鹿児島県のトカラ列島近海で地震活動が活発化し、間もなく1カ月になる。5月13日に十島村の中之島で震度5弱、口之島で震度4を観測し、その後の27日や6月1日にも震度4を観測した。梅雨期とも重なり、気象台や研究者は「ゆるんだ地盤に大雨が降れば、土砂災害の危険が増す」と注意を呼びかけている。 地震は5月11日から活発になり、月末までに震度1以上が93回観測された。最大震度となった13日の震源は口之島の南東沖で深さは約12キロ。 福岡管区気象台は「南北方向に引っ張られた正断層型の地震で、ユーラシア大陸からつながるプレート内で発生した」と解説する。太平洋側などで起きる大地震としては、大陸のプレートとその下にもぐり込む海のプレートの境界で起きるタイプが知られるが、今回はメカニズムが異なる。 鹿児島大学大学院の仲谷幸浩特任助教は「比較的まとまった地震活動がある地域で、当分は注意が必要」と話す。今後いったん収束するように見えても、盛衰を繰り返すことがあり、しばらくは大きな揺れへの備えが必要だと指摘する。 「短期間の収束、予想できない」 トカラ列島近海では2021… この記事は有料記事です。残り377文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
子育て中のオランウータン逝く 10年かけて夫婦になり3頭産む
スマトラオランウータンのスーミーが、4月29日に死んだ。千葉県の市川市動植物園へやってきて31年。10年かけて夫婦関係を築き、3頭の子をもうけた。最後まで子育てにいそしんだ。「夫婦でのんびりとした老後を過ごさせてあげたかった」と園関係者は目を潤ませた。 スーミーは推定35歳。人間の年齢だと60歳くらいという。4月18日から食欲不振になり、一時回復の兆しがあったが、再び体調が悪化した。死因は敗血症による多臓器不全だった。 1992年、オスのイーバンとともに、姉妹都市のインドネシア・メダン市からやってきた。推定4歳。すぐに同居が試みられた。だが、スーミーはイーバンを一方的に攻めたて、2頭の関係は一気に冷え込んだ。 園はイーバンに自信を持たせ… この記事は有料記事です。残り577文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Z世代が使う「蛙化現象」って? 流行語から見える今どきの人間関係
有料記事 福岡龍一郎 江戸川夏樹2023年6月10日 17時00分 10代から20代半ばのZ世代を中心に「蛙化現象(かえるかげんしょう)」という言葉が流行している。実は心理学用語だが、意味を変えて、友人と恋愛について語るときに使われるようだ。一体、どんな意味? 東京都の女性会社員(26)がマッチングアプリで知り合った男性と初めての食事に出かけた時のことだった。 趣味も合い、会話もほどよく盛り上がった。 「これから関係が発展するのかな?」 そんな期待を持ち始めたとき、「事件」は起きた。 ささいなことに…… 会計にあたり、レジの前で相… この記事は有料記事です。残り2112文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
消毒用アルコールを噴霧、一瞬で火柱 バーベキュー使用「大変危険」
有料記事 池田良 豊島鉄博2023年6月10日 14時00分 【動画】消毒用アルコールの燃焼実験の様子=郡山地方広域消防組合消防本部提供 バーベキューの火に「消毒用アルコール」を注ぎ、立ち上った炎にまかれた専門学校生1人が死亡する事故が福岡県で発生した。消毒用アルコールは新型コロナの感染予防のために広く普及したが、引火しやすく、消防法上の「危険物」でもある。その取り扱いに、消防が注意を呼びかけている。 事故は5月、同県柳川市の美容専門学校の敷地内で、500人近くが参加していたバーベキューの最中に起きた。学校によると、火勢を強めようと考えた教員が消毒用アルコールを火に注いだところ、火柱が上がり、男子学生4人の洋服や体に引火したという。 消毒用アルコールは、新型コロナの流行とともに手指の消毒などによく使われるようになり、定着した。厚生労働省は濃度70~95%のアルコール消毒液が手指のウイルス対策に有効との見解を示している。 だが一方で、アルコールは引火性が高く、濃度60%以上だと消防法上の危険物に該当する。 福島県郡山市の郡山地方広域消防組合消防本部は2020年4月、その危険性を周知する動画を制作し、動画投稿サイト「ユーチューブ」で発信してきた。身近になった消毒用アルコールの取り扱いに注意を呼びかけるのが狙いだった。 その動画では、ろうそくの火に向けて、手押し型のボトルからアルコールを一押し噴霧すると、一瞬でオレンジ色の炎が大きく広がる様子や、青い炎が低くはう様子を燃焼実験として紹介している。 同本部によると、アルコール… この記事は有料記事です。残り546文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
羽田の接触事故、機内客「ガタンと音した」 ライブカメラに両機映る
平岡春人 田渕紫織2023年6月10日 14時00分 【動画】羽田空港滑走路で航空機同士が接触か=平野 真大撮影 国土交通省東京空港事務所によると、10日午前11時ごろ、羽田空港の誘導路付近で、タイ国際航空683便と台湾のエバー航空189便の航空機2機が接触し、機体の一部が破損した。乗客は機内に約3時間にわたり取り残されたが、けが人は確認されていないという。現場付近の滑走路は、一時封鎖された。 朝日新聞が羽田空港に設置しているライブカメラには接触前後とみられる両機の姿が映っていた。映像によると、停止していたエバー航空の機体の左横をタイ国際空港の機体が通過し、その後すぐに停止した。 タイ国際航空の後方中央の席に乗っていたという和歌山県の女性(35)は、「ガタンという音や小さな振動を感じた」。その後、乗務員が小窓を何度ものぞいている姿が見えたため、自分も窓の外を見ると、「機体の一部が折れていることに気づいた」と言う。「飛ぶ前にそんなこともあるのかと思った。揺れは、車で何か踏んでガタンとなるような感覚に近かった」と話す。 台北行きのエバー航空に乗っていた横浜市の男性会社員(61)は、「機体が滑走路に向かう途中で、ガコッという衝撃音が左方向からした」。しばらくすると遠くから消防車が複数走ってきたため、事故とわかったという。 機内では、航空機の衝突があったことが何度かアナウンスされ、シートベルトをするよう促された。3時間ほど機内で待機し、午後2時前に降機すると、ペットボトルの飲料水が配られた。(平岡春人、田渕紫織) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】羽田空港でタイ国際航空とエバー航空機が接触か
2023年6月10日 14時45分 国土交通省東京空港事務所によると10日午前11時ごろ、羽田空港で、タイ国際航空と台湾のエバー航空の航空機2機が接触した可能性があり、滑走路の一つが閉鎖されました。 朝日新聞社が羽田空港に設置したライブカメラに2機の航空機の様子が映っていました。 現場の状況を写真でお伝えします。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「延岡発祥チキン南蛮党」が解党へ 「おいしさとルーツは広まった」
大人が本気でバカをやる――それで14年間突っ走ってきたある党が解党する。市民団体「延岡発祥チキン南蛮党」(党首・永野時彦さん)。「チキン南蛮の日」の7月8日、最後を迎える。チキン南蛮と発祥の地・宮崎県延岡市のPRに励んできたが、メンバーの新陳代謝が進まなくなった。「おいしさとルーツは広まった」。役目を終え、箸を置く。 同党は2009年、市の観光振興ビジョンを考える中で、報道や観光関係者、公務員ら有志が結成したまちおこし団体だ。 チキン南蛮のルーツは昭和30年代、延岡の洋食店で出されていた「まかない」だったとされる。 しかし、そのことが知られていない。全国どこでもあるメニューなのに。 「ならば、改めてルーツを前面に出し、チキン南蛮と延岡の両方を売りだそう」と考えたのが「南蛮党」の始まりだ。 永野さんによると、メンバー… この記事は有料記事です。残り842文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
温泉県・群馬の名湯がかるたに NPOが作成、制作費募る
前田基行2023年6月10日 11時30分 温泉大国・群馬ならではの「ぐんま温泉かるた」を作ろうと、県内のNPO法人が取り組んでいる。遊びながら県内各地にある温泉地の魅力を知ってもらおうという狙いだ。23日までインターネットのクラウドファンディングで制作費への支援を募っている。 かるた作りを進めているのは、NPO法人「湯治乃邑(くに)」(事務局・高崎市)。温泉ライターで代表理事を務める小暮淳さん(64)=前橋市=が、NPOを設立した2015年から構想を練っていた。新型コロナの影響でイベント開催が難しくなったことを機に、「だったらかるたを仕上げよう」と一気に進んだ。 かるたは縦7・3センチ、横5・2センチで、読み札と絵札が「い」から「す」までの44組。読み札の句はすでに完成している。「磯部は温泉記号 発祥の地」や、「謙信の吉夢が告げた 猿ケ京」、「スポーツ合宿 尾瀬・片品温泉郷」、「三大美人湯 川中温泉」など内容は多彩だ。温泉地の特徴や由来を分かりやすく伝えようと、小暮さんが中心になって考案した。 知る人ぞ知るかるた県 ただ、印刷代や絵札制作の費用がかさむため、4月からクラウドファンディングを始めた。目標額200万円に対し、1日現在、支援額は約10万円となっている。期限までに到達しなかった場合も制作は続け、10月ごろの完成をめざす。 現在、温泉文化をユネスコの無形文化遺産に登録しようという運動が、群馬県から全国に広がっている。一方で群馬には、「上毛かるた」など地域ゆかりの人物や歴史、風土を詠んだ「郷土かるた」が各地にある。 小暮さんは「群馬は全国屈指の『温泉県』であり、『かるた県』なのに、温泉かるたがないのを残念に思っていた。温泉かるたで県内の温泉地を元気づけ、ユネスコ登録の機運も後押ししたい」と話している。 詳細はクラウドファンディングのサイト「キャンプファイヤー」で確認できる。(前田基行) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
車いすの男性が海に転落、77歳が救助 持病忘れて駆け下りた岸壁
熊本県上天草市龍ケ岳町の漁港で今年2月、86歳の車いすの男性が岸壁から誤って海に転落した。救出したのは近くにいた77歳の男性。自身の持病も忘れてとっさに助けに向かった。熊本県警上天草署が8日、水難救助した同町の橋本富広さんに感謝状を贈った。 平年に比べると少し肌寒いが、晴天に恵まれた日だった。2月26日の午後、橋本さんは近所の漁港に散歩に出た。岸壁の方をみると、やはり漁港の近くに住み、顔見知りの電動車いすに乗った男性がいた。 魚釣りをしている人たちを眺めていると「バシャン」と音がした。高さ約3メートルの岸壁から、車いすごと男性が転落したのだ。 橋本さんは男性が落ちた方向に急ぎ足で向かい、岸壁の階段を駆け下りた。水面には横向きになった男性の顔が見えた。 幸いにして、男性が転落したのはスロープ状になっている水深の浅いところだった。橋本さんはくるぶしを海水にひたしながら、男性の手を取り、階段まで引き上げた。 「おーい」と助けを求めると、周囲にいた人々が駆け寄ってきたり、消防に通報したりした。男性は救急車で病院に運ばれたが、大きなけがもなく無事だったという。 橋本さんには持病があり、体内にはペースメーカーが入っている。だが、男性が転落したときはそのことを忘れ、とっさに体が動いた。階段を駆け下りるとハァー、ハァーと息が荒くなったが「助けなければと、必死だった」と振り返る。 男性とはその後も、道ばたですれ違う。「おかげさまで、ありがとうな」「よかったなー」。そんな会話を交わすという。 感謝状を贈った上天草署の福岡淳一署長は「寒い時期だったにもかかわらず、人命第一でお助けいただき、ありがたい」「ご自身の持病もかえりみず、頭が下がる思いです」と、橋本さんの行動をたたえた。(吉田啓) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
目指せ「大学進学率100%」 専門高校で変わる学びのカタチ
東京都内の工業や農業などの専門高校で改革が進んでいる。かつては「即戦力」養成で高度経済成長を支えたが、近年は志願者が1倍を下回るところも。時代の変化に対応しようと、指導内容を大きく変える学校もある。(武田遼) 5月末、東京都立杉並工科高校(杉並区上井草4丁目)の一室。課題研究の実習授業で3年生の男子生徒が、机上の機器にペットボトルのふたを入れた。 しばらくすると、容器に黄色い混合油がたまり始めた。プラスチックを油化する装置で、リサイクルの手段を学ぶのに使う。同校によると、高校への導入は珍しいという。 高性能な機器は他にもある。レーザーで元素分析ができるデジタルマイクロスコープ。LEDの光で植物の栽培が可能な装置も昨年度に設置された。いずれも課題研究などの授業に使い、実際に目で見て体感することを大切にしている。同校職員は「工業高校というと、溶接や旋盤などをイメージされがち。でも今は最新の技術や知見に関する学びを深める機会が多くある。大学の研究室レベルの機器もあるんです」。 記事後半では、園芸高校での取り組みや改革を進める都教委の狙い、専門家の懸念なども紹介します。 同校は今年度、校名を杉並工… この記事は有料記事です。残り2252文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル