東京大学は10日、2021年度の入試結果を発表した。一般入試のほか、学校推薦型入試と外国の学校を卒業した帰国生入試を含めた全合格者に占める女子の割合は、20年度より1・5ポイント多い21・1%と過去最高になった。 東大は学部生の女子の割合が2割に満たない。日本の大学全体では女子が学部生の約45%を占めており、「東大は男子の偏りが大きい」と指摘されている。21年度は、例年、女子の合格者が多い学校推薦型の入試で、1校あたりの推薦可能人数を広げた。 しかし、最も人数の多い一般入試の志願者に占める女子の割合は20・4%で、20年度と比べて0・1ポイント低くなった。一般入試に合格した女子の割合は20・0%で1・5ポイント増えたが、受験する女子が少ない状況は変わっていない。 入試担当理事の福田裕穂副学長… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
年齢上がるにつれ「生徒会長は男」 残念な大人の縮図
1971年5月30日の朝日新聞朝刊。連載「男と女」は中学校の生徒会役員について取り上げた。記事では、東京都文京区の全公立中学12校(当時)のうち、生徒会長は男性11人、女性1人だったことをあげ、こう書いた。 会長には断然男が選ばれ、(中略)副会長や他の役職にようやく女生徒も進出というわけなのだ。 都立国分寺高校2年で生徒会長を務める竹内双葉さん(17)は、記事を読んで驚いた。中学時代に生徒会の副会長をしていたという母親(47)に聞くと、「当時は男性の生徒会長を支えるのが当たり前だと思っていた」との答え。自分の価値観との違いを感じた。 昨年7月に生徒会長に就任した。他に立候補する人がおらず、信任投票の末、会長に選ばれた。中学時代にも生徒会長を務め、高校1年生の時には生徒会の会計を経験。自分たちで、生徒や学校のためになる企画書を作り、実行するやりがいを感じていた。「生徒会が男の世界だなんて全く思ったことがない。生徒会に必要な適性は、男女の性差によるものではなく、その人自身の特性」と考えている。 国分寺高校の生徒会が発足したのは、学校が創立した69年の6月。当時の役員名簿は残っていないが、ここ10年は生徒会長の男女比は半々だという。現在、9人いる役員のうち、男性が1人に対して、女性が8人を占める。竹内さんは、多摩地域の約70校の生徒会役員でつくる「多摩生徒会協議会」でも活動するが、所属する約90人の生徒会役員の男女比は「半々くらい」だという。 ジェンダーをめぐる状況は何が変わり、何が変わらずにきたのでしょうか。50年前の新聞と今とを行き来しながら考える連載です。 学校は社会の縮図と言われる。… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
1号機は「パカーン」 原発の爆発音、勤務の男性が証言
福島第一原発で長年勤務してきた大手設備管理会社の男性社員は、原発が3回にわたって爆発したとき、原発構内にいた。東日本大震災の発生から10年。爆発に遭遇した生々しい体験を明らかにした。 1号機は「パカーン!」という軽い音。3号機は「ダーンッ!」みたいな音。そして4号機は「ズンッ」という感じの音――。原発で2011年3月12~15日に発生した3回の爆発は、それぞれ音が異なったものだったという。 男性は当時、大手設備管理会社の社員で、福島第一での勤務は通算20年ほど。柏崎刈羽原発で働いた経験もあるベテランだった。12年2月、記事にしない条件で雑誌編集者の久田将義氏と朝日新聞記者のインタビューを受けた。このほど、事故10年を迎えるのを前に、社名や名前を伏せる条件での記事化に応じた。 同原発は3月11日午後、津波… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
不正の幼稚園団体、関連団体でも4千万円超の使途不明金
全国の私立幼稚園が加盟する「全日本私立幼稚園連合会」(東京都千代田区)で計約4億円の不正出金が発覚した問題で、関連団体の全日本私立幼稚園PTA連合会でも約4100万円の使途不明金があることが分かった。会長を務める河村建夫元官房長官が10日、記者団に明らかにした。河村氏は告訴なども視野に調査を行っていることも明かした。 河村氏によると、9日にPTA連合会からの説明で、2020年度の決算で約4100万円の不明金が出ていると報告を受けたという。現金の管理は事務局長が担っていたが、すでに辞職していた。河村氏は事務局長が辞めたことも報告を受けていなかったという。河村氏は「事務局長に任せきりにした責任を感じている。極めて遺憾だ」と述べた。 幼稚園連合会の前会長が、PT… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
終わらない福島の3.11 北海道の野菜で息長く支援
北海道南部の厚沢部町にやって来た福島県の子どもたちは、里山を駆け、原っぱで寝っ転がって大はしゃぎだった。 そんな時、男の子がぽつりとつぶやいた。「ぼく、大人になるまで生きられるのかなあ」。大人たちは、何も言葉を返せなかったという。 受け入れたのは、地元の農家など8人でつくる「だっこんび桧山の会厚沢部支部」。福島第一原発の事故で、内部被曝(ひばく)による健康不安を抱えるなか、短い期間だけでもわが子を北海道で保養させたい。そう願う親のため、東日本大震災が発生した2011年から、毎年夏に小学生を中心に招いてきた。 代表の松島美保子さん(77)… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「不安と向き合え」 大杉漣の言葉、心に刻む写真家息子
名脇役と言われた父親譲りの職人肌だ。写真家の大杉隼平(しゅんぺい)さん(38)=東京都=は、日常の一瞬を独特の感性で切り取る。いま撮影の舞台は、2018年に亡くなった父で俳優の漣(れん)さん(享年66)の故郷、徳島。昨年末から、季節の移ろいや暮らす人たちの営みを写真に収め、SNSで発信している。 2月中旬、阿波踊り会場で知られる徳島市中心部の両国橋のたもとで、早咲きの桜に目がとまった。大杉さんはレンズを桜には向けない。水たまりに映る桜。木から舞い落ちる桜。その瞬間を活写した。「見逃してしまう日常の一瞬」。その視点が幻想的で鮮やかな作品に昇華させる。 「花びらが落ちる瞬間を1時間ぐらい待って撮影しました。見逃してしまう瞬間のなかに、全然違う見え方がある」 04年からロンドンで写真やアートを学び、帰国後は雑誌や広告など様々な撮影を手がけてきた。昨年は新進の写真家を応援する日仏のコンテスト「THE EDITORS PHOTO AWARD ZOOMS JAPAN 2020」の一般投票のグランプリに輝いた。徳島県から各地の魅力を発信するプロジェクトの依頼を受け、今年は毎月、徳島を訪れるつもりだ。 父の漣さんが生まれ育った小松島市には、幼い頃からよく遊びに来ていた。父が徳島でライブをする機会にも撮影に訪れた。 「半分、徳島の血が入っている。今では父の親友が僕の仲間になってくれています。『おかえり』と言ってくれるのがうれしい」 そうした縁もあって、19年から2年続けて徳島市内で個展を開いている。 漣さんは下積みを経て、北野武監督の映画出演で注目を集めた。すでに40代と遅咲きだった。「役者はずっと下積みが続く」と言っていたという。 写真の撮影は現場に行くまで、常に不安がつきまとう。普段から「こうしろ、ああしろ」とは言わない父親だったが、そんな時には「もっと不安と向き合わないといけない」と声をかけてくれた。 亡くなって3年。改めてその言葉をかみしめる。「尊敬できる人でした。そして大親友のような父でした」 昨年12月、県のプロジェクトの一環で、つるぎ町の鍛冶(かじ)職人を撮影した。作業場で火をおこし、農具をハンマーでたたき、形を整えていく。「そのままの姿がいい」。住む人が普段見ている景色にヒントがあるという。撮影ポイントも地元の人の言葉に耳を傾ける。美馬市の潜水橋で「日が沈む時間がきれい」と聞けば、夕暮れまで待ち、シャッターを切った。 「徳島の人はよく『何もない』と言うけれど、原風景が残っていて、懐かしさがある。今だからこそ、見たい人はたくさんいるのではないでしょうか」 自分の作品が徳島に足を運ぶきっかけになればと願う。父の命日(2月21日)の1週間後、インスタグラムに投稿した写真に思いを添えた。 「出会う方々のあたたかさに触れ、ここがいつか今よりもっと大切な所となる。もっと知りたい。そして伝えたい」(伊藤稔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
夫の氏にレ点、「話が違う」けど… もやもやを原動力に
神奈川県横須賀市の桜井彩乃さん(26)は結婚するとき、悩んだ末に自らが改姓することを決めた。選択的夫婦別姓は長らく議論されてきたのに、いつまでたっても具体化しない。「#いつになったら選べますか」。昨年11月、ツイッターで声を上げた。 「私は姓を変えたくない」。そう言い切る桜井さんに、加藤裕介さん(33)は「自分は姓を変えることに抵抗がない」と応じた。 6年前。まだ2人が知り合ったばかりで、付き合ってもいない時の会話だ。 福島県で震災復興支援に携わる加藤さんのもとを、大学生だった桜井さんが訪ねた。意気投合したふたりは、どんな人生を思い描いているか語り合った。防災から人権や社会問題まで、問題意識が重なった。やがて交際が始まった。 福島での経験から「地域に貢献したい」との思いを強めた加藤さんは、2017年6月に横須賀市議補選に立候補して当選。8月にプロポーズした。2人は交際3年の記念日になる翌年8月に婚姻届を出すことにした。 18年夏。横須賀市内で一緒に暮らし始めた。 桜井さんはある夜、リビングの卓上に書類が置いてあるのに気が付いた。 「なんなの、これ!」 思わず声をあげた。婚姻届に加… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
引責辞任直後に文科大臣賞 不正発覚の幼稚園団体前会長
全国の私立幼稚園が加盟する「全日本私立幼稚園連合会」(東京都千代田区)で計約4億円の不正出金が発覚した問題で、香川敬・前会長が昨年、引責辞任した直後に文部科学相の教育者表彰を受けていたことが分かった。10日の衆院文部科学委員会で指摘された文科省幹部は「辞任の理由は知らされていなかった」と説明した。 文科省によると、教育者表彰は、教育の振興に特に顕著な功績がある国公私立の学校の校長や園長らが対象となる。前会長は山口県内の幼稚園の理事長を長年務めており、山口県からの推薦を受け、昨年9月に表彰が内定し、同12月3日に表彰された。一方、前会長は同11月27日、同連合会の会計の不備の責任をとって会長を辞任していた。辞任したことについては連合会側から文科省に連絡があったものの、理由は伝えられていなかったという。 連合会の9日の説明では、2017~20年度、積み立てた基金などから計約4億円が不正出金されたことが発覚。前会長は内部調査に私的流用を否定する一方、通帳の偽造に関与したことを認めたという。(伊藤和行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大学入試調査書に「コロナ感染症の疑い」 福井の高校
福井県立藤島高校(福井市)が、今春の大学入試で提出した調査書の出席状況の欄に、出席停止とした3年生について「コロナ感染症の疑い」と記載していたことがわかった。県教委によれば、同様の内容を記載した県内の高校が複数確認されたとしている。 県教委には、面接担当者から、感染していないのに「調査書に感染したと書いてある」という趣旨の質問をされたと、保護者から抗議も寄せられたという。 県教委によれば、新型コロナ感染の拡大に伴い、文部科学省は体調不良、感染を防止するなどの理由で欠席した生徒を「欠席」ではなく「出席停止」とするよう通知した。出席停止の理由の記載内容については、各学校の判断に委ねられているという。 藤島高校では3年生のうち体調不良などで休んだ約150人について出席停止とした。感染者はいなかったが、調査書に出席停止の日数とともに理由として一律に「コロナ感染症の疑い」と記載したという。 同校の松田透校長は、出席停止の理由の表記について「『停学』などと疑問をもたれ、生徒の不利益にならないよう理由を明確にしたが、配慮を欠いた表現で受験生と保護者にご迷惑をおかけした。申し訳ない。一律の表現でなく、一人ひとりに応じた記載にすべきだった」と話した。同校は県内有数の進学校。 県教委は近く、同様の表記をした県内の他の高校にも修正を促すとしている。 関西大の赤尾勝己教授(教育学)は「調査書は内申点や受賞歴など、受験生の努力や成績が書かれるべきもの。そこに、本人の努力ではどうにもならない事柄を書くのは明らかに不適切」と指摘。「受験生の不利益につながりかねないことを高校が書く必要性が分からず、高校の教育観も問われる」と話した。(佐藤孝之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「踊り子」の185系、引退間際の超人気 意外な商品も
東海道線の特急「踊り子」などとして親しまれていた車両「185系」の定期運行終了が12日に迫り、鉄道ファンらの間で惜しむ声が上がっている。引退を記念したCDや弁当が売り切れるなど人気が沸騰。その一方で、鉄道会社は、ファンが撮影などの際に危険な行動を取らないよう呼び掛けている。 9日午前、JR東京駅のホームにはカメラを抱えた人の姿が目立った。お目当ては東海道線の特急「踊り子」の185系だ。 神奈川県平塚市の大学生の男性(20)は約3カ月前から185系を毎日撮影しているといい、「緑のストライプが魅力。(定期運行終了は)悲しい」と話した。 「なくなっちゃうのが寂しい!」 「お疲れ様でした」 「ありがとう185系踊り子」 ツイッターでも185系についての投稿が相次いでいる。撮影スポットで収めた車両の写真をツイートする人も多い。 JR東日本によると、185系は1981年に登場。JR東が特急の定期列車として運行する、最後の国鉄時代からの車両だ。特急から普通列車まで、幅広い用途で運行できるように開発されたという。 82年に東北新幹線大宮―盛岡間が開業してから上野延伸まで、上野―大宮間を「新幹線リレー号」として運行。その後も各地を特急や新特急として走った。現在は東海道線の特急「踊り子」や「湘南ライナー」として運行するが、老朽化が進み、ダイヤ改定前日の12日に定期運行を終える。 引退を前に、様々な関連商品が販売されている。 鉄道のDVD製作を多数手がけてきた会社「ビコム」(福岡県久留米市)は2月21日、「185系 特急踊り子 小田原~東京」というCDを発売。過去に踊り子の映像を収録した際に高音質で録音しておいた185系の力強いモーター音や走行音を再編集した。 電車の音を楽しむファン「音鉄」向けにリリースした同社初のCD。「正直、売れないんじゃないかと思った」(営業担当者)という予想に反し、初回発売分の数百枚は2月中に完売して同社は追加発注したという。「うれしい悲鳴だ」と担当者は喜ぶ。 シウマイで有名な崎陽軒(横浜市西区)は11~13日、「ありがとう185系踊り子記念弁当」を販売する。185系の車体の緑のラインを表現した白米の上の青のりなどが特徴で、1個1300円。今月1日に予約を受け付けたところ、約2時間で予定の3千個の受け付けが終了した。 同社の広報担当者は「185系… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル