ふとしたときに押し入れにある菓子箱に手を伸ばす。中にしまってあるのは手紙。「毎日頑張りすぎてませんか」「奈津ちゃんの幸せを日々願っております」。手書きの文字に目を落とすうち、ほっこりした気持ちになる。もう何回読み返したか。浮かぶのは、あの時の穏やかな笑顔だ。 高知市の高橋奈津子さん(57)が幼いころ、周りに一人っ子は少なかった。幼稚園で仲良しのリエちゃんにも妹ができた。母に「きょうだいがほしい」とだだをこねた。友だちがきょうだいと遊ぶ姿を見て、さみしさとうらやましさを感じていた。 高校生の時、法事で集まった親戚が母に「もう言うたらええやん」と話すのが聞こえた。「え、何の話?」。母は表情も変えず、「離れ離れになった子どもがいる」と話し始めた。夫を結核で亡くし、再婚するとき2人の間にいた幼い娘を手放していた。 「ほんま?」 驚き以上に、姉がいるうれしさがあった。 姉さんに会ってみないか。親戚… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
分散呼びかけの初詣、密は? 参拝客「葛藤したけど…」
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、多くの寺社が初詣の「分散参拝」を呼びかけている。その一つで、例年は正月三が日の人出が約230万人と国内屈指の熱田神宮(名古屋市)の年越しは、今年どんな様子だったのか。 年越しの瞬間、一時的に「密」 「拝殿前、大変混み合っております」 「マスクは外さず、着用したままお待ちください」 大みそか深夜の本宮付近、年が明ける瞬間を待ちわびる参拝者に、そんなアナウンスが繰り返し流れた。 午後11時ごろは待機者がまばらだったが、11時半を過ぎた頃から若者を中心に続々と人が増え、やがて「密」状態に。 「さんっ、に、いちっ……」 年明けの瞬間は、どこからともなく一斉カウントダウンが始まり、周辺はお祝いムードで騒がしくなった。 熱田神宮では、混雑を避けるため様々な対策をとった。 境内に例年約200はあった露店をなくし、参道の幅を広く確保した上で一方通行に。分散参拝を呼びかけ、正月の縁起物は12月初旬から授与を始めた。 新型コロナの感染拡大を受け、全国的に「静かな年末年始を」と叫ばれ、愛知県では分散参拝のほか、「不要不急の行動自粛」なども呼びかけられている。 混雑は例年ほどではないようだ。0時すぎに境内にいた参拝者に聞いてみた。 「分散? そう言われているんですか?」(愛知県在住・4人組の19歳女性)。 名古屋市内から友人と来た女性… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪府、コロナ病床の使用率8割に 即時受け入れ可能分
大阪府は1日、府内で新たに262人が新型コロナウイルスに感染しているのを確認したと発表した。1日あたりの新規感染者が300人を下回るのは4日ぶり。また70~90代の男女9人が亡くなったことも発表した。府内の感染者は延べ3万327人、死者は計588人となった。 入院中の重症患者は165人で、過去最多だった12月21日公表分と並んだ。府が確保している病床(236床)の使用率は69・9%。すぐに患者を受け入れられる病床(206床)の使用率は80・1%となった。入院中の軽症・中等症患者は841人で、確保している病床(1340床)の使用率は62・8%。すぐに受け入れられる病床(1252床)の使用率は67・2%となった。 大阪府守口市内の医療機関で患者と医療従事者計5人、大阪市内の高齢者施設で利用者と職員計6人の感染が判明。府はクラスター(感染者集団)が発生したとみている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「バトンタッチの握手」を胸に 核禁条約、高校生の思い
被爆地・長崎から核兵器廃絶を訴える「正月座り込み」が1日、長崎市の平和公園であり、被爆者ら約60人が集まった。20回目となる今年は核兵器禁止条約の発効を22日に控え、条約に背を向ける日本政府に改めて参加を求め、米国が原爆を落とした午前11時2分に黙禱(もくとう)した。新型コロナウイルス感染防止にも気を配り、参加者は開始前に検温し、マスク姿で平和祈念像前に座った。(佐々木亮) 元日。平和祈念像の前に集まった人の中に、長崎県立諫早商業高校2年生の中本大貴(たいき)さん(16)の姿があった。5年前、体験を語ってくれた被爆者と交わした「バトンタッチの握手」を胸に、核兵器廃絶を訴える輪に加わった。 中本さんは小学6年生のとき、爆心地から約4・3キロで被爆し、1997年から語り部を続けている長崎市の山川剛さん(84)の被爆講話を聞いた。山川さんから、爆心地付近では防空壕(ごう)の中まで熱線と爆風が吹き込んだため壕の向きが生死を分けたと聞き、その威力の大きさを感じた。 お礼のあいさつをすると、山川さんに手をとられ、こう言われた。「これはただの握手じゃない。バトンタッチだよ」。その言葉が心に残った。 2人の写真が載った当時の学校通信を、中本さんは今も大切にしている。昨夏、長崎市の繁華街などで核兵器の廃絶をめざす署名を集める「高校生1万人署名」に加わった。 新型コロナウイルスの影響で街頭に立てない日が続くが、核兵器禁止条約の発効に向けて自分たちの思いを発信しようと、仲間の高校生たちと話し合いを重ねている。「条約の発効は、地道な努力が世界を変えることができるという意味だと思う。関心をもってもらえるよう、できることをしたい」と中本さんは話す。 この日の座り込みには、山川さんも参加した。中本さんが「握手を今でも覚えています」と言うと、山川さんは「たくさんの人に話していると、いいことがあるね。話すというのは大事だね」と目尻を下げ、再び中本さんの手をとった。(榎本瑞希) 「いよいよ『核兵器廃絶元年』が始まる」 正月座り込みの参加者は順番にマイクを握り、核兵器廃絶や平和への思いを語った。 長崎県平和運動センター被爆者… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
離島の市職員9人感染 会食に参加、防災放送でおわび
長崎県の離島・壱岐市で、昨年12月30、31日の検査の結果、計16人が新型コロナウイルスに感染していることが分かった。うち9人が市職員。感染者が出た部署では、12月下旬に20人規模の飲食を伴う会合があったという。白川博一市長は31日、島の防災放送で「おわび」をし、市職員が家族以外と飲食することを当面禁じた。 市危機管理課によると、昨年12月下旬、市民福祉課とこども家庭課による飲食を伴う会合があり、約20人が参加。12月30、31日の検査で、両課の職員7人の感染が判明した。感染者の中には会合に出席していなかった職員もいるという。ほかに企画振興部の職員2人の感染もわかった。 白川市長は31日、島内の防災放送で「市民の皆さまにご理解・ご協力をお願いしていながら、多くの市職員が感染したことに大きな衝撃を受けている」と述べ、感染の背景として5人以上での飲食や島外への渡航が推測されるとして「市長として深く反省し、心よりおわび申し上げます」と陳謝した。市は1月10日に予定していた成人式の延期も決めた。 壱岐市が平常時に準備している… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪府で262人新規感染 府内感染者延べ3万327人
大阪府は1日、府内で新たに262人が新型コロナウイルスに感染しているのを確認したと発表した。1日あたりの新規感染者が300人を下回るのは4日ぶり。府内の感染者は延べ3万327人となった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
両陛下、皇居で新年祝賀の儀 マスク姿、ティアラはなし
天皇、皇后両陛下は1日、皇居・宮殿で、皇族方や三権の長、各国大使らから祝いの言葉を受ける「新年祝賀の儀」に臨んだ。天皇陛下は、「新しい年を共に祝うことを誠にうれしく思います。年頭にあたり、国民の幸せと国の発展を祈ります」などと述べた。 新年祝賀の儀は、毎年元日に行われる国事行為で、今年は新型コロナウイルス感染症防止のため出席者全員がマスクを着用した。天皇陛下と秋篠宮さまは燕尾服(えんびふく)姿。皇后雅子さまを始めとした女性皇族はロングドレス姿だったが、ティアラは着用しなかった。コロナ禍で苦労する国民の状況に鑑み、着用をとりやめたという。(杉浦達朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山形新幹線に乗用車が接触 「吹雪で遮断機が見えず」
1日午前9時50分ごろ、山形県高畠町の山形新幹線高畠―赤湯駅間にある本町踏切で、東京発山形行きのつばさ123号の最後部に乗用車が接触した。JR東日本によると、乗客25人や乗務員、車の運転手にけがはなかった。事故の影響で新幹線や在来線に最大80分ほどの遅れが出た。 県警南陽署によると、車は遮断機を折って踏切内に入った。運転手の40代男性は「吹雪で遮断機が見えず、距離感がつかめなかった」と話しているという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
温泉地から漫画「ちはやふる」の聖地へ あわら市の挑戦
「恐竜王国」の福井県には、もう一つの顔がある。「かるた王国」だ。かるた教育が小中学校で盛んで、2016年度から3期名人を守った川崎文義ら多くの一流選手が輩出している。そんな王国の人々の心を、わしづかみにしている漫画がある。とどまることなく進化する「聖地」、日本海に臨むあわら市を訪ねた。 競技かるたを題材にした末次由紀さんの人気漫画「ちはやふる」は、クイーンを目指す女子高生、綾瀬千早と仲間の青春を描く。あわら市は、名人を目指す綿谷新(あらた)が住む街。小学校のとき、転校先で出会った千早にかるたの魅力を教えた。冷静沈着だが、内には熱い思いを秘める主要キャラだ。 「小学生はかるたが好きな姿に共感できる。年が上がると恋愛要素もいい。親世代にとっては、子どもの成長を見守る大人たちの姿が魅力」 作品の見どころを余すところなく語るのは、嵯峨直美さん(53)。現在の同県坂井市で生まれ育ち、小学生時代、雪に閉ざされる冬場はかるたに熱中した。7年ほど前、「あわらが舞台の漫画がある」と聞き、図書館で単行本第1巻を借りて読んだ。 講談社の当時の担当編集者によると、末次さんは連載準備中や連載中にたびたびあわら市に足を運んだ。新が所属するかるた会のモデルとなった団体の練習を熱心に取材。さらに、街並みだけでなく、空気、北陸の冬ならではの曇天を肌で感じたという。あわら市を舞台とした理由について、末次さんは「担当編集者の出身があわら市で、小さい頃一生懸命かるたを取る写真を見せてもらい、決めた」と明かした。 拡大する「スノー丸どら焼き」を手に取る嵯峨直美さん。左後ろにあるのは末次由紀さん描き下ろしの「『こんがり』スノー丸」=2020年12月10日、福井県あわら市市姫2丁目 そうして丁寧に描かれた作品の大ファンになった嵯峨さんだが、それで終わらなかった。作品には、対戦時の差し入れなどで、たくさんお菓子が出る。きんつば、おはぎ、まんじゅう――。そして、嵯峨さんは、夫と創業45年の和菓子店「甘党本陣 嵯峨」(同市市姫2丁目)を営んでいた。 特に気に入ったのが、ちょんま… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
電気代500円の結婚生活、娘誕生でエアコン解禁の危機
掃除機をやめ、エアコンの電源をオフにし、冷蔵庫のプラグを抜く。次々と家電を手放し、毎月の電気代が200円を割るのが普通になった5アンペア(A)生活だが、記事を書くたび、必ずといっていいほど読者から言われることがあった。「一人暮らしだからできる」「家族がいたら絶対無理、絶対に」。 「いやいや、絶対にできる」と僕は内心思っていた。掃除機の代わりにほうきで掃除はできたし、エアコンがなくても行水と扇風機で涼むことができる。 そう。必需品だと信じこんでいた家電が、実はぜんぜん必需などではなく、家電があるから発揮できなかった昔ながらの知恵や工夫で十分快適に暮らすことができるとわかったからだ。 東日本大震災を福島赴任中に経験し、原子力発電所の事故で多くの人の家や土地が奪われる姿を間近で見た記者は、2012年に節電の道を歩み始めました。電力会社との契約を5アンペアに下げ、1カ月の電気代は200円弱。電力会社の電気をほとんど使わないで暮らせるようになりました。その後、結婚し、子どもが生まれたことで節電生活は見直しを迫られましたが、元の電気じゃぶじゃぶ生活に戻るつもりはありません。目指すのは「自然エネルギー100%」の暮らしです。 その真理が2人暮らしになった… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル