平成から令和へ移り、初の参議院選挙が21日に投開票される。今、一票に何を託すのか。様々な課題の現場を記者たちが訪ねました。 生まれつき脊髄(せきずい)性筋萎縮症の海老原宏美さん(42)は、投票を欠かしたことがない。7月、自宅での取材のため待ち合わせたときも、開口一番にこう言った。「これから期日前投票に行って、カレーを作るための買い出しをして、そのあと家に帰ります。いいですか?」。荒天などで投票日に行けない可能性を考えて、確実にできるときに投票するのだという。 【動画】脊髄性筋萎縮症という難病を患う海老原宏美さんが望む政治とは?=川村直子撮影 脊髄性筋萎縮症は、徐々に筋力が衰える進行性の難病だ。海老原さんは人工呼吸器を使い、食事は経口摂取と胃ろうを併用。車いすで全介助の生活を送りながら、NPO「自立生活センター東大和」で理事長を務め、障害者の生活相談や勉強会などを行っている。 川崎市で生まれ、市内の普通学校に通った。修学旅行では登山に向かう同級生を母と2人、数時間ふもとで待った。参加を認められない行事はあったが、地域に同世代の友だちがたくさんできた。友だちは自然に車いすを押してくれるようになった。皆が少しずつ、できることをできる時に手を貸し合うようになった。 大学を卒業後、東京都東大和市でセンターの立ち上げ当初から関わって18年。ほぼ同時に同市で一人暮らしを始めたが、障害者に対する偏見や間違った先入観はなかなか消えない、と感じている。介助者のサポートを受けて日常生活を送る中で、健常者は車いすの自分より介助者に話しかけることが多い。混雑した店に入るのを断られる。人工呼吸器をつけたままストローで日本酒を飲むと驚かれる……。 「小さな頃から障害者に接していないから、大人になって初めて出会って、どう対応していいか分からないんだと思う。障害のある子はたいてい、特別支援学校をすすめられてしまうから」 日本を含む世界177の国と地域が締結している障害者権利条約(日本は2014年に締結)は、障害の「社会モデル」という考え方に立脚している。障害は障害者個人ではなく、社会がつくりだしている、という考え方だ。「社会モデル」では、例えば車いすで建物内を移動したいが利用しづらいとき、その原因は車いす利用者ではなく、段差があってスロープがないなどの社会的障壁にあると捉える。条約の締結に関連して、障害者基本法の改正や障害者差別解消法の施行など、国内法令の整備も進んだ。「私たちが地域の学校に通うのは当然のこと。法で認められているし、条約にもある。障害に基づく区別は差別です」。だが教育現場の対応は追いついていない。障害のある子を持つ親の多くは、地域の学校に通う選択肢を知らない、と海老原さんは言う。「大丈夫、行けるよ。自分で靴を履けなくても、トイレに行けなくても」。自身の経験を踏まえて保護者らに話し、背中を押すのも、活動の一つになっている。 「思いやりを持ちましょう、ってよく言うじゃないですか。頑張っているから助けてあげよう、みたいな。そんなのいらない。私たちに必要なのは人権。心の問題じゃないんです」。誰であれ常に尊重されるべき人権を、感情や心のありようと結びつけるのはやめてほしい。「結局、障害者というのは意思がなく保護だけしておけばよい、って勘違いしているみたい」 自宅でのカレーづくりで、海老原さんは介助者に細かく指示を出していく。「ニンニクは3個」「弱火で鍋のふた閉めといて」「ガラムマサラ、ティースプーンにがっつり4杯」。手を動かしたのは介助者だが、味をつくったのは海老原さんだ。共同作業でおいしいカレーが出来上がる。 海老原さんは、あなたのヘルパーは税金で雇えている、税金をかけて生かしてやっているんだ、と言われることがあるという。そんなときは、こう伝える。「地域で生活することで、介助者の雇用につながっています。特殊な車いすや医療を必要としていることが、技術の進歩や薬の開発に貢献しているんです」 マイノリティーの存在を大切にしてほしい。少数の立場や意見を知り、皆が互いに歩み寄って妥協案を探る。そんな政治がなされれば、多様性を尊重する価値観が社会に広がっていくのでは、と海老原さんは考えている。「なかなか変わらないけど、言い続けるのはすごく大事。私はあきらめない。投票は意思の表明です」 ◇ 海老原さんは6月、子ども向けの本「わたしが障害者じゃなくなる日」(旬報社)を出版した。大人も一緒に読んで、障害に対する理解を深められる内容だ。小学校で講演した際の子どもたちとのやりとりのようすも収められている。問い合わせは旬報社(03・5579・8973)へ。(江口和貴、川村直子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【かながわ参院選2019】投票所への道も寸断 投開票日に五輪自転車テスト大会(カナロコ by 神奈川新聞)
参院選の投票日にあたる21日、2020年東京五輪に向けた自転車ロードレースのテスト大会が東京、神奈川、山梨、静岡の1都3県で開催される。当日は投票所周辺でも交通規制が敷かれるため、県内コースの大半を占める相模原市でも支障が出ないか懸念されている。市選挙管理委員会は規制時間を避けて投票するよう呼び掛けている。 コースは全長179キロ。武蔵野の森公園(東京都府中市など)を出発し、都内8市、神奈川県北部、山梨県山中湖村などを経て富士スピードウェイ(静岡県小山町)でゴールする。 県内コース約30キロは相模原市緑区が大半を占め、コースにあたる国道413号(道志みち)などと、その周辺道路が午前11時50分から規制される。 車両だけでなく、歩行者の通行も一部で禁止。車列が来る15分前までは市内コースの14カ所で、徒歩での横断が可能だが、その後はできなくなる。規制時間は地域ごとに異なるが、2~4時間程度という。 同区では投票所への道路が寸断される地域があるため、区選挙管理委員会は、有権者に送る投票所入場整理券に規制内容を知らせる案内を同封。投票日の前日と当日にも、防災無線を使ってレースや交通規制内容を案内する。 中でも、同区西南部の道志みちは交通の大動脈となっており、迂回路も少ないことから、区選管は投票日前日にスピーカーのついた広報車を重点的に走らせて周知する予定だ。 同区青野原の道志みち沿いに住む山口忠さん(68)は、最寄りの投票所まで車で5分ほどだが、徒歩だと40分はかかる。山口さんは「レース前の午前中には投票を済ませたい」と話している。 神奈川新聞社 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
京アニ放火、京都市が検証対策チーム設置(産経新聞)
京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」(本社・京都府宇治市)のスタジオで33人が死亡した放火事件で、京都市は19日、被害が拡大した原因の究明や、市内の他の建築物でらせん階段の実態把握を行うための緊急検証対策チームを設置した。ガソリン販売時の安全策についても検討する。 市消防局によると、京都アニメーション第1スタジオをめぐっては、平成30年10月に査察を実施し、消防法上の不備は認められなかった。また、同年11月には従業員70人が参加して消火・避難・通報訓練を実施していたという。 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
京都府警本部長「動機解明進める」 京アニ放火現場に献花(産経新聞)
京都市伏見区のアニメ制作会社「京都アニメーション」(本社・京都府宇治市)のスタジオで33人が死亡した放火事件で、京都府警の植田秀人本部長が19日、現場を訪れて献花した。 【図でみる】見取り図と亡くなった33人の発見場所 植田本部長は同日午後1時50分ごろ、建物前で花を供えると静かに手を合わせた。その後、被害の状況を確認。「亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに負傷された方の一日も早い回復を祈る。過去に例を見ない許しがたい犯行で、動機、背景の解明を進める。関係者、被害者の支援についても力を尽くしたい」と述べた。 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
らせん階段を通じて熱気や煙が一気に上昇か…京都アニメーション放火で起きた煙突効果とは?(FNN.jpプライムオンライン)
らせん階段が煙突の役割を アニメ制作会社京都アニメーションのスタジオで33人が死亡した火災。 事件から一夜明け、現場には花を手向ける人の姿が見られた。 【画像】らせん階段を伝わって熱気や煙が2階3階に拡散 献花に訪れた人:若いクリエーターの人達がこれだけ亡くなられて、他の人達もみんな重軽傷って、本当に昨日の一瞬で…考えられない 警察は19日、身柄を確保した男を青葉真司容疑者(41)と発表。 19日、新たに火を放った際の状況が明らかになった。現場となった京都アニメーション第一スタジオは3階建てでらせん階段による吹き抜け構造。 犯行を目撃した人によると、スタジオの玄関から侵入してきた男は、らせん階段を過ぎた辺りで火をつけたという。 その火が、なぜ瞬く間に広がったのかというと、1つは男がまいたガソリンによって火が一気に燃え広がったこと。更に専門家はらせん階段が煙突の役割を果たす いわゆる煙突効果があったのではないかと指摘している。 元東京消防庁麻布消防署署長 坂口隆夫さん:(各階の)フロアの中心近くにらせん階段が設置されていたと言うことで、煙、熱気、炎が早い段階でらせん階段を伝わって2階3階に拡散してしまった。 煙突効果とは、暖かい空気は冷たい空気と比べると軽いため煙突を通じて熱気が一気に上昇するというもの。これがスタジオの内部でも起きたというのだ。 元東京消防庁麻布消防署署長 坂口隆夫さん:気がついたときには逃げられない状態だったのかなと。かなり早い段階で煙が2階、3階に拡散しているから、かなり早い段階で有毒なガスを含んだ煙を吸っていると思う 33人の死者のうち半数以上の19人が、3階から屋上に至る階段で折り重なるように倒れた状態で発見された。更に2階では11人、2階から3階の階段で1人、1階では2人が犠牲となった。 また、警察は19日、今回の犯行を現住建造物放火及び殺人事件と断定し、捜査本部を設置したことを明らかにした。 京都府警 西山亮二捜査第1課長:発生直後、放火したとみられる男を確保しましたが、全身にやけどを負っており、病院に収容され治療中です。放火殺人事件捜査本部を設置して、被害者やご遺族の支援を進めながら、全容解明を図ることとします Source : 国内 – Yahoo!ニュース
遮断機上がった踏切に作業車が…あわや大惨事の原因は?(産経新聞)
警報音が鳴りやみ、遮断機も上がった。何の疑いも持たずにタクシーが踏切を渡ろうとしたその瞬間-。大阪市住吉区の南海電鉄高野線の踏切で5月の深夜、列車とタクシーが衝突する事故が発生。列車は乗客を運ぶ営業用でなく、作業用だったため速度が遅く、運転手は軽傷で済み、ほかにけが人もなかった。一歩間違えれば大惨事となっていた事故はなぜ起きたのか。 【図でみる】事故現場の踏切の仕組み ■いるはずのない列車が… 大阪市住吉区沢之町の住宅街を通る府道、通称「あべの筋」。5月23日午前1時45分ごろ、この道を走行していたタクシーが、遮断機の下りた踏切の前で停車した。すでに終電は終わっていたが、そのときは設備のメンテナンスなどをするための作業列車が近づいていた。 しばらくして遮断機が上がった。男性運転手(68)がいつものように線路を渡ろうとしたところ、突然右手から作業列車が迫ってきた。 そのまま衝突し、運転席のドアは大破。幸いなことに運転手は首などに軽傷を負うにとどまった。乗客もおらず、作業列車に乗っていた作業員2人もけがはなかった。大阪府警は業務上過失傷害の疑いもあるとみて捜査している。 ■電圧上がり“誤解” なぜ、列車が通過する前に遮断機が上がったのか。 南海電鉄によると、線路には常に電気が流れ、電圧がかかっており、踏切は線路とつながった回路で電圧を自動的に感知している。 旅客を乗せている列車が線路の上を通った際は、車輪や車軸に電気が流れるため線路の電圧が低下。踏切はこれにより電車が近づいたことを把握しているという。電圧が基準値を下回れば踏切は遮断機を下ろしたり警報音を鳴らしたりし、電車が踏切を離れて電圧が再び基準値を上回れば警報音を止めて遮断機を上げる、という仕組みだ。 しかし、踏切近くで長時間止まって作業することがある作業列車の場合、同じような構造にすると遮断機が下りたままになってしまう。このため「軌道短絡装置」という線路の電圧をコントロールする機器を搭載。踏切を通過するときだけ線路の電圧を下げ、踏切を作動させているという。 事故当時も、作業員はこの機器を使用。いったんは遮断機が下がっていることから、当初は正常に作動していたものの、その後に何らかの不具合が生じて電圧が上がり、踏切側が「列車は通過した」と“誤認”したとみられている。 ■同じタイプの装置も… 不具合の原因は特定されていないが、軌道短絡装置自体に問題があった可能性も指摘されている。 事故があった踏切の線路の場合、列車が通っていない状態の電圧は約300ミリボルト。これが106ミリボルト以下になると遮断機が下りる設定になっていた。南海の担当者は「乗客が乗る営業用の電車などでは10ミリボルト以下になることも珍しくない」という。 だが事故後、南海が現場の踏切に今回事故を起こした作業列車を走らせ、軌道短絡装置を作動させたところ、電圧は122ミリボルトまでしか下がらなかった。これを受け、南海は同じタイプの別の軌道短絡装置でも同様の調査を実施。その結果、106ミリボルトは下回ったものの、その下げ幅はかなり小さかったことが判明した。「(下げ幅に)余裕がなければ、わずかの劣化でも危なくなってしまう」と担当者。南海は軌道短絡装置を全て別タイプに切り替えるとしている。 ■不具合、過去にも 安全設備の不具合による鉄道事故は過去にも起きている。 大阪府貝塚市の水間鉄道の踏切では平成25年8月、電車(2両編成)と乗用車が衝突。乗用車の男性が軽傷を負った。 踏切は事故発生時、電気系統のトラブルにより遮断機が下りず、警報音も鳴らない状態だった。同鉄道では以前から同様の不具合があったにもかかわらず放置していたとして、関係者らが業務上過失致傷容疑で書類送検されている。 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
東大阪で建物火災 男性1人死亡(産経新聞)
19日午後1時55分ごろ、大阪府東大阪市岸田堂西の木造2階建ての長屋が「燃えている」と近所の住人から110番があった。2階部分約100平方メートルを焼き、住人男性がのどをやけどして救急搬送されたほか、男性とみられる1人の遺体が見つかった。 【表で見る】被害者多数の主な火災一覧 大阪府警布施署などによると、長屋のうち1軒には60歳前後の兄弟2人が住んでいたという。同署は遺体の身元の確認を急ぐとともに出火原因を調べている。 近くの介護施設で働くパート従業員女性(44)は「真っ赤な火と黒い煙が見えた。京都アニメーションの火災があったばかりで、身近でこんなことがあるなんて怖い」と話した。 現場は大阪メトロ千日前線北巽駅から約650メートル東で、工場や住宅が立ち並ぶ地域。 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
円楽さん、脳腫瘍で休養 笑点への出演継続は「検討中」
落語家の三遊亭円楽さん(69)が8月上旬まで休養すると19日、所属事務所が発表した。前日に医療機関を受診したところ、脳に腫瘍(しゅよう)が見つかり、検査と治療のため3週間ほど入院するという。 日本テレビによると、円楽さんがレギュラー出演している同局系の長寿演芸バラエティー番組「笑点」の21日放送分は収録済みで、その後の出演については「検討中」としている。同局は「治療に専念していただき、1日も早い回復をお待ちしております」とコメントしている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本人なぜタブー?政治の話 SNSで届いた選挙の疑問
【動画】「どうして日本人は政治の話をしないの?」SNSで寄せられた疑問を取材した=高橋大作撮影 皆さんの身近な困りごとや疑問をSNSで募集中。「#N4U」取材班が深掘りします。 日本人って、なぜ身近な人と政治の話をしないの? 今回の参院選に向けて、読者の困りごとや疑問を取材している朝日新聞「#ニュース4U」がSNSで様々な意見を募集すると、そんな「そもそも論」が寄せられた。 投稿したのは、東京都足立区のフリーデザイナーの女性(38)。政策や選挙について、自身も家族や友人らと話すことがないという。そのわけをLINEで尋ねてみると、「まず、考えたことがない人が大半で議論にならない。政治的議論が人間関係にも影響するように感じます」と返信があった。 「タブー視のリスク、高まった」 記者がそのとき思い出したのは、「政治的な発言をするな」「勉強不足」などとタレントが批判を浴びた一件。ローラさんが昨年12月、沖縄県の米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設工事中止を求めるネット上の署名活動について、SNSで署名を呼びかけると批判が相次いだ。当時は発言を評価する人の中でも「テレビで干されないのか(活躍の場がなくならないか)」と心配する声もあった。 今回の参院選でも、俳優ら著名人が政治への思いや投票への呼びかけをSNSで発信したこと自体がネット上で話題になるほどだ。 「日本では、意見の違いが明白になることを恐れ、政治的な会話を避けている面があるのだろう」。横山智哉・立教大助教(社会心理学)はこう話す。「米国ではイデオロギー(政治思想)の違いを知る貴重な場として、会社などであえて政治の話をする」という。日本では以前からタブー視はされてきたが、2012年に民主党政権から自民党の安倍政権に代わった後、イデオロギーの差が顕著になり、政治的な会話がタブー視される「リスク」が高まったと指摘する。 フランスでは6歳が政治の話 投稿した女性とLINEでやりとりを続けると、「フランスでは政治について討論をした後でも、友人関係を続けられると聞いたことがあります」という。 そこで、記者の友人で、パリ近郊に住む会社員の武村智子さん(38)に話を聞いてみることにした。 「街のあちこちでみんなが政治について話しています。ランチや散歩に行った時、仕事帰りに寄るバーでも。特に選挙前は」 武村さんは15年近く前からワーキングホリデーなどで日仏を行き来していた。ベビーシッターのアルバイト先で6歳の男の子が大統領選の話を始めると、驚きの一言が飛び出した。「僕のパパはサルコジには投票しないよ」 武村さんは4年前、フランス人のロホン・セリスさん(34)とカップルになり、家庭でも政治について話す。サルコジ氏、オランド氏に続き、大統領になったマクロン氏の新党が17年の総選挙で躍進。その一方で中道左派の社会党が大幅に議席を減らした。 セリスさんは社会党を支持しており、武村さんは「ほかの党の環境問題への姿勢にもうなずくことは多い」と互いに主張する。3歳と1歳の子どもの前で政治の話をすることも多い。 セリスさんは中学時代から、授業の合間などに同級生と政治の話をしていた。今も友人らと、どの政治家を支持するか熱い議論にもなるが、「だからってケンカにはならない。意見が違うのは当たり前で、議論が終わったらまた友達です」。 武村さんは「フランスで政治の話を聞くようになると、気になって政治家や政策をネットで調べることが増えた。政治が身近に感じられるようになりました」。 投票「他の人が行くからいいんちゃう」 やはり、日本人は政治の会話が苦手なのだろうか。 計12人が立候補し、全国屈指の激戦区の一つ大阪選挙区(改選数4)。繁華街に出かけて有権者に話を聞いてみた。 南北約2・6キロで「日本一長い」といわれる天神橋筋商店街。アーケードの下で、候補者の演説が始まった。ヒョウ柄の帽子をかぶった若い女性が候補と聴衆の間を横切っていった。 大阪府八尾市のアルバイト店員の女性(18)。「ちょっと邪魔やな」と思ったという。政治の話は親や友人としたことはない。今年初めて得た選挙権だが、「他の人が行くからいいんちゃうみたいな」。自分は少しでもバイトで貯金をして、ニューヨークに行きたいと話す。 オフィスビルが立ち並ぶ梅田では、候補者の演説の聴衆の後ろで、女子高校生2人がタピオカミルクティーを手に大きな笑い声を上げていた。「暇つぶしに聞いたけど、難しいイメージだからあんまりよくわからない。親や友だちとも政治の話はしたことがない。自分と関わりがないからかな」 昔から「政治と宗教と野球の話は…」 選挙の啓発運動をしている公益財団法人「明るい選挙推進協会」(東京)によると、16年の前回参院選後に15~24歳の男女計3千人を対象にした調査で、政治についての会話が、家族と「ほとんどしない」「あまりない」が5割ほどで、友人とはそれが7割近くになる。 「日本では『政治と宗教と野球の話はしない方がいい』と昔から言われる。周囲と敵対しないため、支持政党を明かさないのが社会でのマナーとされて政党の話が出ない」と話すのは、京都府立大の秦正樹講師(政治心理学)。秦講師らの研究グループがネット上で実施した16年の調査(16~29歳の男女、計約2千人)でも、日常会話で政治を話題にしたり、議論したりする頻度について、「まったくない」と46%が回答した。 欧州では、所得などの自身の立場に合った政党を支持する傾向にあり、会話につながるという。米国は共和、民主の二大政党制で、どちらの支持者であるのかを明らかにする人は珍しくない。秦講師は「日本は政党と有権者のつながりが弱い」と分析する。 応援したい「推し」見つける人も ただ、朝日新聞「#ニュース4U」のLINEには、少ないながらも家族や友人らと積極的に会話をするという投稿もあった。 埼玉県鴻巣(こうのす)市の女子大学生(21)は東日本大震災をきっかけに政治に関心を持ち、母親と情報収集しているという。その中で応援したい「推し」の候補者を見つけ、その主張や活動を友人にも話している。 「政治的な宣伝はしないでほしいという友人も1人だけいたが、自分は誰々を推していると言ってくれる友人もいた。ほとんどは『関心持っていてすごいね』とか、『知らなかったから教えてくれてありがとう』と言ってくれる」と、好意的な反応だという。 ◇ 参院選の投開票日は21日。朝日新聞「#ニュース4U」では、LINEを中心に「#選挙のぎもん」を集めた。 《Q 投票したい候補者はいないが、当選してほしくない候補者はいる。「アンチ(マイナス)票」を新設できない?(東京都多摩市の主婦)》 林大介・首都大学東京特任准教授(政治学)は、対立候補を当選させ、当該候補を落選させる方法を勧める。「アンチ票は面白い考え方だと思うが、じゃあ誰を選ぶのか。落選させても世の中は当選した議員で動いていく」と話す。 選挙費用についての疑問も複数あった。 《Q 選挙を行うと多額のお金がかかるというけど、何のお金?(大阪府泉大津市の自営業女性)》 総務省によると、今回の参院選で予算計上した経費は約571億円。大部分が都道府県などの選挙管理委員会への委託費で、公職選挙法に定められた各候補者の選挙運動の費用にもあてられる。 《Q 膨大な量の選挙ポスターは、お金の無駄ではないか(大阪府河内長野市の塾講師男性)》 街中のあちらこちらに、ポスター掲示場ができるのが選挙の風景の一つだが、総務省は今回の参院選のポスター作製費として約2億2千万円の予算を計上。ポスター費用は各候補者がいったん負担するが、選挙後に当選者優先で上限を設けて希望者に交付される。 明るい選挙推進協会によると、16年の前回参院選後に有権者3千人を対象にした調査で「参院選で見たり聞いたりしたもの」(複数回答、有効2004人)として回答が最も多かったのが、掲示場の候補者のポスターで46・7%あったが、「役に立った」と答えたのは9・8%だった。 ただ、選挙プランナーの松田馨さん(39)は「ポスターをなくすのは更なる投票率の低下を招くのでは」と指摘する。ポスターで名前を見て調べる有権者が増えているのか、投票日に選挙情報サイトや候補者のホームページへのスマートフォンからのアクセスが増える傾向があるという。 《Q なぜ名前の連呼だけするのか。政策で勝負しないんだと感じる(埼玉県所沢市の会社員女性)》 東京都市大学の李洪千准教授(政治コミュニケーション)は「日本の選挙運動はものすごく制限されている。制度上、候補者はポスターに頼り、名前を連呼する選挙運動をせざるを得ないのです。名前を間違えて覚えられると無効票になりかねない」と話す。 候補者の名前を書いて投票するスタイルは、日本の他にフィンランドやインドネシアなど数カ国。多くの国では、あらかじめ候補者や政党の名前などが書かれた紙にチェックマークを入れたりスタンプを押したりするという。 日本では、選挙カーや街頭で名前を連呼する選挙運動のスタイルも長く変わっていない。選挙プランナーの松田さんは「政策を読み比べたり、演説を聴き比べたりして判断する有権者が増えれば、ポスターも連呼も廃れていくでしょう」と話す。 李准教授は、13年に選挙運動に解禁されたインターネットを有権者も積極的に活用すべきだと指摘する。「私は○○候補に投票する、とネットで表明するだけで良い。政治のことを知らなくても議論することで社会が発展する。意思表明をしないのに、意思を読み取って政策を実行してくれる夢のような政治家はいませんからね」 さあ、みなさんは誰に投票しに行きますか? ◇ […]
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