1月1日夕、石川県能登地方を震源とする強い地震がありました。被災地では被害の様子が次々と明らかになっています。現地の状況を速報形式でお伝えします。 ■■■1月2日■■■ 地震による地殻変動、輪島市西部で最大3m、珠洲市北部で最大1m 石川県能登地方を震源とする地震による地殻変動について、国土地理院は2日、地球観測衛星「だいち2号」の観測データを解析したところ、同県輪島市西部で最大3メートル、珠洲市北部で最大1メートルの変動がみられると発表した。数値はいずれも暫定値。 1日には、GPSを使って観測したデータをリアルタイムで解析した結果、輪島市が西に約1・3メートル、珠洲市は西へ約0・8メートルの変動があった。だいち2号で広範なデータを解析したところ、より変動が大きかったことが判明したという。 16:30 石川県内の死者48人に 重傷者16人、避難者2万7785人 1日の地震で、石川県が2日午後3時半時点でまとめたところ、県内で48人の死亡が確認されたと明らかにした。珠洲市が最多の20人。輪島市19人、七尾市5人、穴水町2人、羽咋市1人、志賀町1人となった。重傷者は16人。避難者数は2万7785人という。 16:00 新潟県内は21人が負傷、住宅倒壊は57棟 新潟県災害対策本部は、県内で21人が負傷したと発表した。全員が軽傷という。住宅被害は新潟市や五泉市、上越市などの57棟で確認した。液状化が相次いだ新潟市では全半壊した住宅もあるといい、さらに被害が広がる可能性が高いとみている。 また、上越市の海水浴場で、海の家の資材などが津波に流される被害もあった。詳細は調査中という。 16:00 高齢者施設でも不安広がる 「水や食料が底つかないか」 要援護者の入所者がいる高齢者施設でも、不安が広がっている。輪島市の養護老人ホーム「ふるさと能登」には入所者46人、職員9人、避難者5人が生活を続けている。 施設で働く女性職員によると、備蓄していた食料は約3日分。余震や断水が続き、イライラした様子の入所者が増えてきたという。女性は「建物が傾いて施設内が散乱し、どこから片付けていいのか……。水や食料が底を突かないか不安です」と話した。 15:35 林芳正官房長官は首相官邸で記者会見を開き、能登半島地震に関連する救助要請が約120件あることを明らかにした。また、2日午前11時時点の情報で、石川県や新潟県などで計955カ所に5万7360人が避難しているとした。 被災地への救援物資の輸送については「食料や生活関連物資をはじめ、きめ細かく被災者のニーズも把握しつつ、最速で準備が整ったものから順次発送を開始した」と説明。物資の内容や輸送先などの詳細は明らかにしなかった。 15:20 全新幹線が運転を再開 JR東日本、西日本によると、地震発生から運転中止が続いていた北陸新幹線長野―富山間は2日午後3時20分、上下線とも運転を再開した。これにより、今回の地震で運転を見合わせた全新幹線が運転を再開した。 15:00 輪島市で新たに4人の死亡判明、計19人に 石川県輪島市は2日午後3時、市内で新たに4人の死亡が判明したと明らかにした。これで市内の死者は計19人になった。同市河井町の火災による焼失面積は約4千平方メートル。 市によると、救援物資の到着が遅れており、備蓄品をすべて出して対応しているという。市民からも「食糧や水をなんとかしてほしい」との声が多数寄せられているという。 14:38 JR東日本によると、地震発生から運転を見合わせていた上越新幹線越後湯沢―新潟間で、下りに続いて上りが運転を再開し、東京行き臨時「とき400号」が2日午後2時38分、新潟駅を出発した。北陸新幹線長野―富山間の運転再開は午後3時ごろの見込み。 14:30 透析患者の搬送先探す 輪島と珠洲の病院が断水 石川県地域医療推進室によると、市立輪島病院(輪島市)と珠洲市総合病院が断水しているため、入院患者の搬送先を探している。金沢市内や富山県内の病院と調整しており、透析患者を最優先にしたいという。 14:00 学校など94施設が被害 文科省まとめ 文部科学省は学校などの被災状況を発表した。2日午後1時現在のまとめでは、新潟、富山、石川の3県にある小中高校や大学など計94施設で、壁のひび割れやガラス破損などの被害があった。石川県内が84と大半だった。また、3県の学校や独立行政法人など計71施設が避難所になっているという。 13:47 上越新幹線、下りが運転再開 JR東日本によると、地震発生から運転を見合わせていた上越新幹線越後湯沢―新潟間のうち、下りが運転を再開し、新潟行き臨時「とき401号」が2日午後1時47分、越後湯沢駅を出発した。上りの運転再開は午後2時30分ごろの見込み。 13:35 地震による死者、石川県内で30人に 石川県は2日午後1時現在で、県内で地震による死者が30人確認されたと発表した。輪島市15人、珠洲市6人、七尾市5人、穴水町2人、羽咋市1人、志賀町1人。重傷者は14人、軽傷者は多数。 13:30 のと里山海道に複数の亀裂 「地面がぼこぼこと盛り上がっていた」 石川県七尾市付近の自動車専用道路「のと里山海道」では路面に複数の亀裂が走り、陥没が起きた。 同県小松市の大学生、東琉聖さん(22)は1日、輪島市から家族と自宅に戻る途中、地震に遭った。「走っていると横揺れが来て、目の前の地面がぼこぼこと盛り上がったり、落ちたりした」 東さんたちは車を止め、20~30分ほど歩いて別所岳サービスエリアに避難。1日夜はたき火をしたり、ゴミ袋をかぶったりして暖をとった。「ネットが圏外で不安だった」と話す東さん。2日朝から5キロ南の道の駅まで徒歩で移動して、自宅近くに住む祖父母の迎えを待っている。 【動画】波打ち、亀裂が入った「のと里山海道」=目撃者提供 13:00 日本航空、3日に臨時便 羽田―小松 日本航空は2日午後1時、羽田空港(東京都)―小松空港(石川県)の往復便計2便を3日に臨時で運航することを決めた。 羽田発の便は3日午後2時25分、小松発は午後4時30分。 […]
羽田空港でJAL機炎上、乗客乗員379人全員脱出 海保機と接触か
2日午後5時50分ごろ、東京都大田区の羽田空港のC滑走路で、日本航空(JAL)の516便から発火、炎上した。消火活動が続いている。けが人の状況は不明。 羽田空港によると、JAL機がタイヤで着陸できず、胴体着陸した模様だという。滑走路は走行できなくなっている。 東京消防庁によると、JAL機は海上保安庁の航空機と接触したという情報が入ったという。 JALによると、同便は新千歳空港を出発し、羽田空港に着陸したところだった。乗客359人で、他に乳児8人が乗っていたという。乗員は12人で、計379人全員が脱出したことを確認した。スライダーを使ったという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
輪島の朝市通りが焼け野原に 「元通りになるのか」立ちすくむ男性
【動画】能登半島地震2日目 輪島市の様子=小林一茂、遠藤雅彦撮影 石川県能登地方で震度7を観測した地震から一夜明けた2日正午、大規模な火災が起きた輪島市河井町に朝日新聞記者が入った。 200棟以上が焼けたとされる河井町には観光名所「朝市通り」があった。輪島港から100メートルほど内陸に入った通りには、新鮮な地魚や野菜、輪島塗の箸などの伝統工芸品などが並び、年間数十万人もの観光客が訪れていた。 それが今回の地震後の火災で跡形もなくなっていた。所々に鉄筋コンクリートの建物や鉄骨が焼け残る以外、見渡す限り数百メートルが焼け野原になっていて、日本海まで見渡せた。 ところどころに数人の消防士が立ち、ホースで水をかけ続けていた。白い煙が立ち上り、灰があたりを舞った。煙たさで息苦しさを感じた。時折日本海から吹き付ける真冬の北風が真夏の熱風のように感じられた。 家が立っていたとおぼしき場所の前に一人の老人が立ちすくんでいた。谷川寛允(ひろすけ)さん(88)。声をかけると、伏し目がちにポツリポツリと話をしてくれた。 金沢市から帰省していた娘と妻と3人で新年を迎え、ゆったりとした時間を過ごしていた。そんな時、激しく揺れた。津波が来ると聞いて慌てて避難所をめざした。 河井町にほど近い避難所にいると、町が大変なことになっていることがすぐにわかった。ひっきりなしに行き交う消防車のサイレンの音を聞いても、どうすることもできなかった。 夜が明けて、火の手が下火に向かっていることを知り、家の様子を見に帰った。何もかもが燃えていた。 最後に記者にこう語った。「朝市はにぎやかで楽しい街だった。元通りのようになるのか」(西崎啓太朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
1日深夜、2度目の震度「7」は誤報 能登半島地震で気象庁が訂正
気象庁は1日午後11時過ぎ、石川県能登で最大震度7の地震を観測したとの「震度速報」を発表したものの、直後に誤報だったとして取り消した。この周辺で起きた地震の震度速報を出す際、誤って約7時間前に起きた地震の内容を流したという。同庁が原因を調べている。 同庁によると、同日午後11時3分ごろ、新潟県・佐渡島南西を震源とする最大震度3の地震が発生。約2分後にこの震度速報を出す際、同日午後4時10分ごろに石川県能登で起きたマグニチュード(M)7・6の地震の震度速報と同じ内容が流れた。 大規模な地震の場合、通常は事前に各地の震度を予測した「緊急地震速報」が出る。この警報がないまま、震度を観測したとの速報が流れたことを不審に思った気象庁の担当者が観測値を調べて誤報に気づき、約9分後に取り消した。 急きょ記者会見を開いた同庁地震火山部の加藤孝志・管理課長は「被災地が大変な中、誤りを出したことは大変申し訳ない」と謝罪。震度速報の誤報は異例という。 原因については「現時点で不… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【速報中】地震の死者、石川県で30人に 珠洲市長「全壊1千棟か」
1月1日夕、石川県能登地方を震源とする強い地震がありました。被災地では被害の様子が次々と明らかになっています。現地の状況を速報形式でお伝えします。 ■■■1月2日■■■ 14:38 JR東日本によると、地震発生から運転を見合わせていた上越新幹線越後湯沢―新潟間で、下りに続いて上りが運転を再開し、東京行き臨時「とき400号」が2日午後2時38分、新潟駅を出発した。北陸新幹線長野―富山間の運転再開は午後3時ごろの見込み。 14:30 透析患者の搬送先探す 輪島と珠洲の病院が断水 石川県地域医療推進室によると、市立輪島病院(輪島市)と珠洲市総合病院が断水しているため、入院患者の搬送先を探している。金沢市内や富山県内の病院と調整しており、透析患者を最優先にしたいという。 13:47 上越新幹線、下りが運転再開 JR東日本によると、地震発生から運転を見合わせていた上越新幹線越後湯沢―新潟間のうち、下りが運転を再開し、新潟行き臨時「とき401号」が2日午後1時47分、越後湯沢駅を出発した。上りの運転再開は午後2時30分ごろの見込み。 13:35 地震による死者、石川県内で30人に 石川県は2日午後1時現在で、県内で地震による死者が30人確認されたと発表した。輪島市15人、珠洲市6人、七尾市5人、穴水町2人、羽咋市1人、志賀町1人。重傷者は14人、軽傷者は多数。 13:30 のと里山海道に複数の亀裂 「地面がぼこぼこと盛り上がっていた」 石川県七尾市付近の自動車専用道路「のと里山海道」では路面に複数の亀裂が走り、陥没が起きた。 同県小松市の大学生、東琉聖さん(22)は1日、輪島市から家族と自宅に戻る途中、地震に遭った。「走っていると横揺れが来て、目の前の地面がぼこぼこと盛り上がったり、落ちたりした」 東さんたちは車を止め、20~30分ほど歩いて別所岳サービスエリアに避難。1日夜はたき火をしたり、ゴミ袋をかぶったりして暖をとった。「ネットが圏外で不安だった」と話す東さん。2日朝から5キロ南の道の駅まで徒歩で移動して、自宅近くに住む祖父母の迎えを待っている。 13:00 日本航空、3日に臨時便 羽田―小松 日本航空は2日午後1時、羽田空港(東京都)―小松空港(石川県)の往復便計2便を3日に臨時で運航することを決めた。 羽田発の便は3日午後2時25分、小松発は午後4時30分。 詳細はウェブサイト(https://www.jal.co.jp/jp/ja/)で。 12:45 サービスエリアで車中泊の人たち、2時間半かけて下山 石川県七尾市中島町の道の駅「なかじまロマン峠」の駐車場には、両手に荷物を抱えたり、毛布にくるまったりした避難者50~60人が集まっている。ここから5キロほど北にある自動車専用道路「のと里山海道」の別所岳サービスエリアで被災し、昨晩は車中泊をした人たちが、けさから2時間半かけて徒歩で下山してきたという。 正午をすぎ、道の駅に日は差しているものの、冷たい風が吹き付け、道路の隅には雪が溶け残っている。同県津幡町に住む女性(57)は、金沢から妹に車で来てもらう予定だが、「かなり時間がかかりそうです」と疲れ切った様子で話した。 12:15 ANAが能登発着便を3、4日も欠航 全日空は2日午後0時15分、能登空港(石川県)を3、4日に発着する計8便を欠航にすると発表した。 12:00 自衛隊員1030人、輪島市などで活動 1万人準備中 防衛省は2日正午時点で、自衛隊員1030人、車両約15台、航空機約20機、艦艇5隻が、石川県輪島市や珠洲市を中心に活動していることを明らかにした。活動に向けて準備中の部隊は約1万人で、車両や航空機、艦艇の数は確認中としている。 11:30 JALが小松空港と新潟空港に臨時便 日本航空は2日、羽田空港(東京都)―小松空港(石川県)と、伊丹空港(大阪府)―新潟空港(新潟県)の各往復便計4便を臨時で運航することを決めた。 羽田発の便は2日午後2時25分発、小松発は午後4時30分発、伊丹発は午後3時30分発、新潟発は午後5時5分発となっている。詳細はウェブサイト(https://www.jal.co.jp/jp/ja/)で。 11:30 輪島、珠洲両市への道路が寸断 能登空港も孤立 国土交通省の災害対策本部会議によると、2日午前のまとめで、北陸道、東海北陸道、能越道の高速道路で32区画、国道や県道で34区間で通行止めとなっている。 特に、石川県輪島、珠洲両市への道路が寸断され、救援物資を運ぶのが難しい状況となっており、海上輸送も今後検討していく。能登空港につながる道路も寸断され、滑走路に深さ10センチ、長さ10メートル以上の亀裂が複数入っており、利用者や地元住民ら約500人が孤立した状態で避難生活を送っているという。 11:30 北陸新幹線長野―富山間、午後3時ごろ再開へ 地震発生から運転中止が続く北陸新幹線長野―富山間について、JR東日本は午後3時ごろの運転再開をめざすと発表した。 11:20 新潟市の臨時給水所には長蛇の列「いつ復旧」 新潟市内は断水が続く地域がある。西区役所に設けられた臨時の給水所には、近所の住民らが長蛇の列をつくった。 会社員の女性(43)は、水を入れるタンクが売り切れで手に入らなかったため灯油タンクで代用した。地震の直後から断水が続いており、飲み物を控えてトイレに行く回数を抑えるなどし、節水しているという。「水道管が破裂して道路が水浸しになっているところもあった。いつ復旧するかわからない状況がつらいです」と肩を落とした。 11:15 自衛隊「統合任務部隊」1万人規模で編成 木原防衛相「スピード感重視」 […]
石川県で2日夜から雨の見通し 地盤の緩み、気象台が警戒呼びかけ
金沢地方気象台によると、石川県では2日夜から4日にかけて低気圧などの影響で断続的に雨が降る見通しだ。同県能登地方では1日夕に最大震度7の地震を観測するなど、断続的に揺れが続いていて地盤が緩んでいる恐れがある。気象台は「少しの雨でも土砂災害の危険度が高まり、大雨警報を発表する可能性がある」として警戒を呼びかけている。 同気象台によると、2日から3日にかけて予想される1時間降水量は、能登、加賀でいずれも多い所で15ミリ。4日正午までの24時間の降水量は、いずれも多い所で約50ミリの予想となっている。 同気象台は現在、震度5強以上を観測した地域については、大雨警報や土砂災害警戒情報などの基準を引き下げて運用している。(山本孝興) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自衛隊、陸海空で「統合任務部隊」1万人を編成 海と空からも支援へ
防衛省は2日午前、陸海空の自衛隊を束ねて運用する「統合任務部隊」を1万人規模で編成した。すでに隊員約1千人が石川県輪島市と珠洲市を中心に人命救助などにあたっており、被害状況に応じて現地の態勢を拡充する。 木原稔防衛相が記者団の取材に応じて明らかにした。木原氏によると、陸路での進入が難しい地区が多く、海路や空路での対応が必要という。木原氏は「スピード感を特に重視し、人命救助を第一義として全力で対応する」と述べた。 統合任務部隊は2019年の東日本台風による豪雨災害でも、被災した1都10県から災害派遣要請があり編成した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「外出て!」ギリギリ助かった79歳母 津波受けた珠洲市、募る不安
1月1日夕に発生した石川県能登地方を震源とする強い地震を受け、海沿いにある同県珠洲市の宝立町鵜飼(うかい)地区では、電信柱が傾き、立ち並ぶ住宅は屋根が落ちてつぶれていた。 住民によると昨夜、津波が押し寄せてきたという。道路には海藻が落ちており、周囲には海水と泥のにおいが立ちこめている。押し流されたとみられる自動車が、道に泥をかぶった状態で放置されている。 この地区に住む鹿野泰弘さん(50)は1日午後4時ごろ、自宅のリビングで地震に見舞われた。「最初は震度4、5の揺れでいつも通りと思っていたら、まもなく縦揺れが来て、家が崩れていった」 別室にいた母親(79)が下敷きになりかけたが「外出て!」と叫んだところ、ギリギリで避難が間に合ったという。2階建ての自宅は、コンクリート造りの玄関と廊下を残し、木造の居間などは屋根に押しつぶされてしまった。 歩いて15分ほどの高台にある廃校跡に向かったが、屋根が壊れていた。昨夜はテントを張り、たき火をしてしのいだという。 今朝は近くの学校にある別の避難所へと移ったものの、食料がしだいに尽きてきているという。鹿野さんは「家は全部倒壊してしまった。これからどうなるんだろう。復興までどれぐらいかかるかも分からない。不安しかないです」と声を落とした。(西晃奈) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
中央大が箱根駅伝で経験したどん底 1年生の主将は頭を下げ、叫んだ
1920(大正9)年2月14日、「日本マラソンの父」と呼ばれた日本初のオリンピック選手・金栗四三(かなくりしそう)らの尽力で、駅伝大会が産声をあげた。 四大校駅伝競走。いまの箱根駅伝だ。 2024年1月2日、第100回記念大会の号砲が鳴る。 上位候補の一つに挙げられるのが中央大だ。 出場回数(97回)、総合優勝回数(14回)はいずれもトップだ。 輝かしい歴史を誇る一方、どん底も経験した。 16(平成28)年1月。中大は箱根駅伝で総合15位に終わり、10位以内に与えられるシード権を4年連続で逃した。 4月、世界陸上のマラソン日本代表の経験がある藤原正和が母校の中大で監督に就任した。 全日本予選の後、監督は動いた だが6月、全日本大学駅伝の予選会で敗れた。直後に寮で開かれた選手だけのミーティングは、あっさりと終わった。 つなぐ、つむぐ 箱根駅伝100回 2024年1月2日、箱根駅伝は100回大会を迎えます。残り500㍍での棄権、異例の1年生主将、繰り上げを避けた7秒の戦い……。伝統のトロフィーを作った職人秘話も。様々な「箱根」を取材しました。 1年生だった舟津彰馬(26)は振り返る。 「10分か15分くらいで終わってしまったと思います。『これまで通りやっていこう』という感じで……」 でも、舟津ら1年生の思いは違った。 「チームを変えなければだめだと思っていたんです。でも、発言の機会すら与えられなかった」 終わるやいなや、1年生の同期でミーティングをした。監督にも相談し、全員のミーティングが開かれた。 監督は言った。 「これからは1年生主体にする。主将は舟津」 1年生たちで話し合い、部のルールを変えた。 門限の徹底、練習への入り方。気になることはすべて臆せずに言った。 練習時に眠そうに起きてきた先輩に言った。 「なんで、できないんですか」 ネットの書き込みも、うるさかった。 「1年生に主将をやらせるなんて、中大は終わった」「4年生は何をやっているんだ」 そんな書き込みを目にしたが、徐々に変わってきた手応えがあった。練習の雰囲気は変わり、コーチ陣が用意した設定以上の練習もできるようになっていた。 ものものしい雰囲気 「どうなってんだ」 そして10月15日、第93… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「とにかく寒い」冷え込む被災地の朝、避難者らがコンビニ前でたき火
【動画】鳥居が倒壊した穴水大宮=林敏行撮影 石川県能登地方を震源とする強い地震が発生してから一夜明けた2日、能登半島の朝は冷え込み、同県輪島市三井町のコンビニ前には避難した20人ほどがたき火で暖をとっていた。 気温はマイナス1度。コンビニ前の水たまりはいくつも凍っていた。子どもたちのなかには毛布でくるまる子もいた。 近所の人が持ってきたサツマイモを焼いていて、子どもたちは焼き芋を一口食べると笑顔を浮かべていた。みんな助け合っている。 何に困っているか、記者は聞いた。 「情報がない。金沢市から来た車をつかまえて聞いている」 「とにかく寒い」 「救援物資がないと困る」 「特にガソリンがない」 「女性用トイレがないのも問題になっている。だから簡易のものを見えないところにつくった」 避難者たちは口々に話した。(土井良典) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル