25日に始まった東京オリンピック(五輪)の聖火リレーで、最初の週末を迎えた28日に栃木県の沿道で観客の「密状態」が発生した。大会組織委員会は初めてと認定したが、最初の福島県でも密集を懸念する声があった。聖火は来月、新型コロナが感染再拡大の兆しを見せる愛知県や大阪府を通過する。「密」を防ぐ手立てはあるのか。 初めての「密状態」が起きたのは、リレー4日目の日曜の朝だった。28日午前9時20分ごろ、足利市の陸上競技場で、第1走者のタレント勝俣州和さんから聖火を受け継いだ第2走者がゲートをくぐって場外へ走り出ると、沿道の柵に沿って肩を寄せ合う人だかりができた。勝俣さんを見ようと集まったとみられる。 組織委は密集を「肩が触れあう程度」などとしており、悪化した場合は中断し次の地点に「スキップ」すると説明していた。担当者は「短時間だった」と判断し、中断はしなかった。 人が集まりやすい著名人ランナーについて、組織委は密集回避策として観客を制限できる場所を走ってもらうことにしているが、今回は会場のすぐ外で密集が起きた。スタッフが沿道で注意していたが、「それを上回るペースでそのエリアに限定的に人が集まった」(担当者)としている。 「密状態」とは認定されなかったものの、その後も栃木市で、同市出身のタレント・石川恋さんが遊覧船に乗ってリレーした巴波(うずま)川沿いに多くの人が集まった。主催者側が「密集・密接を避けて」と呼び掛けたが、人混みは変わらなかった。 小山市の沿道でも、ランナーが通る1時間以上前から多くの観衆が集まっていた。スタッフらが「密集しない」などと書かれたパネルを掲げ、「左右を空けてください」と呼びかけたが、歩道いっぱいに人が集まった場所も。ある聖火ランナーは沿道に大勢の人が集まるのを見て、「スキップされたら」と不安になったという。 「さらに密が起こる可能性は出てくる」 29日も、入場を制限した壬生… 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
愛知リコール署名団体、支出は6千万円 会計報告判明
大村秀章・愛知県知事に対するリコール署名運動で、運動団体が支出した活動費が約5920万円にのぼることが関係者への取材でわかった。署名が偽造事件に発展したことで、運動を支援した河村たかし名古屋市長らが会計報告を公開するよう求めていた。 朝日新聞が入手した団体の内部文書によると、支出は署名用紙発送などの郵便代1260万円、人件費710万円など。人件費は常駐した事務局員や、アルバイトの運転手、パートらの給料という。署名用紙の印刷には220万円。クラウドファンディング(CF)で資金を寄せた人への返礼品など、CFの関連で1280万円を支出した。 一方、収入はCFが3950万円、寄付が870万円。CFと寄付をあわせて4310人が資金を出したという。不足分は、団体会長を務めた美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長からの借入金1200万円で補ったという。 運動団体は「政治団体」として愛知県選挙管理委員会に届け出ており、30日に政治資金収支報告書を同選管に提出するという。繰越金も200万円あり、愛知県警が押収している署名簿が返却された際に処分の費用に充てるという。 この署名を巡っては、佐賀市でアルバイトが署名の代筆作業をしたことが判明。運動団体の幹部が名古屋市内の広告関連会社側にバイト集めを依頼し、約474万円を支払ったとされているが、幹部は偽造や代筆に関わる支出を含め、関与を全て否定している。(小林圭) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
80歳カリスマ百貨店員が引退 売り場にファン順番待ち
「80歳のアイドル」と呼ばれたカリスマ販売員の女性が3月31日に売り場を退く。宮崎市の老舗百貨店「宮崎山形屋」の靴売り場でトップセールスを続けてきたが、「傘寿」を機に退職を決意した。長年の得意客らが続々と来店し、列をなして名残を惜しんでいる。 「本当に充実した日々だったんです。でも、デパートには若い感性が必要だとも思って……」。宮崎山形屋新館1階にある婦人靴店「銀座ヨシノヤ」の販売員、畦崎(あぜざき)ヒサ子さん(80)。明るい笑顔が売り場の看板だった。 地元宮崎の出身。1959年、高校卒業と同時に宮崎山形屋に就職した。靴やバッグの売り場で8年勤め、結婚を機に退職。20年ほど専業主婦として暮らしたが、夫と死別すると、元同僚たちから「戻ってこない?」と声がかかり、89年に靴売り場にパートで復帰した。48歳になっていた。 長年のブランクに戸惑うこともあった。 「左右違うサイズの靴をお渡ししたり、金額を間違えたり。お客様からたくさんおしかりをうけました」。失敗を繰り返すうち、「お客の声をしっかり聞く」という姿勢が身についていった。 座ったお客の前でひざをつき、低い目線でお客の趣味や注文に耳を傾ける。接客時の言動の一つひとつが美しいと、お客や同僚の間で評判が広がった。本人は「私の所作や言葉遣いは、明治生まれの母親仕込みなんです」と話す。 復帰して5年で、山形屋にもテナントを持つ銀座ヨシノヤから契約社員として迎えられた。全国に約70店を展開する同社の中でも、顧客数や売り上げがトップクラスに。社内でも「宮崎のお店に素敵な人がいる」とその名が知れ渡った。 販売の秘訣(ひけつ)は何か――。 「真心だと思うの。売ろう売ろうとせず、相手が何を求めているのか、無心でじっくりと話を聞くことです」。足や靴選びの悩みに寄り添い、親身になってお客に合う商品を探した。「お客様のことをよく覚え、その方に似合う靴を見つける名人」(銀座ヨシノヤの宮崎山形屋店の店長)として信頼を集めた。 お客が2度、3度と来店するたびに会話は深まり、靴の好みはもちろん、家庭や健康のことも打ち明けられる。お互いの人間関係が深まり、常連客は靴を買う予定のないときも、まず畦崎さんに会って話をして、それから洋服や食品の売り場へ向かうようになった。 畦崎さんは営業時間外にも努力を続けた。300人を超す常連客に、手書きのはがきを季節ごとに送った。 70歳でヨシノヤの定年を迎えると、「こんなに顧客に愛されている人はいない」と、今度は宮崎山形屋が異例の措置として特別嘱託社員として採用した。 それから10年。3月に80歳となり、一線を退く決心をした。「さまざまの事(こと)思ひ出す桜かな」。芭蕉の句とともに退職を伝えるはがきを書いた。 いま、約40平方メートルの売り場には、畦崎さんが選んだ靴を履いた女性たちが集い、畦崎さんと話すために順番待ちをしている。 「畦崎さん、ラブレターを書い… 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自衛隊の軍艦防護、増加 安保法制5年、広がる任務
集団的自衛権の行使を一部容認する安全保障関連法が施行され、29日で5年を迎えた。自衛隊が平時から米軍の艦船や航空機を守る「武器等防護」の件数が伸びるなど、日米間の防衛協力が進む。一方、東シナ海や南シナ海をめぐる米中の摩擦が強まるなか、自衛隊が偶発的な戦闘に巻き込まれるリスクもはらむ。 加藤勝信官房長官は29日の記者会見で、安保法制施行5年について問われ、「日米同盟はかつてないほど強固なものとなり、抑止力、対処力の向上も図られてきている」と評価した。 安保法制で可能になった任務で、自衛隊が平時から他国軍の艦船などを守る「武器等防護」は、米軍に対して2020年に最多の25件が実施された。日本近隣での北朝鮮の弾道ミサイル警戒や、自衛隊との共同訓練などに臨む米軍の艦船、航空機を守る活動で、施行翌年の17年が2件だったのが、18年16件、19年14件と実績を積んでいる。 外務省幹部は施行後の5年間に… 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京都、時短応じない4店に過料手続き 特措法、全国初
東京都は29日、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく営業時間の短縮命令に違反したとして、飲食店4店舗を対象に、過料を科すべきだとする通知を裁判所に出した。裁判所が認めれば、4店舗には30万円以下の過料が科せられる。2月の特措法改正で罰則が設けられて以降、都道府県が過料を求めるのは全国で初めて。 都は1月の緊急事態宣言を受けて、午後8時までの時短への協力を飲食店やカラオケ店に要請。時短に応じていないことが確認できた32店舗について、宣言下で適用できる45条に基づく命令を19日までに出した。過料通知対象の4店舗は命令に応じず、宣言が終わる21日まで午後8時以降も営業を続けていたことを都職員が確認したという。 都の担当者は「度重なる要請や命令に応じてもらえなかったことから、過料事件として通知すべきだと判断した」と説明している。ただ、都は人が集まって感染リスクが高まったり、店舗への風評被害が起きたりする恐れがあるとして、4店舗の店名を公表していない。 都が4店舗に過料を科すよう裁判所に通知したことについて、全国知事会の飯泉嘉門会長(徳島県知事)は29日、「今後、まん延防止等重点措置を実効あらしめるために、やむにやまれず、ということと思う」と述べ、理解を示した。(池上桃子、浜田奈美) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
埼玉のわいせつ容疑でも逮捕 女性殺害の罪で起訴の男
埼玉県内の路上で女性2人の体を触ったとして、県警は29日、住所不定、無職佐藤喜人容疑者(29)を強制わいせつの疑いで逮捕し、発表した。佐藤容疑者は容疑を認め、「自分の性欲を満たすためにやりました」と述べているという。 捜査関係者によると、佐藤容疑者は東京都豊島区の女性(当時35)を昨年9月に殺害して栃木県那須町の土中に埋めたとして、強盗・強制性交殺人や死体遺棄などの罪で起訴されている。その後、女児への強制わいせつ容疑で再逮捕され、起訴された。 埼玉県警によると、今回の逮捕容疑は昨年11月20日夜、同県三芳町の路上で女子高校生と30代女性の体を触ったというもの。被害者らは佐藤容疑者と面識はなく、いずれも歩いて帰宅する途中だった。防犯カメラの映像などから佐藤容疑者が浮上したという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
黄砂、30日は北海道や東北にも 交通に影響出る恐れも
西日本各地や北陸で29日、中国からの黄砂が観測された。気象庁によると、30日にかけて飛来する範囲は北海道や東北にも広がる見込み。洗濯物への付着や、視界不良による車の運転への影響などに注意が必要という。 今回の黄砂は27日ごろに中国大陸で発達した低気圧によって吹き上げられた。朝鮮半島では29日、見通しがきく距離「視程」が2キロ未満になった。 日本付近では濃度が薄まったが、29日の日中に各市で確認された視程は、福井5キロ▽金沢、山口・下関、松江、松山6キロ▽富山、広島、高松、佐賀、長崎8キロ▽福岡9キロなど。 30日も関東甲信を除き、各地で黄砂が予想されている。地域によっては視程が5キロ未満になり、交通に影響が出る恐れもある。呼吸器系の疾患がある人も、注意が必要とされる。換気のために短時間、窓を開けるのは問題ない濃度という。(山岸玲) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ゴーン被告、逃亡成功の理由語る 「日本の対応は…」
レバノンに逃亡中の日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告(67)が28日放送のCNNブラジルとのオンラインインタビューで、自身の逃亡について「日本はよく組織化され、対応が予測できる」ため、「迅速な計画が成功した」と述べた。 ゴーン元会長はブラジル生まれで、ブラジル国籍を持つ。インタビューで元会長は、「日本の強みはよく組織化されていることだ。しかし、だからこそ、予測可能でもある。予測できるなら、仕組みから逃れる可能性がある」と語った。ただ、逃亡計画の詳細については言及しなかった。 また、自身に向けられた会社法違反の罪などをめぐっては、ルノーと日産の最終的な合併を止めるための「クーデター」だったとし、「検察と日産の一部の関係者が、経済産業省の支援を受けて実行した」と主張した。逮捕されたことについては「冗談かと思った」と振り返った。 元会長の妻キャロル氏もオンラ… 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「犬山城は最古の天守」 年輪調査で天正年間築城と発表
愛知県犬山市にある国宝「犬山城天守」の築城について、同市教育委員会は29日、柱や梁(はり)の伐採年などから天正年間の1585~90年ごろに造られ、現存する最古の天守であることが科学的に分かった、と発表した。築城年代は1537年や1601年など諸説あるが、これまで確実な史料はなかった。 名古屋工大大学院の麓和善教授(建築史)と、年輪年代測定で知られる奈良文化財研究所の光谷拓実客員研究員が、市教委の依頼で調査していた。 天守は三重構造で4階建て。樹皮が残る1~2階のヒノキ柱1本が1585年に、4階床を支えるヒノキ梁が1588年に、それぞれ伐採されたことが年輪年代法で判明した。4階の床板なども1585~88年に切り出された木材と推定されることが分かった。 部材の表面は釿(ちょうな)や槍鉋(やりがんな)などで加工され、この時代の特徴的な痕跡が多く残っていた。こうしたことから1585年以降、短期間で1階から4階まで一気に建設されたとみられるという。 市教委によると、犬山城天守は1961~65年に解体修理された。その際の調査で、1・2階がまず建設され、後に3・4階が増築されたと考えられてきた。 麓教授によると、1・2階部分の築城について、江戸中期以降の文献をもとに1537年説や1601年説があったが、石垣の建造年代などをめぐり疑問があったという。 市はこれまで1537年説を重視し、16世紀末から17世紀初めに建てられたとみられる松本城(長野県)、彦根城(滋賀県)など現存する12城の中で最古とPR。文化庁は文化財ベータベースなどで1601年築としてきた。 麓教授は29日の会見で、織田信長の息子信雄・徳川家康軍が羽柴秀吉軍と戦った小牧・長久手の戦い=1584(天正12)年=の後に、信雄方によって犬山城築城が始まったと説明。「現存最古の天守であることがはっきりした。築城当初からいまの望楼型と分かったのは大きな成果だ」と語った。(荻野好弘) 犬山城 望楼型天守は1952年に国宝に指定された。内部は地上4階、地下(石垣の中)2階。織田氏、池田氏などが城主となった後、1617年に尾張藩の成瀬正成が2代将軍徳川秀忠から拝領したとされる。2004年には個人所有から財団法人所有へと移管。犬山市が管理し、2018年には61万人以上が訪れた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
厚労省職員23人、午前0時ごろまで送別会 時短要請中
厚生労働省の職員23人が24日、東京・銀座の居酒屋で深夜に及ぶ送別会を開いていたことがわかった。東京都は政府の緊急事態宣言が解除された後も、飲食店に対して午後9時までの営業時間短縮を4月21日まで求めているが、職員全員が店を出たのは午前0時前だったという。 同省によると、送別会は介護保険を所管する老健局の職員が開いた。24日午後7時ごろから始まり、参加者は順次増えて23人になり、午前0時前まで続いたという。老健局の担当者は「申し訳ない」と話している。省内で処分を検討するとしている。 政府は感染の再拡大を防ぐため、食事は短時間で、深酒をせず、歓送迎会も控えるよう広く国民に求めている。会食する場合も人数が増えるほどリスクが高まるとして、できるだけ家族か4人までとしており、今回はそれを大きく上回っていた。(山本恭介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル