上保晃平 古畑航希2023年9月17日 19時30分 性的少数者への理解や差別解消を呼びかけるイベント「さっぽろレインボープライド」が16、17の両日、札幌市中心部であった。17日のパレードには性的少数者や支援者など900人以上が参加。多様な性を象徴する虹色の旗やプラカードを掲げて街を歩いた。 「さっぽろレインボープライド」は2018年に始まり、今年で6回目。今回のテーマは「#雨上がりの札幌は美しい」で、性的少数者などへの土砂降りのような差別がなくなり、晴れた空に虹がかかってほしいとの願いを込めた。 パレードは午後2時すぎにスタート。「レインボーフラッグ」やメッセージが書かれたプラカードを掲げ、大通公園周辺や札幌市時計台前など約3キロを1時間ほどかけて歩いた。途中で小雨が降ったが、沿道にも多くの人が集まった。 虹色の傘を差して沿道から手を振った札幌市豊平区の山口たかさん(73)は「いろんな性のあり方があって、誰もが尊重されるべき。応援している人はたくさんいると伝えたかった」と話した。 終了後、参加者らは雨上がりの空にシャボン玉を飛ばし、多様な生き方を認める社会の実現を願った。(上保晃平、古畑航希) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
にぎやかなサンバ、浅草に帰ってきた 4年ぶりにカーニバル開催
狩野浩平2023年9月17日 20時28分 新型コロナウイルス感染症の影響で4年ぶりとなる「浅草サンバカーニバル」が17日、東京都台東区で開かれた。18団体約3千人の老若男女が軽快な音楽と踊りを披露しながら、雷門前の大通りを練り歩いた。 1981年に始まったカーニバルは約50万人が訪れる一大イベントだったが、2020~22年は開催できず、代替イベントを開くなどしてきた。 4年ぶりとなる今年も「縮小版」として、パレードの距離を半分にしたりコンテストを取りやめたりした。 それでも大通り沿いは大勢の立ち見客でごった返し、警察が雑踏事故や熱中症への警戒を呼びかけた。 参加チーム「G.R.E.S. FESTANC(Cにセディーユ付き)A」は今年で結成30周年。代表の上坂泰史さん(55)は、「コロナ禍で活動が制限され、メンバーも減って存続の危機だった。チームの記念すべき年に雷門前にようやく帰ってこられて、最高に楽しいです」と話した。 千葉県柏市から初めて訪れた病院職員の女性(39)は、パレードの参加者たちに向けて、沿道の最前列から大きな手拍子と歓声を送った。 「にぎやかなお祭りで楽しい。盛り上がって帰りたいです」と話した。(狩野浩平) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
全国八幡宮トップに捧げるワイン 「いいちこ」製造元
全国に約4万ある八幡神社の総本宮、宇佐神宮(大分県宇佐市)は再来年の2025年に、創建1300年を迎える。その記念に赤ワインが限定生産されることになった。手がけるのは麦焼酎「いいちこ」で知られる酒造会社。関係者は「八幡様のご加護で芳醇(ほうじゅん)な香りのワインになるように」と期待を寄せる。 神社といえば一般的にお神酒の日本酒のイメージだが、宇佐神宮が今回、ワインを生産するのには理由がある。 宇佐市はブドウの産地で、本… この記事は有料記事です。残り583文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
秋本議員、本業は馬主? サンデーサイレンス系で交配、レース調整も
洋上風力発電事業をめぐり、業者から6千万円超の賄賂を受け取ったとして逮捕された衆院議員の秋本真利容疑者(48)。賄賂の使途とされたのは、全て競馬の「馬主」としての経費だった。血統を吟味した交配から出走レースの調整までを1人で行うという趣味は、永田町でも知られていなかった。「本業は国会議員じゃなくて馬主では」との指摘も出るほどの没頭ぶりとは――。 「川崎競馬に出走する予定の馬が、出走せずに勝手に別の所に移された。どうしたらいいか」 関係者によると、秋本議員は逮捕数日前の今月初め、周囲にこう漏らした。既に東京地検特捜部の任意聴取を数回受ける中、心配していたのは「馬の今後」だった。 政界の「兄貴」にも隠した趣味 秋本議員は根っからの競馬好きだったが、拍車を掛けたのが「日本風力開発」(東京)の塚脇正幸前社長(64)=贈賄容疑で在宅捜査=との出会いだった。 再エネ拡大をライフワークに… この記事は有料記事です。残り1433文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
65歳以上の高齢化率、過去最高の29.1% 高齢者人口は初の減少
総務省は18日の「敬老の日」に合わせ、65歳以上の高齢者の人口推計を公表した。9月15日時点の高齢者は3623万人。総人口に占める割合は前年比0・1ポイント増の29・1%で過去最高を更新した。80歳以上は前年比27万人増の1259万人で、初めて「10人に1人」に達した。 65歳以上の女性は、前年と同じ2051万人(女性人口の32・1%)、男性は前年より1万人少ない1572万人(男性人口の26・0%)。男女を合わせた高齢者人口は、統計上比較できる1950年以降で初めて減少に転じた。現在65歳を迎えているのは47~49年に生まれた「団塊の世代」以後の世代で、比較的人口が少ないことが影響した。 団塊の世代が大きな塊となっている75歳以上では、前年比72万人増の2005万人で、初めて2千万人を超えた。団塊の世代は来年以降、全員が75歳以上になるため「高齢者の高齢化」がさらに進む。 社会全体の高齢化傾向も続く。団塊の世代の次に大きな塊となっている71~74年生まれの「団塊ジュニア」世代が65歳以上になる40年には、総人口に占める高齢者の割合は34・8%(社会保障・人口問題研究所の推計)になる見込みだ。 ■人手不足の産業で増える高齢… この記事は有料記事です。残り533文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
みそ汁に巻きずしに丼に…欠かせぬ名脇役、ダシが染みる「南関あげ」
午前3時半。福岡県境に接する熊本県南関(なんかん)町の南関食品で、あげが次々に揚がっていた。 豆腐の水を十分に切り、薄切りにする。最初に低温、次に高温の油にくぐらせる。これによって水分をすべて飛ばしてできる油揚げが、「南関あげ」だ。 古くから地域で愛され続け、保存期間の長さが特徴の一つ。常温で3カ月、冷蔵庫なら半年もつ。そのなかでも「できたては格別。塩をかけるだけでうまい」と津留満彦(みちひこ)さん(69)。味はサラダせんべいに似ており、サクサクとした食感。まるで麩(ふ)菓子のようだ。 九州に幅広く流通、人気の一品は「南関あげ巻きずし」 津留さんは15年ほど前に先… この記事は有料記事です。残り660文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京大のいま 「不自由が増えた」「形式的」と変容を感じる教員、学生
自由の学風で知られる京都大学だが、教員や学生の目には、今の京大はどう映っているのか。 まず、京都大学職員組合の中央執行委員として学内の課題についての発信も続けてきた、大学院教育学研究科の駒込武教授に聞いた。 ――京都大学にはいつ着任されましたか。 1999年、お茶の水女子大学(東京都)から京都大学に移ってきました。教育学研究科に所属し、日本植民地期の台湾における教育の歴史を研究しています。 京大に着任当時、驚いたことがあります。時計台前に3階建てのやぐらが立っていて、そこに学生たちがたむろし、日の丸と君が代を法制化する「国旗・国歌法案」に反対する「三次元闘争」と、立て看板(通称タテカン)に書いていました。 政治的なことをお祭り的な空間を通して発信する。日常の中に異物を作り出して、考えるきっかけを提起し、かんかんがくがくの議論が始まる。そうした自由の体現が京大の特徴だったという風に思います。 時計台前のやぐらなんて今は想像もできない状況になっています。権力を持っている人がきれいに空間を管理している。それはパブリック(公共的)に見えてそうではない。本来は教職員と学生、市民という枠組みを超えて議論できる空間こそがパブリックなはずです。 しかし、現実には色々と不自由が増えて、パブリックな空間が狭まっています。その象徴がタテカンの撤去です。 あるいは、風物詩となっている卒業式の仮装ですが、今年は大学側が無断で設置されていたとして道具を撤去しました。大学自身が不自由になって、関係者も不自由になっているという側面があるのでしょう。 大学の研究 幅を持ってやっていくべき ――京都大学は、世界トップレベルの研究力をめざす大学を作る「国際卓越研究大学」に応募しました。 実は、教授会を含めて学内では情報が入らず、新聞記事で初めて知りました。 資金を得られやすい分野にだけ研究が集中するのではないかと懸念します。いつ、どの分野の学問のニーズが社会で高まるか予測することは難しい。 ウクライナがここまで注目されると誰が予測できたでしょうか。専門的な研究者を生み出すには10年はかかります。無駄に思えても大学の研究は幅をもってやっていく必要があります。 もちろん、市民は社会に向けた研究の発信を大学に求めることができますし、大学はそれに応えるべきです。 ただ、いま政府が大学を社会に開けという時の「社会」は、一部の大企業の意向に限られてしまっていると感じます。 ――今後どのように研究や教育活動をしていきたいですか。 学生には「よい文章を書く」ということに主眼を置いて指導しています。特に大学の卒業論文は、自分とは何者かを追い求めてもらうようにしています。 「体験に根ざした語り」には説得力がある。自分の体験に根差しながら、他者の体験にも通じる、奥深い文章をつむぐ力を高めてもらいたいです。 学生は社会と大学の接点にあたる人たちともとらえられます。多くは数年でいなくなりますが、学生が何を学びたいのかということは時々の社会の動向を表すとも言えます。 大学は学生を大切にしないとダメですね。そして、大学はどうあるべきか。学生のみならず市民とも一緒に考えていく場をもっと持ちたいと試みています。 「自由の学風」が変革の波に揺れている。霊長類研究所の解体や、講義の無料公開サイトの終了方針には反対や異論が噴出。国際卓越研究大学の選に漏れた京都大の今と行く末をどう見るか、学生や教員、卒業生らに聞いた。 ◇ 学生の思いはどうか。京都大学新聞の記者で取材活動をする大学院文学研究科の村田征彦さん(25)、法学部の荻原正裕さん(20)に話を聞いた。 総長や理事の話を聞きたい ――取材の制約を感じることはありますか。 村田 以前は大学の理事など… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
深夜0時の海に通う中学生、見つけた魚に鳥肌 9カ月かけ論文も執筆
和歌山市の中学生が、本州の海では初めて確認される熱帯の魚を、和歌山県串本町の海で見つけた。好きが高じた大発見。9カ月かけて論文にまとめ、8月に発表した。海南市の県立自然博物館で来月1日まで、標本と論文を展示している。 和歌山市立東中学校3年の堺響暉(ひびき)さん(15)は、父に運転してもらって月に2回ほど串本の海に来る。小学生のときに魚に興味を持ってから数え切れないくらい通った。 図鑑の写真だけでは分からないうろこの大きさやひれの質感を、実物で確認できたときのうれしさや楽しさがある。 夏は昼間に網を手に潜って探すが、冬の海では、午前0時から2時ごろの深夜に魚を採取する。潮が大きく引き、魚も寝ている時間なので捕まえやすいからだ。 岩場を探してヘッドライトで照らした海中に5センチほどの赤い魚を見つけたのは、昨年12月9日の午前0時近く。たも網で捕まえてよく見ても、何の魚なのか見当もつかなかった。 翌日、海南市の県立自然博物館へ持って行った。 3日後、魚を調べた同館から… この記事は有料記事です。残り584文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
壊れても再現可能?伝統支える和菓子木型、スキャンして3Dデータ化
老舗の和菓子舗で代々大切に使われてきた和菓子木型を後世にどう残していくか。和菓子の伝統を支えてきた文化財を3Dスキャンでデータ化して保存するサービスを三重県四日市市の会社が始めた。 落雁(らくがん)や和三盆、練り切りあんのような上生菓子に使われる和菓子木型は、手彫りによる独自のものがほとんど。木型の彫り手と和菓子職人の技と感性で生み出された和菓子を看板にする和菓子舗も多い。100点以上の木型を保有する老舗もある。 だが、木製のため、使い込むうちに壊れたり欠けたりする恐れもある。水害で水につかったり地震で破損したりして、使えなくなる可能性もある。木型を彫る職人も減っており、代わりの木型も手に入りにくい。 「3Dスキャンによりデジタルデータとして残すことで、受け継いでいけるのでは」。こう考えたのは、自動車部品の古い金型や木型の3Dデータ化を手がけてきたハンチャンコーポレート(西日本事業所・四日市市)代表の半林(はんばやし)義之さん(58)だ。 将来は菓子職人の技も数値化して…挑戦は続く 自動車部品の金型は、海外に製造拠点を移しても、もとの金型を3Dデータ化して国内で保存し、技術の継承につなげていることにヒントを得た。 データベース化することに加え、コンピューター利用設計システム(CAD)のデータをつくっておけば、NC加工(数値制御による機械加工)で原物の風合いを反映した木型を再製作することもできる。非接触でスキャンするため、もとの木型を傷つけることはないという。 半林さんは「木型の品番ごとに人気や売れ行きのデータを一緒に管理すれば、事業継承のときにも役立つはず。NC加工は、木型の形のままサイズを変えられるので、ニーズに合わせて大きくしたり小さくしたりもできる」と話す。 4月にサービスを始め、全国の和菓子舗に案内を送ったところ、50件ほどの問い合わせがあったという。1件につき3Dデータ化で8万円から、3DCADデータで16万円から、と価格を設定している。 「将来は菓子職人の技を数値化して、3Dフードプリンターを使った和菓子づくりにも挑戦したい」と、半林さんは話している。(鈴木裕) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
子どもなら、アイスとジュースが「食べ放題」 夢の島に行ってみた
子どもなら、お金がなくても、あるものを使えばアイス食べ放題、ジュース飲み放題。そんな夢のような島があると聞いた。宮崎県北部、日豊海岸国定公園の島野浦島(延岡市)だ。秋の一日、出かけてみた。 島は、市役所から北東に約17キロ。対岸の港から高速船だと10分で着く。周囲15・5キロ、人口約700人。島の中央に、ツツジで有名な遠見場山(とんばやま)(標高186メートル)がそびえる。平地はほとんどない。山裾の路地に漁村が軒を連ねる。 波止場から数分歩くと、島唯一の飲食店「満月食堂」が見えてくる。席は20。柔らかな照明に白木の丸テーブル。都会のカフェのような雰囲気が漂う。 レジ横にホワイトボードがぶらさがり、長さ数センチの長方形のステッカーが磁石で貼られている。青と黄色の2色。うわさの「こどもチケット」だ。 考えたのは食堂のスタッフで… この記事は有料記事です。残り1578文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 ※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません Source : 社会 – 朝日新聞デジタル