自民党の国会議員が、選択的夫婦別姓制度への反対を呼びかける文書を埼玉県議会議員に送っていた問題で、市民団体「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」が9日、文書に名前があった50人に公開質問状を送付した結果を公表した。 会見した陳情アクションの担当者によると、2月26日、文書に名前を連ねた経緯や「地方議会に対する圧力」など11項目を尋ねる公開質問状を各議員あてにメールなどで送付。8日正午の締め切りまでに回答があったのは3人だけだった。 丸川珠代男女共同参画担当相は、秘書が電話で「大臣としての個人の考えは述べることができない」と伝えてきた。「政府の役職についている以上、(個人の考えを)お伝えするのは適切でない」との回答だったという。 有村治子元女性活躍担当相は、「慎重な検討を要する社会的課題だと、同じ政党に属する議会人に表明することは圧力になると思いません」などとメールで回答。衛藤晟一議員も、「地方議会の議論に資するため要望したもの」とし、「旧姓の通称使用を公的に拡大していくことが大事だと考えます」などと通称使用を強調した。 会見した立命館大学の二宮周平教授(家族法)は、「埼玉県議会議長が、『圧力になりかねない』と述べている。受け取る側にとってはプレッシャーになり得る」と語った。(杉原里美) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「早く行け」襲われたホームレス男性は女性を逃がそうと
岐阜市内で昨年3月、路上生活をしていた渡辺哲哉さん(当時81)が襲われ死亡した事件で、傷害致死罪に問われた当時19歳の元少年2人の裁判員裁判が11日、岐阜地裁で始まる。渡辺さんと共に路上生活をしていた友人の女性(69)は「なぜ渡辺さんは死ななければいけなかったのか、少年たちには自分の言葉で語って欲しい」と話す。 「あのたった何分、何秒の間に一体何があったのか」。事件後、生活保護を受けアパートで暮らすようになった女性は、1年経った今でも、当時のことを鮮明に思い出す。 事件現場となった長良川にかかる河渡橋の下で、20年ほど前から渡辺さんと暮らしてきた。あの日、寝ていると突然、石を投げつけられた。2人で逃げたが、少年たちは執拗(しつよう)に追いかけてきた。「早く行け! 早く行け!」。女性を逃がそうとする渡辺さんの声が今も耳に残っている。 起訴状などによると、傷害致死罪で起訴された2人は、現場から約1キロにわたって追いかけながら石などを投げつける暴行を加え、土の塊が渡辺さんの顔に命中。渡辺さんは転倒して後頭部を路面に打ち付け、死亡したとされる。 渡辺さんに教えられたことは多… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
聖火、著名人7人辞退 組織委「密対策に時間かかった」
東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会は9日、著名人の聖火ランナー候補7人から辞退の申し出があったと明らかにした。新型コロナの感染防止対策で、沿道が密にならないよう場所や日時の調整に時間がかかり、内定通知を出すのが2月25日以降になったことが原因としている。組織委は「直前のご連絡となり、申し訳ない」と謝罪した。 組織委は7人の名前を公表していないが、いずれも「スケジュールの都合」が理由という。これまでにアイドルTOKIOや俳優窪田正孝さん(いずれも福島県)、俳優常盤貴子さん(石川県)らの辞退が、自治体から発表されている。 組織委によると、沿道の「密」を避けるため、走行する時間や場所の調整が必要だった著名人ランナーは約600人いたという。組織委は昨年12月から自治体や政府と調整を始めたが、政府側から懸念が示され、調整は難航。調整を終えた2月25日に、約500人にメールなどで走行時間や場所が内定したことを通知したところ、7人から辞退の申し出があり、各自治体も2月26日以降、相次いで著名人の辞退者を発表した。 組織委は昨年12月と2月上旬の2度、調整中であることを著名人側に伝えたという。担当者は「調整に時間がかかってしまい申し訳ない。コミュニケーションでも期待に沿えない面があった」と話した。 残りの約100人については、聖火リレー終盤の東京など大都市圏を走る予定で、現在も調整中だ。担当者は「皆さんに改めてご連絡し、走って頂くべく準備する」としている。(斉藤佑介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
娘の名託した「アイリンブルー」 花が伝える津波の教訓
5月になると、桜美林大学(東京都町田市)の花壇でフランスギクがかれんで白い花を咲かす。学生たちは花を「アイリンブルー」と呼んでいる。10年前の東日本大震災で亡くなった女児を弔い、防災への意識を忘れないでほしいと母親と学生らが始めた。被災地での出会いから始まった交流は、今も続いている。 「アイリンブルー」の由来は宮城県石巻市の佐藤愛梨(あいり)ちゃん(当時6)。水色が好きだったため、母の美香さん(46)が付けた。 愛梨ちゃんは市内の私立日和幼稚園に通っていた。地震直後、防災無線が大津波警報を告げる中、高台の園からバスに乗せられた。向かった先はなぜか海辺の住宅街。バスは津波にのまれ、炎に包まれた。 バスには園児12人が乗っており、順に下りたが、山側に住む5人が亡くなった。なぜバスを使ったのか。園にいれば救えた命なのに――。真相解明を求め、遺族は訴訟を起こした。バスを出した理由を知りたかったが、園側は「覚えていない」を繰り返した。一審で認めた園の法的責任は控訴審の和解でも維持されたが、バス移動の理由は、最後まで語られることはなかった。 和解後の2015年5月、美香さんが愛梨ちゃんの亡くなった場所を訪ねると、一帯に白い花をつけたフランスギクが咲いていた。「震災は防げない。でも訓練を繰り返すことで、守れる命はある。娘の名を付けた花が広まれば、防災を真剣に考える人が増えるかもしれない」。一輪の花を摘んで増やし、講演の場などで栽培を広げる活動を始めた。 桜美林大学大学院2年の横溝南都海(なつみ)さん(24)が美香さんに会いに来たのはその頃だ。 震災当時、静岡県の中学2年生… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「手に黒いものがべっとり」 爆心5キロ内の記憶、展示
長崎の爆心地から5キロ以内で被爆した人のポートレートの展示「閃光(せんこう)の記憶 被爆75年 NAGASAKI」が、福岡市で開かれている。被爆2世の妻を持つ京都出身の写真家が「被爆と向き合わなくてはいけない」と被爆者を訪ね歩いた。生々しい記憶もつづられている。 会場の福岡市中央区のイタリア会館・福岡には、白黒のフィルムで撮影された22人のポートレートが並ぶ。 当時4歳だった小峰秀孝さんは、爆心地から1・3キロのビワの木の上でセミ捕りをしていた。〈セミの鳴き声で音も閃光(せんこう)も分からなかった。爆風で下の畑にたたききつけられ気を失う〉 全身に大やけどを負い、小学校に通うときは横歩きで2時間かかり、同級生からはいじめられた。〈二度と我々みたいな被爆者をつくってほしくない〉 当時16歳だった谷口稜曄さん(2017年に死去)。背中が真っ赤にただれるやけどの写真で知られる。爆心地から1・8キロで自転車で郵便配達中だった。 〈爆風で飛ばされ地面に伏せていても地震のように揺れた。左手は肩から手の先まで皮が垂れ下がった。背中に手をやると、ヌルヌルと焼けただれ黒いものがべっとりついてきた。1年9カ月ベッドにうつぶせに寝たきり、先生や看護婦が見回りに来て「今日も生きている」とささやかれた〉 撮影した福岡市の写真家、松村明さん(74)は「顔や目から、なんとも言えない苦労や悲しみが見える。普通の人とは違うなにかを感じた」と語る。 松村さんは京都出身で長年、毎… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
死刑に賛成?反対? 大阪弁護士会の動画で考える
死刑制度に賛成か反対か。2人の弁護士が立場を明らかにして意見を述べる動画を、大阪弁護士会がつくった。事件の被告と接したり被害者支援に取り組んだりする実体験を元にした話を伝え、制度の是非を改めて考えてもらう狙いだ。 動画は23分。刑事事件の弁護活動を長年続ける後藤貞人弁護士は「死刑制度を運用するのが人間である限り、必ず間違いが紛れ込む」と訴える。他方、被害者支援に15年以上取り組む奥村昌裕弁護士は「被害者の命は戻らないのに、死刑はいらないと言えるでしょうか」と語る。 拡大する報道機関に公開された東京拘置所の「刑場」の「執行室」。右奥の床から壁づたいに取り付けられた金属の輪にロープを通し、天井の滑車からつり下げる=2010年8月27日、東京都葛飾区、代表取材 同会は2019年、制度の廃止を求める決議を採択した。会員数4624人(当時)に対し、賛成1173票、反対122票、保留・棄権30票。約3300人は意見表明しなかった。内閣府が5年に1度実施する世論調査では「死刑もやむを得ない」と容認する回答が19年の調査まで4回連続で8割を超えた。 同会の川下清会長は「制度を考える材料にしてほしい」と話す。(遠藤隆史、米田優人) 「死刑廃止」後藤貞人弁護士に聞く 死刑は取り返しがつかない。裁判官も検察官も間違う。死刑確定後に再審無罪になった事件は4件だが氷山の一角だと思う。 殺人を犯した人が全員死刑になるわけではない。最高裁は1983年、死刑の適用指標「永山基準」を示した。被害者数や遺族の処罰感情などを総合的に判断するに過ぎず、基準になっているとはいえない。日本の死刑は絞首刑という残虐な刑。死刑制度はやめなければならない。 拡大する死刑廃止派として動画撮影に応じる後藤貞人弁護士=2021年1月18日、大阪市北区の大阪弁護士会館、遠藤隆史撮影 ――家族が殺されても死刑制度反対と言えますか 私はそう言う。愛する人を殺された人が被告人に「命で償え」と思うのは自然な感情だが、その感情と死刑制度をどうするかは切り分けて考えるべきだ。 ――死刑をなくす場合、仮釈放のない終身刑の導入を求める声もあります 毎年、仮釈放される倍以上の人が刑務所で亡くなっている。死刑廃止の一里塚として終身刑も真剣に考える必要はあると考える。 ――今回の動画を見た人に考えてほしいことは まずは「日本の死刑はどないなってるんやろうか」と関心を持っていただきたい。世界には死刑を廃止した国がたくさんあるが凶悪事件は増えていない。「死刑を廃止したらどうなるやろう」と少し想像してもらいたい。(聞き手・米田優人) ごとう・さだと 1975年弁護士登録。無罪が確定した大阪市平野区の母子殺害事件などを担当した。日本弁護士連合会の死刑弁護プロジェクトチーム座長。 「死刑存続」奥村昌裕弁護士に聞く 一家の大黒柱を事件で殺された家族は生活が困窮するが公的な経済支援は極めて脆弱(ぜいじゃく)だ。凶悪犯罪が、大事な人の命だけでなく家族の生活も奪う。悲惨な状況に置かれた遺族が極刑を求めるのはやむを得ない。 拡大する死刑存続派として動画撮影に応じる奥村昌裕弁護士=2021年1月18日、大阪市北区の大阪弁護士会館、遠藤隆史撮影 少なくとも仮釈放がない終身刑が導入されるなどしない限り、死刑廃止の議論を進めるべきではない。 ――冤罪(えんざい)で死刑で命を奪えば取り返しがつかない 冤罪を無くす手段を考えるべきだ。DNA鑑定など科学技術は進歩している。検察官にもっと証拠開示をさせる制度をつくることなど冤罪リスクを回避する方が先だ。 ――大阪弁護士会は会として死刑反対を決議した 弁護士でも賛否が割れる問題で、国民の8割は死刑を容認している。大阪弁護士会として一致して「死刑反対」を打ち出すには議論を尽くしていない。犯罪被害者への支援の検討も不十分。決議に今も反対だ。 ――動画を見た人に何を考えて欲しいですか おくむら・まさひろ 2005年に弁護士登録。当初から犯罪被害者の支援活動に取り組み、17~19年度は大阪弁護士会の犯罪被害者支援委員会委員長。 多くの人は死刑について深く考えたことはないと思う。家族や親友が殺人事件の犠牲になれば、あるいは殺人事件を起こして死刑になったら。賛否を決める前に被害者、加害者両方の視点から改めて考えてほしい。(聞き手・遠藤隆史) 拡大する報道機関に公開された東京拘置所の「刑場」の「ボタン室」から見た「執行室」(右奥)=2010年8月27日、東京都葛飾区、代表撮影 国内外の死刑の現状は 死刑制度をめぐって最高裁の判断は「合憲」だ。1948年、「冷厳な刑罰だが、憲法36条が禁じる残虐な刑罰には当たらない」とした。法務省によると、2000年以降、今年2月までに191人の死刑判決が確定、94人に執行された。 世界的には死刑制度がある国は少ない。国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」の統計では、19年までに廃止した国は106カ国、10年以上執行がないなど事実上廃止した国を加えると142カ国。国連に加盟する196カ国の約7割に上る。 日本では、日本弁護士連合会が16年に死刑廃止を求める宣言を採択。都道府県単位でも、これまでに札幌や埼玉、大阪、福岡など10以上の弁護士会が決議を採択した。一方、兵庫県弁護士会では昨年11月、「賛否が分かれる」として常議員会で決議案が否決されるなど弁護士の意見も割れる。 法務省は2012年に死刑のあり方に関する報告書をまとめたが賛成反対の意見を整理するにとどめた。(遠藤隆史) 動画への意見募ります 「#ニュース4U」では、この動画を見た方からの意見を今後LINEで募ります。ID「@asahi_shimbun」か、QRコードで「友だち追加」をしてください。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
帰ってきた明治期の木造客車 町のシンボル、半世紀ぶり
明治時代に造られ、高知県内の鉄道で使われた後は佐川町内で町民に親しまれていた木造の客車1両が8日、JR四国から同町に無償譲渡された。国内に残る四輪の木造2等客車としては唯一とみられるという。半世紀余りぶりの里帰りで、町は一般公開して観光資源として活用する。 客車は「ロ481号」で長さ約8メートル、幅約2・5メートル、定員24人。JR四国によると、1906(明治39)年に製造され、今のグリーン車に相当する2等客車として須崎―日下(日高村)間で使われ、30年に廃車となった。 33年に当時の国鉄が佐川町に寄贈し、役場近くに配置された。幕末や維新関連の資料を集めた隣接する青山文庫の図書を車内で閲覧できるなど町民に愛されたという。町出身の幕末の志士で宮内大臣を務めた田中光顕の尽力によるとされる。 老朽化で68年に国鉄に返還され、解体して多度津工場(香川県多度津町)へ。鉄道開業100周年事業の一つとして工場職員が修復を手がけ、74年に完成した。 78年には、地方の歴史的文化価値を伝える資料として国鉄の「準鉄道記念物」に指定された。その後は多度津工場で展示されていたが、佐川町が再三返還を働きかけ、実現した。 客車は6日にJR四国の多度津工場を出発し、車輪が付いたままの状態で陸送、8日に佐川町で搬入作業があった。重さが約7・4トンあり、トレーラーから収容施設の引き込みレールまで下ろす作業が慎重に行われた。 2台のカメラで撮影しながら作業を見守った町内に住む田中一郎さん(74)は子どもの頃、客車内に入った記憶があるという。「昔にタイムスリップしたみたいでわくわくしている。お帰りなさいという感じ」とうれしそうだった。 収容施設は旧青山文庫の隣に新設中で、4月上旬にオープン予定。入場無料で客車の中も見学できるという。(清野貴幸) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
飛沫の行方も計算 スパコン富岳、対コロナですでに成果
理化学研究所と富士通が開発したスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」が9日に完成し、企業や研究機関向けに共用が始まった。富岳は本格稼働に先立ち、新型コロナウイルス対策に限って試験的な利用が始められている。これまで、ウイルスの性質を突き止めるための研究などに使われ、成果を出しつつある。 理研のチームは2月、新型コロナウイルスの表面にあり、ヒトの細胞に入り込むときに重要な「スパイクたんぱく質」について詳細に解析した結果を科学誌に発表した。「糖鎖」が重要な役割を果たしていることがわかり、治療薬づくりに役立つ可能性がある。(https://doi.org/10.1016/j.bpj.2021.01.012) チームが目をつけたのはスパイクたんぱく質のうち、特に感染する細胞に接する部分の構造だ。この部分は二つの形を行き来しているが、細胞とくっつくときには、その片方の形がより安定する。詳しく見ると、たんぱく質についている糖鎖が補強材のようになって、この形を支えていることがわかった。 理研開拓研究本部の森貴治専任研究員は「細胞に結合する形への変化を阻害するなど、糖鎖をターゲットにした薬を設計する戦略が考えられる」と話す。 この研究では、コンピューター… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
名護市長、意見示さない方針 辺野古埋め立ての設計変更
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設計画で海底に軟弱地盤が見つかった問題で、県が審査中の設計変更について、名護市の渡具知武豊(とぐちたけとよ)市長が意見表明しない方針を固めた。8日、朝日新聞の取材に明らかにした。渡具知氏は、移設計画を進める自公政権の支援を受けて3年前の市長選に初当選して以降、移設への賛否を示しておらず、異例の事態が続いている。 軟弱地盤をめぐっては政府が昨年4月、地盤改良工事のための設計変更を県に申請。県は承認か不承認の判断に向け、公有水面埋立法に基づき、県民や名護市長の意見を聴く手続きを進めている。市長意見は議会の議決が必要と定められている。2013年の国の埋め立て申請に対しては、当時の稲嶺進市長が議会の議決を経て「断固反対」とする意見書を県に提出した。 今回、県は名護市に対し、軟弱地盤発覚に伴い生じた一部埋め立ての取りやめについて、3月26日を期限として意見を求めた。渡具知氏は昨年12月議会で、これについて「異議なし」とする意見書を提案した。一方、軟弱地盤の改良工事を含む設計概要変更については「(意見をいう)義務はない」(総務部長)と答弁した。 これに対し市議会の多数野党は「(埋め立て取りやめという)事務的なことではなく、移設計画を認めるのか否か、市長の判断が求められている」「責任放棄だ」などと指摘。意見書案も否決した。 渡具知氏は、3月議会の追加議案の提出期限を前に市幹部らと協議し、再び提案しても否決される可能性が高いと判断。「市議会を経た市長意見が存在しない」とする趣旨の回答書類を8日、県に送付した。 朝日新聞の取材に対し、渡具知氏は県からの意見聴取について「(私の)考えは変わらない。再度提案はしない」と語った。辺野古移設については「無責任という意見もあるかもしれないが、国と県が係争中で行方を見守っていくという立場だ」と賛否には触れず、これまで通りの考えを強調した。 当選以来、移設への賛否を明言していない渡具知市政に対し、政府は移設への協力を前提に支払う「米軍再編交付金」を支給し、市は保育料の無料化などにあてている。(国吉美香) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
5年前の虐待疑い、両親を逮捕 司法面接で容疑裏付け
5年前に9歳だった次女の頭を殴ってけがをさせたとして、北海道警は7日、留萌市千鳥町4丁目、父親の会社員若松良樹(38)と継母の無職香織(37)の両容疑者を傷害の疑いで逮捕し、発表した。良樹容疑者は容疑を否認し、香織容疑者は一部認めているという。道警と検察、児相の3者で被害児童らから聞き取りをする「司法面接」を通じ、容疑が裏づけられたとしている。 道警によると、逮捕容疑は、2016年2月ごろ、共謀して自宅で次女の頭を複数回殴り、2週間のけがをさせたというもの。 捜査関係者によると、同年2月、次女の弟が体調不良を訴えて病院を受診した際、やけどやけがをしており、次女も体の痛みを訴えた。虐待が疑われたことから、同年3月に旭川児童相談所(児相)が道警に通報。両容疑者は道警の調べに「遊んでいてけがをした」などと話し、きょうだいへの暴行を否認したという。 その後、司法面接を複数回実施。当初、次女は両容疑者からの暴行について口を閉ざしたが、次第に説明するようになったという。道警は、弟への虐待がなかったかも調べている。 次女らは、児相の判断で児童養護施設で保護されているという。(榧場勇太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル