宇宙航空研究開発機構(JAXA)など国内の約200組織がサイバー攻撃を受けた事件で、攻撃に使われたサーバーを偽名で契約したとして警視庁公安部が事情を聴いた中国籍の元留学生が、中国軍関係者から日本製セキュリティーソフトの購入などを指示されていたことがわかった。公安部は、新たな攻撃につなげる目的で軍に近いハッカー集団が入手しようとした疑いがあるとみている。 一連のサイバー攻撃は、JAXAや三菱電機、岐阜県、慶応大などが標的となった。組織内のパソコンを遠隔操作できる資産管理ソフトの欠陥を突かれ、外部から送り込まれたウイルスに感染するなどの被害が相次いだ。 公安部は、攻撃に使われたサーバーをうその会員情報で契約したとして、30代の中国共産党員の男を私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで4月に書類送検した。捜査関係者によると、元留学生の存在は、攻撃に使われた別のサーバーの偽名契約をめぐる捜査で浮上した。公安部が元留学生に事情を聴いたところ、2016年に中国在住の女からサーバー契約に関する指示を受けたと説明。日本製セキュリティーソフトを購入するよう指示を受けて、実際に購入を試みていたことも明かしたという。 関係者によると、元留学生は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
薬局役員ら23人が優先接種 医療者含まれず「不適切」
栃木県を中心に中央薬局などの名称で34店舗を展開している「パワーファーマシー」(宇都宮市)は4日、渡邊和裕社長を含む役員や職員計23人が、医療従事者等として、新型コロナウイルスワクチンの接種を受けたと発表した。同社はホームページで「医療従事者等の範囲を広く捉え過ぎた不適切な解釈」と釈明。渡邊社長は栃木県薬剤師会の会長を務めている。 厚生労働省によると、医療従事者等の対象として「薬局において感染症患者(疑いを含む)に頻繁に接する機会のある薬剤師その他の職員」と定めている。 同社によると、同社本部所属の渡邊社長ら役職員は常に薬局で業務に従事していないものの、薬品や備品の送配などをしており、「患者に接する可能性があった」と説明。役職員らが医療従事者等に含まれると考えたとした上で、役職員らについて「実際には必ずしも弊社の薬局に所属していたとはいえないにもかかわらず、弊社の薬局に所属している」として申請し、4月23日~6月3日に23人が接種を受けた。 同社はHP上で「医療従事者等の皆様を始め、ワクチン接種を待たれている皆様にお詫(わ)び申し上げます」と謝罪。渡邊社長が接種を受けたことについて、発表前に取材していた朝日新聞に、「栃木県薬剤師会の会長という立場にありながら、極めて不適切な行為」とコメントした。(編集委員・沢伸也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
九州の162戸、お湯沸かず スマートメーターが不具合
2021年6月4日 23時51分 九州電力送配電は4日、通信機能つきの電力計「スマートメーター」の不具合で、九州7県の162戸で電気温水器の湯が沸かない問題が発生したと発表した。 同社によると、5月中旬にスマートメーターの通信端末のソフトウェアを更新した際にプログラムの不具合が起き、料金が安い深夜電力で湯を沸かすタイムスイッチ機能が作動しなくなったとみられるという。 同社には契約者や温水器のメーカーなどから「お湯が沸かない」といった苦情があり、調査。2日に原因が判明した。4日現在、端末の交換など現地での作業が必要な10戸以外の不具合は解消しているという。この間にメーカーに修理を依頼し、湯が沸くようになった世帯もあるという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
放火殺人の疑いで男を再逮捕 「液体持ち込んだ」と供述
2021年6月5日 0時00分 千葉県船橋市で4月に住人男性が死亡した民家火災で、県警は4日、東京都港区赤坂8丁目、無職一倉大悟容疑者(30)=傷害、逮捕監禁容疑などで逮捕=を殺人と現住建造物等放火などの疑いで再逮捕し、発表した。放火については認めているが、容疑の一部を否認しているという。 逮捕容疑は、4月25日午前4時35分~同8時10分ごろ、船橋市本中山3丁目の会社役員渡辺和彦さん(当時65)の自宅に火をつけて渡辺さんを殺害したというもの。渡辺さんは、一倉容疑者の伯母の元夫。 一倉容疑者は、火災直前の同日午前3時半~同4時15分ごろ、千葉県市川市内の母親(60)の自宅で母親を殴るなどして重傷を負わせたほか、両手両足を縛って監禁したとして、傷害と逮捕監禁の疑いで緊急逮捕されていた。 捜査関係者によると、母親の証言では、一倉容疑者は母親に暴行を加える前に「渡辺をやる」と発言していたという。 調べに対し、一倉容疑者は「液体を(渡辺さん宅に)持ち込み、火をつけた」との趣旨の説明をしているという。県警は、母親に暴行を加えた後、約3キロ離れた渡辺さん宅に移動し、放火したとみている。液体は、引火性のあるものだったという。 火災の2日前には、母親宅の隣に住む伯母が、自宅1階で頭部を負傷した状態で死亡しているのが見つかっており、県警は一倉容疑者の関与の有無を調べる。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海老蔵歌舞伎、演出を一部変更 「人種差別」指摘広まる
2021年6月4日 20時36分 京都市の南座で4日に開幕した「海老蔵歌舞伎」で、歌舞伎俳優の市川海老蔵さんが中心となって創作された新作「KABUKU」の演出の一部に変更があった。5月に開かれた東京・明治座公演で、観客らから「人種差別ではないか」といった指摘がインターネット上で広まっている場面だった。 KABUKUは、海老蔵さんが音声SNS「クラブハウス」で参加者の意見などを採り入れた新作。舞台は江戸時代末期から地獄、現代の東京へと展開していく。漫画「金田一少年の事件簿」原作者の樹林伸さんが原作で、海老蔵さんらが演出を担った。 東京公演で指摘があったのは、地獄を描く場面。外国人同士がいがみ合うなかで、中国人と推察される人が疫病を広めたなどとののしられ、ネットでは「差別だ」とする声が相次いでいた。 京都公演では、中国人とされる人は登場しない演出に変更になっていた。松竹は、「明治座上演時に頂いたお客様の声を受けて、内容を変更して上演いたしました」とした。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
わいせつ教員 「再登板」の判断基準バラバラはダメ
伊藤和行2021年6月4日 21時32分 児童生徒へのわいせつ行為で懲戒免職になり教員免許を失効した元教員に対し、免許の再交付を拒否できる権限を都道府県教育委員会に与える新法「教員による性暴力防止法」について、萩生田光一文部科学相は4日の閣議後会見で、教委が再交付の適否を判断する際の統一的な基準を設ける考えを示した。 新法施行後は、教委が専門家らの審査会に意見を聴いた上で、再交付の適否を判断する。萩生田氏は「なぜある県は再交付を拒み、別の県は認めたのかといった新たな課題が生じる」と指摘。「同じ基準でスクリーニング(選別)ができる仕組みを作ることが混乱を防ぐことになる。制度設計は自治体と連携しながら作り上げたい」と述べた。(伊藤和行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
原因はハトのフン? 滋賀でオウム病集団感染か
2021年6月4日 22時02分 滋賀県は4日、同県東近江市の事業所で4月上旬~中旬に発熱や肺炎の症状を訴えた60代と40代の女性2人が、国立感染症研究所の検査でオウム病だったと判明したと発表した。ほかに男女13人に発熱の症状があったといい、職場で集団感染が起きた疑いがある。 感染症対策課によると、この事業所では2人のほか、13人が3月中旬~4月上旬に発熱し、うち7人に肺炎の症状もあった。すでに全員が回復している。3月下旬ごろまで、事業所の入り口がハトのフンで汚れており、菌を吸い込んだ可能性があるという。 オウム病はペットの鳥などから人に感染し、肺炎などを引き起こす。潜伏期間は1~2週間。4月16日以降に新規感染が疑われる人が出ておらず、県は感染拡大の恐れはないと説明している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コカイン鑑定、現場で使える新試薬 六本木などで導入
2021年6月4日 19時00分 コカインを所持していたなどとして、警視庁はナイジェリア人の男(54)=千葉県柏市=を麻薬取締法違反などの容疑で現行犯逮捕し、4日発表した。コカインを巡っては、街中の簡易鑑定で偽陽性を示す事例が続き、同庁は陽性でも現行犯逮捕せず、科学捜査研究所で本鑑定をする運用を続けていた。現場で正確な結果を得られる新試薬を今月から導入し、現行犯逮捕できる体制を整えたという。 組織犯罪対策5課によると、男は2日、東京都港区六本木3丁目のビルでコカイン30・5グラム(60万円相当)などを営利目的で持っていた疑いがある。このほか、末端価格で計約950万円分のコカインや覚醒剤、MDMAも見つかり、同課は男が管理していたとみている。男は「知りません」と話しているという。 新試薬は、東京五輪・パラリンピックやインバウンド(訪日外国人客)の急増を意識した「繁華街対策」などのために導入した。現在は六本木など一部の地区で運用しているが、「偽陽性」が出ないと確認できれば秋から都内全域に広げるという。同課は「新試薬を適切に活用し、取り締まりを強化する」としている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
電子契約書認める特定商取引法改正案 参院特別委で可決
前田朱莉亜、小林未来2021年6月4日 19時00分 契約書面のデジタル化などを盛り込んだ特定商取引法・預託法の改正案が4日、参院消費者問題特別委員会で、自民・公明両党などの賛成多数で可決された。立憲民主、社民、共産の各党は反対した。9日の参院本会議で可決・成立する見込み。 紙の契約書がデジタル化されれば「訪問販売やマルチ商法などで高齢者らの被害が増える」と、消費者団体などが反発。政府は電子契約書を交付する前に「紙の承諾書」を必要とする対策を出していた。この日の特別委では、社民党の福島瑞穗氏が「紙の契約書でいいじゃないか」と質問したが、消費者庁の高田潔次長は「少し面倒な方法になるが、消費者被害を防ぐためにはそういうやり方が適当だと考えている」と答弁した。 全国消費者団体連絡会の浦郷由季事務局長は「いったんデジタル化の条文を削除し、一から議論し直してほしい」と話した。(前田朱莉亜、小林未来) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
手触りで違和感 ベテランと新人警察官、疑った特殊詐欺
【動画】手触りで特殊詐欺疑う、ベテランと新人警察官=藤牧幸一撮影 拡大する愛知署豊明幹部交番の小川耕史巡査部長(右)と中根竣平巡査=2021年5月25日、愛知県東郷町白鳥2丁目の愛知署、藤牧幸一撮影 男が手にしていた白い封筒を持つと、中にキャッシュカードが入っているような手触りがした。質問を重ねると、その男は答えを変えた。ベテランと新人の警察官コンビは特殊詐欺を疑った――。 3月28日昼。愛知署豊明幹部交番の小川耕史巡査部長(45)と中根竣平巡査(19)は、愛知県豊明市の住宅街をパトカーで巡回していた。この日、管内では百貨店従業員を名乗る電話が相次ぎ、男がキャッシュカードを受け取りに現れたという情報もあった。〈まだ近くにいるかもしれない〉。ふたりは異変を見逃すまいと目をこらした。 交差点で信号待ちの男が見えた。上下黒っぽい服装に、黒い手提げかばん。〈不審な男の特徴と一致している〉。信号が青に変わると、男はスマートフォンを操作しながらゆっくりと歩き出した。目的地が定まっていないような足取りに思えた。 〈指示役の仲間と連絡をとり… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル