日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告(67)が巨額の役員報酬を開示しなかったとされる事件で、金融商品取引法違反罪の共犯に問われた元代表取締役グレッグ・ケリー被告(64)に対する被告人質問が14日、東京地裁であった。無罪を主張するケリー元役員は、最大のキーパーソンとして検察と司法取引した大沼敏明・元秘書室長の証言を次々否定した。 大沼氏の証人尋問は昨年に22回行われ、報酬の一部を開示を避けて支払う方法を検討した文書は「ケリーさんの指示で作成、修正した」と証言した。これに対してケリー元役員は、作成の指示は「覚えていない」、修正は「頼んだことはない」と反論した。 司法取引した元秘書室長 証言の信用性は 大沼氏は報酬の一部を退任後に顧問料などの名目で支払うことを約束した合意文書についても「ケリーさんには記載項目を相談し、ゴーンさんが署名した後の文書も見せた」と証言。ケリー元役員は「まったく見たことがない。大沼さんから文書について聞いたこともない」と強く否定した。 司法取引はうその供述で他人を陥れる恐れが指摘される制度。大沼氏は捜査や裁判での協力を約束する代わりに不起訴になっており、証言の信用性が大きな争点になっている。(金子和史) 主役なきゴーン法廷 日産カルロス・ゴーン元会長をめぐる事件の裁判が始まった。法廷で明らかになるのは、カリスマ経営者の「犯罪」か、追放を企図した「陰謀」か――。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
4月に自殺した女性607人、昨年から3割増える
2021年5月14日 19時18分 警察庁は14日、4月の自殺者数を発表した。速報値では1799人で、昨年同月から292人(19・4%)増えた。特に女性は3割以上増え、11カ月連続で前年の同じ月を上回った。 警察庁によると、男性は1192人と昨年4月比で12・1%増、女性は607人で36・7%増えた。都道府県別では、東京が197人で最多。埼玉113人、大阪112人と続いた。 昨年の自殺者数は2万1081人で、前年を912人(4・5%)上回り、女性や若い世代の増加が目立った。 厚生労働省は「ひとりで悩みを抱え込まず相談してほしい」といい、公的な相談機関につながる「こころの健康相談統一ダイヤル」(0570・064・556)などの利用を呼びかけている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
戻れぬ故郷、見つけた仕事はクルーズ船 だまされて転々
実習先から失踪したベトナム人技能実習生たちがたどりつく「失踪村」が北関東には点在している。その一つと言われる埼玉県上里町のアパートで、居候生活を続ける男性ブー・バン・ズンさん(36)は2018年8月に来日したが、給料の安さや待遇の悪さから1年半で逃げ出した。 ベトナム北部イェンバイの出身。ジャスミンティーなどを作る茶畑農家の両親の間に、兄と姉の3人きょうだいの末っ子として生まれた。ベトナムでは実家の近くで、妻と11歳の息子、6歳の娘と暮らしていた。いとこが経営する鉄工所で働いていたが、独立資金をためようと来日した。 拡大する「失踪村」で暮らすブー・バン・ズンさん=2021年2月11日、埼玉県上里町、内田光撮影 かつてマレーシアに出稼ぎに行った際、約束した月給の4分の1しかもらえなかった経験があり、父親は「これ以上、苦労することはない」と反対したが、押し切った。銀行から借金して、送り出し機関などに約100万円の手数料を支払った。 実習先は富山県の建設会社。解体の仕事だった。来日前、「月給は9万円、残業があれば15万円」と社長から聞いていたが、残業はなかった。最低限の食費として3万円だけを残し、6万円を家族に送金する生活を続けた。 ある日の仕事中、足に釘が刺さった。病院に連れて行ってほしいと上司に頼んだが、「監理団体に頼めば?」と言われただけだった。給料も安く、けがをしても気にかけてくれるわけではない。見捨てられたと感じ、20年2月に逃げ出した。借金はまだ30万円ほど残っていた。 「8万円を払えば、いい仕事を紹介する」。逃げ出した直後、SNSで知り合ったベトナム人に紹介された、ダリオと名乗るブラジル人はそう持ちかけてきた。神奈川県の建設現場で、日本人の補助をする10日ほどの仕事。日給は1万1千円という。宿は無料で用意するし、色々な手当も出るという好条件だった。 ケーブルなどの資材を運び… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
五輪中止、署名は35万人に 宇都宮氏が都に要望書提出
7月23日開幕の東京オリンピック(五輪)・パラリンピックをめぐり、弁護士で元日弁連会長の宇都宮健児さん(74)が14日、開催中止を求める小池百合子・東京都知事宛ての要望書を都に提出した。中止を求めるオンライン署名は、14日時点で35万人を超えたという。宇都宮さんは「人々の命と暮らしを守るため五輪は中止するべきだ」と改めて訴えた。 提出後、都庁で会見を開いた宇都宮さんは、新型コロナウイルスについて「世界的に見てもパンデミックは収まっていない」と指摘。国内では重症者や入院できずに待機を強いられている患者が増えているとして、「五輪という華やかなイベントを行うことで貴重な医療資源が割かれてしまう。人々の命や暮らしが脅かされることになる」と主張した。 五輪中止を求める署名は5日に始め、14日正午時点で約35万2千人。署名サイト「Change.org」によると、世界133カ国から集まり、ドイツでは約1万1千人が署名したという。署名は「五輪中止が決まるまで」続ける。 署名「短期間でこれだけの人数、驚いている」 宇都宮さんは会見で、「短時… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
湊かなえさんやアンガールズ・田中さん辞退 聖火リレー
岡田将平2021年5月14日 16時16分 広島県内で17、18日に行われる聖火リレーで走る予定だったお笑いコンビ「アンガールズ」の田中卓志さん、作家の湊かなえさんらが走者を辞退した。県が14日、明らかにした。 広島県などは、新型コロナウイルスの感染が急拡大しているとして、聖火リレーの公道での開催中止を決定。無観客でセレモニーが開かれる。広島市では17日に平和記念公園内で走者が一列に並んで原爆死没者慰霊碑前まで聖火をつなぐ「トーチキス」、福山市では18日に市総合体育館周辺でのリレーが行われる。 田中さんは自身のSNSで、緊急事態宣言を踏まえ、慎重に考えたと説明。「生まれ育った広島県府中市を走れることをとても楽しみにしていた反面、医療関係者の方達のご負担や関係各所のお気持ちを思うと、簡単に決められるものではありませんでした」と記した。 県によると、湊さんも緊急事態宣言を辞退の理由に挙げたという。(岡田将平) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「私は現場主義、ご理解を」 ワクチン接種の町長が会見
川野由起、猪瀬明博2021年5月14日 12時28分 埼玉県寄居(よりい)町で花輪利一郎町長(76)や町職員約100人が新型コロナウイルスのワクチンを「医療従事者等」の枠で接種していたことについて、花輪町長は14日午前、町役場で記者会見を開いた。花輪町長は「私は常に現場主義。コロナとのたたかいに、私が先頭に立って取り組まなければいけないが、町民にうつすことがあってはならない。誤っていたとは思っていない。町民にはご理解を頂きたい」と話した。 町によると、花輪町長は、町で90歳以上を対象に集団接種が始まった4月18日と5月9日に接種した。副町長、教育長も2回の接種を受けていたほか、職員約100人が少なくとも1回は接種を受けている。 寄居町居住の65歳以上の高齢者は約1万1千人。町ではこのうち、「90歳以上」を対象に4月18日から町立総合体育館で集団接種を始めている。1日の接種者は最大600人を見込んでおり、介助や予診票の入力などを1日に30人前後の職員が交代で手伝うという。 国が示している手引きでは、接種会場でコロナ患者と頻繁に接すると自治体が認める職員については、医療従事者等に含めてもいいとされている。ただし、「直接会場で予診や接種等を行う者」が対象で、「送迎や会場設営等を行う者等は含まない」としている。 町のホームページによると、2020年4月時点で職員数は257人。 町によると、3月に各課に声かけして手伝う職員を募り、希望者は「医療従事者等」にみなされるとして接種対象にしたという。 首長が医療従事者等に含まれるかどうかについて、県の担当者は「なかなか想定がしにくい」としつつ、「もし仮に接種者と直接かかわる業務に携わっているなら、対象になる可能性も否定はできない」とする。(川野由起、猪瀬明博) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海外選手団の五輪合宿、中止続々 連絡が来ない国も…
新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、東京五輪・パラリンピックの海外選手団の埼玉県内での事前合宿にも影響が出てきた。上尾市と伊奈町は10日にオーストラリアの合宿中止を決定。12日には東松山市がキューバの合宿受け入れを断念した。相手国から具体的な連絡がなく準備作業が滞っている自治体もある。 東松山市には、6月末~7月初旬にキューバの格闘技系競技の選手らが来る予定だった。 市によると、大東文化大学のキャンパス内の体育施設で練習してもらうことにしていたが、大学側がコロナ下での学生への対応に注力するため受け入れができなくなったという。市内には代替施設がなく、キューバ大使館や大学、市と最終的に調整して決めた。 「すごく楽しみに待っていたんですが……」。豪州の五輪柔道代表選手が事前合宿に来られなくなった上尾市のスポーツ振興課の担当者は、残念そうに話す。 同市は伊奈町、県とともに2018年に合宿受け入れを決めた。ホストタウンにもなり、小学生と豪州の柔道選手が一緒に練習するなど、交流してきた。 だが、豪州側から先月21日、中止したいと連絡を受けた。新型コロナの感染拡大状況や、日本人相手の練習ができないことなどが背景にあったという。 選手らは上尾市の県立武道館で練習し、伊奈町の県民活動総合センターに宿泊する予定だった。上尾市の駅などには歓迎の横断幕を掲げる計画もあった。担当者は「地域の応援の思いを選手たちに届ける方法を考えている。今後日本での国際大会などのために来日する際は、協力できることがあればしたい」と話す。 受け入れへの調整を続けているものの、難航している自治体も複数ある。 越谷市はポルトガルの五輪卓球代表選手を受け入れる予定だが、ポルトガル側から日程や来日人数などの連絡がまだないといい、「このままでは準備が間に合わず、合宿が実施できるか厳しい」と担当者。卓球台5台(約100万円)は市で購入済みだが、移動用バスなどはこれから借りなくてはならないという。 所沢市「屋外練習が見学できないか、検討したい」 自治体側が抱える悩みは他に… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
停止10年の浜岡原発 止めた菅氏「再稼働ありえない」
東京電力福島第一原発の事故を受け、当時の菅直人首相は2011年5月6日、中部電力に浜岡原発の運転停止を要請した。全号機が止まったのは同月14日。10年がたち、いまも停止が続いたままの浜岡原発をどう見ているのか。 ――10年前の停止要請に至る経緯を改めて教えてください。 「南海トラフ地震の危険性が以前から指摘され、特に浜岡原発については私の頭にあった。当時の私は福島の原発事故に関しては原子力災害対策本部の本部長だったが、ほかの原発は原災本部の対象ではなく、私自身が能動的に行動をとろうとしていたわけではなかった」 「海江田大臣(経産相)が5月6日、私のところにきた。自らの判断で前日に視察した大臣が『浜岡の再稼働は止めるべきだ』と提案してくれた。担当大臣が現地で中部電の関係者と会ったうえで私に提案してくれた意味は大きい。浜岡は日本の中心で、そこで事故が起きると東海道新幹線も東名高速道路も寸断されるなど日本が真っ二つになる。私の心配と共通していたので総理として賛同した」 ■「日本で最も危ない原発は浜岡」 菅氏は、いまも「日本で最も危険」とみている浜岡の再稼働について、どう考えているのでしょうか。記事後半では、東京電力福島第一原発事故後の経産省の「シナリオ」についても言及しています。 ――その後、規制委員会の審査も進んでいない現状をどうみますか。浜岡の全炉を廃炉にすべきだという主張に変わりはありませんか。 「結論からいうと変わりない… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
首都高から車が転落、隅田川へ 30代の男性が意識不明
2021年5月14日 8時07分 14日午前5時ごろ、東京都墨田区の首都高向島線の両国ジャンクション付近で、首都高を走っていたとみられる車が隅田川に転落した。東京消防庁などによると、車に乗っていたとみられる30代の男性が川から救出されたが、意識不明の状態という。警視庁が事故の原因を調べている。 警視庁によると、現場は両国ジャンクションの近くのゆるやかなカーブで、道路脇の壁に車がぶつかったような跡があった。「車が川に落ちた」と目撃者から110番通報があり、東京消防庁がボートで捜索。川の中から、車のほか、運転手とみられる男性を発見した。男性は1人で乗っていた可能性が高いという。 この事故の影響で、同日午前7時半現在、首都高周辺の道路が渋滞している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
母の告白、優しかったあの伯父が?私は性暴力に抗議する
「性暴力は許さない」。女性らが花やカードを手に街頭に立つフラワーデモが2019年、全国で広がった。福岡でのデモは11日で丸2年が経った。最初はむしろ「傍観者」として参加したという女性は、街頭に立ち続けるうち、母親と自分の「被害」に向き合うようになった。 3月11日、福岡市中央区の警固公園でのフラワーデモ。その女性はマイクを握り、語り始めた。 「私は被害者側だったのかもしれない」 知人の誘いで、19年6月から街頭に立っている。はじめは、ジャーナリストの伊藤詩織さんの性被害の訴えや、同意のない性行為でも暴行や脅迫がなければ罪が成立しないことに、憤りを感じて参加した。「その時は、当事者というより傍観者という感じだった」と振り返る。 デモで性被害の訴えを聞き、知り合いからの被害が多いことを知った。ふと、以前に性被害に関する講演会で聴いた支援者の言葉を思い出した。「当事者は自分の体が現場なんです」 母親から聞いた話と結びつき、愕然(がくぜん)とした。「母にとっての『現場』は私だったのではないか」 幼い頃からの不可解な出来事、戸籍を見ると… 母親は11年に亡くなった。死の1、2年前、何げない会話の中で、淡々と告白を始めた。「(実兄と)1度だけあった。妊娠はしていない」 戦後間もない頃だ。長男であ… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:661文字/全文:1220文字 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル