5月の大型連休中の恒例行事「博多どんたく港まつり」が、新型コロナウイルスの影響で、今年は主要行事のパレードをやめ、他の行事も縮小する形で開催されることが決まった。主催する福岡市民の祭り振興会が15日に発表した。パレードの中止は2年連続。 2019年のまつりで市内34カ所に設置された「演舞台」は、今のところ4カ所のみの予定。ただ、舞台の主催団体の判断で数が増える可能性があるという。どんたくの源流で国指定重要無形民俗文化財の伝統行事「博多松(まつ)囃子(ばやし)」は、ほぼ例年通り実施される。 感染拡大防止のため、県外からの参加や見物の自粛を呼びかけ、演舞台の様子をネット配信する計画があるという。今回はまつりの第60回の節目の年にあたる。振興会の藤永憲一会長は記者会見で「なんとか開催するが、『密』そのものと考えられるパレードは断念せざるを得なかった」と話した。(原篤司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
最高裁裁判官にジェンダーバランスを 92団体が要望書
最高裁の裁判官に占める女性の割合を少なくとも3分の1となる5人にするよう、全国の92団体が3月上旬、判事の候補を推薦する最高裁や日弁連などに要望書を郵送や対面で提出した。団体のメンバーは15日に東京・永田町で会見し、「最高裁にジェンダーバランスを」と訴えた。 提出したのは、女子差別撤廃条約の選択議定書批准をめざす56団体からなる「女性差別撤廃条約実現アクション」と、要望に賛同した36団体。 最高裁の裁判官は、長官と14人の判事から構成される。判事の候補は裁判官や弁護士などから推薦され、長官の意見をふまえ内閣が任命する。現在の女性の判事は2人。これまでの女性の最多人数は3人だった。この夏に男性3人と女性1人が70歳の定年を迎え、4人が新たに選ばれる。 要望書では、今回退任する4人の判事の後任に女性が任命されれば、女性判事が5人になると指摘。「ジェンダー不平等の日本を変えていくためには、司法のトップからの変革が必要」と訴えた。 会見でアクション共同代表の浅倉むつ子・早稲田大名誉教授は、「近年のジェンダー平等実現に背を向ける最高裁判決」として2015年に最高裁が棄却した選択的夫婦別姓を求める訴訟などをあげながら、「法の世界に男性中心の規範がまだまだ残っている。日本の司法も、もっと女性の権利に優しい判断をしてほしい」と述べた。(塩入彩) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小6の仲邑菫初段、史上最年少で二段昇段へ 囲碁
小学6年生の囲碁棋士、仲邑菫(なかむらすみれ)初段が15日、史上最年少の12歳0カ月で二段昇段を決めた。「第28期阿含・桐山杯」の予選で松原大成(たいせい)六段(48)に勝ち、女流棋戦を除く男女競合棋戦で通算30勝の昇段規定を満たした。16日付で昇段する。 一昨年4月、史上最年少の10歳0カ月でプロ入り。順調に勝ち星を重ね、今年1月から自己最多の10連勝で一気に最年少二段を決めた。1968年に趙治勲名誉名人(64)が達成した12歳3カ月の最年少記録を52年ぶりに更新した。 仲邑は終局後、緊張した面持ちで記者の質問に応じた。プロ入り2年での昇段は「早かったです」。4月に中学生になってからの目標は「強くなれるようがんばりたいです」と、はにかみながら答えた。 仲邑信也九段(47)のひとりっ子。3歳で碁を覚え、7歳から韓国・ソウルの道場で修業し急成長した。世界戦で長く中国・韓国の後塵(こうじん)を拝してきた日本棋院は仲邑に注目。2018年12月、将来の大器と見込む小学生を無試験でプロ採用する「英才特別採用推薦棋士」を新設し、第1号として迎えた。 日本棋院の小林覚理事長は「デビューのときから注目されて、たいへんなプレッシャーのなか、期待以上にがんばってくれた。棋力は今や女流棋士のトップ10に入る。まだ碁の内容に波があるが、安定すれば中学のうちにタイトルを取る可能性は十分ある」と話した。 プロ入りして2年、4月から中学生になる。124センチだった身長は143センチに伸びた。「二段はまだ遠いと思っていたのに、今年に入ってパパッと勝って、実力以上の結果が出ていると思います」と母の幸(みゆき)さん(40)は話す。しかし「2年前より手合に向かう雰囲気が違う。プロの自覚を持って打っていると感じます」。 父と同じ大阪の日本棋院関西総本部に所属していたが、「強い棋士やライバルがたくさんいる東京でがんばりたい」と今年1月、東京本院に移籍した。女流棋戦を含むこれまでの戦績は49勝26敗。(大出公二) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
延期の成人式、USJで開催 大阪市、5月後半を想定
大阪市の松井一郎市長は15日、新型コロナウイルスの感染拡大で延期していた成人式について、5月に同市此花区のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)で開く方針を明らかにした。感染拡大を防ぐための大規模イベントの人数制限が現在の「1万人以下」から緩和されることを条件とする。 市が成人式の開催をUSJに打診したところ、USJが開業20周年を迎えることもあり、「地域への貢献」として快諾してもらったという。USJが新成人約2万5千人を無償で招待し、式典や感染防止策などにかかる経費は市が負担する。実施時期は、5月後半を想定している。 市は市内24区で1月10、11の両日に成人式を予定していたが、感染拡大を受けて直前に延期を決めた。松井市長は「新成人の皆さんの思い出に残る式典を実施したい」と語った。(笹川翔平) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ひとりぼっちが怖かった」 朝日デジタル連載が本に
全国の朝日新聞記者が取材した裁判の傍聴メモから事件の背景を描く、朝日新聞デジタルの連載「きょうも傍聴席にいます。」の記事を単行本にした「ひとりぼっちが怖かった」が、幻冬舎から発売された(朝日新聞社会部著、税別1300円)。 連載は7年前に朝日新聞デジタルで始まり、書籍化は「母さんごめん、もう無理だ」「きょうも傍聴席にいます」に続く3冊目。デジタル記事では、介護殺人や児童虐待など家庭内の事件を取り上げたものに特に関心が集まっている。 きょうも傍聴席にいます。 事件の真相が浮かび上がる法廷。傍聴席で取材する記者たちが、明らかになっていく背景に迫る連載です。 今回の単行本は、2017年9月~20年11月に配信された記事から30本を厳選。父の遺体と24日間過ごした息子の思いに迫った表題作のほか、うつ病の妻を手にかけた夫の決意、3歳と11歳の息子をあやめた母親の苦悩――。 介護や子育ての悩みをきっかけとした事件を中心に、大火災の火元となったラーメン店主、検視の現場から高級腕時計を持ち帰った警察官、泥酔運転で同乗の同級生を死亡させた航海士らの事件を取り上げた。 さまざまな裁判を傍聴する記者たちが特に心に残った事件を選び、新聞に書ききれなかった人間ドラマをつづる。246ページ。全国の書店やインターネット書店で購入できる。 ◇ 「ひとりぼっちが怖かった」を抽選で10人にプレゼントします。朝日新聞デジタル会員対象(無料で登録できます)。締切は21日。申し込みは専用サイト(http://t.asahi.com/wk2u)へ。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「自分は負担だと知った」 死後委任サービス広がる事情
自分が死んだ後のことを誰にも頼めない――。そんな悩みを抱く人たちの間で葬儀や家財の処分といった「死後事務」を委任できるサービスが広がっている。身寄りがない高齢者だけでなく、親類や子どもに迷惑をかけたくないとの理由で利用する人も出てきているという。 埼玉県内の公営団地で独り暮らしをしている60代の男性は一昨年、さいたま市内のNPOと「死後事務」の委任契約を結んだ。行政官庁への死亡届の提出や携帯電話の解約、世話になった病院への献体手続きなど計10項目を依頼。懇意にしてきた人へ財産を贈る遺言書も作り、その通りになったか見届けてもらう。基本手数料約40万円を支払い、必要経費約100万円を預けている。 男性は大学卒業後、県内の自治体職員になった。仕事に打ち込みつつ、趣味の楽器演奏も楽しんできた人生。結婚はせずに独り暮らしを続けるなかで、「死後」が気になり出したのは40歳ごろからだった。 それでも、隣県に住む兄家族と関係が良好だったので、漠然と「もしものときは何とかしてくれる」と考えていた。おいにお金を渡すなど、将来を見据えた「愛情」も注いできたと思っていたが、そうした期待は「甘い」と感じるようになった。 きっかけは5年ほど前に大動脈… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
0から6メートルに変わった津波予想 そのとき学校は
東日本大震災は、教育現場にも大きな課題を突きつけた。宮城県石巻市では大川小学校で74人の児童が死亡・行方不明になった。一方で、岩手県釜石市では防災教育の成果もあり、多くの小中学生が助かった。津波が予想される全国の学校で、ソフト、ハード両面での模索が続く。 震災後に新たなハザードマップ 「わー、ぬれちゃう」 「下がって下がって!」 1月中旬、神奈川県逗子市の逗子海岸に、私立聖マリア小学校の児童の声が響いた。子どもたちは波が来るたびに後ろに跳びはね、砂浜に穴を掘ったり、手作りのたこを揚げたりして遊んだ。全校そろって海に出かける「海に行く日」だ。 同校は海岸から約400メートルの距離にある。震災前から、理科や総合学習、マラソン大会、砂の作品作りなどで、海を活動の場にしてきた。 だが、東日本大震災で活動の見直しを迫られた。震災前の市のハザードマップでは、学校は津波の浸水想定区域の外だったが、震災後に作られた新たなマップでは、6メートルの津波が想定されるようになった。「学校防災のあり方を根本から問い直した。震災後数年はほとんど防災に専念した」と門家誠校長は振り返る。 3階建ての校舎は屋上の高さが… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高校生が告発状「偽造だ」 ゲーム条例めぐる意見公募で
子どものゲーム時間などを定めた香川県ネット・ゲーム依存症対策条例をめぐり、県議会が実施したパブリックコメント(意見公募)の一部が偽造された疑いがあるとして、高松市の高校生らが15日、容疑者不詳とした告発状を高松北署に提出した。署は今後、告発状を受理するかどうか判断するとしている。 告発したのは高松市の高校3年生渉(わたる)さん(18)と、渉さんのSNSでの呼びかけに賛同した県内外の14人。 告発状では、県議会が昨年3月に実施したパブコメの賛成意見は、ネットで短時間に連続的に投稿されたり、同じ誤字脱字があるものが大量に含まれたりしており、「賛成意見が圧倒的であるように偽造した可能性が高い」と主張。私文書偽造などの疑いがあるとしている。 渉さんによると、賛成意見に同じ文言が大量にあるなどの報道を目にし、自ら情報公開請求して調べて疑念を深めた。愛知県知事に対する解職請求(リコール)で提出された署名に同一筆跡などの疑いがあるとして県選挙管理委員会が刑事告発したのを知り、今回の告発を決めたという。 渉さんは、条例はゲーム時間を… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
読者9割が町外在住 遠く離れた町民へ、心つなぐ広報誌
福島県浪江町は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で全町民が避難した。今も1万7千人近い町民の9割以上が町外で暮らし、45都道府県に散らばる。各地で暮らすそんな町民たちの思いをつなぐ、町の広報誌の人気コーナーがある。「浪江のこころ通信」。登場した町民と作り手たちに、思いを尋ねた。 「思いを話せてありがたい」 「自然がいっぱいで、空気が違う」 2018年11月、浪江町に新築した自宅に戻った森野俊恵さん(68)はしみじみ言う。震災後は山梨県で働き、定年退職した5年前の春に福島県いわき市に引っ越した。そのときから週2度、浪江町のイノシシ駆除の仕事を続けている。 震災前は10人家族だったが、今は妻裕子さん(69)と2人暮らし。周囲は空き地が目立ち、夜は静かになる。「やっぱり寂しい。でも浪江に戻るかどうか、町民の間で考え方は違う」 森野さんの思いや近況は、15年5月と20年4月のこころ通信に掲載された。「思っていることを話せたのはありがたい」と話す。 石井悠子さん(40)は11年… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
伝え続ける苦悩と希望 福島のラジオアナ・大和田新さん
「みんなで励ましあいながら、一緒に朝を迎えましょう」。ラジオ福島のアナウンサーだった大和田新さん。2011年3月11日の地震直後、大急ぎで局に戻りマイクに向かうと、地震・津波の被害、そして刻々と悪化する東京電力福島第一原発の事故の状況を時に声を詰まらせながら伝えました。その後、被災現場に自ら足を運び、涙をふいて立ち上がる人々にその思いを聞き、伝えてきました。そんな大和田さんに「伝える」ことへの思いを聞きました。 ――あの大地震が起きた10年前の11日夜。大和田さんがラジオを通じて語った「みなさん、頑張っていきましょうね」との言葉に多くの福島県民が励まされました。 「全然覚えていないんですよ。とにかく沿岸部には大きな津波が来たけど、真っ暗で状況がわからない。朝になれば被害の状況も見えてくるし、『生きてて良かったね』と笑顔も見られるようになるという期待も含めて、話していたんじゃないかと思います。次の日に原発が爆発するなんて認識もないですし」 〈おおわだ・あらた〉 1955年、神奈川県横須賀市生まれ。1977年、ラジオ福島(RFC)に入社、アナウンサーに。東日本大震災時は放送で人々を勇気づけた。以後、現場への取材も続けてきた。現在はフリーアナウンサーとして活動する。 ――大和田さんの嘆く声がNHKの震災関連の番組に残っていました。「本当に地震予知は何をやっていたんでしょうかね。なんとかならなかったんですかね。こんな被害が出る前に」。もう泣き声です。 【連載】私は忘れない 私は忘れない――東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から2021年3月で10年。いまもなお、多くの人が避難を強いられ、汚染水の問題も残り、廃炉に向けた長期作業が続きます。なのに、何事もなかったかのように、大量の電気を使う暮らしを変えず、成長を追い求めていいのでしょうか。原発事故に絡んで発信を続ける著名人に、改めて、その「思い」を聞きます。 「アナウンサーが泣き声で話すのは事件だ、まじめにやってくださいとか、子供が『ラジオが怖い』と泣き叫んでいます、といった声を(リスナーから)いただきました。 一方で、あの時、大和田さん、… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル