伊藤和行2021年5月26日 6時00分 障害のある子どもが通う特別支援学校の設置基準案を文部科学省が初めてまとめ、公表した。入学者の増加で教室不足が課題となっており、基準を設けることで子どもの数に応じた教室数の確保を図る。案について、6月26日まで意見公募(パブリックコメント)を行う。 設置基準は最低限備えるべき校舎面積や施設を示したもので、小中高校は設けられているが、特別支援学校にはなかった。しかし昨年度の在籍者は全国の1149校で計約14万5千人と、10年間で1・2倍に増加。文科省の2019年度の調査では、教室をパーティションで二つに分けて使うなど、約3千教室が不足していることが判明した。同省の有識者会議が設置基準をつくるよう求めていた。 文科省の案は校舎面積を、視覚、聴覚、知的、肢体不自由、病弱の障害の種類によって区分けし、在籍人数が増えるほど広くなる算定式を示した。 1クラスの上限人数は、幼稚部が5人、小学部と中学部は6人、高等部は8人と示した。施設は、自立生活するための練習を行う「自立活動室」を設けることも求めた。文科省は設置基準が正式に決まれば省令を改正し、来年4月から施行する。現存する学校は当面、現行維持も認められるが、基準を満たすよう努力義務を課されるという。(伊藤和行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「頑張ってくれた」航路、72年で幕 乗客ゼロの日も
72年の歴史を持つ定期航路も、猛威を振るう新型コロナウイルスの前にひとたまりもなかった。三重県志摩市の浜島航路。住民の足として長年使われ、急激に過疎化が進んでからは、風光明媚(ふうこうめいび)な英虞湾を巡る観光需要にかろうじて支えられてきた。だが、最近は乗客が1人もいない日も珍しくなく、ついに9月末で廃止されることになった。 波の静かな英虞湾の青い海を1隻の船が進んでいく。両側に真珠の養殖いかだ、その向こうには点在するリゾートホテルが見える。浜島航路の定期船「おおさき」。80人乗りの船だが、5月中旬のある日、客は誰も乗っていなかった。 午前9時10分、定刻通りに目的地の浜島港(志摩市浜島町)に着いた。乗る客も降りる客もいない。船長の宮本祐介さん(37)は10分前、対岸の御座港で受け取った1個の段ボール箱を下ろした。 生鮮食料品店を営む柴原隆晴… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
DHC返礼品、さいたま市が取り消し 差別的文章公開で
上田雅文2021年5月25日 21時31分 化粧品大手ディーエイチシー(DHC)が、在日韓国・朝鮮人に対する差別的な文章を会長名でネットに公開した問題で、さいたま市は25日、ふるさと納税の返礼品として同社製品の取り扱いを取り消した。市への取材でわかった。 市によると、4月以降、「なぜDHCの商品をふるさと納税(の返礼品)に扱うのか」といった抗議の電話などが16件寄せられたという。市は「ふるさと納税の返礼品は寄付者への感謝の気持ちで、シティーセールスの側面もある。混乱を生じさせている状況では返礼品にそぐわない」と判断したという。 さいたま市岩槻区にある同社の工場で製造された化粧水やリップクリームなど6種類が、2017年から市の返礼品となり、20年度は216件(577万円分)の寄付の返礼品となった。(上田雅文) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「言う通りにやってきたのに」再延長 出口見えぬ飲食店
大阪府が25日、緊急事態宣言を再び延長するよう国に求めることを決めた。宣言下の他の府県も同様の見込みだ。ゴールの先送りが続く状況で、この苦境に終わりは来るのか。何とか打開して前を向こうと、模索する人たちがいる。 協力金やっと支給されたけど… 大阪・キタの路地裏にある「洋食ダイニング フィレール」のオーナーシェフ出口彰さん(33)は、今月から常連客らに案内を出し、家庭に出向いてワインや料理を振る舞う「出張レストラン」を始めた。 ホテルやワインバーで経験を積んで、独立したのが昨年1月。松阪牛のビーフシチューやワインが売りだが、数カ月の「オープン景気」が一段落した後は、ずっとコロナと向き合うことになった。 昨年11月下旬から時短営業を始め、食材を余らせないよう、今年4月からは1日1組の予約に限定している。赤字は月に約30万円。変異株の影響や重症者数を考えれば、宣言再延長には驚かない。だが、アクリル板なども買いそろえてきたのに、通常の営業ができないのがもどかしい。 「政府や自治体の言う通りにやってきたのに、『なんで?』と思ってしまう」。出張レストランでお客の喜ぶ顔を見るのはうれしいが、やっぱり店で迎えたい。「ワクチン接種が一日も早く広まってコロナが収束し、元通りに営業したい。それだけです」 長引く緊急事態宣言で飲食店… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1125文字/全文:1695文字 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
バーで女性にわいせつ行為した疑い 競輪選手ら2人逮捕
2021年5月26日 1時10分 埼玉県警川口署は25日、競輪選手の海老根恵太容疑者(43)=千葉市花見川区み春野2丁目=と、飲食店経営の菊地庸介容疑者(42)=埼玉県戸田市新曽=を強制わいせつの疑いで逮捕し、発表した。署は「捜査に支障がある」として、認否を明らかにしていない。 2人の逮捕容疑は24日午前0時35分ごろ、埼玉県川口市内の営業時間外のバーで、20代の知人女性の体を触るなど、わいせつな行為をしたというもの。署によると、2人は友人で、この女性やほかの複数人と23日午後9時ごろから飲酒や飲食をしていたという。24日午前3時15分ごろ、女性が110番通報したという。 千葉競輪のホームページなどによると、海老根容疑者は、2009年にあった競輪の最上位レース「KEIRINグランプリ」で優勝し、賞金王を獲得している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪、平日は時短要請 大型商業施設に 土日は休業継続
新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言について、大阪府は25日の対策本部会議で、今月末を期限とする宣言の再延長を政府に要請する方針を決めた。医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が続いていることや変異株の影響を踏まえて判断した。延長時の対策については、府知事の判断により人流抑制策として継続している百貨店など大型商業施設への休業要請は見直す方針だ。 26日にも兵庫県や京都府と一体で要請する方向で調整している。吉村洋文知事は会議で「(コロナ対応は)通常医療を制限しながらやっており、医療提供体制は極めて厳しい状況が続いている。変異株の感染拡大力も考えた時、緊急事態宣言の延長を要請したい」と述べた。 会議終了後には延長幅について「短い期間では不十分」と記者団に語った。百貨店など大型商業施設については、兵庫県や京都府の対策と同様、平日は営業時間短縮、土日は休業を要請する方向で緩和する考えを示した。 大阪、兵庫、京都、東京の4都府県に3回目の緊急事態宣言が出たのは4月25日。5月11日が期限だったが、新規感染者数が高止まりし、医療提供体制は危機的状況にあったため、同月末まで延長された。 大阪府内の新規感染者は4月中旬以降、連日1千人を超えたが、5月9日以降は3桁台が続く。23、24両日は300人を下回った。府によると、2回目の宣言解除後の3月1日~4月4日の人出と比べると、3回目の宣言下の4月25日~5月24日は梅田駅で5割、なんば駅で6割にとどまった。府は「緊急事態宣言により、人流と感染者が大きく減った」と分析する。 だが、24日時点で重症病床(348床)の使用率は83・0%。中等症病床などで治療を続ける29人を含めると実質91・4%に達する。府には「感染が再拡大すれば対応できない」との危機感がある。 変異株への警戒感も強い。府の資料によると、従来株から感染力がより強いとされる変異株への置き換わり割合は、関西3府県では4月上旬に75%程度、5月上旬にほぼ100%となった。 府が「第4波」とする3月下旬の1日あたりの新規感染者は平均300人弱だったが、約2週間後には1千人超に急増した。重症者の増加速度も昨年10月~今年2月の「第3波」の3倍。3月18日に54人だった重症者は、47日後の5月4日には8倍の449人にのぼった。 1、2回目の緊急事態宣言では、全国に先がけて解除を要請した吉村知事だが、こうした苦い経験から今回は再延長を強く求める。「ワクチン接種が広がらないと(感染拡大抑制に向けた)本質的な解決にならない」とする。 府専門家会議の朝野和典座長は25日の会議で、対策緩和の議論を始めるタイミングについて、「すべての重症患者が重症病床に入院し、(府が計画的に確保する)224床を下回った時だ」との意見を寄せた。(久保田侑暉) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
滋賀県立大、26日から3日間全学休校 学生3人が感染
滋賀県立大学(滋賀県彦根市)は25日、24~25日に学生3人の新型コロナウイルス感染者が確認されたとして、26~28日の3日間、全学休校にすると発表した。同大学によると、PCR検査をしなければならない学生らが多数に上るという。同大は4学部あり、学生・院生数は約2800人。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
全国で新たに3901人が感染 石川・沖縄は過去最多
新型コロナウイルスの国内の感染者は25日午後8時現在、新たに3901人が確認された。死者は105人だった。全国の重症者は24日時点で1294人と高止まりしている。 東京都の新たな感染確認は542人で、前週の火曜日(18日)と比べて190人減った。大阪府では新たに327人で、3日ぶりに300人を超えた。愛知県は417人で、1週間前の536人からは減っているものの、入院は1044人(24日夜時点)で過去最多を更新した。31日までの緊急事態宣言について、大村秀章知事は25日の記者会見で「やや減少傾向だが、この数字が続けば入院者数が減らない。厳しい状況に変わりはない」と述べ、延長は避けられないとの見方を示した。 石川県(101人)と沖縄県(256人)は1日あたりの過去最多だった。 内閣官房によると、全国の高齢者に接種されたワクチンの総数は269万7947回分(24日時点)。うち1回目の接種を受けたのは250万8693人で、2回目の接種は18万9254人だった。65歳以上の高齢者約3630万人(4月現在の概算値。総務省統計局)に占める割合はそれぞれ6・9%、0・5%。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ禍の昨年度、大学中退者1.6万人減 その理由は
全国の大学・短大で2020年度に中退・休学した学生は、前年度から約2万1千人減の約12万5千人だった。文部科学省が25日発表した。コロナ禍のもとでも中退・休学者が減った理由について、文科省は、学費負担について心配する学生に対し、各大学が授業料減免や悩み相談などの支援に力を入れた結果とみている。 拡大する文部科学省の入る庁舎=東京都千代田区 文科省は今年3~4月、全国の国公私立大学・短大・高等専門学校1082校を対象に調べた(回答率95%)。大学・短大の中退者は前年度比1万6216人減の5万7913人。学生数に占める割合は同0・55ポイント減の1・95%だった。中退の理由は「経済的困窮」が16・7%で最も多かった。「転学等」(16・1%)、「学生生活不適応・修学意欲低下」(15・3%)が続いた。 休学者は同5253人減の6万7034人。休学の理由も、経済的困窮が15・8%で最多だった。 コロナ禍の影響と判明している中退者は2024人、休学者は4627人。 国は昨年度、家計が急変した… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:656文字/全文:1084文字 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
電源プラグ外れワクチン30回分廃棄へ 兵庫・猪名川町
兵庫県猪名川町は25日、新型コロナウイルスワクチンの保管庫の電源プラグが外れ、30回分が使えなくなり廃棄すると発表した。 町によると、ワクチンは医療従事者用。24日午後5時半ごろ、町保健センター内にある保管庫の電源プラグに、横に置いていた非常用電源装置が当たった状態でプラグが曲がり、コンセントから抜けていることに職員が気づいた。零下20度での保管が必要だったが、常温になっていたという。 保管庫があった部屋は19日、町民対象の健康診断に使われていた。電源装置のキャスターはロックがかかっておらず、この日、何らかの理由で装置が動いてプラグにぶつかり、外れてしまったとみられるという。(石村裕輔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル