棚橋咲月2023年9月22日 20時34分 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設工事が進む米軍キャンプ・シュワブ(名護市)のそばに置かれた、海の埋め立てに反対するメッセージが込められたオブジェを米兵が壊していたことがわかった。制作者から被害届を受けた県警が器物損壊の疑いで捜査。名護署が米兵らから事情を聴いている。 壊されたのは「地球の涙」と名付けられたオブジェで、高さ1・8メートル、幅1・5メートルの鉄製。制作者の男性(74)によると、6月26日にシュワブのフェンスと歩道の間にある空き地に設置した。米軍から「敷地内にあたる」として撤去を求められ、対応を検討すると返答。翌日、基地との境界を示す黄色い線が現場に引かれた。 28日朝、オブジェは一部が取り外され、傷ついた状態で見つかったという。 今月中旬、米軍側は名護署を通じて男性に謝罪の意向を示し、破損した部品の補償金として660円の支払いを申し出たという。男性は「表現の自由が侵害されたことに抗議したい」と話している。(棚橋咲月) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
浦添市の公式動画「市長が美女とホテルへ」 セクハラ批判受け謝罪
有料記事 棚橋咲月 上地一姫2023年9月22日 20時51分 沖縄県浦添市の松本哲治市長がアプリ「TikTok(ティックトック)」に投稿した動画に対し、セクハラにあたるとの批判が相次ぎ、松本市長が22日、記者会見を開いて謝罪した。市長が女性を誘うシーンなどをめぐって、「女性蔑視だ」といった指摘がSNS上で相次いでいた。 動画は市内に開業したホテルをPRするため、6月に市のアカウントから投稿された。「市長が美女とホテルへ」というピンクと白のテロップとともに、市長が女性を部屋に招き入れる場面から始まる。実際は、女性はホテル従業員という設定だ。「せっかくなら君も一緒にプール入らない?」と誘う場面もある。 松本市長が出演する動画は昨年10月から今年6月まで計25本投稿された。市長を含めた市側とクリエーターが相談して内容を決めたという。 会見で松本市長は「どうやったら見ていただけるのか、驚きを動画の中に入れるということが先行してしまい、配慮に欠けていた」と釈明した。現時点で動画の削除などの対応を取る考えはないとした上で、過去の動画を含め内容を検証する考えを示した。 松本市長は「ギリギリOKだろうということで配信を行っている。私の中では大丈夫かと思っていた」とも述べ、「視聴者、市民、多くの関係者に深くおわびを申し上げる」と謝罪した。 深刻な人権問題はらむ ジェンダー問題や若者文化に… この記事は有料記事です。残り754文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高2自殺の報告、提出は4カ月後 学校「失念した」、県も督促せず
福岡市の私立高2年の女子生徒(当時16)が今年5月に遺書を残して自殺した問題で、学校は22日、自殺の経緯などの調査結果の報告書を福岡県に提出した。報告書は児童・生徒の自殺が判明した場合にすみやかに提出するよう国が求めているが、提出まで約4カ月もかかり、県もほとんど督促していなかった。 学校によると、生徒は5月中旬に「(他の生徒から)無視されてつらかった」などと書いた遺書を残して亡くなった。 学校は教員への聞き取りなどでいじめが疑われる事実はなかったと結論づけたが、いじめの有無にかかわらず自殺があった場合に求められる報告書を提出していなかった。学校側は「失念していた」と説明しているという。 県私学振興課の担当者は自殺直後に警察からの情報提供で事態を把握。学校からの連絡はなく、約1カ月後の6月20日に問い合わせたところ、学校は自殺の発生を認めたという。その際に報告書の提出を求めたが、女子生徒の自殺について一部報道が出た9月14日まで督促せず、同課内で自殺があったことの情報共有もしなかったという。 母親が会見「考えられないずさんさ」 担当者は「(報告書について… この記事は有料記事です。残り322文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「棚上げ」答弁は「保留」の意味?広島にくすぶる米国の原爆投下責任
広島市の平和記念公園と米ハワイ州のパールハーバー国立記念公園との姉妹公園協定をめぐり、広島市の局長が市議会で「原爆投下に関わる米国の責任の議論を現時点では棚上げする」と答弁した件で被爆地に波紋が広がっている。22日の市議会でも議論の的になったほか、平和団体の関係者らが反発。あの日から78年経ってもくすぶり続ける問題の根深さが浮き彫りになった。 「棚上げという言葉は、一般的には問題の解決処理そのものを放棄するというものではなく、あくまで事情に応じて、一時的に保留するというものだ」。22日の市議会で、前日の「棚上げ」発言の真意を問われた同市の村上慎一郎市民局長はそう答弁した。「姉妹公園協定がアメリカ国家の責任を不問免罪にするためのものではないということを理解してもらうために用いた」と述べた。 問題の発端となった協定は、5月に広島市であった主要7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、米国側が「太平洋戦争の当事者間の相互理解と平和の推進を目的とする」などとして市側に打診したものだ。若い世代向けの教育に関する経験の共有などを想定している。市は「サミットで発表された核軍縮に関する『広島ビジョン』の機運醸成につながる」と応じたが、平和団体からは「真珠湾攻撃と原爆投下が同一線上で語られている」との懸念や、広島ビジョンが核抑止論を正当化する内容だったことから批判の声が上がっている。 「棚上げ」という表現について、広島市の松井一実市長は22日、朝日新聞の取材に対し、自身と調整済みの文言だったと認めた。 意図については、日米間で平… この記事は有料記事です。残り900文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ジャニーズ被害者の会代表が警察に被害相談 実名告発で中傷数万件
原晟也2023年9月22日 21時24分 故・ジャニー喜多川氏による性加害問題で、実名で被害を告発した被害者への中傷が相次いでいるとして、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」の代表、平本淳也さん(57)が22日、神奈川県内の警察署を訪れ、被害を相談した。平本さんは「本来であれば、こういう行動にならなければ一番いい。メンバーのためにも、自分が行動できるのであれば、勇気を与えられればと思っている」と話した。 平本さんに対するSNS上での中傷は数万件にのぼるといい、「死ね」「生きる資格がない」「消えろ」といった文言が書き込まれたという。平本さんは「恐怖を感じながら不安な中での生活が続いている。精神安定剤や睡眠薬を服用する現状がある」と話した。 今後、刑事告訴に向けて、名誉毀損(きそん)などを視野に署と相談するという。署は「受理に向けて一緒に進めていきたい」としている。(原晟也) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アバターで学ぶ「学校」が本格始動 東京都教委が改良、3D化も
オンライン上につくった学校のような仮想空間が、22日から本格始動した。 不登校の子どもらが仮想空間の中でアバター(分身)を動かし、友達とおしゃべりしたり、学習したりできるシステムだ。都内8区市の小中学校や都立高校生向けに、順次利用が始まる。 仮想空間は、東京都教育委員会がつくった「バーチャル・ラーニング・プラットフォーム」という仕組み。パソコンやタブレット端末で使える。 教室や交流スペースに見立てたオンライン上の空間内で、子どもが自分のアバターを動かし、遠隔で授業を受けたり、他の子と会話をしたりできる。 不登校や日本語指導が必要な… この記事は有料記事です。残り297文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
おかえり「SLあそBOY」 JR豊肥線で18年ぶり1日限定復活
日吉健吾2023年9月22日 19時00分 【動画】おかえり!「SLあそBOY」 18年ぶり1日限定復活=日吉健吾撮影 「SLあそBOY(ぼーい)」が22日、18年ぶりに1日限定で復活し、JR豊肥線の熊本(熊本市)―宮地駅(阿蘇市)間を1往復した。沿線では、その雄姿を住民らが見守った。 現在、鹿児島線の熊本―鳥栖駅(佐賀県)間を運行する「SL人吉」が来年3月で引退することからJR九州が企画。車両を牽引(けんいん)する蒸気機関車「58654号機」は、1922年製の8620型で形式名から「ハチロク」とも呼ばれる。75年に一度引退したが、88~2005年に「SLあそBOY」として運行。09年に「SL人吉」として再び復活を遂げていた。 同県南阿蘇村立野にある急斜面で列車が前後進しながら運行する三段式(Z型)スイッチバック区間には、黒煙を噴き上げながら疾走する姿を撮影しようと多くの写真愛好家が集まり、一斉にシャッターを切っていた。(日吉健吾) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
8月の台風7号、政府が激甚災害に指定へ 補助率引き上げで復旧支援
大山稜2023年9月22日 19時00分 8月に近畿地方を縦断し各地に暴風雨の被害をもたらした台風7号について、政府は22日、激甚災害に指定する方針を固めた。松村祥史・防災担当相が閣議後の記者会見で明らかにした。近く閣議決定する。 農地や農業用施設の復旧事業については地域を限定せず、被災した全自治体を対象に国の補助率を引き上げる。さらに鳥取県三朝(みささ)町には「局地激甚災害(局激)」を適用し、公共土木施設の復旧事業を同様に支援する。 台風7号は8月15日に近畿地方に上陸。岡山、鳥取両県で線状降水帯が発生したほか、鳥取県に大雨特別警報が出た。東海、近畿、中国の各地方を中心に、住宅への土砂流入や河川の増水による道路崩落などの被害が相次いだ。(大山稜) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
研究者収集の沖縄遺骨、返還請求棄却の一審判決を支持 大阪高裁
森下裕介2023年9月22日 14時38分 1400年代の有力者らの墓とされる沖縄県今帰仁村(なきじんそん)の「百按司墓(むむじゃなばか)」から、京都帝国大(現京都大)の研究者が昭和初期に収集した遺骨を巡り、県出身者らが返還を求めた訴訟の控訴審判決が22日、大阪高裁であった。大島真一裁判長は、原告側の請求を棄却した一審判決を支持し、原告側の控訴を棄却した。 遺骨は京都帝大医学部の研究者によって1930年ごろに収集され、現在も一部を京大が保管している。原告は、15世紀に琉球を治めた王家「第一尚氏」の子孫などにあたるといい、「琉球民族の慣習にのっとると、祖先の墓は一族の末裔(まつえい)全てで守るものだ」として所有権を主張した。 昨年4月の一審・京都地裁判決は、遺骨の所有権は明確に定めるべきだとし、「不特定多数が返還請求権を行使できない」と判断した。原告らの心情に酌むべき点があるとする一方、遺骨には「貴重な資料としての性質もある」と指摘。「関係機関を交え、返還の是非や時期を協議し、解決に向けた環境整備が図られるべきだ」と述べた。(森下裕介) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
いまも決着しない水俣病 救済法の漏れ問う裁判、判決で道筋見えるか
記者解説 水俣支局長・今村建二、大阪社会部・北沢拓也 「水俣病は決着した」 1956年に熊本県水俣市で公式確認された公害病は、過去何度もこんな言葉で幕引きが図られた。原因企業のチッソや国は補償や支援策を示したが、不十分さを指摘し、被害者救済の間口を広げてきたのが司法だった。患者の認定基準のハードルを下げる判断を示し、支援につながった。それでも、なお救済の網から漏れた人たちは多く、裁判が続いている。 最初の裁判が起こされたのは公式確認の13年後だった。メチル水銀の海への排出は、56年以降も「原因は特定されていない」として続いていた。チッソは59年に低額の見舞金契約を患者と結んだ。内容には「将来、原因が工場排水と決定しても新たな補償要求は一切しない」と盛り込まれ、これで問題は決着したと主張された。 「会社」といえばチッソを指す企業城下町で責任を問うのは、被害者にとって相当な覚悟が必要だった。68年にようやく政府が水俣病を公害だと認定。患者が補償や救済を求め声をあげた(1次訴訟)。73年3月の熊本地裁判決はチッソの責任を断罪し、補償を命じた。判決確定後、チッソと患者との間で補償協定が結ばれた。 水俣病の患者かどうかは国の基準に基づいて熊本、鹿児島両県が認定する(新潟水俣病は新潟県と新潟市)。認められれば、年金や医療費が支払われる。 ポイント 水俣病は勝訴を重ねて2度も「政治決着」したはずだったが、今も解決していない。救済の網から漏れた被害者が起こした裁判で、これから半年の間に判決が相次ぐ。見えにくい被害の実相をつかむため国は調査を実施し、救済に道筋をつけるべきだ。 感覚障害など同様の症状があ… この記事は有料記事です。残り3488文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル