熊本県警玉名署の刑事課巡査だった渡辺崇寿(たかとし)さん(当時24)の自殺をめぐり、地方公務員災害補償基金が労災にあたる公務災害を認めた理由に関する資料が公開された。基金は、渡辺さんが自殺前に月100時間以上の時間外勤務を3カ月以上続けていたと認定。職場関係者の証言などから多忙な業務実態も浮き彫りにする内容になっている。 渡辺さんは2012年に県警に採用された。17年春に玉名署刑事課に配属され、強盗事件などの捜査を担当していた。同年9月に県外で自殺。遺書には「つかれたので休みます」「警察官、刑事になれてよかったです」などとつづられていた。補償基金が昨年11月に公務災害を認定した後、遺族が請求していた認定理由に関する資料が先月、公開された。 配属直後に事件、深夜まで書類作成 資料によると、刑事課配属後の… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本に送り出した父 借金で払った手数料は規定を超えた
「娘をベトナムに帰国させろ」 ベトナムの首都ハノイ。ファンさん(46)は2020年6月、人材派遣会社に呼び出され、責任者にそう迫られた。 娘(22)は3カ月前、この会社から、技能実習生として日本に送り出された。 自宅は、中部クアンビン省フンチャック村にある。山あいにある農村地帯だ。 娘のことで「書いてほしい書類がある」と連絡があった。自宅に妻(45)を残し、夜行バスに揺られて12時間かけ、ハノイまでやって来た。 そこで初めて、娘と、日本側受け入れ窓口の監理団体との間でトラブルが生じ、娘が「解雇」されたことを知った。 「何か誤解してミスをしただけだろう。許してやってほしい」。頼み込んだが、「許さない」とにべもなかった。 技能実習生として来日したあるベトナム人女性が、名古屋市内のシェルターに身を寄せている。なぜ、実習先を離れることになったのか。送り出した家族はいま、何を思うのか。彼女の「失踪」を通じて、日本とベトナムで技能実習の現場に迫った。 少し前から、娘に電話をかけて… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ禍の女性の傷口に塩塗った 「末路」の森会長発言
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視発言を受け、辞任や再発防止などを求めるネット署名の賛同者は14万人を超えました。同志社大学大学院の岡野八代教授(西洋政治思想史・フェミニズム理論)は「森会長個人の問題にとどまらない。権力者が女性をはじめ、さまざまな異論に耳を傾けず排除を続けてきた末路の発言」と指摘します。 今回の発言が、コロナ禍が続くなかで出てきたということを、深刻に受け止める必要があります。 女性の非正規率が高いなか、コロナで多くの女性が失業し、自殺も増加。女性の困窮ぶりは今までにないほど深刻ですが、そこへの注目は全く不十分です。医療や介護、保育などの現場で身を削りながら働いている女性たちは、声をあげる余裕もありません。 一方、メディアで医療現場の問題や政治状況を語る「専門家」の大半は男性です。女性たちは声も上げられず、男性の発言ばかり聞かされ、いざ発言すれば「長い」と言われる。黙らされてきた女性たち、とりわけコロナ禍で苦しむ女性たちの傷口に塩を塗るような行為でした。 「女性の話は長い」のだとすれ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
琵琶湖ホテル、1カ月消費期限切れのパン提供 当初否定
大津市の「琵琶湖ホテル」内にある直営レストランで、最大で約1カ月消費期限が切れていたパンを提供していたことが、関係者への取材でわかった。ホテルを運営する京阪ホテルズ&リゾーツが10日午後、会見して明らかにする。 同社は5日、朝日新聞の取材に対し、消費期限切れのパンを提供したことを否定。その後の再調査で判明したとみられる。 関係者によると、提供していたのは、1月2日が消費期限だったパン。レストラン「ザ・ガーデン」で、朝食と夕食のビュッフェで1月3日~2月5日ごろまで提供していたという。 関係者は、年末の客を見込んで多めに仕入れたものと証言。「もったいない」「冷凍していれば問題ない」などとして提供が続けられたと取材に明かした。 消費者庁のホームページなどによると、「消費期限」は年月日で表示され、その日付を過ぎると食べない方がよいとされる。おいしく食べられる期限を示す「賞味期限」とは異なる。(安藤仙一朗、奥平真也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
おちょやん 明日海りお演じる元スター「私と共通点」
トップ俳優を降りた後、どう生きるか。宝塚歌劇団の元花組トップスター明日海りおが、役者人生の岐路にさしかかった舞台人を演じている。 NHKの朝ドラ「おちょやん」。現在の舞台は、昭和の初めの大阪・道頓堀。主人公・竹井千代が新しい喜劇一座「鶴亀家庭劇」に加わり、公演を成功させようともがく姿が描かれている。 一座は、今でいうアイドルや歌舞伎界などの本職をお払い箱になった者らの寄せ集め。当然、足並みはそろわない。とりわけ、明日海演じる高峰ルリ子はくせ者だ。自意識高めで、なぜかカメラ目線のキメ顔。かつて東京の新派の名門劇団で主役をはっていたプライドが邪魔をして、笑わせてなんぼの喜劇の世界になじめない。 10日の放送では、ルリ子がトップの座を降りて一座に流れ着くまでの事情が明かされた。不器用でも、根っからの役者。その本心を知った千代に、発破をかけられて――。 明日海は、今作が朝ドラ初出演… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ対策に生かされなかった震災の教訓 片山元総務相
未曽有の災害となった東日本大震災からの復旧復興で被災自治体を支える役割を担ったのが、民間から総務相に起用された片山善博氏だった。当時の菅直人内閣で感じた壁とは。コロナ禍のいまに続く課題とは。片山氏に聞いた。 ――総務相として災害対応に当たりました。最も印象に残っていることは。 被災者生活支援特別対策本部でのことですね。復旧復興は各省庁の縦割りでやらざるを得ないのですが、縦割りのすき間ができるのがすぐにわかった。それで首相に話して対策本部をつくってもらい、本部長代理として加わりました。まずは各省からにわかに人を集めたんですね。こう言ってはなんですが、閑職にいる人でもいいからとにかく集めろと。本当によく仕事をしてくれました。 ――「縦割りのすき間」ですか。 例えば、親を亡くした遺児や孤… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
90年前のシボレー復活 燃費2、3キロ、最高速度は…
1930(昭和5)年式の米国の乗用車シボレーを徳島県石井町の自動車整備業、元木和豊さん(68)が再生し、公道を走れるようナンバーも取得した。元木さんはこれまで多くの「旧車」をよみがえらせているが、車齢90年を超える車は初めて。関係者によると、戦前の車のナンバー再取得は珍しいという。 このシボレーは戦後、国内の住宅メーカーが展示用のクラシックカーとして輸入したとされる。元木さんの知人の徳島市の男性が1991年に購入し、30年ほど倉庫で保管していた。男性から「再び走れるようにしてほしい」と要望を受け、昨年から元木さんが整備に取り組んだ。 6気筒、3200ccのエンジンは当初、金づちで釘を打つような大きな音がしたが、部品を修理して解決した。修理が不可能だった発電機は交換した。ガソリンタンクにコールタールのように付着した燃料も取り除いた。ナンバーを得るため、スペアタイヤに方向指示器とサイドミラー、運転席にはマイル表示に代わるキロ表示の速度計も新たに取り付けた。 徳島陸運支局で車検証を得た後、1月末に取得したナンバーは、年式に合わせて「1930」を選んだ。運転には五つのペダルを駆使せねばならず、ワイパーも手動式など運転の難しさは現代の車の比ではない。最高速度は50キロ程度、燃費も1リットル2~3キロと想像を絶する悪さという。 元木さんは「戦前の車は初めてなので不安もあったが、思ったほど難しくはなかった。屋内で保管され、状態がよかったからできたと思う。声がかかれば阿波おどりなどのイベントで走らせ、高齢者に昔を思い出してもらいたい」と話す。 元木さんは60歳を過ぎてから、愛好家から動かないダットサンを持ち込まれたのを機に旧車の再生をはじめ、これまでに昭和20~40年代のオート三輪、消防車、乗用車など20台ほどをよみがえらせてきた。 「エンジンがかかったら『よっしゃー』という気持ちになる」と魅力を語る。地元の愛好家でつくる「徳島旧型車輛等保存協会」の代表も務めている。 戦前の乗用車を多数展示しているトヨタ博物館(愛知県長久手市)によると、元木さんが再生したシボレーは1930~31年の「シボレー6スペシャルセダン」とみられる。米国の自動車会社ゼネラル・モーターズ(GM)が、T型フォードの後継に対抗して発売した直列6気筒エンジンの車という。担当者は「個人で再生してナンバーまで取得するのはすごいことだと思う」と話している。(福家司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小型旅客船、前方席に注意 揺れで尻もち、脊椎骨折多く
小型旅客船の事故では、大けがをした乗客の約7割が腰や背中などが折れる「脊椎(せきつい)骨折」だった――。船や飛行機、鉄道の事故原因を調べる国の運輸安全委員会の調査で、こんなデータが明らかになった。脊椎骨折した人のほぼすべてが船首近くに座っていたこともわかり、運輸安全委は「波が高くなる冬場は揺れによる事故が起きやすい。小型船では、なるべく揺れない後ろの席に座ってほしい」と呼びかける。 国土交通省の調査によると、全国には約2200の旅客船があるが、このうち7割が20トン未満の小型船だ。旅客の少ない近距離航路で多く使われている。 大きな船に比べて波の影響をうけやすいが、障害物に衝突して浸水した場合でもすぐに脱出できるようにシートベルトの設置義務がない。そのため、高い波で船体が揺れて乗客が座席に尻もちをつき、脊椎を骨折する事故が後をたたない。 例えば、2019年12月に鹿児島県沖であった旅客船「なんきゅう」(19トン)の事故では、高波で船体が大きく揺れ、乗客55人のうち14人がけがをした。このうち9人が座席に尻を強く打ち付けた脊椎骨折で、いずれも客席の3列目までに座っていたという。 運輸安全委が08~19年に起きた旅客船の死傷事故115件を調べたところ、重傷以上のけが人がいた小型船の事故は28件で、37人が大けがをしていた。このうち16件の25人は脊椎が折れる大けがをしていた。重傷者の68%が脊椎骨折だったことになる。 船首側の大けが、なぜ多い? 報告書が公表されている事故をさらに詳しく見ると、軽傷と診断された人も含めて脊椎(せきつい)を骨折していた29人のうち、28人が船首側の席に座っていたという。 船首側の席で脊椎骨折が多いの… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
NHK経営委員長「改ざんではない」かんぽを巡る議事録
NHK経営委員会が2018年、当時のNHK会長を厳重注意した問題を巡り、NHKの第三者機関が経緯の分かる経営委議事録を全面的に開示すべきだと指摘する答申を出したことについて、森下俊三委員長は9日、「今後審議、検討していく」と話した。 議事録を巡っては、議論の要約などが開示されているが、答申は「要約された文書は開示の求めの対象文書との同一性を失ったもの」「公開制度の対象となる機関自らが対象文書に手を加えることは制度上予定されておらず、対象文書の改ざんというそしりを受けかねない」などと指摘した。森下委員長はこれについて「説明責任を果たすため、議事録に(要約を)追加する形で情報を公開したので、改ざんという認識ではない」と話した。議事録の開示を巡るこれまでの一連の対応が適切だったと考えるか問われると、「適切かどうかはそのときのいろんなやり方によって変わってくるので、なんとも言いようはない」と答えた。 厳重注意を巡っては、「クローズアップ現代+」が18年7月、かんぽ生命保険の不正販売問題の番組の続編に向け情報提供を呼びかける動画をネットで流し、日本郵政グループがNHKに抗議、経営委にもガバナンスの検証を求めた。これを受け経営委は同10月、ガバナンス強化名目で当時会長だった上田良一氏を厳重注意した。議論の中で当時委員長代行だった森下氏らが番組の制作手法を批判するなどしたとされ、放送法が禁じる経営委員の番組への干渉にあたるとの指摘もある。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
潜水艦事故後の連絡不通 海上幕僚長が「非常に問題」
海上自衛隊の潜水艦「そうりゅう」が民間船と衝突した事故で、海上自衛隊トップの山村浩・海上幕僚長は9日の定例会見で、そうりゅうが事故から3時間超、外部と連絡できなかったことについて「非常に問題がある」と述べ、衛星携帯電話などの新たな通信手段を導入する方針を明らかにした。 事故では艦上部のアンテナなどが損傷。無線や船舶電話など全ての通信手段が使用不能になり、携帯電話が使える海域まで移動するのに時間がかかったため、事故の把握が遅れた。山村氏は「全部使えなくなる想定はなかった。反省すべきで、想定外というのは許されない」と話した。 海上自衛隊では過去にも、事故… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル