東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視発言に対する抗議のうねりが起きています。昨年、ツイッターで最初に「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグをつけて検察庁法改正の動きに抗議する投稿をした会社員の笛美さん(https://twitter.com/fuemiad)が、森氏の発言を受けてツイッターで広まったハッシュタグ「#わきまえない女」について語ってくれました。 かつては自分も「わきまえた女」だった――。笛美さんはそう言います。 「#わきまえない女」は、みんなが賛同しやすい言葉だと思いました。もともとの森さんの発言は「組織委員会に女性は7人くらいおりますが、みなさん、わきまえておられて」という内容でしたよね。 その発言に対して、「#わきまえない女」というハッシュタグが作られ、「これは女性差別の問題だ」と明らかにしました。 だからこそ、アナウンサーの高島彩さんや大江麻理子さん、政治家の稲田朋美さん、タレントの鈴木紗理奈さんといった女性たちが立場を超えて賛同を示し、広がっていったのだと思います。「私はわきまえたくない」という気持ちを肯定的に表現できるこのハッシュタグを考えた人は、天才だと思います。 私は「#検察庁法改正案に抗議します」のハッシュタグをつけてSNSに投稿をして以降、いろいろなオンラインイベントに招かれて、多くの方々と意見を交わしてきました。 特に、ジェンダー格差の問題に長年取り組んでこられた女性たちと話すと気持ちが引き締まります。だから「自分はもうすっかりフェミニストになった」と思っていたのですが、まだ「わきまえ癖」が残っていました。 あるオンライン番組に出演した… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
組織委、聖火リレー走者に謝罪メール 12日にも臨時会合
東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)の女性蔑視発言をめぐり、組織委は理事と評議員を集めた臨時の会合を12日にも開くことが複数の大会関係者への取材でわかった。国内外で高まる批判への対応を協議するという。 関係者によると、森会長は会合で発言を謝罪し、撤回した経緯について説明する見通し。理事や評議員から意見を募り、大会が掲げる「多様性と調和」について再確認するという。 森会長は、3日の日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会で「女性がたくさん入っている理事会の会議は、時間がかかります」などと発言。4日の記者会見で謝罪し、発言を撤回したが、国内外からの批判の声がやまず、約390人の大会ボランティアが辞退するなどしている。組織委は9日、聖火リレー走者全員に、森会長の発言を謝罪するメールを送った。 組織委の理事は35人で、女性は7人。作詞家の秋元康氏、プロ野球・ソフトバンクの王貞治会長、丸川珠代・元五輪相ら、政界、財界、スポーツ界のメンバーらで構成されている。理事の任免権がある評議員は、選手村の村長を務める川淵三郎氏(日本サッカー協会相談役)などスポーツ関係者や東京都副知事ら6人で、女性は元文科相の遠山敦子氏の1人。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道・音威子府の名物駅そば 店主が亡くなり閉店
全国にファンが多いJR北海道の音威子府駅(北海道音威子府村)の駅そば「常盤軒」の店主、西野守さんが7日、亡くなった。84歳だった。店も8日、閉店した。駅の乗降客数は1日50人弱だが、車で訪れる人も多く、1日200食近く出る日もあった。「こだわりの人だった」と、西野さんを知る人からは惜しむ声が聞かれた。 村によると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、店は昨年2月から臨時休業をしていた。西野さんは昨年秋に体調を崩し、入院していたという。遺族から村に、西野さんが今月7日に亡くなったことと、閉店の連絡があったという。 常盤軒は、そばの実の甘皮ごとひいた黒いそば「音威子府そば」を使い、そばの風味を引き立てる昆布と煮干しを使っただし汁が特徴だった。鉄道ファンやそばファンに人気があり、休日には多くの人で駅舎はにぎわった。 常盤軒は戦前から続く店で、西… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
バレンタインは甘くない? 大人の味も「映えて」人気
バレンタインデーを前に調理台の上にずらりと並べられたハート形や球形の色とりどりのチョコレート? 甘~い光景にみえますが、決して甘くはありません。容器に詰めているものは、一口サイズのさつま揚げ。甘いものが苦手な男性向けのバレンタインギフトとして奈良市の老舗かまぼこ専門店が売り出し、人気を集めている。 バレンタインさつま揚げは、アヒージョ風、ピーナツバター味などの洋風から、えび団子やゆばを巻いた和風ものまで計13種類。創業120年の魚万商店が3年前に販売を始めた。基本は伝統の技術を生かしたさつま揚げで、魚の練り物を小さく丸め揚げている。ハートの形が欠けたりしないように繊細に形作り、一つ一つ丁寧に箱に納められた姿はほぼスイーツ。口にするまで気づかない人もいるという。 考案したきっかけは8年前、父の日のギフトにさつま揚げが売れているのを発見したことだった。一方で、母の日にはそれほど売れるわけではない。社内での話し合いの結果、「女性が年の離れた男性に贈っているのではないか」と推測した。敬老の日にも売れることから、年配の男性に喜ばれる商品に特化しようと、バレンタインギフトが開発された。 一昨年は100セット、昨年は1400セット完売と好評で、常連の男性客に渡すために飲食店からの大口の注文などもあった。しかし、今年はコロナウイルス感染拡大の影響で飲食店の営業が打撃を受け、注文は激減。代わりに力を入れたのはSNSでの発信だった。インスタグラムやツイッターでのプレゼントキャンペーンをするなどしたところ、「映える」サプライズギフトとして認知度もアップ。新たな顧客が生まれ喜ばれているという。 拡大する1901年創業の「魚万商店」本店=2021年2月7日午前、奈良市、矢木隆晴撮影 緊急事態宣言の影響もあって観光客やインバウンド客が姿を消し、商店街の人出は減っている。4代目の魚谷和良社長(61)は「時代は変化しているので、こちらも変化しなければ。遊び心も持ちながら、チャレンジしていきたい」と話す。 3個入り(税抜き700円)、5個入り(同1200円)、8個入り(同1800円)でそれぞれ、洋風と和風セットがある。同社のホームページ(https://www.uoman.jp)からのネット販売が中心だが、12日から3日間は数量限定で、もちいどのセンター街(奈良市)の本店でも店頭販売する。問い合わせは、本店(0742・22・3709)。(矢木隆晴) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
岡田晴恵さんに聞く自宅療養 家族にうつさないために
新型コロナウイルスの感染拡大の深刻化で、医療現場が逼迫(ひっぱく)し、国は一部地域の緊急事態宣言の延長を決定した。入院が必要だったり、家族内感染の恐れがあったりしても、自宅療養せざるを得ない人が急増。症状の急な悪化で亡くなる人もいる。自宅療養の注意点や準備について、白鷗大の岡田晴恵教授にきいた。(聞き手・吉田美智子) 岡田晴恵さんのプロフィール おかだ・はるえ 1963年生まれ。共立薬科大(現慶応義塾大薬学部)大学院修士課程修了、順天堂大大学院博士課程中退、医学博士。アレクサンダー・フォン・フンボルト財団の奨励研究員として、独マールブルク大医学部ウイルス学研究所留学。国立感染症研究所などをへて現職。専門は感染免疫学、ワクチン学。近著に「新型コロナ自宅療養完全マニュアル」(実業之日本社)など。 ――自宅療養者が増えています。 たとえ高熱が出て、せきがひどくても、国の基準で「軽症」と判定されれば、ホテルなど軽症者向けの療養施設か、自宅療養となります。家庭内感染を防ぐために、療養施設に入ることを希望しても、そこにも空きがないこともあります。さらに大変なのは、本当は入院が必要な「中等症」なのに、病床に空きがなく、自宅待機せざるをえない人です。自宅療養者は1月下旬には全国で3万5千人を超えました。 ――家族と同居する場合、家庭内感染が心配です。注意点はありますか。 初期対応が肝心です。まず、感染者を個室に移し、家中の換気を徹底しましょう。テレビのリモコンやソファ、椅子など感染者が触れた可能性があるものは、消毒液で拭き取るか、洗濯をして下さい。水道の蛇口や電気のスイッチ、冷蔵庫の取っ手、トイレのレバーや便器のふたなどの消毒も忘れないように。 寒いですけど、部屋の換気は1時間に2回、5分以上は行って、完全に空気を入れかえましょう。加湿器があれば、湿度50~60%に設定しておくのもいいです。感染者は家族との会話はなるべく携帯電話かメールで、食事は部屋の前に置いてもらって下さい。 ――トイレやお風呂は? 感染者は家族の中で一番最後に… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
洋画家の偽版画も流通 6作品を鑑定、真作と異なる点
平山郁夫など日本画家3人の作品を元に作った偽物の版画が流通していた問題で、別の画家の作品の偽物もあることが、関係者への取材でわかった。販売元は不明だという。画家の遺族らが経緯を調べている。 偽物が見つかったのは、1985年に38歳で早世した洋画家の有元利夫(1946~1985)の作品の版画。遺族や美術商などの専門家でつくる鑑定委員会によると、昨年12月、外部から「MAGIC 占いの部屋」や「遊戯」などの6作品の版画について真贋(しんがん)鑑定を依頼された。調べたところ、いずれも色合いやサインなどに真作と異なる点があった。複数枚の偽物が確認された作品もあったという。 鑑定委員会は今年1月末、6作品の版画の真贋鑑定をする「登録委員会」を設立。今後購入者から相談を受け付けるという。委員の一人は「誤って偽物を買ってしまう人を一刻も早く守りたい」と話している。 この問題では、日本画家の平山郁夫、東山魁夷、片岡球子の計10作品の偽物の版画の流通が発覚。全国約40の画商でつくる「日本現代版画商協同組合」(東京都)の調査に、大阪府の画商の男性が販売していたことを認めており、昨年末に除名された。関係者から相談を受けた警視庁も著作権法違反容疑で捜査している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
池袋暴走「私の前で真実明らかに」 民事訴訟で遺族陳述
東京・池袋で2019年、暴走した車により妻と長女を失った松永拓也さん(34)らが、運転していた旧通産省工業技術院元院長・飯塚幸三被告(89)=自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)罪で公判中=などに対し、計約1億7千万円の賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が9日、東京地裁(鈴木秀雄裁判長)であった。 飯塚被告側は請求の棄却を求めたが、被害者救済のため早期の和解を希望するともした。検察側が刑事裁判で主張したブレーキとアクセルの踏み間違いについては、認否を留保した。 松永さんはこの日の法廷で、「何に代えても守りたい大切な命だった。私の前で、真実を明らかにしてほしい」と言葉を詰まらせながら訴えた。 陳述要旨は以下の… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鳥か?アザラシ?いや人だ! 流氷に乗ると命の危険にも
北海道網走市にある網走地方気象台が「流氷接岸初日」を告げた1月31日、記者は取材中に信じられない光景を目撃した。接岸した流氷の上に、海鳥やアザラシではなく人が乗っていた。 拡大する接岸した流氷の上を歩く男性。そこは海の上でもある=2021年1月31日、北海道網走市、神村正史撮影(一部を加工しています) 拡大する男性が流氷の上にいた場所を同じ位置から同じアングルで撮影した。そこは、白波が立つ海になっていた=2021年2月2日、北海道網走市、神村正史撮影 肉眼では米粒ほどの大きさにしか見えない。超望遠レンズで確認してみる。男性が流氷を撮影しているようだ。 その場所は流氷の上でもあるが、海の上でもある。男性の乗っている流氷はすぐにでも沖に流れ出すかもしれない。 男性はまもなく岸に戻ったが、これは危なかった。下手したら死ぬぞ。 この日の網走市の最低気温は零下10・5度。最大瞬間風速は10・6メートルを観測した。流氷は、前日までは一部で接岸する程度だったが、北寄りの風におされて沖合から一気に岸に寄った。そして沿岸の広い範囲を埋め尽くし、船舶の水路をふさいだ。まさに「流氷接岸初日」の条件を満たす状況だった。 記者の目から見ると、男性がいる流氷の連なりは岸から沖に向かって数十メートルで途絶えていた。その先には白波が立ち、砕けた氷が海面を大きく上下していた。男性は足元の流氷が動かないと信じているのか、岸から10メートル以上沖へ流氷の上を歩いて行き、カメラを設置していた。 その間、数分くらいだっただろ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
死刑しかない、でも長く生きて 被告に語った遺族の真意
富山市の交番襲撃事件の裁判員裁判で、検察側は8日、強盗殺人の罪などに問われた島津慧大(けいた)被告(24)に死刑を求刑した。この日は、亡くなった警察官稲泉健一さん(当時46)と警備員中村信一さん(同68)の遺族も法廷に立ち、事件後の過酷な歩みや被告への激しい怒りを吐露した。 意見を述べたのは、稲泉さんの妻と長男、中村さんの弟と妻の計4人。稲泉さんの妻と長男の周りには、傍聴席から姿が見えないようついたてが置かれた。 稲泉さんの妻は、寡黙ながら優しく頼りになった人柄をしのび、「主人のことが大好きだった」と振り返った。稲泉さんの遺体と対面したのは勤務先の病院で、隣の部屋では被告の救命措置が行われていたという。以来、病院に行けなくなり、退職を余儀なくされた。パトカーのサイレンを聞くと、いまも当日を思い出すといい、「どんなに時間が経っても忘れられない」。そして「6月26日、すべてを奪われた」と続け、最後に「犯人を死刑にしてください」と2回繰り返した。長男は、マスコミの心ない取材に苦しんだことにも言及。「こんな理不尽な思いをすることになったのも被告のせい」と語り、「一生恨み続ける。死刑以外は絶対にあってはならない」と訴えた。 「島津慧大さん」。最後に意見を述べた中村さんの妻は時折、被告をまっすぐ見て、名前を呼びながら言葉をつないだ。被告と面会した際、「悪いとは思えない。警察官と見誤ったことが悔やまれる」と言われたことを明かした。「責任を感じているように思えなかった。でもその後、『こんな自分で申し訳ない』と言いました。不思議な言葉でした」と振り返った。 そして、「(障害の)治療を受け、苦しみや命の尊さを理解できるようになってもらわないと」。事件の理不尽さ、夫の無念を思うと「科すべき刑は死刑しかない」。そう語りつつ、こう締めくくった。「あなたにはできるだけ長く生きてもらいたい。遺族以上に悩み、苦しみ、後悔して、生涯を終えてもらいたい」 被告は中村さんの妻が話す間、その姿をじっと見つめていた。 弁護側の弁論の一部は9日に持ち越しになった。(竹田和博) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
排水弁閉め忘れ…水道代600万円 県職員が半額支払い
兵庫県庁の西館(神戸市中央区)地下にある貯水槽で2019年10月、職員が排水弁を閉め忘れたため、約1カ月にわたって水が流れ続け、水道代約600万円が余分にかかっていたことがわかった。県が取材に明らかにした。 県管財課によると、外部業者が貯水槽内部を定期清掃した際、50代の職員が排水弁を閉める作業を引き受けたのに、失念したという。貯水槽は一定量がたまると水の供給が止まる仕組み。ただ弁が開いていたため、総量9千トンあまりの水が流れ出たという。 翌11月になって、神戸市水道局から「水道の使用量がものすごいことになっている」との指摘があり、発覚した。通常なら水道代は2カ月で約200万円だが、流出分だけで602万6773円かかったという。 県はいったん全額を税金で納付したが、監査からの指摘を受け、この職員に半額を請求し、すでに納付された。管財課は「損害を出してしまい申し訳ない」としている。再発防止のため県は毎月2回の巡回点検を始めたほか、定期清掃時の職員の立ち会いを1人増やして2人態勢にしたという。(武田遼) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル