作家が演じる文士劇が、盛岡市で続いている。戦後に始まり一度途絶えたが、復活してから27回の公演を重ねてきた。5月20日には岩手県出身の石川啄木をテーマに、東京都文京区で公演する。盛岡市と文京区は、啄木の生誕と終焉(しゅうえん)の地。その縁で実現することになった。芥川賞作家や、テレビでよく見かける人らが出演する。 タイトルは「一握の砂 啄木という生き方」。 若き天才詩人として注目された啄木だが、盛岡で創刊した文芸誌の失敗などで家族の生活は困窮。故郷を離れて北海道を漂泊した後、文学の創作活動のため上京する。理想と現実の間で生きる啄木の姿が描かれる。 脚本を担当した盛岡市在住の道又力さん(62)は「啄木は周りに迷惑をかけますが、それでも逆境の中で常に前向きに生きた人で、『啄木ってこういう人だったの?』と思ってもらえたらうれしい」と話す。 文士劇の研究者でもある道又… この記事は有料記事です。残り1573文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「平和の種、全国に届けて」 沖縄の日本復帰51年を前に県民大会
棚橋咲月 比嘉展玖2023年5月14日 15時31分 沖縄が日本に復帰して15日で51年になるのを前に、沖縄県宜野湾市で14日、「平和とくらしを守る県民大会」が開かれ、基地のない沖縄と平和を求める大会宣言を採択した。宣言では、政府が敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有や、大幅な防衛費の増額を決めたことを強く非難。「基地のない沖縄、平和な日本、戦争のない世界をつくるために力を尽くす」と強調した。 主催者発表で1400人が集まった。大会は1978年に始まり、コロナ禍で中止になった2020、21年を除き毎年開催されてきた。 実行委員会共同代表の比嘉京子県議(72)は「平和の種を一人一人が持ち帰り、全国に届けてほしい」と呼びかけた。 参加した沖縄市の大浜節子さん(76)は「基地をめぐる状況はますますひどくなっている。朝早くから夜遅くまで戦闘機のものすごい爆音で、テレビが見えなくなったり声が聞こえなくなったりする」と話した。「戦後78年経って戦争前夜と言われ、沖縄がまた『捨て石』にされるのではないかと不安だ。若い人たち、県外の人たちに沖縄の声を聞いてほしい」と願った。 東京都練馬区の坂口美日(みか)さん(62)は10年前から参加を続ける。「県外からの若い参加者が増えた印象で、うれしい。それだけ危機意識が高まっているのではないか」と話した。前日にあった平和行進では、仲間と合唱をしながら歩を進めた。「5月15日前後は沖縄の置かれた現状について知る貴重な機会。これからも耳を傾けて、考えていきたい」と語った。(棚橋咲月、比嘉展玖) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
佐賀バルーナーズ、B1初昇格 創部5年、プレーオフ準決勝突破
寿柳聡2023年5月14日 17時46分 男子プロバスケットボールBリーグ2部(B2)の佐賀バルーナーズは、14日に佐賀市のSAGAアリーナであったプレーオフ準決勝第2戦で西宮ストークス(兵庫県西宮市)に勝って決勝に進出。来季の1部(B1)初昇格を決めた。佐賀は13日の試合で西宮に89―74で勝って昇格に王手をかけていた。 プレーオフは年間王者を決める3戦2勝方式のトーナメントで、上位2チームがB1昇格の対象になる。佐賀バルーナーズは2018年に発足。19―20年シーズンに3部(B3)で優勝。20―21年シーズンからB2で戦い、今季は西地区で初優勝した。チーム名は、佐賀インターナショナルバルーンフェスタなどで空を彩る気球が由来となっている。(寿柳聡) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
とりけんきゅうじょにひなが来た 自然界はやっぱり厳しい…けれど
【動画】福岡市の都心にある幼稚園が巣箱をつくったらシジュウカラが卵を産んだ。巣作りから抱卵、8羽のひなが巣立つまでを先生と子どもたちが見守った 福岡市の筑紫女学園大付属幼稚園に一昨年、「とりけんきゅうじょ」ができた。 元々は、「むしけんきゅうじょ」だった。虫好きの井上博子先生(37)が、担当していた年長児と作った。寒くなると虫は減ったが、鳥の声は聞こえた。「じゃあ、とりけんきゅうじょにしようよ」と子どもが言った。巣箱をひとつ、園庭の木に付けた。 実は博子先生は、鳥は苦手。「もし鳥が来たら奇跡」とも思っていた。でもその春、ヤマガラが五つの卵を産んだ。ひなの成長を見守っていたが、子どものいない早朝、巣箱はネコに襲われた。巣立ったのは3羽。「生きることは有り難い」と心に刻んだ。 昨年初めに作った新しい巣箱は、木の高い所に付け、ネコよけのとげも巻いた。その春は何も来なかったが、今年3月6日、巣箱に鳥が入るのを見たと子どもが教えてくれた。土のようなものが入っていた。「また奇跡が起きた」 今度の主はシジュウカラ。教頭先生たちと相談して、ドライブレコーダーを巣箱の天井に付け、廊下の電子黒板で観察できるようにした。同じころ、園庭の別の木のてっぺんには、キツツキの一種、コゲラが巣を作った。中は見えないが親鳥が行き来する。とりけんきゅうじょは、一気に忙しくなった。 新年度、博子先生は年中児の担当になった。「しじゅうからのおうち」の写真を絵日記のように貼りだした。 3月13日 ざいりょうをあつめて、ふかふかのおふとんをつくっているよ 4月1日 ぜんぶで8このたまごをあたためていくよ 15日 たまごがわれて、ひながうまれたよ 20日 あたまにくろいけがはえてきたよ 25日 めがひらいたよ 電子黒板には、巣箱の中の様子が映し出される。親鳥が来ると「きた!」「ごはんあげてる」「いもむしだ」。園じゅうの子どもが代わる代わる見入った。 卵は1日ひとつずつ産まれるけど、卵がかえるのは同時。殻は母鳥が食べる。ひなは逆立ちしてフンを出し、すぐ親がくわえて外に出す。子どもたちと一緒に「発見」しては、わくわくした。 ひなはぐんぐん大きくなった… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
覆面レスラー、父の後継ぎプラモ開発 家業の金型で町工場再生に挑む
新潟名物のささ団子色のコスチュームと覆面を身にまとうプロレスラー「スーパー・ササダンゴ・マシン」。その正体は、創業71年になる新潟市東区の金型メーカー「坂井精機」の社長、坂井良宏さん(45)だ。謎めいた覆面レスラーが誕生したきっかけは、大手術に臨む父親にかけられた言葉だった。 試合前のマイクパフォーマンスでは、経済用語を駆使しながら試合プランなどをプレゼンテーションし、会場を沸かす。得意技は「垂直落下式リーマン・ショック」。相手の頭部を片脇に抱えた状態でそのまま後ろに倒れ込み、大きなダメージを与える。 キャラの立った覆面レスラーは、新潟市の地域密着プロレス団体「新潟プロレス」の大会で“こっそり”とデビューした。2012年10月のことだ。 それからさかのぼること約3年。当時は東京を拠点に、「マッスル坂井」の名で覆面を着けずにリングに上がっていた。裏方として興行の演出の手伝いもしていて、充実した日々を過ごしていた。そこに実家から電話がかかってきた。 「ダメかもしれない」 坂井精機の社長だった父親が心筋梗塞(こうそく)で倒れた。63歳だった。急いで新潟市内の病院に駆けつけ、心臓バイパス手術を受ける直前の父親を見舞った。 長男ゆえに、会社を継いでほしいと事あるごとに言われていた。今回は断れない、と覚悟した。 病室で父親は言った。 「お前は東京で、応援してくれるお客さんや仲間のために続けなきゃダメだ。経営というのは、継続することなんだ。継続することが仕事なんだ」 意表を突かれた。そして思った。仕事一筋に生き、継続することの大切さを説く父親の人生が、会社を畳んで終わるのでは悲しすぎる、と。会社を継ごうと決めた。引退を発表し、一度はリングを去った。 だが、専務として働き始めて間もなく、会社の休日とプロレスの興行日が重なることに気づいた。リングに戻りたくなった。でも、引退興行をした後ろめたさがあった。「覆面をかぶって新潟で復帰すれば、ばれないんじゃないか」。やってみるとすぐに東京に伝わり、新キャラで声がかかるようになった。 20年6月、コロナ禍が深刻化する中で社長になった。景気が冷え込んで金型の受注が減る中、社運を賭けてスーパー・ササダンゴ・マシンのプラモデルを自社開発することにした。 構想は帰郷した時からあった。社内の技術者が受注をこなすのに手いっぱいで実行できなかったが、偶然にもチャンスが訪れた。 出来上がったプラモは12分の1スケールで、6色に色分けされたパーツが約100個ある。組み立てると152ミリになる。12カ所の関節が動き、好きなポーズをとらせられる。「体の硬さは本人譲り」という。 一箱税込みで5500円。今は3Dプリンターで作られた精巧なフィギュアが比較的安く買える。そうした中、アニメのキャラのようにややデフォルメされた中年レスラーのプラモは、挑戦的にも映る。 「面白さがわかってくれる人に買ってもらえればいい」。本人はそう言うが、グッズ販売サイト(https://sasadango.thebase.in)で今年1月に正式発売して以来、約3千個が売れた。意を強くして、年内にもう一体、敵役のプラモの発売を計画している。 町工場を取り巻く環境は厳しい。手術が成功し、今は会長の父親(76)とタッグを組み、経営に当たる。あの日、病室でかけられた言葉を胸に刻んで。(茂木克信) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「母を殺した」包丁を手に交番へ 大阪府警、容疑の男を逮捕
2023年5月14日 14時48分 同居する母親とみられる女性を包丁で切りつけたとして、大阪府警は14日、大阪市住吉区長居東3丁目の無職、小谷博幸容疑者(54)を殺人未遂の疑いで緊急逮捕し、発表した。女性はまもなく死亡し、容疑を殺人に切り替えて調べる。小谷容疑者は「母親の首を包丁で切った」と供述しているという。 住吉署によると、14日午前8時半すぎ、小谷容疑者が自宅から約500メートル離れた交番を訪れ、「同居の母親を殺しました」と申告。持っていたバッグにはタオルで巻いた包丁(刃渡り14・6センチ)が入っていた。 署員が容疑者の自宅で、血を流して仰向けに倒れている女性を発見した。女性は病院に搬送後、死亡が確認された。同署は女性が82歳の母親とみて、当時の状況や動機を調べる。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「遊び声」苦情で廃止の公園、代わりに小学校のプール跡地に整備へ
遠藤和希2023年5月14日 10時50分 子どもの遊び声などへの一部住民の苦情がきっかけで4月末に廃止された長野市の青木島遊園地を巡り、長野市と市教育委員会は13日、近くにある青木島小学校内のプールを解体し、遊園地に代わる遊び場を整備する方針を明らかにした。公園を利用していた児童が通う青木島小の保護者向け説明会で、荻原健司市長らが遊び場の具体的な確保策を示した。 市と市教委の説明によると、公園を利用していた児童センターを同小学校内にある「子どもプラザ」に統合。児童センターに代わる場所として、できる限り早期に同小の集会室を改装して、校内の中庭や体育館とともに活用してもらう。また、来年1月ごろから校内のプールの解体を始め、跡地に遊具を設置した遊び場や駐車場を整備して地域の幼児にも開放するという。 荻原市長は、説明会で「(遊園地の)廃止は申し訳なかったが、充実した学びができるにはどうすればよいかを検討し、前に進んでいかなくてはならない」と話した。 保護者からは、解体に伴って民間施設などを活用するとしたプールの利用時間や、集会室を使っていた合唱練習への影響などについて質問があった。市はこの日、遊び場などの確保策として示した「青木島こども未来プラン」を保護者らの意見を踏まえて再検討し、遊び場などの整備費を12月補正予算に盛り込むことにしている。(遠藤和希) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
暗算ギネス記録保持者は日本の高校生 驚異のスピードを生み出す秘密
【動画】ひとつずつ現れては消える3桁の数字を15個足す「3桁15口」のフラッシュ暗算を正答する辻窪凛音さん=大西英正撮影 暗算のギネス世界記録が日本で生まれた。よく聞くと、さいたま市の高校生だという。3桁の数字が15回、ひとつずつ現れては消え、それらを足し合わせる「フラッシュ暗算」で、認定された記録は1・62秒。なぜ、こんなにも早く計算できるのか。秘密を探るべくたずねた。 塾内 ひしめく猛者たち 4月下旬、さいたま市浦和区にある「そろばん教室USA針ケ谷教室」に入ると、塾内の猛者たちが切磋琢磨(せっさたくま)して暗算のスピードを培っていた。そのなかにいたギネス記録保持者の辻窪凛音(りんね)さん(18)は5歳からこのそろばん塾に通う。 いまでは子どもたちに教えることもある辻窪さんに、試しにフラッシュ暗算をやってもらった。 フラッシュ暗算のソフトが入ったパソコン画面を起動してスタートすると、452、704、642……。数字がめまぐるしく現れて一瞬で消えていく。 記者はメモをすることはおろか、いくつ出たかも追えない。15個の数字が出終えるまで、わずか1・6秒。まばたきできない。 「8735」。辻窪さんが回答の入力画面に打ち込むと、「正解です」という音声がパソコンから流れた。何度か試してもらったが、ノーミスだった。 どうやってこんなに早く計算しているのだろう。 驚く記者に、辻窪さんは「数… この記事は有料記事です。残り1287文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
上皇ご夫妻、京都と奈良を訪問へ 文化に思いを寄せる旅に出発
上皇ご夫妻は14日、京都府と奈良県を訪れる旅に出発した。18日までの日程で、修復を終えた文化財や葵祭(あおいまつり)を見て、文化に思いを寄せる旅となる。 上皇さまの退位後、引っ越し作業などに伴う滞在を除き、ご夫妻が地方を訪れるのは約4年ぶり。退位後は自由な時間ができた一方、コロナ禍後は外出もままならなかった。 14日午前11時前、JR東… この記事は有料記事です。残り1462文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
母の日にはフルーツを 4人を育てる母に「ありがとう」が言いたくて
母は、夜遅くまで働いてヘトヘトで帰ってくることもある。 それでも、朝早くから好物の竜田揚げを揚げてくれる。白飯をぎっしり敷き詰めた上に、たっぷりおかずを載せたお弁当。ふたを自分でギュウギュウ押して持って行くと、時々汁漏れする。 底抜けに明るい母は、出掛けた先で困ったことがあっても、すぐ周りの人に声を掛けて聞いてくれる。そんな母がいつも心強い。 高校2年生で野球部の僕と、2人の姉、そして妹。食卓の一番奥の席には、父の写真を置いている。 父との別れは小学4年生の時。血液の病気だった。突然で、最後の言葉を交わすこともできなかった。 「頭がおかしくなったみたい」 学校で気軽に友だちに言える… この記事は有料記事です。残り814文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル