2023年6月25日 18時40分 25日午後4時ごろ、東京都新宿区のJR新宿駅で、「山手線の電車の中で刃物を持っている人がいる」と乗客から110番通報があった。警視庁によると、刃物を持っていた外国籍とみられる男性から経緯を聴いている。 東京消防庁によると、避難しようとして転倒するなどした20~50代の男性2人と、女性の計3人が軽傷を負った。 JR東日本によると、車内点検などを行うため、山手線内回り・外回りと、中央・総武線の各駅停車で運転を見合わせた。午後4時10~15分ごろに順次運転を再開したが、午後5時20分現在、計14本に最大約19分の遅れが出ており、影響人員は約1万4千人という。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
江東区でパラテニス体験会 車いすテニスに加え、デフテニスも
伊藤進之介2023年6月25日 19時00分 東京都江東区で25日、市民向けの「パラテニス体験会」があり、参加者たちが車いすテニスとデフ(聴覚障害者)テニスを楽しんだ。同区で年に3回ほど開いているイベントで、今回は昨年9月に2025年のデフリンピックが東京開催に決まったことを受け、デフテニスが加わった。 講師は車いすテニス元日本代表監督の中澤吉裕さんが務め、車いすテニスは古庄聖司選手、デフテニスは喜多美結選手も指導に加わった。 車いすテニスでは、参加者はタッチ鬼で車いすの操作を体感することからはじめ、バックハンドとフォアハンドのストローク練習などをした。デフテニスでは、耳栓とヘッドホン形のイヤーマフとよばれる器具で音を遮断すると、順番の交代など、簡単な手話を交えた指示を理解できない場面もあった。 参加者は体験を終えて「(車いすを)こぐのと打つのが合わさると難しい。競技用車いすを借りられる機会は少ない。体験会がもっと広まってほしい」「耳をふさぐと、打った感触が違う。自分の球の強弱がわからない」などと、感想を話した。 体験会は16歳以上が対象で、障害の有無を問わず、無料で参加できる。今年は10月と11月にも開催予定。詳しくは江東スポーツ施設運営パートナーズのホームページ(https://www.di-ksp.jp/)で。(伊藤進之介) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「金色」に輝く干潟、諫早湾干拓事業で陸地に 衰退していく豊かな海
1枚の写真がある。 黒々とした泥干潟を流れる澪筋(みおすじ)が朝日に照らされ、金色に輝いている。写真撮影が趣味だった長崎県諫早市の医師、志波慶一さんが昇る朝日を写したものだ。慶一さんは2012年に他界。長男の前久留米大学病院長、直人さん(66)が大学の自室に飾っていた。失った故郷の原風景だという。 写真の裏に「平成2年(1990年)10月」とあった。91年に雲仙・普賢岳で大火砕流が起きる直前だ。97年には諫早湾が潮受け堤防で閉め切られるなど国営諫早湾干拓事業が本格化し、風景は激変する。撮影地点は諫早市高来町の深海(ふかのみ)地区。干拓事業によって解散した深海漁協があったあたりだ。現場に立つと泥干潟は陸地になっていた。遠くには火砕流をもたらした溶岩ドーム(平成新山)も見えた。 写真を鹿児島大名誉教授、佐藤正典さん(67)に見てもらった。泥にすむゴカイの専門家で有明海の干潟に30年通う。 「静かな干潟の秋の日の始まり。場所は深海川の河口あたりでしょうか」と、干潮時の輝く干潟を解説してくれた。 「朝日が当たって光っています。諫早湾の奥部に典型的なソフトクリームのように軟らかい泥の干潟で、表面で繁茂する潟華(がたばな)が光合成を始めている」 潟華とは底生ケイ藻の増殖で… この記事は有料記事です。残り800文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
2.8億円の金の延べ板、寄贈した87歳が打ち明けた後悔と恩返し
総額2億8千万円相当の金とプラチナの延べ板(計30キロ)が、大阪府箕面(みのお)市に寄贈された。贈り主は元料理店経営の87歳男性で、20日に市が発表すると、大きな話題を呼んだ。どうして寄付したんですか? 男性に改めて会いに行き、寄付に込めた思いを聞いた。 「お世話になった恩を返しただけ。こんな反響があるとは思いませんでしたわ」 22日、箕面市の自宅で、中嶋夏男さんは笑顔を見せた。 中嶋さんが経営していたのは、箕面川にほど近い料理店「銀なべ」。30歳のときに開業し、64歳で引退するまで腕をふるった。 看板メニューは牛肉のどて鍋。産地を厳選した牛肉と特製みその相性が抜群で、地域を代表する人気店だ。 夏男さんは1936年、石川県の西谷村(現・加賀市)で生まれた。中学校を卒業後は、実家の農業を手伝っていた。取引先に、山中温泉(加賀市)の料理旅館があった。 何度も通ううちに、旅館の料理長に気に入られ、「板前にならないか」と誘われた。 当時18歳。料理の世界に飛び込み、技術は先輩の姿をまねて覚えた。 広島・尾道の料理店でも修業した。名物は土鍋にみそを塗りつけ、カキや野菜を煮込んでみそを溶かす郷土料理の土手鍋だった。 箕面に来たのは1960年、23歳のときだ。箕面公園の中にあった料理旅館で働き始めた。箕面の滝や秋の紅葉、瀧安寺(りゅうあんじ)などを目当てに、多くの観光客が公園を訪れていた。 料理旅館で7年働いて独立し、阪急箕面駅そばに「銀なべ」を開いた。そのとき、「店を手伝おうか」と声をかけてくれたのが、同僚だった章子さん。年齢は一回り上で、姉のように慕っていた。後に結婚した。 銀なべの当初の名物は、イノシシのぼたん鍋。尾道のカキの土手鍋を参考にした味付けだった。ぼたん鍋は冬だけなので、ほかの肉を試し、牛肉の土手鍋をメインにした。 「地域で一番の店になりたい」。その思いで、早朝の仕入れから、仕込み、料理と一日中働いた。章子さんも持ち前の明るさと笑顔でもてなした。店は繁盛し、開業3年後には章子さんと一緒に暮らす家を建てた。 この時期に常連客から勧められたのが、金の取引だった。 夏男さんに趣味はなく、店の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
タワマン暮らしで「世間知らず」、脳梗塞で失語症…見つけた生きる道
いま振り返ると、世間知らずで恥ずかしい限りだった。石原由理さんは、10年前まで経営者の妻だった。 やりたくないことは人に任せて、お金で解決してきた。 東京・恵比寿のタワーマンションに住み、苦手な掃除は家事代行を頼んだ。 雨が降れば、タクシーに乗った。 エルメスのバッグは何個も持っていたし、30万~40万円するシャネルの時計もほしかったらすぐに買った。 夫は名古屋で会社を経営していた。自身は、海外の劇の脚本を翻訳する戯曲翻訳家。海外に行って取材し、資料を大量に買い集め、手がけた脚本は文学座などで上演された。収入はあったが、足りない分は夫のお金を使った。 そんな生活が一変したのは2013年。 仕事を続けながら東京大学大学院に進学し、半年経ったころだった。 天国から地獄 自宅でトイレに入ったら、何とも言えない体のしびれが襲ってきた。そのまま意識が遠のいた。 3日後、気が付いたら、病院のベッドの上にいた。脳梗塞(のうこうそく)で倒れたのだと知った。 3カ月入院して退院。後遺症で手足のまひと失語症が残った。 右手は全く力が入らず、化粧も、字を書くこともできない。 「言葉のプロ」だったのに、以前自分で書いた脚本さえ意味がよく理解できない。 「apple」「japan」といった簡単な英語が読めない。 言いたい言葉も、うまく出てこなかった。 「もう元の仕事はできない… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「次男の指示で母親殴った」供述 スーツケース遺体、食い違う説明も
有料記事 杉山あかり 高木智也2023年6月25日 12時43分 神戸市西区の草むらから、スーツケースに入った男児(6)の遺体が見つかった事件で、男児の祖母の女性(57)への監禁・傷害容疑で逮捕された実子4人の一部が「きょうだいの指示で女性を殴った」と供述したことが25日、捜査関係者への取材でわかった。ただ4人の説明には食い違いも多く、兵庫県警は慎重に裏付けを進める。 県警によると、逮捕されたのは、女性の長女の穂坂沙喜(34)、次男の大地(32)、双子で次女の朝美(30)と三女の朝華(30)の4容疑者。 4人は3~6月ごろ、神戸市西区玉津町居住(いすみ)の自宅内で、母親である女性を数十回押し入れに監禁し、6月19日ごろには背中を鉄パイプで殴るなどしてけがをさせた疑いがもたれている。 女性は20日、神戸市垂水区内で保護された際、目のあたりに皮下出血があり、背中にも打撲痕があった。命に別条はないという。 捜査関係者によると、逮捕された女3人のうち1人が「(次男の)大地容疑者の指示で母親を殴った」という趣旨の供述をしているという。 県警は22日の逮捕以降、4人の取り調べを続けている。だが供述には整合性のとれない点も多く、捜査関係者の一人は、4人の説明が「東西南北、それぞれ違う方向を向いている」と困惑する。 一家は、沙喜容疑者の息子で… この記事は有料記事です。残り314文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
雨でも安心! 傘を自立させる新商品 大学内での困り事がヒントに
愛知学院大学の学生が、持ち運びができ、水受けにもなる自立式の傘立てを開発した。教室でぬれた傘を置く場所がなくて困ったという実体験が、商品化のきっかけ。どれだけ多くの消費者に訴えかけられるか、現在は販売の方法や戦略に知恵を絞る。 「KASATATSU」(カサタツ)を開発したのは、経営学部4年の浦野実咲さん(21)と坂晃成さん(21)。潜在的なニーズを解決するデザイン思考の研究をしている。 新商品は、石突に取り付けるだけで傘を自立させられる。水受けがあるため、したたり落ちた雨で床がぬれることもない。外出先で傘の置き場を探す手間も省ける。 シリコーンゴム製で、重さは約50グラム。小さめのたまご1個分ほどだ。ビニール傘などさまざまな傘に対応する。特許庁に意匠を出願し、5月22日に登録された。 商品化は、大学3年生がゼミ対抗で競う商品企画大会「Student Innovation College」(Sカレ)の一環。Sカレ2022には、全国31大学の168組が参加し、民間企業8社が提供する課題に取り組んだ。 2人は、プラスチックや電化製品などの製造販売をする旭電機化成(大阪市)の「暮らしに役立つ便利商品」部門への挑戦を決めた。 しかし、アイデアが絞りきれず悩んでいた。ある雨の日、キャンパス内で傘に視線が向かった。机に立てかけたり、床に置いたり……。置き場に困った実体験がヒントとなった。 また、傘立てがあっても、自分の傘が分からなくなったり、取り違えたりしたという声も耳にした。それなら自分の好きな場所に傘が立てられる商品をと、方向性が見え始めた。 「身近な困りごとに着目し、誰もが使う傘の問題を突き詰めていきました」と坂さん。Sカレでは、企業の「お題」に対する商品企画をフェイスブックで公開し、「いいね!」で支持を集める。寄せられたコメントをもとにさらに改善を図った。 2人は試作品をつくり、昨年… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
雨に濡れ震える9歳男児 姿消して10時間後に警察犬は猛然と動いた
雨でぬれた服が肌にぴったりと張りつき、小学4年生の男児(9)は暗闇で寒さに震えていた。姿を消してから約10時間。見つけたのは、男児の愛用品の匂いを頼りに捜索した警察犬だった。 5月23日午後10時半。男児の家族が横浜市の戸塚署を訪れた。子どもを注意したところ、家を出たまま3時間以上帰ってこないという。雨が降るなか、10人以上の署員が家の近くを捜索したものの、見つからずに不安が募った。 日付をまたいだ24日午前3時40分。降っていた雨がやみ、警察犬のジャーマンシェパードの「グロリア号」(4歳、メス)と「ムート号」(2歳、オス)に出動要請があった。 手がかりの匂い消え、捜索難航 警察犬は捜索対象の衣類を嗅… この記事は有料記事です。残り727文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「みなとみらい」の響きにあこがれた ビルの間のそば店家族の40年
高層ビルが並ぶ横浜市のみなとみらい21地区。そば店「香露庵(こうろあん)」はその中にぽつんと立つ。 周辺のオフィスビルで働く人たちでにぎわうこの店を家族で営む森川英淑さん(65)は、みなとみらいが開発される前からこの地で暮らしていた。「本当に何もなかったのよ」と振り返る。 1981年に3歳年上の夫と結婚し、夫の両親が70年代に開いた大衆食堂兼自宅に引っ越した。森川さんも育児をしながら食堂を手伝った。 「みなとみらい」の未来をみたかった 食堂の客は近くの港湾関係者ばかりだった。現在のような大通りはなく、周辺には住宅もあったが、開発計画があるためそのうち立ち退かないといけないことは聞いていた。 85年ごろ、周辺の倉庫会社などが移転。住民の多くも土地を売って去っていった。「商売ができないほど人がいなくなって怖いくらいだった」 横浜の代名詞となった「みなとみらい21地区」が今年、着工から40年を迎えます。このまちをめぐるものがたりをお届けします。 それでも森川さん一家が店と… この記事は有料記事です。残り1441文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「彦根」ナンバー導入困難に 隣町の住民は反対多数、取りやめ協議へ
藤井匠2023年6月25日 10時15分 自動車の「彦根」ナンバー誕生の見通しが厳しくなった。滋賀県彦根市に隣接する甲良町が全町民対象のアンケートをしたところ、有効回答のうち「反対」「どちらかと言えば反対」の合計が過半数を超えたためだ。町は今後、導入の取りやめを彦根市と協議する。 町のアンケートは5月下旬から全2634世帯を対象に調査。「反対」45%、「どちらかと言えば反対」11・7%で計56・7%だった。「賛成」「どちらかと言えば賛成」は計24・9%にとどまった。 彦根市が両市町の住民を対象に昨年から今年にかけて調査したアンケートでは、「賛成」「どちらかといえば賛成」が計64・6%だった。両市町は一定の理解を得られたとして2025年度の導入を目指したが、甲良町民の回答は169人にとどまり、町議会が再考を求めていた。 彦根市単独では、ご当地ナンバー導入に必要な車の登録保有台数に達しない。野瀬喜久男・甲良町長は23日、「残念だが、アンケート結果を町民の声として真摯(しんし)に受け止め、彦根市と取りやめの協議を進めたい」と話した。(藤井匠) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル