日本最古の観覧車などレトロな遊具が人気の函館公園「こどものくに」(北海道函館市青柳町)が、苦境に立たされている。 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で売り上げが激減し、遊具の修繕やスタッフの雇用もままならない。「子どもの思い出づくりの場を守りたい」と、インターネットのクラウドファンディング(CF)で資金を募っている。 こどものくには1956(昭和31)年に開園。観覧車は50年に七飯町の大沼湖畔に設置され、65年にこどものくにに移設された。古希を過ぎた今も現役で回り続け、人気のアトラクションだ。一昨年には国の登録有形文化財になった。 昨年は新型コロナの緊急事態宣言を受けて、年間収益の多くを占める春の大型連休中に休園を余儀なくされた。来園者は年に15万人ほどだが、昨年は推計9万人と4割も落ち込み、売り上げはここ10年で最低になった。 今年も5月16日からの緊急… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海水浴場、逗子・葉山が開設へ 開かなかった昨夏も人
神奈川県逗子市と葉山町は今夏、海水浴場を開設することを決めた。開設期間は、逗子市が7月16日~9月5日、葉山町が7月2日~8月31日。どちらも感染拡大の状況に応じて、開設期間の短縮や海の家の休業などを行う。 逗子市は「コロナ慣れ」や東京五輪・パラリンピックの開催に呼応し、海岸への来訪者は昨年より増えると予想。海水浴場開設を決めた理由について「市が海水浴場の開設者として感染対策や水難事故防止の監視、風紀の乱れに対する警備に取り組む必要がある」と説明する。 3日の会見で逗子市の桐ケ谷覚市長は「鎌倉が今年は開設しないので逗子に流れる人が増える、と心配する声もある」とした上で、「海水浴場を開設しなかった昨年も人は大勢来た。だからこそ、今年は市が安全確保をしっかり担うべきだと考えた。海の家とは、緊急事態宣言が出れば期間中でも閉鎖するなどと覚書も交わしている」と話した。 森戸、一色、長者ケ崎・大浜の3海水浴場を開設する葉山町も同様の判断。まんえん防止等重点措置の対象期間中の営業時間や酒類の提供などは、海の家も町中の飲食店と同じく県の指示に従う。また町民の不安に配慮し、町と海水浴場組合が連携し、飲酒やバーベキューの制限やライブの規制など、条例で厳しく制約を設けている逗子市並みに、海岸のルールを強化することを検討している。(織井優佳) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「生き残ってくれてたんだね」豪雨被災の川にホタルの光
寿柳聡2021年6月4日 15時38分 大分県由布市湯布院町湯平の湯平温泉を流れる花合野(かごの)川に、ホタルが姿を見せた。毎年地域に風情をもたらしてきたホタルの名所だが、昨年7月の豪雨で川は温泉街に大きな被害をもたらし、崩れた護岸の修復工事は今も進む。地元の人たちはホタルの光を見て喜び、被災前のように川面を飛び交う風景が今年も見られるか気をもんでいる。 2日夜、湯平を象徴する石畳通りの入り口そばの橋から花合野川に目をこらすと、茂みで点滅する淡い光が一つ見つかった。ゲンジボタル。カメラを据えピントを合わせようとしている間に飛び立ち、ふらふらと川下に消えていった。 川沿いに立つ「清流とほたるの宿 高尾荘」の女将(おかみ)、山田美耶さん(39)は5月末に最初の1匹に気づいた。「見つけた瞬間泣きそうになった。生き残ってくれてたんだね」。例年なら6月中旬が見頃といい、「どこまで戻ってきてくれるだろうか」と気をもむ。 湯平の豪雨被害ではオリジナルキャラクターの電脳女将・千鶴で知られた「旅館つるや隠宅」の一家4人が車ごと花合野川に流されて亡くなり、泥流は石畳の温泉街も襲った。川べりの共同浴場「砂湯」が全壊。巨大な石が川のあちこちに残され、崩れた護岸の修復工事が続いている。 高尾荘も1階が床上浸水し壁の一部も崩れた。その晩、隣接する自宅で休んでいた山田さんは「地鳴りがして家が揺れだした」と振り返る。子どもを抱き、足元から30センチほどまで水につかりながら、川から少し離れた別の宿へ避難した。 つるや隠宅は廃業したが、ほかの宿19軒は被災を機にリニューアルするなど復興を進めてきた。高尾荘も今年3月に営業再開。清流にホタルをあしらった宿のロゴマークも新たにつくった。山田さんは、「部屋からホタルが見られるのも宿の売り。先日は露天風呂でも1匹を見つけた。少しでも多く戻ってきてくれれば」と話している。(寿柳聡) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コブハクチョウのひな「異例」の9羽 湖畔ですくすく
河合博司2021年6月4日 12時59分 【動画】河口湖でコブハクチョウが子育てする様子を地元の人々が温かく見守っている=河合博司撮影 山梨県富士河口湖町小立の八木崎公園で、河口湖畔に暮らすコブハクチョウのつがいが9羽のひなを育てている。地元の人たちが子育ての様子を心配しながら見守っている。 11キロ南東にある山中湖では50羽以上が放し飼いにされているが、詳しい男性によると近年確認されたひなの数は5羽が最高。無事に育ったのは3羽という。5月上旬に孵化(ふか)したひな9羽が、3週間以上たった今も無事に育っているのは異例だ。 ひなの天敵はトビやカラス、キツネなど。好物の芝の新芽を食べるため公園を行き来する際は、雄親が近づく犬や猫を翼を広げて威嚇(いかく)し、追い返している。 毎朝、パンやキャットフードを与えている近所の志村重夫さん(66)は「日に日に大きくなる」と観察している。今は子猫ほどの大きさだ。「可愛いから毎日来てしまう」と笑う。 昨年は同じ夫婦に4羽のひなが生まれたが、1羽しか育たなかった。坂本はるみさん(71)は「9羽全部を育てるのは大変だと思うけれど頑張って欲しい」。 コブハクチョウは外来種。全国の池や湖で飼育されているが、生態系への悪影響を指摘する専門家もいる。富士河口湖町の渡辺喜久男町長は「20羽くらいまで増えて観光の目玉になってくれれば」と話した。(河合博司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
素人目線で移住相談「すんで埼玉」 めざすはファン獲得
埼玉に住もう――さて、どの街がいいのか。そんな相談に、SNSを通じて応じる会社がコロナ禍の昨年6月、埼玉県に誕生した。地元に詳しい不動産会社とは異なる手法を採り入れ、素人目線で教えてくれる。どんなサービスなのか。 その会社は株式会社「住んで埼玉」(さいたま市浦和区)。事業のミッションは「埼玉に住みたい人やファンを増やす」「みんなの挑戦を応援する」こと。 代表は、埼玉県中央部に位置する鴻巣市で生まれ育った岡野周平さん(31)だ。県内の私立高校を卒業し、大学を出た後に楽天に入社した。社会人4年目に東京・新宿御苑に近い中古マンションを購入し、高校時代から憧れていた都会暮らしを満喫した。 実家は工務店。父の影響もあって、自分で何かを作ったり修繕したりするDIYが得意だったため、マンションの室内を改装し、好みにあった生活を始めた。さらには、国内有数の繁華街を抱える東京・赤坂のリノベーションマンションを借りた。大都会で暮らしている、という高ぶる感情をおさえられずにいた。 そこに襲ったのが、新型コロナウイルスの感染拡大だった。ふと、「なんで赤坂に住んでいるのだろう」と自身に問うた。 実際に会社に出勤しなくても… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
プラごみの削減へ新法成立 使い捨てスプーンも有料化?
コンビニや飲食店で配っている使い捨てスプーンなどのプラスチック製品の削減やリサイクルを促す新法「プラスチック資源循環促進法」が4日、参院本会議で可決、成立した。有料化や代替素材への切り替えを求め、プラごみ削減に配慮した製品などを国が認定する仕組みもつくる。来春に施行される見通しだ。 使い捨てのストローやフォークなどを無料で大量に配る店に対し、有料化するか、素材をプラスチック以外の紙や木などに切り替えるよう対応を義務づける。大手・中堅のスーパーやコンビニ、ファストフード店などが対象になる見込み。小規模店は除外する方向で検討している。具体策は今後、政省令などで定める。 国が認定したプラ製品にロゴマークを付ける仕組みを導入し、消費者がリサイクルしやすい製品を選びやすくする。自治体に対し、プラ製の文房具やおもちゃなどを、菓子袋などと一緒に資源ごみとして分別収集するよう求める。 昨年7月には、すべての小売店を対象にプラ製レジ袋の有料化が義務づけられている。(川田俊男) プラスチック資源循環促進法の主な内容 【設計・製造】… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:240文字/全文:707文字 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「コールセンターと電話」うそ気づいた信金職員詐欺防ぐ
マハール有仁州2021年6月4日 9時57分 携帯電話で通話をしながらATMを操作する60代女性。その姿に違和感を抱いた職員は声をかけた――。石川県の金沢東署は3日、特殊詐欺の被害を未然に防止したとして興能信用金庫柳橋支店(金沢市)の職員福田彩夏さん(25)に感謝状を贈った。 同署などによると、女性が同支店を訪れたのは5月14日午後0時半ごろ。カウンター奥の自席にいた福田さんは、店内のATMコーナーの方から、携帯電話で会話をする女性の声を聞いた。 気になって見に行くと、ATMで操作しながら女性が電話をしていた。不審に思い、声をかけると、女性は「興能のコールセンターと電話している」と言う。興能にコールセンターはない。福田さんは、電話を代わってもらったが、すぐに切られてしまう。その後女性に事情を聴いたところ、「市役所から介護保険の払い戻しがあると言われて来た」などと説明したため、還付金詐欺だと確信。警察に通報したという。 日頃実家の祖父母にも注意喚起しているという福田さんは「お客様の財産を守れてよかった。これからもATMにいるお客様に気配りをしたい」と話した。 感謝状贈呈式で久田悦弘署長は「詐欺被害を寸前に防止するため適切に対応し、利用客を守った。今後もお客様と接する前線で積極的に抑止にご協力いただきたい」と話していた。(マハール有仁州) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
口べたサラリーマンが考えた 「理想」のホワイトボード
持ち運びができ、広げて使える小型ホワイトボード。2015年の発売以来、改良を重ね、ファンを増やし続けている。企画販売するバタフライボード(横浜市青葉区)の福島英彦社長(49)が商品を開発したきっかけは、会社員時代の苦い経験からだった。 最新作の「notesX(ノーツエックス)」はおしゃれなシステム手帳のような外見だ。カバーを開くと中にあるのはノート状にとじられた6枚のホワイトボード。何度も書いては消せる。磁石の力を使い、ボードを外したり入れ替えたりも自由自在だ。 「多様な意見やアイデアを一瞬でまとめられる魔法の道具です」。福島社長は胸を張る。 元は音響メーカーのエンジニア。開発部門の閉鎖を機に、ロボット掃除機メーカーのマーケティング部マネジャーとして転職した。 ところが思うように成果が出せなかった。必死に資料を交えて伝えてもダメ出しを食らう。口べたで思考がまとまらず、思ったような言葉が出てこない。 窮地を救ったのがホワイトボードだった。真っ白な板に参加者の意見を次々書き込む。「誰が言ったか」ではなく、同列の「意見」になった。思考の流れが共有され、目標や課題、結論までするする会議が進む。写真に収めると議事録以上に議論の空気が残った。 「理想のホワイトボードがほ… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:957文字/全文:1501文字 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アニメ缶バッジを無断で複製・販売か 元工場主任を逮捕
2021年6月4日 10時10分 人気アニメ「文豪ストレイドッグス」の缶バッジを無断で複製、販売したとして、兵庫県警は3日、会社員の大前光司容疑者(28)=神戸市須磨区=を著作権法違反(複製権の侵害など)と商標法違反(侵害とみなす行為)の疑いで逮捕し、発表した。容疑を認めているという。 生活経済課によると、大前容疑者は、缶バッジの製造を委託された神戸市内の会社の工場主任だった。同課は押収資料などから、水増し生産した一部を中古品と偽ってネット出品する手口で、約3万個を販売して約500万円を売り上げていたとみている。 逮捕容疑は2017年10月~20年3月、同アニメのキャラクター「太宰治」や「中原中也」を描いた缶バッジ約2千個を勤務先の工場などで無断で製造。県内の女性などにフリーマーケットアプリ「メルカリ」で販売し、KADOKAWAの著作権と商標権を侵害したというもの。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ワクチン予約 電話通じず未明から列、4人で「終了」
「予約の電話がつながらない」「つながっても既に埋まっていた」――。新型コロナウイルスのワクチン集団接種を進めている北九州市で、こうした苦情が市に殺到している。区役所には、業を煮やした人が早朝から列をつくっているという。そう聞いて記者が行ってみると……。 拡大する早朝、ワクチン接種の予約を求める市民たちの行列ができていた=2021年6月3日午前7時7分、北九州市小倉北区役所、佐々木亮撮影 雨がパラつく午前7時半すぎ、小倉北区役所には玄関が開く前にもかかわらず、既にお年寄りや付き添いの人ら60人ほどが並んでいた。先頭の70代の女性は「午前1時半ごろから待っている」と話した。 拡大するワクチン接種の予約を求めて並ぶ市民たち=2021年6月3日午前7時46分、北九州市小倉北区役所、佐々木亮撮影 職員が整理券を配り、受け付け会場へ案内した。「今日は限られた枠しかなく、数人程度しか予約出来ない可能性があります」と説明する職員に、「こんなに並ばせて、これでダメならどうすれば予約できるのか」とくってかかる人も。 拡大するコロナワクチン接種について「お並びいただいても数名の方しか予約できない可能性があります」と知らせる貼り紙=2021年6月3日午前7時28分、北九州市小倉北区役所、佐々木亮撮影 ネット上で予約枠が更新される午前9時、職員がタブレットを操作して予約代行の作業を始めた。5分ほどで、「今日の予約はすべて埋まりました」とアナウンス。「えーっ」と落胆の声が広がった。この日、同区役所で予約できたのはわずか4人だった。 拡大するワクチン接種の予約受け付け開始を待つ市民たち=2021年6月3日午前8時6分、北九州市小倉北区役所、佐々木亮撮影 拡大する市職員のサポートでワクチン接種の予約をする市民たち=2021年6月3日午前8時54分、北九州市小倉北区役所、佐々木亮撮影 区内の男性(70)は夫婦2人で午前4時ごろから並び、妻だけ予約が取れた。「電話もダメ。ネットもダメ。行列は2回目。もっと良い方法はないのか」と嘆いた。自身の分は、別の日にあらためて並ぶという。 なぜこれほど予約が取りにくいのか。 北九州市では現在、かかりつ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル