海に転落した釣り人を救ったとして、第2管区海上保安本部(宮城県塩釜市)は19日、秋田県の漁師ら4人に感謝状を贈った。冬の荒波の中、自分たちで船を出して迅速に救助したことがたたえられた。 秋田県八峰町の岩場「チゴキ崎」で釣り人が転落したとの一報が消防に入ったのは、昨年12月7日の午前7時半ごろ。ちょうどその時、犬の散歩のため現場付近を通りかかったのが、漁師の千葉鉄雄さん(74)だった。 陸からでも、人影のような黒い点が沖合で波に合わせて浮き沈みするのが見えたという。「まだ生きてる!」。近くの岩館港に止めていた自らの小型一本釣り漁船「一星丸」を出すと決め、周りにいた漁協職員たちに声をかけた。 漁師の岡本義信さん(72)と、漁協職員の工藤篤さん(58)と本庄尚哉さん(56)、救急隊員2人の計6人を乗せ、船は沖へ向かった。波は大荒れで、船内にも海水が入ってくるほど。魚をすくうためのタモ網の柄を釣り人の男性めがけて伸ばしてつかんでもらい、船を操縦する千葉さん以外の5人でなんとか引き上げた。 男性は救急搬送されたがけがはなく、その日の夕方には漁協にお礼に来たという。千葉さんは「もう少し流されていたら、行かれなかった。助けられてよかった」と話した。 秋田海上保安部によると、男性… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
エクモ「すごい機械のゆえに…」 記者が見た現場の苦悩
新型コロナウイルス患者の命を守る「最後の砦(とりで)」とされるECMO(エクモ)(体外式膜型人工肺)。エクモによる治療で全国有数の実績がある、福岡大学病院(福岡市城南区)ECMOセンターを取材した記者2人が、今回の取材を振り返った。 医師の心に負担、いち早く法整備を(小林太一記者) 新型コロナの重症患者を救う「最後の砦」と報道されてきたエクモ。医療体制の逼迫(ひっぱく)が続く中、エクモ治療の実態を十分、伝えられてきただろうか。そうした疑問からエクモネットに取材を申し込み、現場として福岡大学病院ECMOセンターを紹介された。 エクモ治療では、ウイルスに侵された肺の代わりを装置が担い、機能回復を図る。「治すというより、(生命を)維持する。患者自身で回復しなければいけないんです」と、ECMOセンターの星野耕大・副センター長は教えてくれた。 実際に見た装置は、血液が流れる管とポンプ、酸素と二酸化炭素を交換する膜を内蔵した人工肺、そして各種モニターを備え、意外なほどシンプルな構造だった。 だが、「生命維持装置」としての能力は医師らも驚くほど高く、肺の機能が回復しないと分かった患者も、機械を動かし続けることで、生かし続けられるのだという。 治療を継続するのか、それとも中止するのか――。現状では明確なルールがなく、その判断は現場任せになっており、それが医師らの心理的な負担になっている。そのことを取材で知り、広く伝えたいと思った。 医療技術の進歩から生まれたエクモが突きつける重い課題。再び感染者が急増して、エクモが足りないほど重症者が増えたとき、回復の見込みのない患者の治療を中止し、回復の可能性の高い患者にエクモを付け替える判断を迫られるような事態が起きるかもしれない。「第3波」がこのまま収束したとしても、やがて来るかもしれない「第4波」への備えとして、専門家が言うようにいち早い法整備が必要だろう。(小林太一) もし家族が直面したら(川田惇史記者) 「エクモがすごい機械であるが故に死ねない。恐ろしい機械でもあるんです」。取材中、そんな医師の言葉がずんと胸に迫った。 エクモに対しては、コロナ重症… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ禍で変わった皇室の公務 オンラインのメリットも
コロナ禍に見舞われたこの1年、皇室の活動も変化を余儀なくされた。 新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、昨年は、天皇、皇后の定例地方訪問、全国植樹祭などの「四大行幸啓」が中止に。皇室にとって、国民と接し、寄り添う姿勢を示す機会が失われた。 そのような中で、オンライン導入はそろりそろりと始まった。 初回は、昨年8月の「新型コロナウイルス感染症大流行下の水防災に関する国際オンライン会議」。ネットの接続状況などが確認された。 同11月には、皇后雅子さまが名誉総裁を務める日本赤十字社の全国の病院4カ所と赤坂御所がオンラインでつながれた。両陛下は画面を通じて感染症患者の診療に当たる医師らと交流し、ねぎらった。 宮内庁幹部は当初、オンラインの導入について「両陛下のお気持ちが伝わりにくい」と積極的ではなかった。だが、運用を重ねるうちに「ある程度お気持ちが伝わったという感触はある」と前向きな姿勢を示すようになっていった。 被災地の見舞いも、その一つだ。今年1月には、昨年7月の記録的豪雨に見舞われた熊本県の四つの自治体の被災者らを見舞った。今後、2011年3月の東日本大震災から10年がたつのを機に、岩手、宮城、福島の3県の被災者らと交流する計画もある。 宮内庁によると、オンラインでの被災地訪問は、多くの被災者らが見守る中での現地での交流と比べて、限定的な交流になりがちな面があると説明する。一方、オンラインのメリットとしては、交通の便が悪く、両陛下が訪れることが難しい場所の被災者らと交流できることをあげる。 全国戦没者追悼式典の「おことば」、異例の言及も コロナ禍の状況下では、ビデオ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
緊急事態宣言、首都圏以外は月末解除で調整 週内判断
政府は、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づいて10都府県に出している緊急事態宣言について、首都圏以外の6府県で先行解除する方向で調整に入った。3月7日までの宣言の期限を前倒しして、2月いっぱいでの解除を想定。専門家の意見を聞いた上で、26日にも決定する方針だ。 複数の政府関係者が明らかにした。先行解除が検討されているのは、愛知、岐阜、京都、大阪、兵庫、福岡の6府県。政府は24日に関係閣僚会議や厚生労働省の助言組織であるアドバイザリーボード会合を開くなどして、感染状況などについて意見を交わす。その上で、早ければ26日に専門家による政府の諮問委員会に諮り、対策本部で解除を判断する方針だ。 大阪、京都、兵庫の関西3府県は23日に政府に対し、宣言解除を要請する予定。愛知と岐阜、福岡でも解除要請に向けた調整が始まっており、政府は6府県の解除判断を同時に検討する。 政府の諮問委のメンバーら専門… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
面会、熱心にメモとる雅子さま 天皇陛下はポケットから
「子どもたちの未来が明るくなるといいですね」 昨年7月、東京・元赤坂の赤坂御所。貧困家庭の子どもの支援に取り組む3団体の代表らに、天皇陛下はそう声を掛けた。傍らの皇后雅子さまもメモをとり、コロナ禍での支援について積極的にたずねたという。 参加者の一人、NPO法人キッズドアの渡辺由美子理事長は「未来を担う子どもたちを応援する両陛下の強いお気持ちを感じました」という。側近も「子どもの未来については特にご関心が高く、熱心なご様子だった」と明かした。 両陛下は昨年4月、貧困対策に… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
690人から2億円集めたか FX投資詐欺容疑で男逮捕
架空のFX(外国為替証拠金取引)への投資を募り、現金約130万円をだまし取ったとして、大阪府警は22日、東京都港区南青山1丁目の職業不詳、米元志郎容疑者(28)を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。府警は押収資料などから、米元容疑者をリーダーとするグループが、約690人から計約2億1千万円を集めていたとみて関連を調べている。 捜査2課によると、米元容疑者の逮捕容疑は、他の数人と共謀し、昨年4~5月、岐阜県の30代男性に電話で「入金額の50%をボーナスとして上乗せする」などと架空のFXへの投資話を持ちかけ、現金約130万円をだまし取ったというもの。府警は認否を明らかにしていない。 事件をめぐり、府警は昨年10月、共謀してこの男性に勧誘の電話をかけたとして、男女6人を詐欺容疑で逮捕し、大阪地検はうち5人を同罪で起訴していた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【天皇陛下誕生日会見全文】コロナ・震災・家族への思い
天皇陛下が23日、61歳の誕生日を迎え、事前に記者会見に応じた。全文は次の通り オンライン交流「臨場感あり、肌で感じることができた」 (質問)新型コロナウイルスの感染拡大により、皇室の活動も制限され、天皇陛下が多くの国民と交流される機会が減りました。国民との直接のふれあいが難しい中、陛下は皇后さまとご進講を重ね、オンライン行幸啓を始めたほか、元日には国民に向けたビデオメッセージも公表されました。感染症の影響が長期化する中で、コロナ禍(の中で)の天皇や皇室の在り方、今後のご活動の方針について、どのようにお考えでしょうか。新しい取り組みについてのご感想とともにお聞かせください。 (天皇陛下)日本の歴史の中では、天変地異や疫病の蔓延(まんえん)など困難な時期が幾度もありました。これまでの歴代天皇のご事蹟(じせき)をたどれば、天変地異等が続く不安定な世を鎮めたいとの思いを込めて奈良の大仏を作られた聖武天皇、疫病の収束を願って般若心経を書写された平安時代の嵯峨天皇に始まり、戦国時代の後奈良天皇、正親町天皇など歴代の天皇はその時代時代にあって、国民に寄り添うべく、思いを受け継ぎ、自らができることを成すよう努めてこられました。 その精神は現代にも通じるもの… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
眞子さま結婚「多くの人が喜ぶ状況願う」天皇陛下会見
19日に行われた天皇陛下の誕生日会見の主な内容は次の通り。 ――コロナ禍の天皇や皇室の在り方、今後の活動の方針について、どう考えるか 皇室の在り方や活動の基本は、国民の幸せを常に願って、国民と苦楽をともにすること。ただ、新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの国民と直接触れ合うことが難しくなっていることを、残念に思う ビデオメッセージを含め、オンラインによる活動に新たな可能性を見いだせたことは、大きな発見と言える。実際の訪問でなければ成し得ない部分はあるものの、オンラインは有効な手段。引き続き、状況に応じた形で活用していきたい ――皇后雅子さま、今年で20歳になる長女愛子さまの近況や将来は。上皇さまや秋篠宮さまとのコミュニケーションは 雅子は、昨年5~6月に初めての養蚕に取り組み、11月には立皇嗣の礼を無事に終え、新年のビデオメッセージでは一緒に国民にあいさつができた。体調はいまだ快復の途上だが、公私にわたり良き相談相手となってくれており、私もできる限り雅子の力になって支えていきたい 愛子はオンラインでの授業が続くが、大学での勉強に意欲的に取り組んでいることをうれしく思い、少し頼もしくなったように感じる。成年皇族として、感謝と思いやりの気持ちを持って、一つ一つの務めを大切に果たしていって欲しい。上皇陛下や秋篠宮とは適宜連絡を取っているが、詳細については回答を控えたい ――秋篠宮家の長女眞子さまの結婚について、どのように考えるか 眞子内親王の結婚について、様々な意見があることは承知している。秋篠宮が言ったように、多くの人が納得し喜ぶ状況になることを願っている ――男性に限られる皇位継承について。欧州の王室では性別に限らず長子優先だが、皇室の歴史や伝統と、世界的に進むジェンダー平等や女性の活躍推進の動きについて、どう考えるか 欧州の王室などにおける状況はよく承知している。制度に関わる事項について、私から言及することは控えたい ――この1年で印象に残ったことは。間もなく東日本大震災から10年、被災地への思いは 新型コロナウイルス感染症の影響で、特に若い人々が苦境に陥っていることや女性や若者の自殺や家庭内暴力・児童虐待などが増加していることを危惧している。他方、医療従事者や様々な現場で働く人たち、感染防止に努めている人々へ、この1年で多くの「感謝」を感じたことが印象に残っている 東日本大震災については、今月13日の福島県沖地震で「10年前を思い出した」という声を聞いた。震災を過去ではなく、現在も続くこととして考える必要があると改めて感じた Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
心寄せる事「私と雅子の自然な気持ち」天皇陛下61歳に
天皇陛下は23日、61歳の誕生日を迎え、これに先立って赤坂御所(東京都港区)で記者会見に応じた。新型コロナウイルスについて多くの時間を割いて言及し、「自らのできる範囲で感染の拡大防止に努める多くの皆さんに感謝いたします」と謝意を述べた。 さらに、新規感染者の減少やワクチン接種が始まったことをあげ「いましばらく、国民の皆さんが痛みを分かち合い、協力し合いながら、コロナ禍を忍耐強く乗り越える先に、明るい将来が開けることを心待ちにしております」と語った。 拡大する61歳の誕生日を前に記者会見に臨む天皇陛下=2021年2月19日午後、赤坂御所、代表撮影 また、歴代天皇が天変地異や疫病蔓延(まんえん)の際、国民に寄り添うべく、自らができる務めを果たしてきたと紹介。被災者、障害者や高齢者、社会や人々のために尽くした人に心を寄せ、ねぎらい、励ましていくことは「私と(皇后)雅子2人の自然な気持ち」で、「皇室としての大事な務め」との考えを明かした。 療養が続く皇后雅子さまの近況については、コロナ禍の活動の制約から体調を整えにくくなっているといい、いまだ快復の途上にあるとの認識を示した。今年成人を迎える長女愛子さまには「感謝と思いやりの気持ちを持って、一つ一つの務めを大切に果たしていってもらいたい」と思いやった。 拡大する皇后雅子さまと共に出席した国際会議のパンフレットを手に語る天皇陛下=2021年2月2日午後、赤坂御所、宮内庁提供 日本の皇室では、皇位継承権が男性に限られる一方、世界的には、ジェンダー平等や女性の活躍を推進する動きがあることについて問われ、「制度に関わる事項について、私から言及することは控えたい」と述べるにとどめた。性別に関係無く長子を優先して継承する動きが広がるヨーロッパ王室などの状況は「よく承知しています」と述べた。 秋篠宮ご夫妻の長女眞子さまと小室圭さんの結婚については、国民の間で様々な意見があることを承知しているといい、秋篠宮さまが昨年11月の誕生日会見で述べたのと同様に「多くの人が納得し喜んでくれる状況になることを願っております」と語った。 今年、発生から10年を迎える東日本大震災については、今後も「被災地に永(なが)く心を寄せていきたい」と述べ、機会があれば現地を訪問したいと語った。 拡大する笑顔を見せる天皇陛下=2021年2月2日午後、赤坂御所、宮内庁提供 宮内庁によると、昨年の誕生日… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】天皇陛下61歳に カメラがとらえた歩み
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