝統的な工法を学ぶには、通常、わずかな給料を受けながら過酷な内弟子制度で修業を積み、数年かけて一人前の宮大工となる。そんな過程が今の若者には敬遠され、現在では宮大工は千人以下とされている。 塾によると、宮大工の技術を学ぶ専門学校もあるが、神社仏閣と実際に修復や建築の契約をすることはできないため実務で学ぶことは難しい。結局、卒業後に厳しい下積みを経験することに変わりはなく、そのために業界を去る若者もいるという。 一方で、宮大工養成塾では3年間、作業現場か塾内の寮で共同生活をしながら、塾が用意した「ロードマップ」をこなし、実際の建築や修復に携わりながら宮大工を目指していく。 人件費が低く済む分、塾に仕事を依頼する神社仏閣も、通常より安い価格で契約できるメリットがあり、将来にわたって必要な宮大工を育てることにも貢献できるというメリットもある。 塾では、卒業後に宮大工の仕事を続けられるように、働く条件面でも塾生をサポート。22年から「宮大工ドラフト」を主催し、卒塾する生徒のレベルに応じて企業からの採用を募り、生徒に代わって給与などの契約交渉をする。ドラフトにかからなかった生徒には、就職支援として面接に応じる企業などを探すという。 1年生の大倉慎ノ輔さん(19)は、小学生から中2まで教員や上級生、同級生から暴力やいじめを受けており、中3で不登校になった。加害生徒のいない高校を卒業後、宮大工を目指し入塾した。 「宮大工になって、見返してやりたい」(金居達朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧田中角栄邸で火災 真紀子氏「線香消し忘れ」夫婦とも無事 目白台
【動画】旧田中角栄邸で火災=遠藤雅彦撮影、読者提供 8日午後3時20分ごろ、東京都文京区目白台1丁目の公園の利用者から、「田中角栄の家の方向からものすごい煙が出ている」などと110番通報があった。東京消防庁によると、2階建て住宅から出火し、2階建ての住宅延べ約800平方メートルと南側の雑木林などが焼けた。けが人はなかった。警視庁大塚署などによると、現場は故田中角栄・元首相の自宅だった住宅。 角栄氏の長女で元外務大臣の田中真紀子氏は8日午後5時半ごろ、朝日新聞の電話取材に「ぜんぶまる焦げ。私がお仏壇にお線香をあげて消し忘れた。(火災を)発見したのも私」と答えた。夫の直紀氏とともに無事だという。 現場はJR目白駅の東約1・3キロの住宅街で、幹線道路に面している。出火当時、近くの公園にいた男性(55)は「焦げ臭かったので旧田中邸の方を見たら、火が数メートルの高さまで上がっていた。とにかく煙がすごかった」と話した。 付近の道路には、警察や消防の車両が10台以上並び、「田中」と書かれた表札のある門を消防隊員が出入りしていた。 「目白御殿」 金脈と権力の象徴 ここから続き 旧田中角栄邸はかつて、「目… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】雪の中「輪島朝市」で捜索 8日の能登半島地震被災地
能登半島地震の被災地では8日、雪が降り積もる中、捜索活動や救助活動が続いています。 石川県輪島市の中心部にあり、大規模な火災が発生して200棟以上が焼けたとみられる観光名所「輪島朝市」付近では、朝から雪の中で行方不明者の捜索が行われていました。 被災地の避難所から移る避難者を、被災地外のホテルや旅館を活用した「2次避難所」で受け入れるため、一時的に過ごすための避難設備が金沢市の大型体育館「いしかわ総合スポーツセンター」に用意されました。 この日の被災地の様子を写真でお伝えします。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
雪の影響で雨漏りも ビニールハウスに避難の被災者「倒壊心配」
地震から1週間を迎えた石川県輪島市では、自宅が倒壊した被災者が、農業用のビニールハウスで避難を続けている。 当初は約30人が詰めかけたが、現在は20人ほどが避難する。倒壊した建物から正月用の餅などを出してコンロで焼いて食べ、余震が落ち着いたころ畳や毛布を持ちより寝るようにした。4台のストーブで寒さをしのいでいるが、夜に気温が下がると暖を取るのが難しいという。 援助物資もなかったが、現在は市や自衛隊から援助物資が運ばれるようになった。 ハウスを所有する保(ぼう)靖夫さん(69)は「昨日から降った雪などの影響で雨漏りがして布団がぬれた。雪の重さでハウスが倒壊しないか怖い。補強用の棒をハウスの中央に立てる予定だが倒壊の心配がある」と話した。(小宮路勝) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ここも炎が近くダメです!」叫ぶ乗務員 乗客語る「奇跡の18分」
羽田空港で日本航空(JAL)の旅客機と海上保安庁の航空機が衝突した事故から1週間。機内では何が起きていたのか。乗客の証言から、事故発生から脱出の完了までの18分間が明らかになってきた。 2日午後4時15分、JAL516便は北海道・新千歳空港から羽田空港へ向けて出発した。 乗客367人、パイロット3人、客室乗務員9人が乗り込んでいた。 着陸直後に「ドン、ドン、ドン」 年末年始を帰省して過ごした家族やスキー客、これから海外へ向かう人たち。機内は満席だ。 前方右の通路側に座っていた川崎市の金子洋之さん(67)は、年末を札幌市にある実家で過ごした。 「家に帰ったら、片付けを済ませよう」。そんなことを考えていた。 午後5時47分。着陸の様子をモニターのライブ映像で眺めていた。 ガタンと着陸した直後に、「… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
輪島で倒壊の7階建てビルを専門家が調査 揺れで杭が破断した可能性
能登半島地震で倒壊した石川県輪島市の7階建てビルについて、東京電機大の研究者が、現地を調査した。ビルから固い地盤に打ち込んだ杭が、激しい揺れによって接合部で断ち切れたり抜けたりした可能性があるという。 調査をしたのは、安田進名誉教授(地盤工学)と石川敬祐准教授(地盤工学)。7日に記者も同行した。 倒壊したビルは、輪島市の中心部の観光名所「輪島朝市」から約300メートル離れた場所にある。柱など建物の構造自体は崩れた様子はなく、まるで立っているときのまま根元から折れたように倒れていた。 建物の底の部分には、直径20~30センチとみられる丸い穴が四つあるコンクリートのブロック。安田さんは「これは、地下の固い地盤に打ち付けた杭と建物の底を接合する穴です」と説明した。 ビルは地盤の上に直接建てる「直接基礎」と、建物から固い地盤に杭を打ち込んで建物を支える「杭基礎」がある。 安田さんによると、このビルは杭基礎だという。だが、底からつながっているはずの杭の本体は見つからなかった。 安田さんは、揺れによって地… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
笑顔のメイドも違法労働の被害者? コンカフェ「文化」守る団体
関西のオタク文化の中心地として知られる大阪・日本橋で今年、メイド喫茶などのコンセプトカフェ(コンカフェ)でつくる業界団体が立ち上がった。東京・秋葉原、名古屋・大須に続き、全国で3例目という。背景には店舗の急増と、それに伴う悪質な雇用形態や客引きの存在がある。コンカフェを健全な「文化」として発信するため、経営者らが知恵を絞る。 「お帰りなさいませ」 メイド喫茶やアニメグッズ店が立ち並ぶ、日本橋「オタロード」の南側、一軒のメイド喫茶に入ると、水色のメイド服を着た20代の女性が出迎えてくれた。店内には、同じ服装の従業員が並び、常連客と談笑しながら飲み物を提供する。 最低賃金下回る環境で客引き この女性がコンカフェで働くのは2店目だ。前の店を辞めた理由は、低すぎる賃金。「5~6時間働いても、2千~3千円しか稼げなかったんです」と言う。 もともとオタロードのアニメグッズ店をよく訪れていた女性は、ビラを配る女性のメイド服に憧れ、今年3月、ネット上で見つけたコンカフェの面接に応募。求人広告には、時給1千円強の基本給に加え、連れてきた客の支払額に応じた歩合給があると書かれていた。 だが、面接に訪れた店で、経… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】羽田C滑走路が運用再開 JAL機、海保機衝突事故
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