島崎周2021年6月5日 14時00分 福岡県警が6月から、住民の問い合わせに24時間対応する「AI(人工知能)チャットボット」を導入した。落とし物や運転免許更新といった相談の待ち時間短縮や、新型コロナウイルス対策として対面以外での対応を充実させることが狙いだ。 AIチャットボットは、ホームページで「運転免許の更新はどこでできるのか」「留置施設の面会や差し入れについて」といった質問をキーワードや文章で入力すると、AIが趣旨を判断し、あらかじめ用意された問答集から答えを選んで表示する仕組みだ。 現在500ほどの想定問答を用意しており、県警は1年以内に1500まで増やすことをめざしているという。 落とし物を拾った場合の対応や、運転免許の更新ができる場所、最寄りの警察署などといった「よくある質問」については、あらかじめボタンが用意されており、1クリックでより詳しくなった選択肢が表示される。 こうした相談は、従来は電話か警察署の窓口で署員が対応していた。だが、広報課によると、サンプル調査をしたところ、署に寄せられる問い合わせの電話や窓口での対応件数は、1署あたり1日平均で、運転免許に関するものが約12件、落とし物に関しては約46件。担当者が対応中で、長い待ち時間が発生することもあったという。 さらにコロナ禍で、署の窓口の開設時間が一時期短縮されたこともあり、県警は昨夏から改善を検討していたという。 アクセスは、県警ホームページ(https://www.police.pref.fukuoka.jp/)から。右下にある県警マスコット「ふっけい君」をクリックすると、質問を入力する画面が現れる。性犯罪の発生場所などを把握できる県警の防犯アプリ「みまもっち」からも利用できる。 広報課の千代島秀樹次席は「どんどん使ってもらうことで、より適切な回答ができるAIに改善していくことができる。気軽に活用してもらいたい」としている。(島崎周) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
肉の本家が相次ぎ「脱ミート」に注力 その視線の先は?
大豆など植物由来のたんぱく質を使って、肉の風味を再現する「代替肉」市場に、肉の本家ともいえる食肉加工メーカーが家庭向け商品を相次いで販売し、本格参入している。欧米を中心とした「脱ミート」の流れが加速し、食肉業界に変化が起きていることが背景にある。食の国際情勢の変化に乗り遅れまいと、農林水産省も協議会を立ち上げ、新分野の研究を後押ししている。(長谷文) 代替肉は、主に大豆などを使った植物由来の肉と、培養技術を使った培養肉に分けられる。培養肉は国内では研究開発段階で、まだ市場に出回っていない。 植物由来の代替肉の商品化は、食材メーカーや外食チェーン店が先駆けて取り組んだ。食肉大手は家庭用向け商品で、2017年に丸大食品が、20年には日本ハム、伊藤ハムが参入。今年もプリマハムがマルコメと共同で肉を使わないハンバーグやミートボールなどの新商品を発売した。 世界の潮流、食肉メーカーも参入 「脱ミート」は世界的な流れになりつつある。国連食糧農業機関(FAO)は13年、世界の人口が50年までに90億人近くになると見込まれ、たんぱく源が不足するとして、昆虫を食材や家畜の飼料に活用することを勧める報告書を発表した。牛、豚、鶏を飼うには大量の水や飼料が必要で、肉類の大量消費が地球温暖化につながるとの認識も徐々に広まり、欧米を中心に菜食志向が高まりつつある。 さらに、日本特有の事情として、東京五輪の訪日客を取り込みたいと考えた外食産業の需要や、コロナ禍の巣ごもりで消費者の健康志向が高まったことなどが加わった。 とはいえ、各社とも「肉屋」… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1113文字/全文:1788文字 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
宮崎空港で不発弾 駐機場の地下、米国製の1トン爆弾か
平塚学2021年6月5日 10時54分 国土交通省宮崎空港事務所(宮崎市)は4日深夜、宮崎空港の駐機場の地下から不発弾のような金属が見つかったと発表した。陸上自衛隊目達原駐屯地(佐賀県)の不発弾処理班の鑑定で、太平洋戦争中に投下された米国製の1トン爆弾と推定されるとわかった。すぐに爆発する危険性はないという。 空港事務所によると、空港の駐機場はアスファルトの張り替え作業中だった。不発弾は4日午後5時半ごろ、地下約5メートルの地中から見つかった。直径約60センチ、長さ約130センチ。信管はなかったという。陸自が数日中に撤去する方針で、5日は通常運航とする予定。 空港事務所の担当者は「爆発する危険性はないことはわかったので、安全に処理したい」と話した。(平塚学) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
捜査情報を暴力団関係者に漏洩 佐賀県警巡査長書類送検
大村久2021年6月5日 10時55分 佐賀県内の警察署に勤務する30代の男性巡査長が、捜査情報を暴力団関係者に漏らしたとして、県警は4日、巡査長を停職3カ月の処分とし、地方公務員法違反(守秘義務違反)の疑いで佐賀地検に書類送検したと発表した。県警は「情報が漏れたことによる支障は出ていない」と説明したが捜査の内容や、暴力団関係者が捜査対象となっていたかどうかなどについては一切明かさなかった。 県警監察課によると、巡査長は今年3月、勤務する警察署内で、署を訪れていた暴力団関係者に対し、覚醒剤取締法に関わる捜査で差し押さえを予定している物件に関する情報を話した疑いがある。暴力団関係者とは以前の捜査で面識があった。捜査は署で進めていたもので、巡査長は関与していなかったが捜査情報の一部を知っていたといい、「あまり深く考えずに話してしまった」と容疑を認めているという。 この事案は、巡査長と同じ署に勤務する別の警察官が部外者から情報を得て発覚。県警本部の刑事部が捜査し、監察課でも本人から聴取した。逮捕しなかった理由について寺戸剛・監察課長は「犯行を認めて証拠隠滅の恐れがなかった」と説明。氏名や勤務先は「プライバシーや権利に配慮する必要がある」として明かさず、記者会見も開かなかった。 警務部の原尚士首席監察官名で「誠に遺憾。今後はより一層、職員への指導、教養を徹底する」とコメントを出した。(大村久) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ピアニスト藤田真央、世界のマエストロに愛されるまで
モーツァルトは自由に、軽やかに、ラフマニノフでは超絶技巧がさえる。音楽との特別な縁はない家庭で育った若手ピアニスト藤田真央さん(22)が、天真らんまんな人柄と観客を魅了する演奏で、世界中のマエストロに愛され、たびたび共演を果たすまでの道のりとは――。音楽との向き合い方から趣味までたっぷりと語ります。 拡大するピアニストの藤田真央さん=2021年3月28日、東京・銀座、長島一浩撮影 藤田真央さんのプロフィール ふじた・まお 1998年、東京生まれ。東京音楽大学卒業。2017年、18歳でクララ・ハスキル国際ピアノコンクール優勝、19年にチャイコフスキー国際コンクール2位入賞。ミュンヘン・フィルほか国内外の主要オーケストラと共演を果たす。CD『ショパン:スケルツォ/即興曲』(ナクソス)は「レコード芸術」誌で特選盤に選ばれた。テレビ朝日系『題名のない音楽会』などでも注目される。今年度は各地でリサイタル、オーケストラと共演のほか、ヨーロッパの音楽祭にも出演予定。 ――2019年のチャイコフスキー国際コンクールで2位になりました。もともと入賞するとは思わなかったとか。 ウクライナ生まれの天才ピアニストのホロヴィッツが永住先の米国から旧ソ連に戻り、約60年ぶりにモスクワ音楽院大ホールで開いた演奏会のCDを小さい頃から愛聴していて、自分もそこで弾いてみたかっただけなんです。 私はモーツァルトなど古典が好きで、得意にしていますが、音楽の解釈や奏法が個性的だといわれるので、1次で落ちるか、ファイナルまで行けるか、どちらかだと思っていました。 聴衆に愛され 血だらけのファイナル ――ロシアの聴衆にはかなり愛されたようですね。ただ、ハプニングも……。 1次ではモーツァルトを弾き終わった時、観客も審査員もみんな大拍手だったので「やったー!」って。「受け入れてもらえたんだなあ」とうれしかったです。セミファイナルでは、ファイナルにすすめる人の発表の時にに、自分を飛ばして演奏順が次の人が名前を先に呼ばれて、あれは超どっきり。審査委員長のデニス・マツーエフがいたずらっ子なんですね。ファイナルでは爪がぱっくり割れて、指が3カ所ぐらい血だらけで。すごく痛かった。でも、弾かないと終わらない。こればかりは恐怖でしたが、満身創痍(そうい)で1時間半をなんとか弾ききりました。 拡大するチャイコフスキー国際コンクール2位の賞状とメダル=2021年3月28日、東京・銀座、長島一浩撮影 1位のアレクサンドル・カントロフは本当にうまかった。すごくいい人なんです。音楽だけで、あとは何も執着がなくて、色んなことを知っている。2位が決まった時、彼と熱いハグをした。指導を受ける野島稔先生らから「君はまだ勉強することがあるから、2位で良かった」と言われましたが、悔しかったですね。でも、勝負だから仕方ない。 初めて、記者会見もしましたよ。「だれに伝えたいですか」って聞かれて「(飼っている)猫ちゃん」と答えたら、「はーっ?」となって。「おじいちゃん」とか言えばよかったのかな。 ――コンクールの審査員だったピアニストの中村紘子さんからは生前、アドバイスがありましたか。 コンクールで弾いたラフマニノフのピアノ協奏曲3番は、浜松国際ピアノアカデミーで紘子先生にすごく厳しく指導されました。アカデミーのコンクールではその教えを100%消化しきらずに演奏したけど、1位になって。あとで、楽譜まで自作されたアドバイスの手紙が届きました。今回もあまり自信が持てず、弾きながら「先生、怒ってるかなあ」と思いました。 それでも、紘子先生はとてもかわいがって下さった。アカデミーの後も携帯に何度かお電話をいただいた。「レッスンでは(ピアノのペダルを踏む感触がわかりにくいから)スニーカーを履くな」といった基本的なことから、音楽の解釈や奏法まで、たくさんの教えがちゃんと心に残っています。コンクールをお見せできなかったのは本当に残念でした。 拡大するピアニストの藤田真央さん=2021年3月28日、東京・銀座、長島一浩撮影 マオはコンクールの「サプライズ」 ――ガラでは、ロシアを代表する指揮者、ワレリー・ゲルギエフとの共演も。ゲルギエフは「マオの存在は、今回のコンクールの『サプライズ』だ」と言ったとか……。 マリインスキー歌劇場でチャイコフスキーのピアノ協奏曲を演奏した。あの方の指揮って、手をひらひらさせる。まったくわかんない。最初は、どこが拍なのかも分からない。でも、何度も呼んで下さって、マエストロのすばらしさが分かってきました。バランス感覚や一音出した時に、オケを抑え込んで、わーっと盛り上がっていく感じとか。トータルでつくりあげていくものなんですね。世界的指揮者のすごみに気づきました。 実は共演させていただくまでは、オーケストラがうまい、慣れているんだろうと思っていたら、違う。私の先入観がはなはだ稚拙だというのが、うかがい知れます。流れや音楽の作り方、構成も考えられていて、即興もできる。いつも刺激的です。私もくらいついていきます。 ――お父さんは医師で、音楽とはあまり縁がない家庭で育ったそうですね。 ピアノは3歳から始めました… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
体罰被害「届け出てない」保護者7割 熊本市教委の調査
堀越理菜2021年6月5日 7時57分 熊本市教育委員会は4日、市立学校での体罰・暴言などに関する保護者へのアンケート結果を公表した。子どもが被害に遭っても届け出なかった人が約7割に上った。 4月28日~5月14日に学校が保護者への連絡に使う安心メールを使ってアンケートし、2万631人から回答があった。子どもが被害に遭ったと答えた382人中、届け出なかった人は280人で73%だった。「相談しても無駄だと思った」「訴えた後のことが心配だった」といった理由が多かった。被害を市教委などに届け出ると市体罰等審議会にかけられる「相談票」について、知らないとの回答が全体の65%を占めた。 結果は、審議会に報告。委員から「言っても無駄だという保護者の不信感があると解決が難しくなる可能性がある」との指摘があったという。 昨年度に審議会が認定した体罰や暴言等は計21件で、内訳は小学校12件、中学校8件、高校1件。委員から「身体の小さな低学年ほど強い指導に出がちだと分かる。全ての子どもに対してしっかりした人権意識を持って対応してほしい」との指摘があったという。(堀越理菜) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
男子生徒のほおにキス、練習遅刻で平手打ち…教諭ら処分
小林圭2021年6月5日 8時03分 愛知県教育委員会と県は4日、生徒に対するわいせつ行為や同僚への傷害事件があったなどとして、計3人の教諭や職員に対し停職や減給などの懲戒処分とし、発表した。 三河地区の県立学校の男性教諭(29)は担任として受け持っていた男子生徒へのわいせつ行為で停職6カ月の懲戒処分とした。県教委によると、教諭は昨年9月下旬~今年3月下旬に5回、生徒を車に乗せ、車内でほおにキスしたり、抱きしめたりした。教諭は4日付で退職した。 岡崎市の県立岩津高校の男性教諭(44)は体罰をしたとして、戒告の懲戒処分。県教委によると、教諭は昨年12月、部活動中、グラウンドで男子生徒の尻を蹴り、別の男子生徒に頭突きをした。今年1月には、練習に遅刻した生徒2人のあごをつかんで壁に押しつけ、うち1人に対し平手打ちをした。匿名の告発が県教委に寄せられたという。 尾張農林水産事務所の課長補佐級の男性職員(53)は同僚への傷害で減給10分の1(2カ月)の懲戒処分。県によると、昨年6月、職場トイレで同僚職員ともみ合いになり、顔面を殴ってけがを負わせた。職員は今年5月、豊田簡裁から傷害罪で罰金10万円の略式命令を受けた。(小林圭) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
介護施設の高齢者殴りあばら骨折させた疑い 職員を逮捕
山田暢史2021年6月5日 8時12分 勤務先の埼玉県越谷市の介護老人福祉施設で入所者の男性(84)に暴行して重傷を負わせたとして、越谷署は4日、介護職員の久志隆史容疑者(23)=同市大沢=を傷害の疑いで逮捕し、発表した。容疑を認め、「介護中に抵抗されて頭にきて暴力を振るった」と供述しているという。 署によると、逮捕容疑は5月31日午前5時15分ごろ、勤務先の介護老人福祉施設「越谷よさこいホーム」の個室内で男性の胸や腹を殴るなどし、あばら骨骨折や大腸損傷の疑いなど全治1カ月の重傷を負わせたというもの。久志容疑者はこの日は夜勤で、男性の介護を担当していたという。 同日朝に男性が体の痛みを訴えたことから別の施設職員が男性とともに病院へ行き、「別の職員から暴行を受けた可能性がある」と説明。病院が署に通報したという。(山田暢史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
五輪パラ準備で交通規制 8日から国立競技場で3カ月超
斉藤佑介2021年6月4日 20時36分 東京五輪・パラリンピックの大会組織委員会は4日、オリンピックスタジアムである国立競技場(東京都新宿区)や、東京体育館(渋谷区)の周辺で今月8日~9月30日まで大規模な交通規制を行うと発表した。規制対象は車で、7月23日の五輪開会式を前に、周辺に警備用フェンスを設けるためという。 車の規制区間は段階的に変わるが、イチョウ並木は期間中、車の通行ができない。国立競技場と聖徳記念絵画館との間にある歩道も一部閉鎖されるが、そのほかの競技場周辺やイチョウ並木の歩道は通行できる。 大江戸線・国立競技場駅の一部出入り口も7月3日から閉鎖する予定という。 組織委は、大会の開閉会式を想定したバスの輸送訓練を今月19日午後11時半から行うこともあわせて発表。翌日午前5時ごろまでバス150台を走らせるため、競技場周辺や青山通りを中心に通行止めになるという。 詳細は組織委のホームページ(https://olympics.com/tokyo-2020/ja/news/transportation-notice/tra-ols-tgy)へ。(斉藤佑介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
解雇の元社員?「頭取に会いに」 役員室に侵入の疑い
2021年6月4日 23時09分 福岡銀行などを傘下に持つふくおかフィナンシャルグループ(FG)の本社ビルの役員室に侵入したとして、福岡県警は4日、福岡県柳川市三橋町の自称会社員、与田将史容疑者(36)を建造物侵入の疑いで現行犯逮捕し、発表した。 発表によると、与田容疑者は4日午後4時28分ごろ、福岡市中央区大手門1丁目のふくおかFG本社ビルの役員室に侵入した疑いがある。職員通用口から入ったといい、午後4時半すぎに応対した社員が通報、駆けつけた中央署員に約40分後に現行犯逮捕された。 中央署によると、与田容疑者は昨年12月ごろに同社を解雇され、「理由を聞くため頭取に会いに来た」と話しているという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル