金子淳2021年6月12日 9時30分 7月1日からの博多祇園山笠を前に、櫛田神社(福岡市博多区)では、身を清める砂を入れる竹かご「お汐井(しおい)てぼ」作りが大詰めを迎えている。 博多祇園山笠は、新型コロナウイルスの影響で、舁(か)き山は2年連続で見送りとなったが、飾り山は12カ所で公開される。 「授与品」と呼ばれる縁起物は例年、手ぬぐいや絵馬、扇子など10種類計1万点弱を準備していたが、今年は7割ほど。お札所で、すでに販売されている。巫女(みこ)の荒神愛さん(25)は「一日も早く平穏な日々が戻りますように」と思いを込め、準備にあたっていた。(金子淳) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ひとりデート写真 コロナで「来た、俺の時代」
会員記事 聞き手 シニアエディター・尾沢智史2021年6月12日 10時00分 ひとりでも、リア充感は出せる。そんな気概で、SNSに「ひとりデート写真」を投稿してきたライターの地主恵亮(じぬしけいすけ)さん。コロナ禍で何を思ったのでしょうか。「ソロでいこう」第6回です。 リレーおぴにおん 「ソロでいこう」 2012年から、ひとりなんだけど彼女とデートしているように見える写真を自撮りして、SNSに投稿し始めました。その「ひとりデート写真」がなぜか海外で話題になって、米CNNに取材されたり、中国・深圳のテレビ局に呼ばれて番組に出たりしました。英国のガーディアン紙には「世界で最も気持ち悪い男」に選ばれました。 そんな企画をやろうと思ったのは、単に友達や恋人がいないからです。SNSでは、みんな「リア充」をアピールしますよね。そこで、「ひとりでもリア充感は出せる」というのをやってみせたら面白いんじゃないかと。 どういうわけか、ずっと友達がいないんですよ。でも、ひとりでいることが別に苦痛じゃないんですね。 だからコロナ禍で「俺の時代… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:628文字/全文:1062文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ツイッターの登場で激変した 新聞と読者の関係
メディア空間考 三橋麻子(コンテンツエディター) 朝日新聞が発行され、100年以上になる。投稿欄などの例外はあるとはいえ、大きな流れでいえば、新聞は長らく、記者が書いて、編集者が組み、読者が読むものだった。ところが、この20年あまり、ベクトルは大きく変わっている。新聞社→読者の矢印は、双方向にかじを切った。状況をもっとも大きく変えたのは、ツイッターの登場だと思う。 私がツイッターを使い始めたのは2010年。週刊誌AERAに出向していたときだ。雑誌は毎週の売り上げが生命線であり、読者の反応に新聞よりもはるかに敏感だ。記事は毎号読者の人気投票でランキングされる。自分がスクープだと思って書いた硬派の記事が芸能ニュースの足元にも及ばないことにショックを受け、新聞の「報道的価値観」と世の中の関心の所在の違いをまざまざと見せつけられた。 悩んでいたときに、取材先や上司に受けた助言が「ツイッターで自分の記事を検索してみたら」というものだった。それまでも検索サイトで掲示板などに書かれる自分の記事の反響を調べてはいたが、ツイッターでは、やっていなかった。実名アカウントをつくるには当時、会社に届け出るなどの手続きが必要だったため、ひとまずニックネームでアカウントをつくり、自分の記事を検索してみた。 すると、賛否両論、まったく知らない世界が広がっていた。 ツイッターは利用者が関心が… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1490文字/全文:2085文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
64歳以下の接種、誰を優先? 年代・職種…地域で様々
「年代」か、「職種」か――。新型コロナウイルスワクチンの高齢者への接種が進む中、64歳以下への接種について、何を重視するべきなのか。接種を担う各市区町村の考え方には、それぞれの接種ペースの加速や感染対策への姿勢がにじむ。 人口約3万4千人の福島県相馬市。今月1日から始まった64歳以下のワクチン接種では、幅広く19歳以上を対象としている。 市は予約方式やクリニックでの個別接種では混乱が生じるとして、市中心部の二つの体育館を会場にして集団接種を実施。市内を10地区に分け、抽選順で接種を進めている。 10日にワクチン休暇を利用して訪れた会社員の松本智司さん(27)は、「これでひと安心」。5カ月の乳児を抱いた30代の夫婦はネット通販などを利用し、なるべく外出を控えていた。「子どもへの感染が心配だったので早く受けたかった」と話した。 市の担当者は対象の年代を幅広くできた理由について、日時を指定した集団接種を実施している点をあげ、「予約電話の殺到や受付の混雑を避けられることが大きい」と話す。 「若者重視」や「5歳刻み」も 東京都杉並区は「若者重視」… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1435文字/全文:1917文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ネット社会 暗く見えるのはまだ夜明けだから
テレビ番組に出演していたプロレスラーの木村花さん(享年22)が亡くなってから1年が経つ。その間、インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷がもたらす被害について様々な議論が交わされ、今年4月にはプロバイダー責任制限法が改正された。法改正により、誰が投稿したのかを被害者が特定しやすくなるなど、匿名の攻撃者から身を守る仕組みの整備が一歩進んだ。 しかし残念なことに、ネット言論にまつわる問題は収束していくどころか、むしろ加速しているように見える。いま社会に大きな影響を与えている新型コロナウイルスに関連しても、感染者に対するネット上での誹謗中傷や個人情報の特定などが盛んに行われた。 そして気が付けばネットについての我々の議論は、悲観的な論調であふれるようになっていないだろうか。 かつてインターネットが登場した時には、自由と民主主義のための夢のツールと期待された。誰もが自由に発信・交流することが可能な人類総メディア時代の到来によって、オープンな意見交換による相互理解が進展し、民主主義が深化すると考えられたのである。1990年代にはこのような期待にあふれた書籍や論文が世界中で発表され、ネットについての様々な明るい議論が交わされた。 しかし2000年代以降、この論調は暗転する。誹謗中傷だけでなく、フェイクニュースの拡散や、同じような意見にばかり触れやすくなることから生じる社会の分断など、様々な負の側面が顕在化したのである。今ではネットの可能性を前向きに評価する人はほとんどいなくなり、「ネットにはもう暗い未来しかない」という声を多く聞くようになった。 しかし、失望して諦める前に、いま一度我々がどのような地点にいるか見極め、マクロな視点でこの先の未来を考察しておいた方が良い。そこで、18世紀半ばの産業革命からの近代化の歴史の中に、今のネット社会を位置付けてみよう。 1986年生まれ。国際大学GLOCOM准教授(計量経済学)。近著に「正義を振りかざす『極端な人』の正体」。 産業革命は、まさに劇的な変化を先進国にもたらした。その変化は、西欧の1人あたりGDPを西暦1年からグラフにすると、産業革命を境に崖ができていると思うほど、急速に成長していることからも分かる。 経済を主体としたこのような産業社会も、近年、先進国の経済成長が鈍化していることが示唆するように、終わりを迎えようとしている。そして始まったのが、ネットの普及を皮切りとした情報社会である。 産業社会が200年以上続い… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
五輪チケット、販売済みは収容人数の42% 7割が地元
斉藤佑介2021年6月11日 19時22分 東京オリンピック(五輪)の観戦チケットについて、大会組織委員会は11日、全競技会場の最大収容人数の42%が販売済みと明らかにした。480万枚程度とみられる。一般販売分のほか、小・中学生への割り当てや関係者向けも合わせた数で、組織委は「関係者向けのチケットは大幅に削減した」としている。組織委が新型コロナウイルス対策の助言を得るための専門家会議で明らかにした。 朝日新聞の試算によると、大会全体の収容人数は1145万席。この42%は約480万枚となる。組織委は「500万枚には届かない。400万枚台」と説明している。 大会延期で、観戦チケットは国内販売済みの約445万枚のうち、昨年までに約81万枚が払い戻された。今年3月には海外観客の受け入れを断念し、約63万枚の払い戻しが決まった。小・中学生に割り当てられる学校連携観戦チケット(五輪)は60万枚の申し込みがあったが、組織委が把握している限りで約1万枚がキャンセルになり、約59万枚で計算している。 チケット保有者のエリア別の割合も公表し、東京、神奈川、千葉、埼玉にある競技会場のチケット所有者の7割が、この1都3県で生活する地元住民という。 このほか、五輪期間中の都心の人流についても公表した。ピークとなる7月31日、観客約22万5千人、海外の大会関係者で約5万9千人など、五輪に伴う活動人数は約34万人になると推計。「観客による人流の増加は、夏休み期間で減少が見込まれる通学者の人流よりも少ない」とした。 橋本聖子会長はこの日の定例会見で、「オープンな議論で安全で安心な大会開催を実現したい」と述べた。(斉藤佑介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
九州南部で非常に激しい雨のおそれ 身を守る備えとは
藤原慎一 棚橋咲月2021年6月11日 20時00分 停滞する梅雨前線の活動が活発になる影響で、九州南部では12日から13日にかけて、局地的に雷をともなった非常に激しい雨が降るおそれがある。福岡管区気象台は土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水・氾濫(はんらん)に警戒を呼びかけている。 気象台によると、11日午後6時~12日午後6時に予想される24時間降水量は、宮崎県と鹿児島県の多いところで180ミリに達する。熊本県では120ミリ、福岡県など九州北部では60ミリと予想されている。 九州南部の雨は12日夕から夜遅くにかけてピークを迎える見込みで、宮崎県の山間部などで1時間降水量50ミリが続くと予想される。落雷や突風の恐れもあり、気象台は最新の気象情報や警戒情報をこまめに確認するよう呼びかけている。(藤原慎一) 大雨から身を守るには 大雨による被害から身を守るには、準備が重要だ。日本気象協会や気象庁にポイントを聞いた。 自宅には水や食料を準備しておく。目安は3日分。普段から食品や日用品を多めに買い、使ったら買い足す「ローリングストック」という方法もある。大雨前にスーパーに買い物に行っても品薄なこともある。 さまざまなサイトで準備すべきものを紹介しているので、参考にしながら自分に必要なものを用意する。新型コロナ対策でマスクや消毒液、持病がある人は薬やお薬手帳も大切だ。 自宅や職場周辺のリスクも確認する。大雨時にどれくらい浸水するのか、土砂崩れの危険はあるか。自治体が公表しているハザードマップを見て、雨雲が近づく前に避難先と避難のタイミングを決めておく。 新型コロナ感染拡大で避難所に行くのをためらう人がいるかも知れない。移動に危険がともなう夜間など避難所に向かうのが難しいときは、頑丈で高さがある建物や高台などにも避難できる。車での避難は視界不良やスリップによる事故の危険もあるので、雨が激しくなる前を心がける。 雨雲が接近した後は、川や側溝などには絶対に近づかない。外の様子や最新の情報に注意を払って、身の安全を確保する。(棚橋咲月) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
世界の核弾頭1万3130発 核兵器禁止条約発効後も
榎本瑞希2021年6月11日 20時00分 世界の核保有国が持つ核弾頭の概数を一覧できるポスターを長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA)が作り、情勢分析とともに11日に公表した。総数は1万3130発で昨年より280発減ったが、合わせて約9割を保有する米国とロシアの実質的な削減が停滞し、英国が増強を発表したことなどから、研究チームは「単純に喜べる状況ではない」としている。 各国政府の白書や米国科学者連盟の研究発表などの公表資料をもとに、今月1日現在の推計値をまとめた。米国(5550発)とロシア(6260発)は前年より計360発減ったが、退役・解体待ちを除く核弾頭の削減は近年停滞。中国(350発)、インド(160発)、パキスタン(165発)、北朝鮮(40発)は前年に続いて増えた。また、英国(225発)も増加に転じた。 今年1月、核兵器の保有や開発などを全面的に禁じる核兵器禁止条約が発効したが、現時点で核保有国は加わる意向はない。RECNAの中村桂子准教授は「保有国と非保有国の溝がますます広がっている」と危機感を示した。 ポスターは2013年から教材として作成し、全国の教育委員会や図書館などに配布している。分析資料や国別の情勢はRECNAのウェブサイト(https://www.recna.nagasaki-u.ac.jp/recna/)で見ることができる。(榎本瑞希) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
桶川市、ワクチン1170回分を廃棄 誤って業者に返送
桶川市は11日、新型コロナワクチン1170回分を廃棄したと発表した。ワクチン到着後の確認ミスで、ワクチンが入ったままの箱を業者に返送していたことに後日気づいたという。市は、ワクチンは継続的に供給されており接種スケジュールへの影響はないと説明している。 市によると、5月14日、市保健センターに配送用の箱に入れられたワクチンが15箱届いた。職員3人が医療用の冷蔵庫にワクチンを箱から移す作業をしたが、1箱(1170回分)は移し忘れたまま回収業者に箱を返却。ファイザー社から「ワクチンの空き瓶が入っているので返却したい」との連絡を受けて今月8日に開封したところ、未使用のワクチンが入っていたという。ワクチンはすでに使えなくなっていた。 市はチェックリストの作成や職員の配置体制の見直しなどで再発防止に努めるとしている。(小林祝子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「はぐれたのかも」シカ1頭、京都・鴨川付近に連日出没
富永鈴香2021年6月11日 20時30分 京都市内を流れる鴨川などで、野生のシカの目撃が相次いでいる。11日午前7時すぎには、鴨川の上流の高野川の御蔭橋付近に1頭が現れた。 ジョギングや通勤の人々が行き交うなか、シカは中州で草を食べたり、川を渡ったり。市民の連絡を受けた交番の警察官2人も様子を見守った。散歩中の会社員、歌川次朗さん(41)は「ここまで下流で見かけるのは初めて」と話した。 さらに下流でも目撃されている。市によると、9日午前10時半ごろ、鴨川の御池大橋付近で1頭が出現。日没までに賀茂大橋付近まで北上した。2年前にも市街地付近の鴨川で姿を見せたことがあるという。 京都市動物園の広報担当米田弘樹さん(39)は「テレビのニュースで見たところ、メスの子ジカだ。シカは数年に一度、食べ物が少ない時期に餌を求めて街中に来ることがある。基本は群れで行動するので、はぐれたのかも」と話した。 2015年度に調査をした府農村振興課によると、府内のシカは推定約9万1千頭。農業被害や車との衝突事故はあるが、人に直接危害を加えることは少ないという。担当者は、シカに刺激を与えないよう注意を呼びかけている。(富永鈴香) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル