桑原紀彦2021年6月11日 15時33分 新型コロナウイルスワクチンの大学での「職域接種」をめぐり、萩生田光一文部科学相は11日の記者会見で、これまでに32大学から実施の申請があったと明らかにした。いまのところ実施を決めているのは大学病院がある大学が中心だが、その他の大学も実施を検討しており、申請はさらに増える見通し。 政府は職域接種を21日から始める方針。企業や大学からの申請を8日から受け付けており、大学では10日正午までに32校が申請した。文科省には97校が打ち手の確保策や費用負担などについて相談を寄せているという。同省は実施校を増やすため、20校程度を先行するモデル事例として選定し、ノウハウなどを広げていきたい考えだ。 会見で萩生田文科相は、広島大が会場となる広島県東広島市のキャンパスで、地元企業の社員らも接種が受けられるよう協議していると紹介。また、弘前大(青森県弘前市)では市内の別の大学の学生や教職員らにも接種を予定していると明らかにした。(桑原紀彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
酒類自粛でも 「空港一丁目一番」地ビールにかける思い
羽田空港近くの複合施設「羽田イノベーションシティ」(東京都大田区)が本格稼働して間もなく9カ月になる。飲食店や伝統文化の体験施設などがそろい、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックに向け、日本の玄関口としての役割も期待された。コロナ禍で厳しい状況が続くが、羽田発の地ビールを世界に発信しようと、同シティ内で醸造を続ける女性がいる。 同シティ2階にあるダイニングバー「HANEDA SKY BREWING(ハネダ・スカイ・ブルーイング)」。店舗に併設した醸造所で、地ビールが造られている。その名も「羽田空港一丁目一番地 天空」。施設が立地する住所から名付けられた。 同店の経営者・大屋幸子さん(43)がこの場所で地ビール造りを始めたきっかけは2年前の夏。大田区内でクラフトビール店を開いていたが、評判を聞きつけた同シティのテナント担当者から、同シティ内への出店を勧められた。店の名前に羽田を冠していたこともあり、「いつか羽田空港発の地ビールを醸造したい」と考えていた。「ここから発信できるのは光栄だと思った」という。 出店費用は1億円超。信用金… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:837文字/全文:1313文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「日本一太い」マツ、枯死で伐採 バイオリンに転生?
坂田達郎2021年6月11日 12時09分 【動画】枯死した「日本一太い」マツを伐採=坂田達郎撮影 「日本一太い」マツとして知られた山形県最上町東法田の大アカマツが10日、伐採された。幹回り8・56メートルで、推定樹齢は600年。地元では氏神や神木として守り育てられてきた巨木だ。2年前に「枯死」と診断され、倒木などが懸念されていた。 午前9時20分ごろ、山の中腹からチェーンソーの音が響き始めた。作業員の声や、合図に使う笛の音も聞こえる。30分ほど経つと、大アカマツはゆっくりと傾き、斜面をはねるように滑り落ちた。 「無事に終えられてほっとした」。伐採作業にあたった地元・後藤造園の後藤一男さん(74)は安堵(あんど)の表情を見せた。 1993年に「日本一」と認定され、県天然記念物に指定された大アカマツを管理してきた。3年前から葉が変色し始めると、樹木医の指導も受けながら回復に努めた。「600年、大地に根を張り、地域を守ってくれた。町民として感謝したい」と話した。 町は伐採した木でバイオリンなどの楽器をつくろうと計画している。 指導するのは、木の楽器づくりで町と交流する高知県の「木と音の会」代表、泉谷貴彦さん(63)。この日の伐採に立ち会った。 「木が土ぼこりを立てながら落ちる姿を見たとき、一つの役割が終わったんだなと切なくなった。でも、木の中はしっかりしていて、いい楽器ができると思う」と話した。「子どもたちと一緒に木を削り、磨き、楽器をつくりたい。木の香りを感じ、木目に触れてほしい」と望んでいる。(坂田達郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「厳しい職場変えたかった」放火容疑、消防士を書類送検
2021年6月11日 12時19分 大阪府枚方市の枚方東消防署で先月、更衣室のロッカーが焼けた火災で、大阪府警は10日、同署に勤務する男性消防士(27)を建造物等以外放火容疑で大阪地検に書類送検し、発表した。「異常に厳しい職場環境を変えたかった」と容疑を認めているという。 捜査1課によると、送検容疑は5月24日午前8時半ごろ、同僚が使う更衣室のロッカー内の衣類にライターで火をつけて燃やし、煙を流出させるなどの危険を生じさせたというもの。火は別の同僚が消し止め、けが人はなかった。 男性は4月から、自らの希望で人命救助の担当になった。調べに「訓練が厳しいことは理解できるが、誰も逆らえない状態だった。訓練に身が入らずに怒られる悪循環が続いていた」などと話したという。 枚方寝屋川消防組合の総務部は「現時点ではパワハラやいじめは確認されていない。ただ、本人や上司から詳しく話を聞き、調査する必要があると考えている」とコメントした。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
2教室行き来してリモート授業 札幌の高校の新たな手法
新型コロナウイルスの感染拡大で、学校現場でのオンライン学習の必要性が高まっている。札幌市の札幌東高校(白石区)では教員がチームを作り、「かわら版」で情報を共有、学校を挙げて取り組んでいる。当初あった機器トラブルも減り、生徒たちにも好評だ。 オンライン学習というと、まず学校と生徒の自宅を結んだ形が想定されるが、札幌東高は密を避けるために、学校にいながらオンラインで学習する方式を取る。 受験のため毎日登校する3年生を除き、1、2年生は学年ごとに登校日を分け、2週間に5回学校に来る。登校しない日は、自宅で課題に取り組む。 登校した際も、生徒同士の距離を取るため、1クラスを二つに分割。教員がいる教室とリモート授業の教室に分け、2教室をオンライン会議システム「Zoom」でつないで同時に授業を行う。 リモート授業での生徒の様子はiPadで撮影され、教員のiPad画面でも様子が分かる。さらに教員は生徒同士の話し合いや作業の合間を利用し、二つの教室を行き来しながら授業を進める。 この方式は5月下旬から採用… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:621文字/全文:1078文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
この人が電子マネー? 直感した「まさにいま、詐欺に」
大型連休明けの5月6日、東京近郊の私鉄駅前のコンビニは、帰宅時間とも重なり混雑していた。だが、茶色いウィンドブレーカーにポロシャツ姿の80代男性に気を止める人は、誰ひとりいなかった。 男性の手には携帯電話。携帯で誰かと話しながら、落ち着かない様子で入り口付近をうろうろしていた。 会社員の渋谷佑介さん(34)は駅まで友人を車で送り届けた帰りにこのコンビニに立ち寄った。駐車場に止めた車内でネットニュースを見ていると、男性の姿がふと目に入った。 このとき、男性がどんな会話をしているかまではわからなかった。だが、携帯電話とは反対の手で電子マネーカードを持っているのが見えた。高齢者と電子マネーカード。違和感のある取り合わせに、あることを直感した。 それから2分か3分、車内か… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:623文字/全文:964文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
14歳中学生とホテルで性行為 小学校助教諭を懲戒免職
2021年6月11日 9時26分 北海道教育委員会は10日、女子中学生と性行為をしたとして、標津町の小学校の男性助教諭(29)を懲戒免職処分としたと発表した。男性助教諭は昨年11月、マッチングアプリで知り合った釧路市内の14歳の女子中学生(当時)と、同市内のホテルで性行為をしたという。 道教委によると、男性助教諭は女子中学生に勉強を教えようと会う約束をしたが、連絡が取れなくなるなどしたため腹を立て、その後会った際に欲望を満たすことを考え性行為に及んだ、などと説明しているという。道教委に対しては、「先生方の信用を失わせ、子どもたちに対しても本当に申し訳ない」などと話しているという。 道教委によると、男性助教諭は4月、道青少年健全育成条例違反の疑いで釧路署に逮捕され、その後、釧路簡裁で罰金30万円の略式命令を受けたという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「2時間トイレ休憩なし」 パワハラ訴え村長を提訴
大木理恵子2021年6月10日 20時11分 熊本県水上村の中嶽弘継(なかたけひろつぐ)村長からパワーハラスメントを受けてうつ病を発症したなどとして、村の男性職員(53)が10日、村と中嶽村長を相手取り、慰謝料など計約530万円の損害賠償を求める訴訟を熊本地裁人吉支部に起こした。 訴状によると、男性は2007年から村総務課に所属し、公用車の運転に従事。中嶽村長の初当選から1年余り経った16年6月ごろから、顕著なパワハラが始まった。 男性が公用車を運転する際、対向車に村民が乗っていれば深く頭を下げてあいさつするよう強要。男性があいさつをしない時には「なんで気がつかないか」「責任をどうとるか」などと複数回叱った。 2時間近くトイレ休憩を許されずに「膀胱(ぼうこう)がおかしいのか」などと言われたほか、長時間の飲み会にたびたび参加を強いられ嫌みを言われ続けたこともあった。男性が運転中にマスクを着用していることについて「お前がマスクしていることがわからん。地元でマスクしなくてもよいと思っている」などと言われた。「懲戒にする」「今度査問委員会をする」といった発言もあった、としている。 男性は2回、村総務課長にパワハラを相談したが、課長は「村長は言っても聞かない人だから」「診断書が出されたら休んでくれとしか言えない」と取り合わなかったという。 男性は昨年3月に適応障害、4月にうつ病と診断され、約1年間休職している。10日に熊本市内で記者会見し、「私のような被害者がこれ以上出ないよう、パワハラの事実を皆さんに知っていただきたく提訴を決断した」と声を詰まらせながら話した。 中嶽村長のパワハラ疑惑は、地元民放が今月報じ、中嶽村長は「パワハラを行ったという認識はない。誤解を招く言動があれば、改めるにやぶさかではない」などと記した文書を地元報道機関に送っていた。 村総務課は取材に、「訴状が届いていないのでコメントできない」と答えた。村と中嶽村長の代理人弁護士は「村長はパワハラはないと思っているが、訴状についてはきちんと対応すると言っている」とコメントした。(大木理恵子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
撮れた! クマゲラの子育て 札幌の森林でヒナすくすく
日吉健吾2021年6月10日 20時30分 【動画】札幌の森林でクマゲラが子育て=日吉健吾撮影 夏を迎える札幌市内の森林で、国の天然記念物クマゲラが繁殖の時期を迎えている。忙しく子育てに追われる姿を撮影した。 好天に恵まれた朝、午前4時半に車を駐車し、歩くこと20分。すでに野鳥や写真の愛好家6人が見守っていた。新型コロナウイルス対策で全員がマスク姿だ。巣穴が見える数十メートル離れた場所に三脚を立て、600ミリの望遠レンズを載せる。レンズの焦点距離を1・4倍に伸ばせるテレコンバーターと一眼レフカメラを装着した。 早朝の静かな森で10分ほど耳を澄ましていると「キョーン、キョーン」という鳴き声が聞こえてきた。黒い体に頭頂部の赤色が目立つオスの親鳥が巣穴に飛来した。この時は穴から顔を出すヒナにエサを与え始めたものの、自分の体で巣穴を覆い隠してしまった。 その後、約1時間おきにエサを運ぶ場面が見られたが、周辺にいるカラスに狙われるのを警戒してか、入り口を覆ったり、すぐ巣穴の中に入ってしまったりした。 「あと1回、エサやりを撮影して帰ろう」と心に決めてから、待つこと2時間半――。エサを求め競うように大きく口を開けたヒナ2羽がファインダー越しに見える。そこにオス親だけでなくメス親も加わり、1枚の写真に収めることができた。帰り道、自分の足取りが軽く感じた。 北海道と東北の一部に生息するクマゲラは全長約45センチになる国内最大のキツツキの仲間。4~6月の繁殖期が終わると、幼鳥は巣立ちの時期を迎える。(日吉健吾) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
帰国困難のセルビア人陶芸作家 市民が支えた14カ月
新型コロナウイルスの影響で、岐阜県多治見市に1年以上も足止めされていたセルビア人の女性陶芸作家が15日、帰国の途に就く。市内で2年間、やきものを学び、昨春には祖国に戻る予定だったが、航空便は何度もキャンセルに。滞在費も底をつきかけ、苦境に陥った彼女を支えたのは、多治見で出会った友人や知人たちだった。 セルビア中部ゴルニ・ミラノヴァツ市出身のヨバナ・チャボロビッチさん(36)は、2018年春、多治見市陶磁器意匠研究所(意匠研)のセラミックスラボに入所した。同国の大学で陶芸を学び、恩師に日本行きを勧められて来日した。ラボ在籍中の2年間に数多くの作品を制作した。 意匠研の前田剛副所長(57… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:934文字/全文:1232文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル