有料記事 聞き手・加治隼人2023年10月28日 18時30分 約4万6千人の署名に基づいて提案された県民投票条例案が、26日の鹿児島県議会(定数51)で否決された。 九州電力川内原子力発電所(同県薩摩川内市)の運転延長について、県民の賛否を直接聞いてほしいという声は、政治に届かなかった。「二者択一では多様な民意を反映できない」などと考えた塩田康一知事も消極的な意見を述べていた。 県議会の議論や条例案の否決を有権者はどう見たのか。多くの県議らへのインタビュー動画などをネットに配信する「政治系ユーチューバー」の上野康弘さん(40)=鹿児島市=に聞いた。 ――議長を除く出席議員50人中、野党系会派を中心に計11人が賛成し、自民・公明など計39人が反対して否決されたが、どう思ったか 毎日傍聴しましたが、とにかく、もったいないなと。私は川内原発の運転延長に中立的な意見ですが、県民投票には賛成でした。4日間の審議を見ても、否決する理由はないと思いました。 実施に予算約7億円が必要とのことでしたが、非常にコストパフォーマンス(費用対効果)が高いと思いました。「大事なことはみんなで決めよう」という機会が実現すれば、多くの県民が県政の課題に興味を持つきっかけになりえた。ニュースや議会を見て、みんなでチェック機能を果たそうと。そんな波及効果があったはずです。機会損失が大きいと思います。 知事の本当に気持ちは? 「心のこもっていないスピーチ」 ――民主主義のあり方に関わる話だったと 民主主義で大事なのは、有権者が自分たちの意思で決めているという「納得感」だと思います。野党系会派や一部の無所属議員は「まずは県民の意向を聞こう」と訴えました。 県民投票をしたら反原発一色… この記事は有料記事です。残り1987文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 【紙面ビューアー機能も使える】プレミアムコースが2カ月間無料!お得なキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
水産業のまちでサッカー交流 実習生と国際試合、来年はミニW杯を
水産業のまち宮城県石巻市で28日、漁船で働くインドネシアの若者たちと日本人のチームが、サッカーで対戦した。技能実習生や特定技能外国人と、地域との交流の機会をつくろうと、関係者の奔走で実現した。 インドネシアチームの名は「ガルーダ」。数年前から漁が休みの週末に集まって練習するようになり、メンバーは30人以上いる。交流試合を企画したのは、彼らが礼拝に通うモスクを運営するバングラデシュ人のソヨド・アブドゥル・ファッタさん(53)。相談を受けた石巻サッカー協会が社会人選手の選抜チームを組んだ。 試合は4対2で石巻選抜の勝利。ガルーダの監督兼選手カシワンさん(32)は「日本人と試合がしたいとずっと思ってきた。楽しかった」。石巻選抜の渡辺大輔監督(41)は「石巻は東日本大震災以降、若者が減ってサッカーも下火になっていた。インドネシアの人たちのおかげで、また盛り上がれるんじゃないか」と話した。 石巻で働く技能実習、特定技能の外国人は約1千人。ソヨドさんは来年はベトナム人やミャンマー人のチームにも呼びかけ、「ミニ・ワールドカップ」にするつもりだ。(石橋英昭) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
季節外れの海岸 足元照らすのは? 和歌山・白良浜でライトパレード
和歌山県白浜町の「白良浜」で、夜の砂浜をライトアップするイベント「白良浜シーサイドイルミネーション SHIRARAHAMA LIGHT PARADE by FeStA LuCe」が28日、始まった。来年2月29日まで。 同町や南紀白浜観光協会らが、町の観光の閑散期にあたる秋冬に観光客を呼び込もうと始めた取り組み。国内各地でイルミネーションなどを手掛ける照明器具メーカーのタカショーデジテック(同海南市)の協力で、31基のLEDで砂浜を照らす。 イベントの実行委員長をつとめる同観光協会の藤田正夫会長は「夏のリゾートのイメージが強いが、秋冬にも美しい砂浜を楽しんでもらえれば」と話す。 期間中、午後5~10時にライトアップが実施される。(金居達朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
防波堤で釣り客が波にさらわれて転落、男性2人死亡 福井・坂井
28日午後0時20分ごろ、福井県坂井市三国町の三国防波堤で、釣りに来ていた男性3人、女性1人が波にさらわれた。福井海上保安署によると、4人は防災ヘリなどで救助され、病院に搬送されたが、うち20代と30代の男性2人の死亡が確認された。 同署によると、当時、約10メートルの風が吹き、波の高さは約3メートルだった。 防波堤にいたのは男女計6人で、愛知県から来ていた同じ会社の同僚だという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
列車がホームからはみ出し停車、高校生が落下してけが JR鹿児島線
JR鹿児島線の広木駅(鹿児島市)で27日午後10時10分ごろ、普通列車(4両編成)の最後尾の車両がホームに着いていない状態で停車し、ドアを開けた。降りようとした乗客の女子高校生が約1・7メートル下の草むらに落ち、顔や腕などに擦り傷を負った。JR九州が28日発表した。 男性運転士(20代)が、4両編成なのに2両編成の場合の停止位置で列車を止め、ドアを開けてしまったという。27日夜、女子高生の親族から同社に連絡があった。 同社は「けがをされたお客様に対しておわびを申しあげるとともに、ご回復をお祈り申しあげる。運転士に対する指導を徹底し、再発防止に努める」としている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「渋谷はハロウィーン会場ではありません」 ハチ公の周りも封鎖
「ハチ公像周辺は封鎖となります」。31日のハロウィーンを控え、渋谷区は28日午前、渋谷駅前のハチ公像を白い布で覆い、周りもシートで囲って近づけないようにした。 渋谷区内は毎年、ハロウィーンに大勢の人が集まる。路上飲酒や大量のゴミ放置に加えて、今年は外国人観光客の増加もあり、雑踏事故の危険が高まったと区はみている。このため、9月上旬から「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」とメッセージを発し、31日や直前の週末などにハロウィーン目的で渋谷に来ないよう呼びかけていた。 ただ、囲いができた後、ハチ公像を一目見ようと、シートの隙間からのぞき込む外国人観光客も見られた。(座小田英史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
人生のスタート遅れたトランス男性 体にメス、手術強制は「暴力的」
性別を変更する際に、「生殖能力を失わせる手術は不要」と最高裁が判断しました。手術をして戸籍上の性別を女性から男性に変更したユーチューバーの木本奏太さん(32)に、当事者としての思いを聞きました。 ――最高裁の決定をどう受け止めますか。 まずは、本当に大きな「第一歩」だと思います。ただ、すぐに何かが変わるわけではありません。当事者全員が救われるためには、まだ課題が残っています。 ――決定前に、最高裁に手紙を提出されたそうですね。 自分の思いに加え、他の人の意見も書いて伝えました。 僕らが手術要件の撤廃を訴えた記者会見の後、僕のSNSへの反応が1万件以上ありました。ほとんどが「こんなに厳しい要件だったなんて知らなかった」「ありえない」というポジティブな反応でした。当事者から、「顔を出して訴えてもらえて救われた」という感謝の声も寄せられました。 ――自身が性別に違和を感じるようになったのは、いつごろですか。 2、3歳の頃から、保育所などで「女の子」として振り分けられると泣きじゃくっていたそうです。その頃から、男の子として過ごしたかったのだと思います。 小学校の低学年まではドッジボールやサッカーで男の子と遊ぶことが多かったのですが、4年生ぐらいになると、僕の学校では、なんとなく遊び仲間が男女に分かれていきました。「男の子と遊ぶのは恥ずかしいことなのかな?」と思い始めました。性別にとらわれない居場所を探し、独りで絵を描いたりして遊んでいました。 ――中学や高校では、制服に悩んでいる人が多いと聞きます。 中学では女子はセーラー服、高校はブレザーでしたが、スカートは女子生徒だけだったので、スカートがとても苦痛でした。運動部に入っていたので、できるだけ体操服で過ごしていましたが、授業中は制服を着ることが校則で決められていました。 今、女子もパンツスタイルを… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「私は無実」パウロになった袴田さん 死刑確定で変わった神への思い
袴田巌さんは逮捕後の1967年から死刑確定後までの20年超、獄中から家族らに手紙を出し続けていた。司法への期待と絶望、獄中での日々、そしてむしばまれていく精神――。数千枚の手紙からその半生をたどる。 ◇ さんま缶一、みかん十五、大福六――。死刑囚として東京拘置所に収監されていた袴田巌さん(87)から月末に届く手紙には、その月に家族らから差し入れてもらった食品が記され、感謝の言葉が添えられていた。 その一覧に、ひときわ目立つ記載があった。「キラキラ星」。1987年1月の手紙では、赤字で催促していた。 《尚(なお)、現時点で乏しくなっているのは、扇雀飴とキラキラ星です》 (87年1月、家族宛て)… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「悪魔の電波が」乱れる手紙 袴田さんの姉「残された時間長くない」
袴田巌さんは逮捕後の1967年から死刑確定後までの20年超、獄中から家族らに手紙を出し続けていた。司法への期待と絶望、獄中での日々、そしてむしばまれていく精神――。数千枚の手紙からその半生をたどる。 ◇ 1980年代、冤罪(えんざい)の可能性が指摘されていた複数の死刑確定事件で再審が開かれ、無罪判決が続いた。だが、同じように冤罪と訴えてきた袴田巌さん(87)に、大きな動きはなかった。変わらず、収監先の東京拘置所で連日、手紙をしたためる日々が続いた。 このころ、姉の秀子さん(90)に連日届いた便箋(びんせん)には、日記のように日付と天気が書かれ、刑務所内の生活や再審請求、キリスト教、ボクシングへの思いなどがつづられていた。 そんな中、文面には異変が見え始める。 … Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
霊園運営巡り食い違い「出入り禁止」 住職との間に何が 納骨堂殺人
東京都足立区の源証(げんしょう)寺の納骨堂で7月、住職が殺害された事件で、逮捕された墓石販売会社代表の男らと住職の間には、寺の霊園の運営を巡って様々な食い違いがあったことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁は食い違いから男らが住職に恨みを募らせ、事件を起こしたとみている。 起訴内容を否認 東京地検は27日、墓石販売会社代表の斎藤竜太被告(50)と、役員の青木淳子被告(63)を殺人罪などで起訴した。捜査関係者によると、2人とも起訴内容を否認しているという。 浄土宗系寺院の源証寺は、500年近い歴史を持つと伝わる古刹(こさつ)だ。寺と、墓石販売会社「鵠祥堂(こくしょうどう)」(千葉県鎌ケ谷市)は2020年3月、ある契約を交わした。源証寺が近隣に持つ土地について、鵠祥堂が整備を担い、墓石販売で回収して利益も得る計画だった。 捜査関係者によると、交わされた契約書は数枚で、霊園運営の権利や義務が書かれていたが、細かい決まりまではなかったという。 良好だった関係、運営方針めぐり一転 鵠祥堂は13年、代表取締役… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル