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Le guide sur la culture, la langue et l'histoire du Japon.

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ニュース

ニュース 社会
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政治資金パーティー券、不正の温床に 「自粛」よりも先に必要なこと

6 décembre 2023
Japonologie
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有料記事 聞き手・田渕紫織2023年12月6日 21時00分  自民党の派閥が政治資金パーティー収入の一部を裏金にしていた疑惑を受け、自民党のすべての派閥がパーティーを自粛することにしました。行かないのに、「付き合い」で買う――。神戸大の藤村直史教授(議会政治)はパーティーが「不正の温床になっている」と指摘します。「政治とカネ」の問題を解消するために、これからどのような取り組みが求められるのかについても聞きました。 神戸大の藤村直史教授の話  派閥側と議員側が政治資金収支報告書にいずれも記載していないのなら、いわゆる「裏金」にあたる可能性があり、これまで繰り返されてきた記載漏れなどの政治資金をめぐる不祥事とはレベルの違う問題が明らかになりつつある。  すべての派閥で政治資金パーティーを自粛するというが、本来なら各派閥が会見をするなど、議員側が裏金の疑惑についての情報開示をするほうが先ではないか。  これを機にパーティーをやめ… この記事は有料記事です。残り591文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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万博・IRに向け夢洲インフラ整備に1129億円、万博会場費と別

6 décembre 2023
Japonologie
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原田達矢2023年12月6日 21時30分  大阪市の横山英幸市長は6日、此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)の利用に絡むインフラ整備費用として、1129億円かかるとの見通しを示した。うち808億円を市が出すという。  夢洲は2025年大阪・関西万博の会場。会場建設費が最大2350億円かかり、大阪府と市で3分の1の783億円を負担することになっているが、横山市長が今回示したのは、これとは別の事業費となる。  横山市長は6日にあった市議会常任委員会での質疑で、公明の佐々木哲夫市議の質問に対して説明した。  市によると、一連の整備事業では万博のほか、カジノを含む統合型リゾート(IR)での利用に向け、上下水道、鉄道、幹線道路の整備などを808億円かけて進める。いずれも市の一般会計や港営事業会計に計上。工事は2018年から始まっており、28年までを予定しているという。  横山市長はこうしたインフラ整備について「万博があろうがなかろうが、必要な費用だ」と理解を求めた。また万博に絡む経費の全体像について、「市も全体像の再整理を指示している。可能な限り早くお示ししたい」と述べた。(原田達矢) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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「わたしは死ねばいい」に担任が花丸 「ファイト」と書きノート返却

6 décembre 2023
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仙道洸2023年12月6日 21時51分  奈良市教育委員会は6日、市内の小学校で女子児童が受けたいじめについて「重大事態」と認定したと公表した。また、この児童がノートに自殺をほのめかす内容を書いた際、担任教諭が花丸をつけるなどの不適切な対応があったこともあきらかになった。  市いじめ防止生徒指導課によると、市内の小学校に通う当時3年生の女子児童が2021年の2学期から昨年12月にかけて、同じクラスの男子児童に突き飛ばされたり、足を踏まれたりするいじめを受けていたという。  昨年2月、女子児童が下校準備中に男子児童に足を蹴られてけがをした際、保護者が学校に相談した。学校は児童に聞き取りをした上で、目撃した児童と女子児童の証言に食い違いがあるなどとして、調査を実施しなかったという。その後、改めて保護者らから申し入れがあり、同11月下旬から調査をしたところ、12件のいじめがあり、「重大事態」と認定した。  また、昨年6月には、女子児童が担任教諭と毎日やりとりする「自学ノート」に「わたしは死ねばいいのに」などと書いた際、担任教諭は花丸をつけ、「You can do it!!(あなたはできる) ファイト!!」と書いて児童に返していたことも判明した。同課は「生徒を励ましの気持ちで書いたのだと思うが、ひどい対応といわざるを得ない」とした。  女子児童は適応障害や心的ストレス障害の症状が続いているという。  女子児童の代理人を務める三橋和史弁護士は、市や学校の対応が「あまりにもずさんで、不誠実」とし、「つらい思いをしている中、勇気を出して先生に伝えようとしたのに、信じてもらえなかった。(学校は)命に関わる問題という認識が欠如している」と話した。  仲川げん市長は「子どもが言っていることをまず聞き、子どもの声を最優先することが大事」とした上で「全体的に問題があったと思う。どう改善していくか、提唱し、行動していくことが重要」とコメントした。  市教委は近日中に報告書をホームページに公表するとしている。(仙道洸) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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被告人質問の最後で青葉被告が口にした謝罪と後悔 7日に結審予定

6 décembre 2023
Japonologie
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 36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第21回公判が6日、京都地裁であった。被告人質問で検察官に「遺族らに思うことはあるか」と問われると、青葉被告は「申し訳ございませんでしたという言葉しか出てきません」と述べ、謝罪の言葉を初めて口にした。  青葉被告の裁判は三つの段階に分けられ、犯行動機や経緯、刑事責任能力に続き、11月下旬から量刑の審理に入った。被害感情の立証でこの日までに延べ約90人の遺族や負傷者の意見陳述や供述調書の読み上げがあった。青葉被告は「自分より苦しんでいる方がまだいる」「子どもがいらっしゃる方もいて、重く受け止めないといけない」とも述べた。  謝罪の気持ちがいつ芽生えたのかと聞かれると、しばらく考えた後、「弁護人と面会している時、裁判が始まる前あたり」と説明。これまで明確に述べてこなかったと指摘されると、「こんなにたくさんの人が亡くなるとは思っていなかった。やりすぎだった」との自身の供述に触れ、「『やりすぎ』という形で言っているということ」とした。「やりすぎたという言葉に、申し訳ないという意味が含まれているということか」と確認されると、「そう自分はとらえています」と答えた。  意見陳述などで多くの遺族らが極刑を求めたことについては、「その通りに、それで償うべきととらえている部分があります」と述べた。  弁護側は、青葉被告自身が事件で重いやけどを負い、周りの介助を受けてきたとし、心境に変化があったかと尋ねた。青葉被告は「昔ほど徹底的にやり返したいという考え方は減った。早く拘置所に来ていれば、こんな事件を起こさなかったのではないか」と答えた。  被害者参加制度で裁判に加わる遺族らも直接質問した。京アニ作品「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」のキャラクターデザインを手がけた池田(本名・寺脇)晶子(しょうこ)さん(当時44)の夫(51)は、青葉被告が主張する「京アニによる盗用」が今も許せないのかと質問。青葉被告は「そういう感情は薄れてきた」とし、京アニに対しては「犯罪をやった当初は怒りが残っていたが、今は申し訳ない気持ちが大きい」と述べた。晶子さんや残された息子に向けては「申し訳ない思い」「自分は片親だった部分があるので、やはり申し訳ない」と述べた。  一方、遺族の代理人弁護士が「多くの死傷者が出ると思わなかったのか」と質問すると、青葉被告は「構造上のせいにするわけではないが、火が早く回りすぎて多くの人が亡くなったと聞き、ツキや運がなかったことも否定できない」と述べた。現場の京アニ第1スタジオの構造をめぐっては、吹き抜けの3階まで続くらせん階段が火の回りを早めた可能性が指摘され、証人の京都市消防局員も「影響がなかったとは言えない」と証言した。  裁判員6人のうち2人と裁判官も質問し、青葉被告が事件前に住んでいたさいたま市で訪問看護を受けていた時期があった点に触れると、「あの時、入院を拒まなければ事件は起きなかったのかなと思う」とした。  最後に裁判長に「ご遺族に何か声をかけるとしたら」と聞かれると、青葉被告はまっすぐ前をむいたまま、「申し訳ございませんでした」と答え、「他には」と声をかけられると、「やはりそこまでしなければならなかったかという思いがどこかにあります」と述べ、被告人質問が終わった。  今年9月に始まった裁判は、次回7日に検察側が求刑を明らかにする論告と、弁護側の最終弁論で結審する予定。(光墨祥吾、関ゆみん、山本逸生) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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「ガッシャーンと音がした」 学習塾に車がつっこむ 2人搬送

6 décembre 2023
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2023年12月6日 22時51分  6日午後9時20分ごろ、福岡市早良区百道2丁目の学習塾から、「車が店舗につっこんできた」と119番通報があった。福岡市消防局によると、この事故で、車を運転していた70代の男性1人と、10代の女性1人を市内の病院に搬送した。いずれも意識はあるという。  現場は交差点に面した建物の1階。学習塾の入り口はガラス張りになっている。  事故当時、塾にいたという中学3年の男子生徒は「ガッシャーンと音がした。気付いたら車がつっこんでいた。塾の中には中学生たちが20人ぐらいいた。3人ぐらいが、ガラスの破片で手にけがをしたと思う。怖かった」と話した。  この生徒によると、運転していたのは、高齢とみられる男性。車は一度つっこんできて、バックしようとしたが、何かにひっかかって動けないようだった。  事故後、塾の子どもは屋外に避難し、保護者が迎えに駆けつけるなど現場は騒然としていた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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深夜営業のバーを装ったか ホストクラブ無許可営業の疑いで2人逮捕

6 décembre 2023
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2023年12月6日 20時00分  深夜営業ができるバーを装ってホストクラブを無許可で営業したとして、愛知県警は、名古屋市中区栄4丁目のホストクラブ「BARちょめ×2」の経営者長縄奎汰(25)=住居不定=と、系列のホストクラブ「Break Through」の経営者高橋雄己(37)=同市守山区森孝3丁目=両容疑者を風営法違反(無許可営業)の疑いで逮捕したと6日発表した。  中署によると、2人が経営する店舗はビル内の隣同士。風営法上の営業時間である午前1時までは、高橋容疑者が営む「Break Through」でホストが客を接待。その後は、ホストと客のプライベートな飲食という建前で、長縄容疑者が経営する「BARちょめ×2」に移っていたと、中署はみている。  県警幹部は、風俗店で働く女性が退勤後に合流できるよう、店を変えて「メンパブ」「アフターバー」などと呼ばれる「2部制」「3部制」の形態をとっていたとみている。年末にかけてホストクラブへの立ち入り調査を強化する方針で、「どんな営業形態でも摘発する」と話す。  2人の逮捕容疑は、6月25日に風俗営業の許可を得ずに「BARちょめ×2」を営んだというもの。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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東海大で非常勤講師2人がスト 授業を15分短縮し、「ベア」求める

6 décembre 2023
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 東海大学が教職員らの賃金のベースアップ(ベア)を長年行わないのは不当だとして、非常勤講師2人が6日、神奈川県平塚市の湘南キャンパスでストライキをした。日本私立大学教職員組合連合によると、ベアを巡る教職員のストは珍しいという。  2人は東海大学教職員組合(佐々木信吾執行委員長)に加入する、文化社会学部の小原眞紀子さん(62)と理学部の50代の男性講師。それぞれ100分の授業を15分短く終えた。  同組合によると、同大では少… この記事は有料記事です。残り434文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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ストーカー容疑で署交通課長の警部を逮捕 静岡県警逮捕は今年5人目

6 décembre 2023
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 静岡県警は6日、元交際相手の女性にストーカー行為をした疑いで、県警清水署の交通課長で警部の増井健吾容疑者(53)=静岡市葵区千代田5丁目=を脅迫とストーカー規制法違反容疑で逮捕し、発表した。増井容疑者は「逮捕には納得できない」と話しているという。  県警警察官の逮捕は今年5人目。日吉知洋警務部長は「幹部職員がこのような事案を起こしたことは誠に遺憾。被害者と県民の皆様に深くおわび申し上げます。事実関係を調査の上、厳正に対処してまいります」とのコメントを出した。  監察課によると、逮捕容疑は7月中旬ごろから9月下旬ごろまでの間、県内の30代女性に複数回にわたって連続して脅迫する内容などのメッセージを送信したというもの。「命が続く限り、所定の行動をとる」など、約2カ月間で百数十件を送信したという。  女性は増井容疑者の元交際相手で、9月11日に県内の警察署にストーカー被害を相談。県警は同27日、増井容疑者に対してストーカー規制法に基づく禁止命令を出した。増井容疑者は逮捕前日の12月5日まで清水署で勤務を続けていた。命令後も勤務させたことについて、鈴木光弘首席監察官は「問題があるかどうかは、回答は差し控える」と述べた。  県警では、7~8月に窃盗や住居侵入、覚醒剤取締法違反などの容疑で4人の警察官が逮捕され、うち3人が懲戒免職になった。1年のうちに5人が逮捕されたのは、この10年では、年間最多だという。  相次ぐ不祥事を受けて、県警は首席監察官が各署を回って指導し、大原光博本部長が職員向けにビデオメッセージを配信したほか、外部講師による研修などを実施してきた。増井容疑者もこうした研修を受けていたという。  それでも、5人目の逮捕者が出たことについて、鈴木首席監察官は「過去にない対策をして、効果は確実に浸透していると思う。しかし特効薬はなく、幹部の逮捕は残念だ。規律の徹底など、地道に対策を進めていく」と語った。(小山裕一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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地元のPRに気張るウンコチャン、市非公式キャラはアレではなく妖精

6 décembre 2023
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 ウンコチャンというキャラクターが、じわり注目を集めている。きわどいネーミングで、渦も巻いているが、トイレのアレではない。山陰で生まれた妖精「雲子ちゃん」だ。地元の人たちは、このパンチの効いたキャラにまちの「未来」を託す。  島根県東部に広がり、南部は広島県と接する雲南(うんなん)市。雲子ちゃんは市の「非公式キャラクター」だ。市名にかけて、雲から生まれたという設定。ふわっと柔和な表情を浮かべ、でべそがチャームポイントだ。  ただ一見すると、名前とデザインは別のものを思わせる……。生みの親は市の女性職員。「そもそも『うん子』と名付けようかと思ったほど。子どもにも受けるでしょうから」とインパクトを狙ったと明かす。  イラストを描くのが大好きで、他の自治体のように市ならではのキャラクターをと約10年前に編み出した。狙い通り市役所内でも話題となり、非公式キャラでありながら、毎号のように市広報誌の随所に登場し、市内では浸透している。  雲子ちゃんをプロデュースするのは、生みの親も加わる市民有志による「雲子ちゃんの会」。市の公式キャラにしないのは、簡単な申請でグッズの製造・販売やネット発信などに許諾を出せるというメリットがあるからだ。  会として、イラストが入ったポロシャツやLINEのスタンプをつくった。地元の刺繡(ししゅう)店はぬいぐるみやトートバッグを売りだすなど、すっかり愛されキャラになっている。 雲子ちゃんに頼る市の危機感  地元で雲子ちゃんがここまで… この記事は有料記事です。残り794文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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性別変更は「容易」になりますか 不合理なレトリックで隠されるもの

6 décembre 2023
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Re:Ron連載「ことばをほどく」第4回  10月25日の最高裁の判決で、「性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律」(「性同一性障害特例法」)におけるいわゆる不妊化要件が違憲であるとの判断が、裁判官全員一致で下された。  性同一性障害特例法は、トランスジェンダーが戸籍に記載された性別を変更する際の手続きを定めた法律だが、現在この手続きをおこなうには五つの条件を満たすことが求められている。①18歳以上であること、②婚姻をしていないこと、③未成年の子がいないこと、④生殖腺がない、または生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること⑤性器が変更後の性別の標準的な性器の形状に近似した外観になっていること、だ。「不妊化要件」と呼ばれているのは四つ目の条件であり、要するに生殖能力がある状態では戸籍上の性別を変更することはできないという内容である。不妊化要件は⑤のいわゆる「外観要件」とセットで「手術要件」と呼ばれてもいる。  戸籍上の性別変更は、「きのうまで女性/男性として普通に暮らしていたひとが、いきなり手続きをして男性/女性としての身分を手に入れる」というふうに想像されることがあるが、実態としては「戸籍以外は基本的に女性/男性としてすでに暮らしているひとが、生活実態と公的書類の記載内容の不整合による困難を解消するために記載事項を変更する」というのが基本的な状況だ。それゆえ、今回の違憲判断は多くのトランスジェンダーの人々にとって重要なものだった。  だがその一方で、これをきっかけにまたトランスジェンダーへの誤解や恐怖をあおるような言葉がSNS上で広がっている様子も目に入った。なかでも気になったのは、「特例法改正で性別変更が容易になると、誰でも『自分は女だ』と言っただけで女になれるようになる」「特例法改正で性別変更が容易になると、悪意を持った男が特例法を悪用して女の身分を獲得するようになる」といった言説だ。こうした意見はひょっとしたら一見もっともらしく思えるかもしれないが、そこでは不誠実なレトリックが利用されている。 「特例法改正で性別変更が容易になると、それを悪用する者が現れる」という文を取り上げて考えてみよう。この文からは、次のようなふたつの内容が読み取れる。 ①特例法が改正されれば、性別変更が容易になる。 ②性別変更が容易になれば、それを悪用する者が現れる。  ①は、特例法に現在ある要件を減らしたならば性別変更は確かに容易になるので正しいように思える。②もまた、仮に誰でも気軽に書類一枚で性別を変更できるなどということになれば悪用する者が出てくると考えるひとはいるだろう。すると、「AならばB」と「BならばC」から「AならばC」を導くという論理学的にも妥当な推論によって、「特例法が改正されれば、それを悪用する者が現れる」となり、悪用を避けたければ特例法は改正されるべきではないという結論になる……というような内容が「特例法改正で性別変更が容易になると、それを悪用する者が現れる」の一文には込められているように思える。けれど、このロジックには飛躍がある。それは「容易」という言葉の意味に関わるものだ。 犬のクロは「大きい」か  「容易である」はある特徴を持った表現だ。  それはすなわち、「何かに性質を帰属しているわけではない」ということだ。どういうことか、ほかの例を挙げながら説明したい。  たとえば「三木那由他は神戸出身だ」と言った場合には、三木那由他(私)に神戸出身という性質を帰属していることになる。神戸出身であることと浜松出身であることは(出身地がひとつだと仮定すると)相反するので、「三木那由他は神戸出身だ」と「三木那由他は浜松出身だ」が両立することはない。  だが「大きい」のような語はこれとは異なる振る舞いをする。  私がクロという名の犬を飼っているとする。クロがほかの犬と比べると体が大きいとすると、私はそのことを指して「クロは大きい」と言うことができるだろう。だが、犬のなかで大きいというのに過ぎないクロは、例えば大半のゾウと比べたら小さいだろう。なので、そうしたものと比べられる文脈では「クロは小さい」と言うことができる。大きいことと小さいことは相反するが、しかし何との比較のもとであるかに応じて、同じクロを大きいとも小さいとも言うことができる。つまり、「大きい」は大きいという性質を帰属する表現ではなく、その文脈における比較対象との比較結果を述べる表現なのだ。比較対象抜きに、「クロはそれ自体として大きいか小さいか」と問うても答えは得られない。  「容易である」もまた、こうした特徴を持つ表現だ。容易に解ける大学入試問題は、大学入試としては易しいけれど、小学校のテストに比べると難しいかもしれない。同じものが、比較対象次第で易しくも難しくもなる。そして、比較対象がない状態である問題が「容易に解けるか否か」を問うても答えようがないのである。  話を特例法に戻そう。  問題は、①「特例法が改正されれば、性別変更が容易になる」、②「性別変更が容易になれば、それを悪用する者が現れる」のふたつの「容易」が同じ基準のもとでの話になっているかどうかだ。「クロは大きい」と犬のサイズが話題になっているときの「大きいと飼うのが大変」から「クロは飼うのが大変」を導くのは、妥当な推論だ。だが、「クロは大きい」とゾウやキリンのサイズと比較したうえでの「大きいと家に入らない」から「クロは家に入らない」を導くのはナンセンスだろう。要するに、「大きい」や「容易である」のような表現が含まれている場合、その比較対象が一貫していなければまともな推論にはならないのだ。だが、①「特例法が改正されれば、性別変更が容易になる」、②「性別変更が容易になれば、それを悪用する者が現れる」の場合に、これは満たされているのだろうか?  まず、①「特例法が改正されれば、性別変更が容易になる」は明らかに、現行の特例法と不妊化要件を排した特例法とを比較しての話なので、比較対象は「現行の特例法のもとで性別変更をする場合と比べて」である。②はどうだろうか? 長く、不透明な道のり  ここで、実際のところ特例法を利用した戸籍変更がどういった手続きのもとでなされるか、私自身の経験をもとに語ってみたい(もしかしたら、ひとによって、あるいは時期や地域によって私とは違う経験をしている場合もあるかもしれないが)。  まず、知らないひともたまに見かけるが、性別変更を申し立てる相手は家庭裁判所である。区役所などに紙を一枚出しておしまいという話ではなく、複数の書類をそろえて裁判所に申し立てをおこない、裁判で申し立てが理にかなっていると認められれば性別の変更がなされることになる。  提出書類として最低限必要とされるのは、①申立書、②戸籍謄本、③2人以上の精神科医による性同一性障害(性別不合)の診断書、④性別適合手術を受けた証明書、⑤婦人科や泌尿器科などで生殖腺がない(機能しない)ことや適当な外観の性器になっていることを確認して得られる診断書である。  申立書と戸籍謄本には特別な手続きはないのでいいとしよう。精神科医による診断書は、ホルモン療法や性別適合手術の際にも必要となるが、それとはまた別の書式のものが必要となる。私の場合、最初にクリニックを訪れてからホルモン療法のための診断書を得るまでに約1年間かかり、それからさらに1年ほどホルモン療法を受けつつ現在の性別での暮らしを続け、再び性別適合手術のための診断書を得て手術を受け、手術後に改めて裁判用の診断書を発行してもらった。初めの2回の診断書は費用としては数千円で済んだと記憶しているが、裁判用のものは数万円かかっている(このあたりはクリニックによって大きく異なる)。3回の診断書のそれぞれでセカンドオピニオンが要求され、普段通っているのとは別の診療所で診断を得ている。  ④は手術を受けた病院でほとんど自動的に発行してもらえる。ただし、私は海外で手術を受けたが、その場合には裁判所から診断書の翻訳を添付するよう求められることがある(幸い、私のときには英文のままで大丈夫だった)。⑤については、手術後に婦人科や泌尿器科で検査を受けることになる。これ以外にも書類が要求されることもあるし、また申立人が念のために書類を添付することもある。私の場合は、最初に診断書を得るために必要となった性染色体の検査結果が手元にあったので、念のためにそれも添付しておいた。  しかしこれらの書類をそろえても、まだそれだけで性別変更が認められるわけではない。最終的な決定は、家庭裁判所で審判を受けてなされる。この際に実際のところ裁判官がどういった基準で決定をおこなっているのか、要件をすべて満たしたうえで裁判まで行って変更を認められなかった例があるのかなどについては、私は知らない。ただ、当時のトランスジェンダーコミュニティーでは、「念のために裁判官が性別変更に納得しやすい服装などを心がけたほうがよい」などとまことしやかに語られていた。  さて、以上の一連の流れで、手術要件がなくなることで省略できるのはどこだろうか? 当然ながら、④手術を受けた証明書、⑤生殖腺が機能していないことや性器の外観が適当なものとなっていることという条件は省かれるだろう。性別適合手術のための精神科医の診断書も、性別適合手術を受けないのであれば発行してもらう必要はない。  だが、それらがなくなったとしても、少なくとも裁判所に提出するために精神科医に発行してもらう診断書と裁判は必要となる。診断書を出してもらうには、それに至るまでの通院も必須だ。精神科にしばらく通い、場合によっては1年から2年ほどかけて診断を得て、戸籍謄本とともにその診断書を家庭裁判所に提出し、裁判で申し立てを認められる。これは、何と比較して「容易」だろうか?  まず住所の変更とは比べ物にならない。住所変更などは、転居の必要性を示す診断書も要求されないし、裁判だって受けなくてよい。ただ転居届を出し、本人確認書類と在留カードや特別永住者証明書を見せるだけだ。氏名の「名」の変更はどうだろうか? 私自身は名前を変更した経験がないので伝聞の限りだが、一般的にトランスジェンダーコミュニティーでは、現在のところ性別変更に比べて名前の変更は手術が要求されない点でかなり容易であると言われている。名前の変更も性別の変更と同様に、家庭裁判所でおこなわれる。その際には、申立書とともに変更後の名前の使用実績を示すもの(変更後の名前が宛名になっている手紙など)を提出することが多いようだ。また、名前の変更の手続きそのものに必要とされているわけではないが、トランスジェンダーの場合には基本的に診断書を提出する。  さて、住所変更は手術要件がなくなった場合の性別変更に比べて極めて容易だと言えるだろう。名前の変更はどうだろうか? 仮に提出する書類がまったく同じになったとしても、裁判において性別の変更のほうが名前の変更より緩い基準で認められるようになるというのは考えにくく、せいぜい同じくらいの基準になるか、性別変更のほうが厳しい基準になるかだろう。性別変更のほうが名前変更と比べて一方的に容易になると考える理由は見いだせない。  従って、住所変更や名前変更は特例法が改正された場合の性別変更と同程度かそれ以上に容易だと言える。では、住所変更や名前変更はどのくらい悪用されているだろうか? また、住所変更や名前変更の悪用を理由に、住所変更や名前変更の手続きの撤廃を求める意見はどのくらい出ており、どのくらい受け入れられているだろう? 個人的な印象としては、そのような意見は聞いたことさえない。 惑わされないで  問題は、①「特例法が改正されれば、性別変更が容易になる」と②「性別変更が容易になれば、それを悪用する者が現れる」の「容易」が同じ基準に基づいているか、ということだった。①は明らかに特例法に手術要件が含まれる場合と含まれない場合の比較だが、②はどうだろうか? 手術要件がなくなったところで性別変更が名前や住所の変更ほど容易にはならないのだから、①と同じ比較基準のもとで特例法についてのみことさらに悪用を懸念するのは不合理だ。  おそらく、②を正しいと考えるひとは、これとは異なる基準を用いているのではないだろうか。役所で紙切れ一枚に「女性/男性として暮らします」と記載してハンコを押して提出するというくらいの手続きを考えているならば、確かにそれは悪用されるかもしれない。だがそうした基準を想定するならば、①と②から「特例法が改正されれば、それを悪用する者が現れる」は導けなくなる。「クロは大きい」と「大きいと家に入らない」から「クロは家に入らない」を導くようなもので、基準がまるで違うからだ。  それにもかかわらず、「特例法改正で性別変更が容易になると、それを悪用する者が現れる」と一文にまとめてしまうと、「容易」がひとつになったせいで、特例法改正に関わる「容易」と悪用に関わる「容易」がまるで異なる基準の話であることが隠蔽(いんぺい)されてしまう。結果的に、「特例法改正で性別変更が容易になる」の自明な正しさが、「すると悪用する者が現れるから特例法は改正すべきでない」という本来ならそこから導かれない結論を導くのに用いられてしまうのである。  このレトリックは、少なくとも不誠実だ。  「容易」やそれに類する言葉をこうした話題で用いるならば、それが何を基準にした「容易」なのかを明示すべきだろう。そしてまた、私たちはこうしたレトリックに惑わされないよう注意を払わなければならない。誰が見ても明らかに間違っている前提から得られた結論には、多くのひとは納得しない。けれど、見たところ正しそうな前提から導かれた結論には、その導出が誤ったロジックに基づいていたとしても、うっかり納得してしまうことがある。トランスジェンダーだけではない。女性について、その他のさまざまなマイノリティーについて、こうした怪しいロジックがしばしば登場する。人権にかかわるような話題においては、「本当にその前提からその結論が出るのか?」を問い続けるべきだろう。(哲学者・三木那由他=寄稿) みき・なゆた 1985年、神奈川県生まれ。哲学者、大阪大学大学院講師。専門はコミュニケーションと言語の哲学。単著に「言葉の風景、哲学のレンズ」「言葉の展望台」(講談社)、「会話を哲学する」(光文社)、共著に「われらはすでに共にある 反トランス差別ブックレット」(現代書館)など。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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