栃木県足利市で発生した山火事について、足利市は1日夕、鎮圧したと発表した。周辺の305世帯に出していた避難勧告も全面解除した。 2月21日に出火。消防や自衛隊が地上と空から消火を続け、発生から9日目にようやく鎮圧に至った。約106ヘクタールが焼けたという。 火災はハイキングコースになっている市中心部に近い両崖(りょうがい)山(標高251メートル)周辺で発生した。県内には2月16日から乾燥注意報が出ており、強風も重なって一気に燃え広がった。 延焼した火はあちこちで民家に迫り、市は避難勧告地域を広げた。連日、自衛隊や周辺自治体の防災ヘリが上空から放水し、民家への延焼を防ぐため、地上から消防隊員が懸命の消火活動を続けた。 1日夕、足利市は上空と地上から火の勢いを抑え込み、延焼の恐れがなくなった状態であると確認。和泉聡市長が最終的に鎮圧を判断した。 今後は地上の消防隊を中心に残っている火だねを消し、「鎮火」へと進めていく。休校になっていた中学校1校も1日から授業を再開した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
園児にわいせつ、元保育士に懲役6年判決「口止め卑劣」
勤務先の保育所の園児に性的暴行を加えたなどとして、強制性交等罪などに問われた千葉県野田市の元保育士、水浦雄太被告(26)の判決が1日、千葉地裁松戸支部であった。本間敏広裁判長は「子どもらの尊厳を踏みにじり、悪質。発覚を防ぐため、子どもらに口止めしている点も卑劣だ」として、懲役6年(求刑懲役7年)を言い渡した。 判決によると、水浦被告は2019年12月~20年2月、勤務する保育所で園児3人にわいせつな行為をした。これまでの公判では、この3人を含む約10人の園児にわいせつ行為をしたと認めていた。 公判では、被告が性障害の治療を中断して保育所に就職していたことも判明した。判決は「通院先から(就職をあきらめるよう)忠告されていたのに、これを無視して保育所に勤務した経緯からも、性犯罪に対する性向の根深さがうかがえる」と指摘した。(佐藤瑞季) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
防潮堤の整備は進んだが…災害弱者の避難、なお課題
「高齢の参加者が年々減っている」。岩手県大槌町の吉里吉里地区で暮らす藤本俊明さん(71)は避難訓練のたびに気になっていた。地区では東日本大震災で95人が犠牲になった。毎年、訓練を重ねてきたが、最近は「転んでけがをするのが怖い」と足が遠のく高齢者も増えている。 地区では、高齢化率が4割を超える。藤本さんは2014年に座長として、地区の津波避難に関する自主防災計画をまとめた。あれから7年。高齢者の避難を支援する民生委員や消防団員の担い手は減り、年齢も上がっている。「いつまで支援を続けられるのか。支援する側も自分自身が逃げるので精いっぱいだ」 10年前の震災では、岩手と宮城、福島の犠牲者のうち、66・1%が60歳以上だった。「災害弱者」には1人での避難が難しい高齢者も含まれる。震災直前の2010年に27・2%だった県内の高齢化率は、この10年で33・7%まで上がった。特に津波被害への備えが必要な沿岸自治体では、久慈を除いていずれも県平均を上回っている。 震災後、沿岸では防潮堤の整備が進んだが、自力で避難ができない人の命をどう守るかという課題は残る。政府の津波避難対策検討ワーキンググループは震災の翌年、災害弱者の避難を支援するとしても、自分自身の避難が遅れない方法を検討するよう、各地の自治体に提起した。 震災時には、各地の消防団員が… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
妻の母「娘を返してほしい」 投げ落とし殺害容疑事件
東京都国立市の都営住宅9階から妻を投げ落として殺害したとして夫(44)が殺人容疑で逮捕された事件で、死亡した高張麻夏さん(当時41)の母親によると、麻夏さんは待望の長女(1)を授かり、育児を楽しんでいた。その一方で夫婦げんかが絶えなかったという。母親は、高張潤容疑者(44)が逮捕された28日、取材に「帰省させていればこんなことにならなかったのに」と語った。 麻夏さんは数年前に高張容疑者と結婚し、2019年11月に長女を出産。最近は、日常生活や育児を巡って夫婦間で口論し、長女を連れて一時家を出たこともあった。ただ、都営住宅に住み始めたばかりで「せっかく新しい家に引っ越してきた。頑張ってみる」と話していたという。 母親によると、麻夏さんは事件が起きたとされる昨年11月29日も高張容疑者とけんかをしたとみられ、夕方に「何かされるかもしれない」というメッセージが来た。「何をされるの?」と尋ねると、「何か分からない」といった返信があり、その後連絡が途絶えたという。 母親は、麻夏さんの長女を引き取った。「そばにいるのが当たり前の娘で、私にさみしい思いをさせたことはなかった。娘を返して欲しい」と話した。 高張容疑者は事件後も勤務先の工務店で普段通り働いていた。親族によると、麻夏さんについて「ベランダから落ちていた。自殺だと思う」と周囲に説明していたという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京で121人感染確認 1週間平均は269.3人
東京都は1日、新型コロナウイルスの感染者が新たに121人確認されたと発表した。1週間前の2月22日の178人を下回ったが、1日までの1週間平均の新規感染者数は269・3人で、前週比は81・9%だった。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO〈エクモ〉)を使用」とする都基準の重症者数は前日より6人少ない61人だった。 感染者121人を年代別にみると、40代が24人と最も多く、20代が22人、10代と50代が16人、30代が15人人と続いた。65歳以上の高齢者は23人だった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
直前に妻「何かされるかも」 投げ落とし殺害容疑の事件
東京都国立市の都営住宅9階から妻(当時41)を投げ落として殺害したとして夫(44)が逮捕された事件で、妻が死亡の直前、母親に「(夫から)何かされるかも知れない」と怖がる内容のメッセージをLINEで送っていたことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁は、夫婦間に何らかのトラブルがあったとみて調べている。 警視庁は1日、同市青柳2丁目、会社員高張(たかはり)潤容疑者(44)を殺人容疑で逮捕したと発表した。 捜査1課によると、逮捕容疑は昨年11月29日夜、当時住んでいた都営住宅(12階建て)の9階の部屋で、妻の麻夏(あさか)さんをベランダから投げ落として胸部損傷で殺害したというもの。遺体の状況から、首を圧迫するなどして気を失わせたとみられるという。調べに対し、高張容疑者は「何もしていません」と供述し、容疑を否認しているという。 高張容疑者は翌朝、「妻がベランダ下に倒れている」と110番通報し、警察官に「前日午前に口論になった。自殺したようだ」と説明した。ただ、司法解剖で麻夏さんが窒息していたことが判明。自身でベランダに触れて飛び降りた痕跡がなく、自殺をする背景事情も確認できなかったという。 麻夏さんは離婚することも考えていたとみられ、死亡した29日の夕方に母親にLINEで相談していたという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ひざ上30cmミニスカ姿 還暦目前の発見「これが私」
14年前、生まれた干支(えと)にかえり、人生の新たな始まりを意味する「還暦」に、体と自認する性が異なるトランスジェンダーだと公表した。岐阜県各務原市の雪斎(せっさい)さん(74)は、毎日ミニスカート姿で街に出る。振り返ってジロジロと見られることもあるが構わない。「自分が自分でいられる社会に」。そんな決意の上でのミニだから。 「違和感」は小学3年のころ。かわいい服を見ると「自分も着たいな」と憧れの気持ちが芽生えた。恋愛とは違う感情で周りの女の子に興味を持ったが「口に出せるような空気は当時の社会にはなかった」。 中学2年の夏休み、男性から性… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「戦没者を冒瀆」 辺野古、遺骨眠る土砂使用にハンスト
沖縄県名護市辺野古の基地建設をめぐり、埋め立ての土砂の調達先に沖縄本島南部が含まれていることについて、現地で遺骨収集を続けてきた市民団体「ガマフヤー」代表の具志堅隆松(たかまつ)さん(67)らが1日、反対を訴えるハンガーストライキを那覇市で始めた。 本島南部では、沖縄戦で米軍に追いつめられた日本兵や民間人らが犠牲になった。40年近く遺骨収集を続ける具志堅さんは、南部にはまだ調査が手つかずのガマ(自然洞窟)などがあり、このままでは遺骨が土砂と共に運び出されることを指摘。沖縄防衛局に土砂採取計画の断念を求めている。 具志堅さんは多くの人にこの問題を知ってもらおうと、人通りのある県庁前でのハンガーストライキを決意。「辺野古の基地建設に反対・賛成以前の問題で、本土の遺族にもこの戦没者への冒瀆(ぼうとく)を知ってほしい。遺骨が眠る土砂を軍事施設に使うことは許されない」と語った。 防衛省は昨年4月、辺野古の海で軟弱地盤が見つかったことを受け、設計変更申請書を県に提出。申請書では、県内で調達できる土砂のうち7割にあたる約3160万立方メートルを、本島南部の糸満市と八重瀬町内で調達可能としている。 具志堅さんや賛同して参加する有志は、体調を見ながらハンガーストライキを6日まで続ける予定だ。(国吉美香) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
昔はラジオ、今は ポッドキャストがつなぐ若手農家の声
インターネットで音声を配信する「ポッドキャスト」を使い、農家が仕事の裏話やうんちくなどを発信する「農系ポッドキャスト」が、全国的な広がりを見せている。畑仕事の「相棒」といえば以前はラジオだったが、スマホの普及で若手農家の間ではポッドキャストを聞きながらの農作業が広まり、普及を加速させているようだ。 拡大するポッドキャスト番組「おみそしるラジオ」を配信する3人。右から堀田健一さん、阿部俊樹さん、住田良平さん=2021年2月12日、三重県四日市市 実感した「肉声の力」 金曜日の夕方、三重県四日市市の郊外にある農家の倉庫に、3人の男性が集まった。箱の上に板を敷いたテーブルの上には、マイクとパソコン。午後6時半、ポッドキャスト番組「おみそしるラジオ」の収録が始まった。 キュウリ農家を営む「しなやん」こと阿部俊樹さん(39)が、近所でナスなどを栽培している「ナスケン」こと堀田健一さん(34)と、友人の会社員「すみへい」こと住田良平さん(33)に声をかけ、2019年1月から始めた。 阿部さんは実家が兼業農家だった。しかし、「田舎くさい」などと、農業に良い印象を持っていなかった。 阿部さんたちがポッドキャストの世界に入るきっかけになった番組「ノウカノタネ」を配信する鶴田祐一郎さんが、朝日新聞ポッドキャストに出演してくださいました。 朝日新聞ポッドキャストは Apple Podcasts や Spotify では毎日配信しています。音声プレーヤー右上にある「i」の右にあるボタン(購読)でリンクが表示されます。 それが、名古屋市でエステ関係… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
くじ引きの方が民主的?震災にコロナ、問われる民主主義
震災とコロナ。ふたつの緊急事態を結んで見えるのは民主主義の代表制の欠陥だ、と若手憲法学者のエース、江藤祥平さんは言う。解決のキーワードは「くじ」だという真意を聞いた。 ――コロナ禍で緊急事態宣言が出される中、東日本大震災から10年という節目が近づいています。 「この国では、もう一つの緊急事態宣言が続いています。そのことを忘れている人も少なくないのではないでしょうか。震災当日、東京電力福島第一原発の事故を受けて発令された原子力緊急事態宣言のことです。原発から20キロ圏内に避難指示が出され、住民は強制避難を余儀なくされました。それから10年、放射能汚染の危険が残っている地域もあり、宣言は解除されず、故郷に戻れない人たちがいます。住み慣れた土地を今も奪われているのです。しかし、福島から遠くに住む『我々』は、まるで緊急事態などないかのような錯覚に陥っているように思えます」 「災害では、社会的に弱い立場にある人ほど大きな影響を受けやすい。ソーシャルメディアで『頑張ろう』と呼びかけている人々は、まだ恵まれた環境にいます。本当に苦しい立場にある人々は、声を上げることすらできず、社会からも見えない。声なき声が、福島を忘れて原発事故の教訓を風化させている現状を告発しています」 「汚染水や廃炉などの問題が山積した福島という『異空間』が、圧倒的な現実として、私たちの社会のあり方、統治の仕組みはこれでよいのかと迫ってきているのです」 ――どういうことでしょうか。 「原発が超長期的に利用できる… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル