1966年に静岡県で一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(87)の裁判をやり直す再審の初公判で、検察側と弁護側の双方が行った冒頭陳述の要旨は以下の通り。 ■検察側 本件は、66年6月30日未明、当時の静岡県清水市で発生した住居侵入、強盗殺人、放火事件だ。被告が、深夜にみそ製造会社の専務宅に金品目的で侵入し、家人に発見されたことをきっかけに専務、妻、次女、長男を相次いでくり小刀で突き刺し、売上金の一部を奪い取るとともに、犯行の隠蔽(いんぺい)のため混合油をまいて火をつけて4人を殺害し、住宅を焼損させた。会社のみそ工場の従業員寮に住んでいた被告が犯人だと主張する根拠は大きく分けて3点だ。 1点目は、犯人がみそ工場関係者だと強く推認される上、犯人の事件当時の行動を、被告が取ることが可能だったことだ。 みそ工場の従業員に支給され… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
副会長務める万博協会の担当者に「公開質問」 建設費増額で吉村知事
2025年開催の大阪・関西万博の会場建設費が最大2350億円に再増額する見通しとなったことをめぐり、費用の3分の1を負担する大阪府と大阪市は27日、万博を主催する日本国際博覧会協会(万博協会)の担当者と府庁で面会した。吉村洋文知事は増額の根拠などを求め、万博協会は質問内容を精査して改めて回答するとした。 面会は公開され、吉村氏は「増額なら府民・市民にきちんと説明しなければならない」と強調した。増額が適正かを検証するためとして、直近の契約状況や物価上昇分の算出方法、積算根拠について質問した。さらに「今回の増額を最後」とすることを要求し、万博協会に見解を求めた。 費用は国、府・市、経済界の3者が3分の1ずつ負担する。当初は1250億円と想定していたが、20年に1850億円に増額。さらに20日になり、万博協会は3者に最大2350億円と伝えた。吉村氏は説明が「不十分」としていた。 吉村氏は万博協会の副会長であり、増額を求め、実行する側でもある。そのことについては「責任逃れするつもりは全くない。僕は責任者であることは間違いないし、万博の成功に向けて動く責任者でもある」と記者団に語った。(野平悠一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
関東の上空に明るい火球 「まるで宝石が落ちたような美しさ」
27日午後10時ごろ、関東地方の上空に、夜空をゆっくりと流れる明るい火球が目撃された。 平塚市博物館(神奈川県)の藤井大地学芸員によると、平塚市に設置しているカメラに、南東の空を5秒以上にわたって移動する火球が映っていた。藤井さんは「実際に見たが、まるで宝石が落ちていくように流れ、とても美しかった」とコメントした。 SNSには「めちゃくちゃきれいだった」「すごく明るい緑色に見えた」「いいもの見た!」などと投稿が相次いだ。(東山正宜、小川詩織) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
本人不在の「やり直し裁判」 袴田巌さん姉、証言台で声震わせる
本人の姿は、法廷になかった。一度は死刑判決が確定した袴田巌さん(87)のため、姉の秀子さん(90)が出廷した。逮捕から2万889日。無罪を信じ、家族や支援者が願い続けた巌さんの裁判の「やり直し」が始まった。 「再審公判の審理を開始します。被告人は袴田巌さん」 国井恒志裁判長は初公判の冒頭に述べ、その後は被告とは言わず、「袴田さん」と呼んだ。「自己の置かれている立場を理解できず、黙秘権を理解することは甚だ困難である」と述べ、出廷を免除した理由を説明した。 秀子さんと弁護人ら計18人の弁護側に対し、検察側は3人で法廷に臨んだ。検察官が起訴状を読み上げる姿を、秀子さんはじっと見つめていた。 「秀子さんの陳述を伺う」 裁判長に促され、秀子さんは証言台の前へ。紙を持ち、時折声を震わせながら述べた。 「1966年11月15日… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
弁護士ら旧統一教会の財産保全求める 2世、政府の姿勢「後ろ向き」
2023年10月27日 22時14分 全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)は27日、東京都内で記者会見し、解散命令請求に伴う世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の財産保全についての声明を発表した。解散命令が出るまでの間に教団が財産を関連団体や海外に移すおそれがあり、被害者救済が困難になると指摘。財産保全の特別措置法をすみやかに成立させるよう改めて要望した。 全国弁連は立憲、維新の野党各党が法案を国会に提出し、自民、公明の与党が被害者救済を議論するプロジェクトチームを発足させた各党の動きを評価。ただ、与党が検討しているという民事保全法や外為法の活用など現行法での対応では「現実的な財産保全は著しく困難」と指摘し、「実効性ある特措法を作るべきだ」と訴えた。 また与党や教団側から「財産保全の法整備は憲法との関係で難しい」との意見が出ているとして「憲法上の財産権や信教の自由との調整を図りつつ、適切に財産を保全し被害者救済を図ることは十分可能」と述べた。 この日、教団の2世信者や、母親が信者だった女性らが衆院予算委員会を傍聴した。 2世信者の30代男性は、財産保全についての政府の答弁について「後ろ向きだと感じた」。与党が財産保全に関して設置したプロジェクトチームについて、メンバーに自民党の萩生田光一政調会長が入っていることに触れ、「教団と関わりがあると指摘されている議員がなぜチームに入っているのか疑念がわく」と指摘した。 また、教団が財産保全をしないよう求めて一部の自民党議員に送ったとされる文書について「(文書にあった)教団の要望通りに、与党のプロジェクトチームの検討が進んでいるように感じる」「党を超えて、私たち被害者を救うために、スピーディーにやっていただきたい」と、財産保全に向けた法整備を求めた。 60代女性は、亡くなった母親が元信者で生前1億円以上を献金したといい、教団に返金などを求めてきた。女性は「与党が財産保全について消極的な姿勢を続けていくことは、教団との関係がきれていないという風に理解される。被害者を救済しないといけないということは政党を問わず誰もが理解していること。急いで進めてほしい」と話した。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 【紙面ビューアー機能も使える】プレミアムコースが2カ月間無料!お得なキャンペーン実施中!詳しくはこちら 旧統一教会問題 2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
袴田さん再審、検察は高検が専従サポート 「有罪主張を粛々と行う」
袴田巌さん(87)の再審公判が始まった。1966年11月の初公判で無罪を訴えてから、57年後に再び迎えた初公判。有罪主張を維持する検察側と、全く違う犯人像を描く弁護側が真っ向から対立し、今後十数回の審理が続く見通しだ。 検察側は、静岡地検を主体に再審公判の準備を進めた。東京高検の検事5人ほどが専従でサポートし、有罪立証について地検と高検、最高検の3庁で幹部を含む約20人態勢で検討してきた。 「有罪主張を粛々と行う」。静岡地検の奥田洋平・次席検事は閉廷後、報道陣の取材にそう話した。確定判決で有罪の根拠の一つとされた自白調書を公判に証拠提出しなかった点は「現在の地検の判断として、立証に利用しない」と述べた。 検察幹部は取材に「自白を唯一の頼りに強引に起訴した事案ではない」と説明。袴田さんの犯人性について「相応の疑いがあるのは間違いない」とした。 静岡県警は「答える立場になくコメントは差し控える」と答えた。静岡県警の幹部は取材に「当時を知る人は県警にもういない。裁判を見守るしかない」と漏らした。 秀子さんと巌さんの弁護団も閉廷後、記者会見を開いた。 秀子さんは、初公判で行った陳述について「巌は無実だから、無罪と言うしかない。最後はね、やっぱり声が震えてきた。自然に声が震えてきた」と振り返った。今後の意気込みを尋ねられ、「あと11回だろうが15回だろうが、頑張って参ります」と力を込めた。 弁護団の田中薫弁護士は「待ち焦がれた日を、巌さんと一緒に(法廷で)迎えられなかったのは残念だ」。10人以上の弁護士が順番にマイクを握り「検察側の冒頭陳述は57年前と変わっていない」などと批判した。 記者会見は、支援者たちも見守った。傍聴した安間孝明さん(65)は「巌さんの人生を取り戻す歴史的な瞬間に立ち会えた」と話した。(菅尾保、本間久志) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
白バイに追跡され逆走、事故起こした疑い 逮捕の29歳「免許ない」
白バイに追跡されて一方通行の車道を逆走し、女性をはねてけがをさせたとして、警視庁は27日、会社員の岩橋英司容疑者(29)=神奈川県横須賀市久比里2丁目=を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕し、発表した。容疑を認めているという。 北沢署によると、岩橋容疑者は27日午前10時40分ごろ、東京都世田谷区代田1丁目で一方通行の道路を逆走。信号機のない交差点で、自転車で横断中だった同区の60代女性をはね、顔面挫傷などのけがをさせた疑いがある。女性は意識があるという。 事故直前、警視庁の白バイ隊員が、岩橋容疑者の運転する車が右折禁止の場所で右折しているのを発見。緊急走行で数百メートル追跡し、岩橋容疑者が一方通行の道路を逆走したため、追跡をやめていたという。 岩橋容疑者は調べに「免許を取ったことがない」と話しているといい、署は容疑を無免許過失運転致傷に切り替えて調べる方針。(増山祐史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「家族に顔向けできん」と自首 1億円被害の特殊詐欺事件の容疑者
大阪府警は27日、住居不定の無職、迫秀次容疑者(33)を詐欺の疑いで逮捕・送検し、捜査を終えたと発表した。2年前に出稼ぎで訪れたカンボジアを拠点に、特殊詐欺グループで電話をかける「かけ子」として事件に関与したといい、被害額は計約1億円とみられる。 曽根崎署によると、迫容疑者は何者かと共謀して昨年10月と今年5月、東京都の90代男性と80代女性の自宅に電話をかけ、息子などを装って「会社のカードが入った財布をなくした。すぐに現金が必要だ」などとうそを言い、それぞれ9800万円と300万円の計約1億円をだまし取った疑いがある。 迫容疑者は9月1日に帰国後、大阪市内のホテルを転々としていたが、16日に署に自首したという。「世間的に特殊詐欺への目が厳しく、取り締まりが強化されている。家族にも顔向けできない」と説明したという。署は17日に逮捕した。(岩本修弥) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東大前刺傷「身勝手な犯行」 19歳少年に懲役7~12年を求刑
東京大学(東京都文京区)前で昨年1月、大学入学共通テストの受験生ら3人を包丁で刺したなどとして、殺人未遂罪などに問われた当時高校2年の少年(19)=名古屋市=の裁判員裁判が27日、東京地裁で結審した。検察側は「不特定多数を無差別に殺害しようとした身勝手な犯行」と述べ、懲役7~12年の不定期刑を求刑した。判決は11月17日。 検察側は論告で、少年は学力が伸びずに自暴自棄になったが、自殺の踏ん切りがつかず「罪悪感を背負うために犯行に及んだ」と指摘。動機は身勝手で計画性があるとして、刑罰を科すよう求めた。 弁護側は、精神的に未熟な少年が起こした事件で、更生を重視すべきだとして、保護処分を視野にした家裁への再送致が適当だとした。少年は最後に被害者らに改めて謝罪。犯行当時の心情を「勉強がうまくいかなくなって自分の存在価値を見いだせなくなった」と説明し、「周りの評価を気にしたり、目立つ人に嫉妬したりするダメな性格も変えていかなければならない。事件を一生反省する」と述べた。(遠藤隆史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
九州各地でひょう、直径15ミリのものも 上空に寒気、突風に警戒を
27日午前、九州各地でひょうが降った。佐賀市内では9時過ぎに10分間ほど降り、佐賀地方気象台によると、大きいものでは直径が約15ミリだったという。上空に寒気が流れ込んで大気が不安定になった影響で、県内全域に一時、竜巻注意情報も出された。 福岡管区気象台によると、九州北部の上空約5500メートルに零下21度以下の強い寒気が流れ込んで、大気の状態が非常に不安定となっている。西日本一帯では28日朝にかけ、局地的に積乱雲が発達してひょうが降るおそれがあるほか、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意が必要という。 気象台の担当者は「寒気はこの時期としては強いもの。発達した積乱雲が近づきそうな時は、建物のなかに移動し、安全を確保してほしい」と呼びかけた。農作物や農業施設の管理も必要としている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル