阪神とオリックスによる「関西対決」となったプロ野球日本シリーズが28日、開幕する。 大阪府警は日本シリーズ覇者が決まる可能性がある試合の開始時刻から、道頓堀川がある大阪・ミナミの戎(えびす)橋周辺を中心に雑踏警備にあたる。阪神優勝時には1300人態勢で、オリックス優勝時には情勢を見極めて警察官を配置する。 道頓堀川への飛び込みを防ぐため、戎橋を見渡せる橋に幕を張るほか、川沿いの遊歩道の一部への立ち入りを禁止する。人の移動を促す「DJポリス」も5カ所に置き、将棋倒しの事故などを防ぐ。 最もファンらが殺到する戎橋では、混雑状況に応じて、3段階に分けて規制を実施する。①左側通行②南から北への一方通行③南側を封鎖。「優勝の雰囲気を味わいたいファンもいるので、何とか封鎖せずに人を流したい」(府警幹部)という。 日本シリーズは最短で11月1日に勝者が決まる。府警は10月28~31日、G7大阪・堺貿易大臣会合やハロウィーンの警備に追われる。府警幹部は「なかなか休めないが、万全の態勢でぬかりない警備をして事故を防ぎたい」と話す。(三浦淳) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
阪神なんば線シリーズは「ご近所対決」 電車で20分、地元も熱いぞ
阪神とオリックスによる「関西対決」となったプロ野球日本シリーズが28日、開幕する。両球団の本拠地を結ぶ路線から「阪神なんば線シリーズ」とも呼ばれ、電車で約20分の「ご近所対決」となった。それぞれの地元は、チームの日本一を願って応援に熱が入る。 阪神なんば線は、尼崎(兵庫県尼崎市)―大阪難波(大阪市)間の10・1キロ。区間中にオリックスの本拠・京セラドーム大阪に近い「ドーム前駅」(同市)があり、尼崎駅を経由すると、阪神甲子園球場の玄関口である「甲子園駅」(兵庫県西宮市)がある。 「ドーム前」と「甲子園」両駅間は13・4キロで直通ならば20分ほど。関西対決が決まるや、X(旧ツイッター)で「阪神なんば線シリーズ」がトレンド入りした。 商店街に再びマジック点灯 尼崎駅に近い尼崎市の尼崎中央3丁目商店街は「タイガース推し」で知られる。27日午前、アーケード内にあるマジックボードに再びマジック「7」を点灯させた。毎年、公式戦の開幕直前に「日本一早いマジック」を点灯させ、勝つたびにその数を減らしてきた。 18年ぶりのセ・リーグ優勝から一夜明けた9月15日、集まった数百人のファンが見守るなか、マジックはついに「0」になった。そのマジックボードを写真に撮るファンがいまも後を絶たず、東京をはじめ県外からも多くの阪神ファンが足を運ぶようになっていた。 商店街はいまもリーグ優勝セ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
何度も目にした粗雑な葬儀 日雇い労働者の最期、見守る女性の思い
祭壇には顔写真とたばこ、そして甘めの缶コーヒーが供えられている。 スタッフ4人が順番に焼香をあげ、棺に花を入れていく。 「安らかな顔だね」 「ゆっくりしてね」 「日雇い労働者のまち」として知られる大阪市西成区の釜ケ崎。 サポーティブハウスと呼ばれる支援付き福祉マンション「メゾンドヴューコスモ」に入居していた男性の葬儀が今年4月にあった。 コスモを営む山田尚実さん(65)は、懐かしそうに笑みを浮かべた。 「『ありがとう』って言って、今にも起きてくるよ」 男性は3月、誤嚥(ごえん)性肺炎にかかり79歳で亡くなった。 奈良県生まれ。中学を卒業後、大阪の建設現場で日雇い労働者として生きてきた。 福祉関係者の紹介でコスモに移り住んだのは2020年。 内縁の妻に金をとられ、飢え死に寸前の状態だったという。 移る前の部屋はごみであふれ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
虫捕獲に手間取り新幹線に遅れ 「快適な旅のため」 東海道新幹線
27日午前6時50分ごろ、名古屋市中村区内にある東海道新幹線の車両基地で、運転士が出発前点検で車内巡回をしていたところ、客車内にガのような虫が入り込んでいるのを見つけた。 この車両は名古屋駅を午前7時38分に出発する上り「こだま702号」となる予定だったが、虫の捕獲に手間取ったことから、急きょ別の車両に差し替えられた。このため、こだま702号は出発が14分遅れ、乗客約690人に影響した。 JR東海によると、虫は3・5センチほどの大きさだったといい、基地の係員らが捕獲したという。同社は「虫がいたままでは、快適な旅行が妨げられると判断し、車両を差し替えた」と説明している。(細沢礼輝) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
反省点は「疑われたこと」 カルテル認定に反論・提訴 九電の論理は
電力自由化を骨抜きにする違法行為か、それとも認定の誤りか。大手電力4社のカルテル事件で、公正取引委員会から27億円余りの課徴金納付などを命じられた九州電力が、処分取り消しを求めて東京地裁に提訴した。「合意はなかった」と徹底して法廷で争う構えだが、同時並行で「疑われたこと」は反省して再発防止を徹底するとも強調する。(江口悟) 電力大手が互いに相手の地域での顧客獲得を控えたとされるカルテル事件は、2016年の電力小売り全面自由化をきっかけに関西電力が中部電、中国電、九電に持ちかけて始まったとされる。公取委が認定した事実は次のようなものだ。 関電は17年11~12月ごろから、事業者向けの電力販売で3社の供給区域に安値攻勢で進出を図った。その際に「仁義切り」と称して経営層が訪問、方針を伝えた。いったんは競争が激化したが、関電は翌18年夏ごろから一転、利益確保で安値競争をやめる方向にかじを切る。 九電の供給区域では、関電は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
民家に絶滅したニホンオオカミの骨 「国内で最も密集」する村の秘密
丹沢山地の東方にあたる神奈川県唯一の村。清川村煤ケ谷(すすがや)地区の民家に、絶滅したとされるニホンオオカミの頭骨4体と前脚の骨1体がそれぞれ保存されていたことが確認された。「山の神」としてニホンオオカミをまつる武蔵御嶽(みたけ)神社(東京都青梅市)の依頼で同村文化財保護委員長の飯塚利行さんが調査した結果わかった。11月6日、相模原市で開かれる「相模国霊場研究会」で発表される。 「清川村は日本国内で最もニホンオオカミの骨が密集した地域ではないか。保存状態も極めて良好だ」 飯塚さんはそう話す。 きっかけは、武蔵御嶽神社へ参拝する「御嶽講(こう)」の関係者を通じ、平塚市の住民がオオカミの頭骨を神社に寄贈したことだ。その際、かつてこの頭骨を調査した小原巌・元国立科学博物館科学教育室長の論文などが見つかった。骨はもともと、清川村の民家で大切に保存されていたものだったという。 今年は12年に1度の武蔵御嶽神社の「大口真神(おおくちまがみ)式年祭」(4月15日~5月21日)開催年にあたる。大口真神とはニホンオオカミの尊称。神社は、清川村の関係者に、骨がこのほかに家の中に保存されているかどうか調査を依頼した。 ニホンオオカミは「神の使い」? 飯塚さんによると、県立生命… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
桃太郎神社でさい銭盗まれる 「鬼の目にも涙」 犯人の情けに望み
桃太郎伝説が残る山梨県大月市の観光スポット「桃太郎神社」で、さい銭箱が盗まれる被害があった。27日で発生から1カ月になるがさい銭箱は戻らぬまま。神社関係者は「『鬼の目にも涙』という言葉もある。返してほしい」と話し、犯人の情けに望みを託す。 神社は、桃太郎伝説を生かした街おこしに取り組む市民グループ「大月桃太郎連絡会議」が昨年1月、大月駅近くの空き店舗に作った。入り口の木造の鳥居をくぐると、赤鬼像がにらみを利かせている。その赤鬼の足元に置いてあったさい銭箱が盗まれた。 事務局長の箕田(みのた)雅友さん(73)によると、さい銭箱は木製で、横約15センチ、縦と奥行きはともに約7センチ。市販品で数百円程度という。 「事件」は9月27日午後2時ごろに起きた。通行中の知人女性が、さい銭箱らしきものを抱えて神社から外に出る男性を見つけ、道路の向かいで印章店を営む箕田さんに通報。箕田さんと女性は立ち去る男を追いかけたが近くの路地で見失った。直後に神社をのぞくと、さい銭箱はなくなっていた。女性は取材に「とてもショックです」と話す。 現場は商店街だが空き店舗が目立ち、利用客もまばら。そんな市街地に少しでもにぎわいを取り戻したくて、桃太郎伝説にまつわる紙芝居や絵などを制作する約40人の会員が7年前から活動してきた。神社は無宗教の観光施設で、伝説を紹介する資料や地図を少しずつ増やしてきた。 「真っ昼間にこんなことが起きるなんて信じられない」と箕田さん。かつての人通りを知るからこそ、悔しさもひとしおという。翌日、神社の入り口に「心当たりのある方は申し出てください。桃太郎軍団が必ず滅ぼすぞ!」と強い口調の呼びかけ文を貼りだした。 盗まれたさい銭の金額は不明だが、8月下旬に約2500円分の小銭を回収したばかり。昨年は1年間で約5千円が寄せられたという。被害金額は少額とみて、警察に被害届は出していない。 さい銭は電気代や資料制作費に充てているが、運営は赤字という。箕田さんは「桃太郎は正義と勇気のヒーロー。桃太郎伝説を大切にする場所で盗みをはたらくとは悲しい」と肩を落としている。(池田拓哉) ◇ 大月の桃太郎伝説 山梨県上野原市から大月市にかけ、旧甲州街道沿いに犬目、鳥沢、猿橋という地名が並ぶ。これらが「鬼退治を決意した桃太郎が、街道で犬・キジ・猿と次々に出会って家来として引き連れていった」という物語を連想させるとして、街おこしに生かされている。大月市も取り組みを後押しし、市産業観光課に「大月桃太郎課」との愛称を付けている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「なにか、おかしい」 ECサイト不正、見破った社員はどう防いだか
クレジットカードなどによるECサイトの不正利用。被害に遭うのは消費者だけではない。サイト運営者にも損害は生じ、企業はその対策に頭を悩ませている。「ブランドイメージを守らなければ」。約600万円をだまし取られた企業がとった自衛策とは。 「なにか、おかしい」 美容や健康器具などを手がける「MTG」(本社・名古屋市)コンテンツ企画課の鶴田航平さんが、違和感を抱いたのは昨年3月のことだった。 立ち上げたスキンケアブランドの公式オンラインショップ。期間限定発売の1本1万1千円の美容液を何本もまとめて購入したり、2万5千円のセット商品をいくつも注文したり。個人の顧客の購入傾向からすれば、ふつうの注文の仕方ではない。 詳しく調べると、いくつか不… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
住民グループはなぜ反対? 市はどう説明? 豊橋市の新アリーナ計画
愛知県豊橋市中心部の豊橋公園に市が計画する多目的屋内施設(新アリーナ)をめぐり、反対する住民グループが計画の賛否を問う住民投票条例の制定をめざし、署名集めを始めている。住民グループは何を問題にし、市はどう説明しているのか。 《新アリーナ》 愛知県豊橋市が計画している収容5千人以上の多目的屋内施設。プロバスケットボールBリーグの試合会場や県の体育館のサテライト施設としても使われる見込みで、市は2027年度の開業をめざしている。民間資金も取り入れて整備する。市によると事業費は、新アリーナと豊橋公園東側の整備、30年間の維持管理費について最大で総額230億7千万円を見込む。ほかにアリーナ整備に伴う豊橋球場移設に用地購入費約13億円、整備費約23億円の総額約36億円がかかるという。 新アリーナ計画は曲折をたどってきた。もともと、3期務めた佐原光一・前市長が進めていた。2020年11月の市長選で、豊橋公園内での整備計画を「白紙に戻す」としていた浅井由崇・現市長が当選。ところが、市は昨年5月、新アリーナの建設候補地として豊橋公園内を選んだと発表した。交通の便などを理由に挙げていた。 計画に対し駐車場や交通アクセスなどに問題があるとして、昨年11月、今回と同じ住民グループが住民投票条例の制定をめざし署名活動を開始。必要な署名を集め、今年2月に直接請求をした。これを受け、市長は「制定する意義は見いだし難いと考えている」という意見をつけて条例案を提出し、市議会は議案を否決した。住民投票は実施されなかった。 今度は5月末に市が、豊橋公園にある豊橋球場を三河湾に面する豊橋総合スポーツ公園(豊橋市神野新田町)の隣接地に移し、球場の跡地に新アリーナを整備する修正案を明らかにした。もともとアリーナを造るつもりだった豊橋公園内の別の場所は、一部が朝倉川の「家屋倒壊等氾濫(はんらん)想定区域」(県指定)に含まれていたためだと、市は説明した。 さらに、別の防災上の問題が浮上する。豊橋総合スポーツ公園の隣接地は、南海トラフ地震が起きると高さ最大2~3メートルの津波が来て、液状化が想定される場所だった。これに対し市は7月の記者会見で、球場は盛り土の上に整備し、球場自体や近くの公共施設を津波避難ビルに指定するという対策案を明らかにした。 反対住民「命守る基本から逸脱」 「野球場から一番近い総合体育館までは直線距離で1キロ程度。走って逃げることができる人もいるかもしれないが、多くの人たちは野球場の外へはなかなか出られない」。今月9日、豊橋市民文化会館で開かれた新アリーナ問題シンポジウムで、講師を務めた東三河くらしと自治研究所代表の宮入興一・愛知大学名誉教授は、そう指摘した。 24日に署名活動を始めた住民グループの佐藤清純共同代表(74)は「野球場をあそこに移すなんて普通の自治体では考えられない。市民の安全や命を守ることが行政の基本。そこを逸脱することがまず絶対おかしい」と訴える。 こうした指摘に市側は、どう説明するのか。 市側「盛り土して避難場所にも」 多目的屋内施設整備推進室の大林均世室長は取材に「防災拠点としても使う新アリーナの整備位置はすでに見直した。津波が来る可能性がある球場の移設先には盛り土をして避難場所としても整備していく」と説明。球場の移設先については「地震が来たときに津波の恐れがあり、液状化の心配があるというのは承知していた。海側には耐震補強した堤防(高さ約6メートル)もあり、津波対策をしっかりやって整備を進めていく認識だった」。そのうえで大林室長は「事業者からの提案で具体的な話ができるようになれば、市民に情報を提供できる」と話した。 市議会で過半数を占める自民党市議団の坂柳泰光団長は「市の活力に寄与する公共施設になり得るだろうと考え、推進をしている」として計画を容認する。ただ「誤解されている方や反対の方がいるのだったら行政側がしっかりと考え、今後の対策も含めて、市民に理解してもらう場をつくっていったらどうか」と注文をつける。 市は10月中にも新アリーナと豊橋公園東側を整備する事業者の公募を始める意向だ。浅井市長は「進捗(しんちょく)に合わせて、市民の皆さまに様々な方法でお伝えしながら、安心・安全を第一に考え、事業を進めていく」と話している。 《住民投票条例の直接請求》 地方自治法の規定に基づき、有権者の50分の1以上の署名により、市民が市長に条例制定を直接請求できる。審査終了時点で有効な署名数に達していれば、市長は条例制定代表者が提出した住民投票条例案に意見をつけて議会に提出しなければならない。豊橋市の9月1日現在の選挙人名簿登録者数29万5945人を当てはめると、5919筆の署名で50分の1以上となる。 ◇ 名古屋大学の福和伸夫名誉教授(地震工学)の話 多様な用途がある公共施設の整備には、施設に関わるステークホルダー(利害関係者)の人たちが丁寧に議論をしたうえで合意形成をしていくプロセスが重要だ。野球場を避難場所にすれば安全になるが、経路は津波で浸水する。避難する途中で、液状化や揺れの問題など別の困難がある。行政は、十分丁寧に住民に説明する必要がある。(戸村登) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
世界に誇る「水の山」を次代に 南アルプス地元の企業と高校生が連携
南アルプスや八ケ岳からもたらされる水の恵みを次世代にどう伝えるか。「名水の里」として知られる山梨県北杜(ほくと)市で、水資源を利用する企業・団体と高校生がともに考えるプロジェクトが進んでいる。 9月7日、北杜市の有限会社アグリマインドのガラス温室。高さ約3メートルのトマトの株の列が、垣根のように整然と並ぶ。高校生5人が地下水を利用してトマトを栽培する様子を見学した。 北杜高1年の白倉良紀さんは「親戚がトマトを栽培しているが、あまりにもイメージが違って驚いた。水の大切さはわかっているつもりだったが、改めて実感した」と語った。 これは北杜市が今年度から始めた「世界に誇る『水の山』ユースアイデアプロジェクト」の一環だ。 南アルプスの甲斐駒ケ岳や八ケ岳、茅ケ岳などの山々に囲まれた北杜市は70を超す湧水(ゆうすい)や滝が分布し、日本名水百選にも3カ所が選ばれている。 市はそれらの名水をブランド化して世界に発信しようと、2015年に「世界に誇る『水の山』宣言」を発出した。さらに、水環境の保全に賛同する七つの企業・団体とパートナー協定を結んだ。 今回のプロジェクトは学校も加わり、協定を結んだ企業側と高校生を結びつけて「水と暮らすサステイナブルなまち 北杜市」をめざして交流。将来に向けたアイデアを提言してもらう企画だ。 SDGsの目標6で「安全な水とトイレを世界中に」が掲げられている。水は目標15の「陸の豊かさも守ろう」などとも関連がある。 「農業の概念が覆った」「未来の姿を見た」 アグリマインドで出迎えたの… この記事は有料記事です。残り2684文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません 【紙面ビューアー機能も使える】プレミアムコースが2カ月間無料!お得なキャンペーン実施中!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル