24年前に米国で別姓のまま結婚した映画監督・想田(そうだ)和弘さん(50)と柏木規与子さんが、日本でも婚姻関係にあることの確認を国に求めた訴訟の判決が21日、東京地裁であった。市原義孝裁判長は「婚姻自体は有効に成立している」と判断したうえで、不服があれば戸籍法に基づいて家裁に申し立てるのが適切だとして訴えを退けた。 夫婦同姓を定めた民法の規定については、「合憲」と判断した2015年の最高裁の大法廷判決を踏襲した。 想田さんと柏木さんは1997年、米国ニューヨーク州で同州の方式に従って別姓のまま結婚した。2018年になって日本で婚姻届を提出。「婚姻後の夫婦の氏」の欄には「夫の氏」と「妻の氏」の両方にレ点を付けた。しかし、「夫婦は夫または妻の氏を称する」と定めた民法750条と、婚姻届には「夫婦が称する氏」を記載すると定めた戸籍法74条とに違反するとして受理されなかった。 「互いのルーツや違いを尊重したい」 想田夫婦の思い 2人は「米国での別姓婚は日本でも有効」として、同年に国を提訴した。民法が定める夫婦同姓については「婚姻の実質的な成立要件ではない」と主張。外国の方式で「夫婦が称する氏」を決めないまま結婚した日本人夫婦の婚姻関係を公的に証明する規定が戸籍法にないのは立法の不備で、両性の平等を定める憲法に反するとも訴えた。 一方、国側は、民法の夫婦同姓規定は「婚姻の実質的な成立要件」だと反論。「夫婦が称する氏」について合意していない2人の婚姻は「日本では成立していない」と主張していた。 この裁判で意見陳述した想田… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
震災前の面影、阪急神戸三宮の駅ビルが26日オープン
遠藤美波2021年4月21日 17時00分 神戸市中心部の阪急神戸三宮駅に完成した新しい駅ビルが、26日のオープンを前に、報道陣に21日公開された。阪神・淡路大震災で解体された「神戸阪急ビル東館」の面影を残す超高層ビルに生まれ変わった。 「神戸三宮阪急ビル」は、地上29階地下3階建て、延べ床面積は約2万8850平方メートル。高層階には客室数209室のホテル「レムプラス神戸三宮」が入り、中層階はオフィスフロアになる。駅直通の地下2階~地上3階と高架下は商業施設「EKIZO神戸三宮」で、飲食店など計37店舗が出店する。うち21店舗が神戸初出店だ。 1936年完成の旧ビルは、ビル側面のアーチを電車が出入りする構造が特徴で「神戸の顔」として親しまれたが、震災で半壊。2016年まで仮設ビルが営業していた。新ビルは旧ビルの手書きの設計図などを参照して設計した。ビル低層部は円柱形の塔や大きなアーチ型の窓など、旧ビルのデザインを取り入れている。 阪急阪神不動産の森永純常務は「かつての面影を思い起こして頂けるランドマークに生まれ変わらせた。三宮の魅力に貢献できるようまちづくりに取り組んでいく」と話した。(遠藤美波) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
弁護士の法知識、無償提供します 大手事務所も取り組み
弁護士が無償で法知識を駆使して、課題の解決に挑む――。NPO法人などの取り組みをボランティアで支える「プロボノ活動」が、企業法務に携わる弁護士を中心に広がっている。弁護士会や法律事務所も組織として後押しを始めた。 肖像権や著作権どう守る? NPO法人に無償で助言 「どんな許可を誰にとればいいか、わからなかった」。一般社団法人「スポーツを止めるな」の代表理事・野沢武史さん(41)は、コロナ禍で高校生の競技会が中止になるなか、プレー動画をSNSで拡散して大学進学を支援してきたが、未成年の動画をネット公開する際の注意点が疑問だった。 そこへ、大学の同窓生で知り合いだった「オリック東京法律事務所・外国法共同事業」の杉田泰樹弁護士(41)が昨年から活動に加わった。トラブルが起きないよう個人情報の規約を無償で整備したほか、映り込む対戦相手などの肖像権や撮影者の著作権を守りながら動画を活用できるアドバイスをしている。 「弁護士が身近になった」 杉田弁護士は「法律の知識を生かして、がんばっている人に光を当てられる。弁護士の使命を全うできる」と活動の意義を話す。野沢さんは「敷居が高いイメージだった弁護士が身近になった」。 杉田弁護士ら約6千人の弁護士が所属する第一東京弁護士会は、プロボノの促進に会としても力をいれる。国選弁護の受任など会員に義務づける公益活動に2007年、プロボノ活動を加えた。さらに今年4月に、より活動しやすくなるように再び変更。プロボノの定義を「無償での法律事務に準ずるサービスの提供」と広げた。 次の課題は、NPO法人側の… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:385文字/全文:1065文字 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京都心で初の夏日 広範囲に高気圧、九州では29度台
2021年4月21日 13時47分 21日午後0時32分、東京都心で気温25・0度を観測した。都心で気温25度以上の「夏日」となったのは今年初めて。 気象庁によると、この日は日本列島の広い範囲で高気圧に覆われ、各地で晴れて夏のような陽気に。午後0時50分までに、熊本県菊池市で29・4度、大分県日田市で29・3度を観測した。正午までに名古屋市で25・3度、大阪市で23・7度、福岡市中央区で23・6度まで上昇している。 今週末までは晴れる日が続く地域が多く、最高気温が25度を超える日も予想されている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「桜の涙」 脱線事故後に自死した息子、母が作詞し歌
16年前のJR宝塚線(福知山線)脱線事故で体と心に傷を負った一人息子は、その後、自ら命を絶った。残された母は桜を育て、その花に息子への思いを重ねた歌詞を書いた。歌を耳にした人たちの心に、あの悲しい事故のことが残ってほしいと願って。 ともに「桜の涙」と題する二つの歌。兵庫県宝塚市の岸本早苗さん(77)が作詞した。さらさらと庭先に舞い落ちる桜の花びらに、この世から去った息子の遼太さんの涙を思った。 2005年4月25日。22歳の誕生日を迎えた遼太さんは、京都府内の大学に通うため、事故車両の4両目にいた。けがは首の捻挫だったが、くの字につぶれた2両目を目の当たりにし、2カ月後、パニックを起こした。心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。 うつ病も発症した。遼太さんのブログには、なぜ生き残ったのかと悩む投稿があった。事故から3年5カ月後、自宅で亡くなった。 夫も他界しており、一人残された岸本さんは、兵庫県尼崎市の事故現場に建てられた慰霊碑に、遼太さんの名前を刻むようJR西日本に求め続けた。その願いは今もかなっていない。 2年半ほど前、自宅に1本の桜を植えた。誕生日であり、事故の日でもある4月25日前後にピンクの花をつける遅咲きの桜に、花が好きだった遼太さんの姿を思い、「遼ちゃん桜」と名付けた。ときどき話しかけると、慰められた。 岸本さんは体調を崩し、高齢者施設に一時入った。地元の人たちの協力もあって、桜は昨年10月、自宅隣の公園に移植された。悲しい事故があったこと、苦しんだ息子のことを自分なりに訴えてきた。「もうじっとしていたい」。そんな思いもよぎった。 でも、「ママ、それでいいの?」。遼太さんの声が聞こえた気がした。 合唱の経験がある岸本さん… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1033文字/全文:1777文字 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
風力発電の規制緩和、環境・経産両省が手を組む先には…
環境省と経済産業省が風力発電についてタッグを組んだ。環境アセスメントをめぐって対立することもある両省だが、菅義偉首相が掲げる脱炭素社会の実現に向けて規制緩和の方針をまとめた。ただ、豊かな自然が損なわれたり、地域でのトラブルが増えたりしないかといった懸念も出ている。 見直しのきっかけは昨年12月。再エネの規制改革に関する会合があり、河野太郎・行政改革担当相が年度内に見直しの方向性を示すよう求めたことだった。 現在、発電にあたり「1万キロワット以上」の発電所では、稼働するには法律に基づく環境影響評価(環境アセス)が必要になっている。騒音や低周波音など、自然や生態系に及ぼす影響を事前に調べるものだ。 この基準を緩和すれば、事業… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
やまゆり園パラ採火「場所変更含め判断」 相模原市長
障害者と職員ら45人が殺傷される事件が起きた「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)で東京パラリンピックの採火式を行うことを遺族らが反対している問題で、本村賢太郎市長は20日の定例会見で、「場所の変更も含めて総合的に判断する」と述べ、従来の姿勢にこだわらない見解を示した。遺族や家族らに手紙を出しており、意見を踏まえて最終決定するという。 本村市長は定例会見で「市のトップとして、当事者やご家族に寄り添う気持ちが足りなかった」と謝罪。同園での採火は市長自身が提案したという。 遺族の代理人弁護士や負傷者家族が再考を求める文書を提出したことを受け、市は17日にあった利用者の家族会役員会や遺族らへの手紙を通して、事件の風化を防ぐ思いから採火場所として選び、実施する場合は厳かに行う方針などを説明したという。遺族には26日ごろを期限に、任意・無記名で意見を求めているという。(岩堀滋) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山菜採りの男性、クマに襲われ顔面骨折 鎌で応戦 秋田
20日正午すぎ、秋田県大館市比内町独鈷(とっこ)の山林で、山菜採りをしていた市内の男性(75)がクマに襲われてケガをしたと、同行していた男性(70)から119番通報があった。男性は顔面骨折などの重傷を負ったが、意識はあり歩けるという。県警によると、クマによる人身被害は今年初めて。 大館署によると、負傷した男性は同市比内町扇田の無職川口良雄さん(75)。現場の山中は民家から300メートルほど離れていた。 通報した男性によると、山菜採りから下山しようと声を掛け合っていたところ、20メートルほど離れた所で川口さんの悲鳴が聞こえた。駆け寄るとクマが覆いかぶさり、顔面をひっかいていた。川口さんは持参していた鎌で応戦していたという。逃げたクマは太っていたという。 2人は毎年、この現場を山菜… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
現役騎手ら10人弱、競馬関与停止へ 岐阜・笠松競馬
笠松競馬(岐阜県笠松町)の調教師や騎手が不正に馬券を購入していた問題で、レース主催者の県地方競馬組合が既に引退した元調教師と元騎手の計4人を最も重い「競馬関与禁止」に、馬券購入などに関与した現役の調教師と騎手10人弱を「関与停止」の処分とする方針を決めたことが関係者への取材で分かった。 笠松競馬所属の騎手・調教師34人のうち10人弱がレースに関与できなくなる。21日にも騎手らに通知し、公表する予定で、5月下旬~6月上旬のレース再開を目指すという。 この問題を巡っては、弁護士らでつくる第三者委員会が3月末に調査報告書を同組合に提出。関係者によると組合はこれを受け、規則に基づいた処分予定を本人らに連絡。4月中旬、面談で反論や意見を聞いた上で、最終的な処分内容を決めたという。 競馬法違反の罪で罰金の略式… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
銀座の「宇宙船」ビル、住人の退去進む 名建築が岐路に
空を飛ぶ宇宙船のように見えて、細胞の集合体のようでもあり、近未来を感じさせる東京・銀座の「中銀(なかぎん)カプセルタワービル」。建築家の故黒川紀章さんが設計し、世界的にも「名建築」として知られるが、敷地の売却が決まり、住人の退去が始まっている。建てられたのは約50年前。老朽化に加え、ここにもコロナ禍の影響が及ぶ。 約10平方メートルの四角いカプセルに直径130センチの丸い窓。SFの世界観を醸し出す140室が、中銀カプセルタワービル(11階、一部13階建て)に取り付けられている。 「空飛ぶ円盤に搭乗している気分。外とは別の時間の流れを感じられ、ここにいる時間がすごく好き」 11階の1部屋を借りる「住人」でDJの声(こえ)さん(41)はそう話す。週に3~4回、アニメ曲のレコードを流し、SNSで配信。部屋には新世紀エヴァンゲリオンの「綾波レイ」の等身大フィギュアに、怪獣ヘドラや宇宙人の大型人形などが並ぶ。「中銀カプセルタワービル」と刺繡(ししゅう)した特注の特攻服も飾ってある。 出会いは2001年、大阪から上京したばかりの声さんは、首都高で銀座方面に向かっている時、高層ビル群の中で異彩を放つその姿に目がとまった。 「大きな円窓の四角い部屋が… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル