新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が21日までで全面解除されたが、全国の新規感染者は増加傾向が続いている。1週間平均の感染者数でみると、2日に973・3人にまで減ったが、その後は増加基調で、21日には1273人となった。感染者数が下落から上昇に転じる再拡大(リバウンド)の兆しがみられる。専門家は「『第4波』を起こさないために警戒が必要。解除後の対策が重要だ」と指摘する。 朝日新聞の集計では、1週間平均の感染者数が最も多かったのは1月11日までの6480・9人。緊急事態宣言下、夜の会食を中心とした対策で、3月2日にはこの約15%まで抑え込んだ。 しかし、その後は「下げ止まり」が指摘され、急増地域では独自の緊急事態宣言を出すところもある。 直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数が27・2人となり、全国で最も多い宮城県。感染状況が落ち着いてきたことから飲食店に対する営業時間の短縮要請を解除し、2月23日には国の飲食店支援策「Go To イート」のプレミアム付き食事券の販売を再開した。だがその後、仙台市を中心にかつてないペースで感染者が増え、県は3月18日、緊急事態の宣言に追い込まれた。仙台市全域で接待を伴う飲食店などに時短を要請することも決まり、村井嘉浩知事は22日の記者会見で、「もうこれ(時短要請)以外に方法はほとんど残されていない。このままいったら、救える命が救えなくなってしまう」と危機感をあらわにした。 「時短営業・会食の頻度、緩やかに戻して」 さらに、飲食店に営業時間の短… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
五輪「性的ハラスメント目的の撮影禁止」新体制の組織委
東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会は22日、会場での禁止行為に「性的ハラスメント目的の疑いがある選手の写真や映像の撮影」を新たに追加した。また、会場に入場した者の順守事項に、「主催者から撮影画像の確認を求められた際には応じること」との項目を追加した。この日の理事会で報告された。 選手への写真や動画による性的ハラスメントをめぐっては昨夏、日本陸連に対し、女子選手から、競技中に性的な意図で撮影された写真がひわいな言葉とともにSNSに投稿されたなどの訴えがあった。日本オリンピック委員会(JOC)など7団体は昨年11月、「アスリートの盗撮、写真・動画の悪用、悪質なSNS投稿は卑劣な行為」との声明を発表していた。 アーティスティックスイミングの五輪銅メダリストで、組織委のジェンダー平等推進チームをまとめる小谷実可子スポーツディレクター(SD)は記者会見で「現役時代はハラスメントへの不安を持っていた。はっきりと禁止行為として記すことは大きな一歩。これから発信にも取り組んでいきたい」などと述べた。 組織委では先月、森喜朗氏がJOCの臨時評議員会で「女性がたくさん入っている理事会の会議は、時間がかかります」などと発言し、会長を辞任。橋本聖子新会長は、小谷SDをまとめ役とするジェンダー平等推進チームを発足。今月3日、女性理事の数も12人増やし、女性理事の割合も目標の4割を超えた。この日は新体制での初の理事会だった。 理事会前には、新理事で「日本スポーツとジェンダー学会」会長の來田(らいた)享子氏(中京大教授)が講演し、「取り組みを記録しておく必要がある」と述べた。 新理事に就任した五輪陸上金メダリストの高橋尚子氏は「大会と社会の人たちと気持ちが少し離れている。アスリートも、(大会が)あるかないのか本当に不安な気持ちで、いま戦っている。組織委員会、アスリート、社会、その三つをしっかりとつなげられるような発信をしていきたい」と語った。(前田大輔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
都心満開 でも遠い笑顔満開 飲食・旅行業者、我慢の春
2カ月半におよぶ首都圏の緊急事態宣言が明けた22日、東京都心の桜は満開となった。新型コロナウイルスの再拡大を防ぎながら、にぎわいを取り戻せるのか――。花見客でにぎわう飲食店も、観光復活に期待する旅行業者も、笑顔満開とはいかない。 東京都目黒区の目黒川沿いは、五分咲きのソメイヨシノを楽しむ人々でにぎわっていた。「花見はお控えください」と書かれた看板が並び、ベンチには座れないようにロープが張られている。それでも立ち止まってビールや料理を楽しむ人がいた。 「緊急事態宣言も終わったし、桜くらい見にいってもいいかなと」。専門学校に通う女性(21)は、友人2人と桜並木の下で写真を撮っていた。宣言期間中は飲み会もせず、家にこもる日々が続いた。この日も飲食はせず、「感染に気をつけながら、できる範囲で楽しみたい」と話した。 川沿いの飲食店にとって例年、この時期はかき入れ時だ。宣言解除で、時短要請は午後8時から午後9時に延びた。 近くにあるバーの60代の女性店主は「花見の時期に間に合ってよかった」と喜んだ。宣言が出た1月から店を休業し、3月中旬から午後8時閉店で営業を再開。22日からは午後9時まで営業するといい、「1時間は大きい。『花見がてら1杯飲もう』という気持ちも高まるのでは」と期待を寄せる。飛沫(ひまつ)防止用のついたてを客席に置くなど対策はしており、「なんとか花見という日常を取り戻したい」と話す。 ジンギスカンが名物の「中目黒ひつじ 目黒川店」は宣言が延長された3月8日から時短要請には応じず、午後11時までの営業を続けている。昨春の売り上げは9割減。1階や2階から桜を眺めることができ、午後9時以降も盛況だ。店主の西原宏視さん(33)は「1年の売り上げを左右するこの時期に時短に応じるのは難しい」と話す。 一方で、イタリア料理店の男性店主(52)は「3月に入ってから明らかに人出が増えた。まだ宣言を解除するべきではなかった」と不安そうに話す。高血圧で、感染すれば重症化の恐れがある。テイクアウト販売に限定して営業していたが、赤字が増え続け、22日から店内飲食も再開した。「飲食店としては多くの人に料理を食べてほしいけど、感染防止のためには花見を控えて欲しい気持ちもある」と複雑な表情をみせた。 東京・新宿のバスターミナル「バスタ新宿」にいた東京都足立区の女性(42)は、宣言解除を受けて、70代の母と長野県まで桜を見にいくという。昨年末から外食を控え、2人で自宅にいる時間が増えた。「久しぶりに外の空気を吸って、リフレッシュしたい」 横浜市中心部を流れる大岡川沿いでも「お花見クルーズ」を楽しむ光景が見られた。乗船客は、咲き始めた川べりの桜をスマートフォンで撮影したり、道行く人に手を振ったり。川崎市の60代女性は「旅行はしにくいので、川からの景色はいい気分転換になりました」と話した。 主催する会社の一つ「レクシステム(レクトラベル)」によると、今年から乗船中の飲食は禁止し、検温や消毒を徹底する。4月11日までで、すでに満席の便もあるという。「オープンエアの船で安心して景色を楽しんでもらえるよう、感染対策を徹底してお待ちしています」と担当者は話す。(増山祐史、林知聡) 「地道に観光客を増やしていくしかない」 観光・行楽の関係者も、期待と不安が入り交じる。 「はとバス」(東京都大田区)は22日、約2カ月半ぶりにツアーを再開した。乗車時の手指の消毒や検温といった対策を徹底し、バスの座席も定員の7割ほどの使用にとどめている。宣言解除が報道されるようになった先週あたりから、申し込みが増えてきたという。 それでも、桜を楽しむツアーの予約は現時点で約2千人にとどまり、例年の1割程度だという。広報担当者は「やるべき対策をしっかりと進め、地道に観光客を増やしていくしかない」と話す。 千葉県御宿町。民宿や海の家を営む加田政和さん(70)は、感染の「第4波」を心配する。昨夏はコロナのため海水浴場を開けなかった。「町の宿泊業者はもうぎりぎり」。町観光協会は4月1日から、宿泊客の料理を豪華にするイベントを始める予定で、感染防止対策の徹底を訴えながら、観光客を取り戻したいという。「今夏は海水浴場をなんとしても開きたい。『第4波』がこないよう、祈るしかない」 ◇(木村浩之、稲田博一) 都立公園での花見の禁止・注意事項 ◆禁止 ・酒類を伴う宴会 ・広場や園地でシートなどを広げての飲食 ◆注意 ・野外のテーブルでの飲食は短時間に ・歩きながら桜を楽しむ場合はマスクを着け、混雑を避ける (東京都や都公園協会による) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
袴田さん差し戻し審始まる 姉「もう50年。勝つしか」
1966年に静岡県で起きた強盗殺人事件で死刑確定後に釈放されている袴田巌さん(85)の第2次再審請求審で、最高裁がやり直しを命じた審理が22日、東京高裁で始まった。高裁は、弁護側が証拠捏造(ねつぞう)を疑う「5点の衣類」に関して検察側に意見書を出すよう求めた。弁護側は、無罪につながる再審を速やかに開くよう訴えたという。 審理は裁判官、検察官、弁護人が出席し非公開で行われた。次回は6月21日。 確定判決では、袴田さんの逮捕から1年後にみそタンクから見つかった衣類が「犯行着衣」とされ、証拠の柱となった。衣類には赤みの残る血痕があったが、弁護側の実験で血の赤みはみそにつけて1カ月後に黒褐色に変化。みそに長期間つかっておらず、第三者による捏造の可能性があると弁護団が主張し、最高裁は昨年12月、血痕の色をめぐる化学反応に絞って審理のやり直しを高裁に命じた。 弁護団によると、弁護側は審理のなかで、「検察の実験でも血液の赤みが消えた」と指摘。「検察側が赤みが残る条件を明らかにできないなら、速やかに審理を終結させ(再審を開くかどうかの)決定を出してほしい」と訴えた。 また、高裁に対し、公判に提出されていない証拠のリストを検察側に開示させるよう求めた。(植松敬、根津弥) 「長い短いと言っても始まらない」 「再審開始が決まれば、巌も少… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海外ボランティアも受け入れ断念 五輪、約2300人
東京五輪・パラリンピック組織委員会は22日、海外在住のボランティア約2300人の受け入れを断念したと発表した。海外からの一般客の受け入れ断念を受け、ボランティアについても同様の判断をした。日本で確保が難しい専門性の高いボランティアは例外として受け入れる。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
わいせつ免職隠し勤務30年 埼玉の62歳講師懲戒免職
過去に生徒にわいせつ行為をしたとして懲戒免職処分になった履歴を隠して働いていたなどとして、埼玉県教育委員会は22日、富士見市内の公立校の講師(62)を同日付で懲戒免職処分にし、発表した。講師は約30年間、県内の中学校や特別支援学校で講師や教諭をしていったん退職しており、退職手当の返還を求めるという。 県教委によると、講師は福岡県内の中学校の教諭時代に生徒にわいせつ行為をしたとして、1985年に懲戒免職処分を受けた。その後、埼玉県で88年に講師として臨時採用され、90年から教諭として特別支援学校など計5校で勤務。2018年2月に自己都合で退職したが、昨年8月に再び臨時採用された。いずれの採用時にも処分歴などを書類に記載していなかったという。 懲戒免職で教員免許を失った教員の名前などが調べられる「官報情報検索ツール」で2月から過去40年分が対象になると知り、「うそがばれる」と思って1月に自ら申し出た。ただ、当時は教員免許を失っていなかったため、このツールでは講師の処分歴は分からないという。 講師は県教委に対し「子どもが成長する姿を見たかった。本当のことを言わなければいけないと思い、罪悪感があったが、申し出る勇気がなかった」と説明しているという。(山田暢史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
宮城震度5強、「さらに強い揺れの恐れ」 地震調査委
宮城県で最大震度5強を観測した20日の地震について、政府の地震調査委員会は22日、臨時の委員会を開いた。今後の見通しについて、「さらに強い揺れをもたらす地震が起きる恐れがある」と指摘。今後1週間程度は警戒するよう呼びかけた。 今回の地震は、日本列島の下に沈み込む太平洋プレートと陸側のプレートの境界で起きた。1978年に起きた「宮城県沖地震」(マグニチュード〈M〉7・4)の震源域の西側の一部と重なる可能性があり、断層の一部を破壊した恐れがある。 調査委によると、22日午後6時までに、最大震度1以上の地震が26回発生。ただ、最大のものでM4・2で、一般的な余震の起き方と比べて、M4~6程度の大きめの地震が少なく、今後起こる可能性もあるという。 また、地震調査研究推進本部は、今回の震源の近くでは、M7級の地震が今後30年以内に高い確率で起こるとしている。 宮城県沖地震は、東日本大震災前は30~40年の周期で起きていたが、震災によって断層に加わる力が変化し、ひずみがたまりやすくなり、間隔が早まる可能性があるという研究もある。 委員長の平田直・防災科学技術研究所参与は「余震の起き方がこれまでと違ううえ、もともとこのあたりでM7級の地震の発生確率は高い。少なくとも1週間程度は、M7程度の地震に注意してほしい」と呼びかけた。(藤波優) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡市ヨットハーバーの事業計画、東京・夢の島に酷似
福岡市ヨットハーバーを運営する民間の指定管理者の選定で、委託先に選ばれた共同企業体(JV)が市に提出した事業計画書が、東京夢の島マリーナ(東京都江東区)の計画書と「酷似」していると市議会などで問題になっている。JVや市は「適切に対応している」と主張するが、夢の島マリーナの運営会社は「著作権の侵害」と反発している。 博多湾西部に位置するヨットハーバーは福岡市西区の小戸公園に隣接し、計約540隻のヨットを収容し、全国大会も開催されるヨット競技の拠点の一つ。 市は昨秋、今年4月からの指定管理者を公募。神奈川県のマリーナ運営会社など県内外3社でつくるJVと、それまでの管理者の計2団体が応募した。市は、学者や利用者団体などでつくる選定委員会で事業計画を評価し、JVを新たな管理者に決めて昨年12月の市議会で議決された。 JVが昨秋提出した事業計画書は計70ページ。東京都のウェブサイトで公開されている、夢の島マリーナの運営を委託された会社作成の事業計画書と、コンセプトや人材育成の方針など多くの部分で表記が一致している。苦情などへの対応を示すチャート図もほぼ同じで、施設内の店舗を説明する写真も同じものが使われている。 ■JV「参考にした、問題ない」… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新たに52校で406件の入試採点ミス 開示請求で判明
茨城県立高校の入試で採点ミスが見つかった問題で、県教育委員会は22日、新たに52校で計406件のミスが判明したと発表した。このうち、合格点に達していたのに不合格となった受験生2人について、追加合格とした。県教委は今後、昨年度の入試答案も一斉点検する。 県教委によると、合否に絡むミスが新たに発覚したのは境高校と取手第一高校を受験した2人。境では、国語の2問で配点を計6点とするところを4点と誤った。取手一では、国語の別の設問で正解なのに不正解としていた。2人に対して謝罪の上、追加合格を認めた。 この日会見した大井川和彦知事は「県民の信頼を損ねたことは大変申し訳ない」と謝罪。検証と再発防止策の検討を進める考えを示した。続けて小泉元伸教育長も「将来を決めるかもしれない重要な場面でのミスで、おわび申し上げる」と謝罪し、深々と頭を下げた。原因については「今後詳細に調査する」と述べるにとどめた。 採点ミスがわかったきっかけは、不合格となった牛久栄進高校の受験生の保護者による全5教科の答案の開示請求だった。請求があった17日に同校が再確認したところ、国語で2件の採点ミスが発覚。受験生1人の追加合格を認めた。これを受け、県教委が改めて今年度に入試を行った県立高校92校1分校の解答用紙を一斉点検したところ、次々にミスが見つかった。 県教委の説明によると、採点ミスは5教科すべてにわたり、正誤の誤りが142件、配点や部分点のミスが113件、点数の計算漏れが77件など。1校で計53件のミスが見つかったケースもあった。 県教委のマニュアルでは、採点にあたり答案の正誤、配点ともに各3人がチェックする態勢をとっていたが、見逃していた。採点は各校の教員が行い、基本的に2日間で終える。県教委は、「採点方法がしっかり守られていたか調査する」としている。 県教委は県立高と県立中、中等教育学校について、昨年度と今年度の答案を全て点検する方針。採点ミスによる追加合格者が出た場合、本人や保護者の意向を確認し、本来合格していた高校に移ることも可能とするよう検討している。(片田貴也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
熊田衆院議員「知らなかった」 元スタッフらの詐欺容疑
新型コロナウイルス対策の持続化給付金詐取事件で、事務所の元ボランティアスタッフが詐欺容疑で逮捕されたことを受け、自民党衆院議員の熊田裕通総務副大臣(56)=愛知1区=が22日、記者会見した。「事務所に出入りする者が逮捕された事実を厳粛に受け止め、心よりおわび申し上げたい」と謝罪。「昨年10月まで(不正の疑いを)知らなかった」とし、事務所の関与や副大臣職の辞任は否定した。 熊田氏の説明では、詐欺容疑で愛知県警に逮捕された会社役員加藤裕容疑者(34)は昨秋まで約1年間、雇用関係のないボランティアとして新規党員獲得などをしていた。知人に若手経営者として紹介され、政治家志望で秘書になることを望んだため、事務所の名刺を持たせていたという。 加藤容疑者ら4人の逮捕容疑は昨年7月、国の持続化給付金100万円をだまし取ったというもの。関係者によると、加藤容疑者は昨年5月、セミナーで「自民党という立場を使った、法の抜け道を知っている」などと自民党を強調し、大学生らに不正受給を持ちかけたという。 熊田氏は会見で「容疑が事実で… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル