岩手県釜石市の職員が市民全員の個人情報を自宅に持ち帰るなどして漏洩(ろうえい)させていたとして、市の調査委員会は今年3月下旬、内部調査の結果と再発防止策を報告書にまとめ、野田武則市長に提出した。朝日新聞は情報開示請求で、その調査過程の資料を入手した。漏洩に関与した3人のメールのやりとりなどが記載されており、興味本位で個人情報を調べては知人らを揶揄(やゆ)していた様子が浮かび上がった。 「ちゃっかり減免申請も出してるよ」 「相当がめついですね。セコイ手使って」 市職員2人が、知人が保育料の減免申請をしている情報を不正に入手し、こんなやりとりをしていた。 知人の滞納者情報を盗み見た際も、話題にする。 「滞納者が偽善ぶってんじゃねぇよって、イラッとした」 「滞納しているくせに偉そうに」 こうした業務と無関係な会話が、不正に入手した情報をもとに、市のパソコンを使ってメールやチャットで行われていた。1日に200通以上交わされた日もあったという。 この情報漏洩の問題は昨年5… この記事は有料記事です。残り1270文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
市職員が個人情報あざ笑う 「ちゃっかり減免申請して」「偉そうに」
2023年4月25日 8時00分 「ちゃっかり減免申請も出してるよ」「相当がめついですね。セコイ手使って」。市職員が、知人が保育料の減免申請をしている情報などを不正に入手して、メールやチャットで長々と揶揄(やゆ)する会話を続けていたことが朝日新聞の開示請求でわかった。滞納者情報を盗み見て「偽善」「偉そうに」とも。入手した情報は離婚歴や病歴など様々だ。 岩手県釜石市の職員が全市民約3万2千人の個人情報を自宅に持ち帰るなどして漏洩(ろうえい)させていたとして、市の調査委員会は今年3月下旬、内部調査の結果と再発防止策を報告書にまとめ、野田武則市長に提出した。朝日新聞は情報開示請求で、その調査過程の資料を入手した。漏洩に関与した3人のメールのやりとりなどが記載されており、興味本位で個人情報を調べては話題にしていた様子が浮かび上がった。 調査委は3人を含む関係者計11人を聴取するとともに、公的なメールやチャットを10万通以上調べた。 開示された資料を読むと、いずれも40代の、女性職員Aとその夫の男性職員B、女性職員Cが登場。AとBがそれらの情報をもとに何をしていたかは不明だが、Cを含めた3人の間で「雑談」が行われていたことがわかった。 内容は、東日本大震災の被災者の申請や住民票のデータ、職員の診断書など多岐にわたって話題にしていた。 この問題は昨年5月に明らかになった。住民基本台帳に記載された全市民の個人情報や一部のマイナンバーの情報を不正に取得し続けていた総務企画部のAと、建設部のBの2人が懲戒免職になった。その後、Aに一部の情報を漏らしていた市民生活部のCも停職3カ月の処分を受けた(いずれも所属は当時)。 市の調査でさかのぼれただけでも、2015年から発覚する21年まで続いていた。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
猛毒含む除草剤、全国でようやく撤去へ 林野庁埋設、流出の懸念強く
猛毒のダイオキシン類を含む除草剤26トンが15道県の山中に半世紀前から埋められている問題で、林野庁は今年度から撤去を始める方針を固めた。安全性に問題はないとしてきたが、災害による流出への地元の懸念や、安全に処理できる方法が確認できたことを踏まえ方針を転換した。5月以降、全国で順次着手する。 林野庁によると除草剤は「2・4・5T系」という種類。国有林の植林時に使っていたが有害性が指摘され、1971年に使用を中止。約6割をメーカーに返還したが、残りは水源から離れた山中にコンクリート状に固めて埋設するよう、当時の営林局に通達を出した。通達と異なる方法で埋められたケースが判明するなどし、一部は撤去されたが15道県42市町村に埋まったままになっている。 ただ近年、豪雨災害が全国で続く中、地元自治体から除草剤の流出を懸念して撤去や無害化を求める要望が相次いで出されていた。 林野庁は2021年度以降… この記事は有料記事です。残り392文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京上野の貴金属店で腕時計9900万円分強奪容疑 山梨の男逮捕
増山祐史2023年4月24日 16時28分 東京・上野の貴金属店から計約9900万円相当、計45点の腕時計を奪ったとして、警視庁は24日、職業不詳の中村歩武容疑者(20)=山梨県笛吹市=を強盗と建造物侵入の疑いで逮捕し、発表した。同庁は事件に別の男とともに2人で関わったとみて、もう1人の男の行方を追っている。 捜査1課によると、中村容疑者は3月24日午後2時25分ごろ、東京都台東区上野5丁目の貴金属店にもう1人の男とともに押し入り、30代女性客に包丁を突きつけたほか、40代の女性店員にレンチのような工具を示して「動かないで」などと脅迫。ショーケースを壊して陳列されていた腕時計45点を奪った疑いがある。事件後、現場近くに止めていた軽トラックで逃走したとされる。「やっていないです」と容疑を否認しているという。 同課は防犯カメラの映像から中村容疑者を特定したといい、指示役の有無も含めて調べる。(増山祐史) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「まんじゅうと小判入り重箱」発売へ 日本橋三越「しゃれ楽しんで」
「お代官さま、これを……」。木箱に入ったまんじゅうを差し出すと、その下には小判がずらり。「越後屋、おぬしもワルよのう」――。 時代劇の一場面に出てくるような「重箱入りのまんじゅうと純金小判のセット」を、日本橋三越本店が26日から売り出す。 一の重には、和菓子の老舗「… この記事は有料記事です。残り432文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「元に戻らんように」 安全求める父の願い 18歳の息子を亡くして
「昌毅が生まれてからの18年は長かった。この18年は、ごっつ短いんです」 JR宝塚線(福知山線)脱線事故で、18歳だった次男の昌毅さんを亡くした上田弘志さん(68)=神戸市北区=は、事故と向き合い、JR西日本に安全を求め続けてきた。 「昌毅の死を無駄にせんようにと思うと、何かやっとかな落ち着かなかった」 長男が1歳で病死し、2年後に授かった子だった。「2人分の愛情」を注いだ。 おもちゃをねだられれば買ってあげ、家族旅行にもよく出かけた。自他共に認める「溺愛(できあい)」ぶりだった。 乗客106人と運転士が死亡し、乗客562人が重軽傷を負ったJR宝塚線(福知山線)脱線事故から25日で18年になります。事故で18歳だった息子を亡くした父親は、我が子が生きた年月とほぼ同じ時間を過ごしてきました。事故後の18年について思いを聞きました。 なぜ我が子が死ななくてはいけなかったのか。 事故直後からJR西に直接… この記事は有料記事です。残り493文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「止まったまま」の父 息子を失い18年 今も浮かぶ「ブレザー姿」
携帯電話が鳴る。 「和樹」 妻からの着信で画面に表示されるのは、18年前、JR宝塚線(福知山線)脱線事故で亡くなった次男の名前だ。 事故後、妻は次男の携帯電話番号を引き継いだ。そして自分も、今も登録の名前を変えないままでいる。 兵庫県宝塚市の福田博文さん(67)は、当時18歳だった和樹さんを失った。 事故は、職場のテレビで知った。 和樹さんは龍谷大理工学部に入学したばかり。通学に宝塚線を使っていたのは知っていたが、詳しい時間帯までは聞いていなかった。 念のため鳴らした携帯電話は、いつになっても折り返しがなかった。 乗客106人と運転士が死亡し、乗客562人が重軽傷を負ったJR宝塚線(福知山線)脱線事故から25日で18年になります。事故で18歳だった息子を亡くした父親は、我が子が生きた年月とほぼ同じ時間を過ごしてきました。事故後の18年について思いを聞きました。 事故に巻き込まれたことなど想像できなかった。警察からも大学からも連絡はなかった。 博文さんによると「とりあえず」という気持ちだったという。夜、事故で亡くなった人の遺体が安置されている兵庫県尼崎市の体育館に向かった。 入ってすぐ目に飛び込んでき… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
落選は0.415票差 候補「がくぜん」異議申し立てへ 中野区議選
24日に開票された東京都中野区議選で、0・415票差で落選した候補がいた。1票に満たない差で初当選に届かなかったこの候補は、票の再点検を求め、公職選挙法に基づき、区選挙管理委員会への異議申し立てを検討している。 同区議選の定数は42で、60人が立候補した。参政党新顔の田中裕史氏(56)の得票は1584・585票。42番目の当選者の得票は1585だった。 60人のなかには同じ姓や名の候補がいた。区選管によると、公選法では同じ姓や名の候補者が複数いる場合、その姓や名が書かれた票はそれぞれの得票数の割合に応じて振り分けることになっており、「案分票」と呼ばれる小数点以下の数字がつくことがある。今回の選挙では11の案分票があり、12人の候補に小数点以下の端数がついた。 田中氏は取材に、「結果は結果だが、案分票で当落がわかれたことにはがくぜんとしている」と話し、「疑問票や無効票をもう一度点検してもらいたいと考えている」と明かした。白票など有効な票と認められなかった無効票は2014あった。 23日に開票された東京都新宿区議選でも0・299票差で次点候補が落選した。(津田六平) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アパート屋根裏の壁を壊した容疑、男を逮捕 女性が住む隣室に侵入か
仁村秀一2023年4月24日 22時08分 女子大学生が住む部屋に侵入する目的でアパートの屋根裏の壁を壊したとして、埼玉県警は24日、茨城県古河市の無職の男(43)を建造物損壊容疑で逮捕し、発表した。「間違いありません」と容疑を認めているという。男は3月、この女性に対する準強制わいせつなどの容疑で県警に逮捕されていた。 西入間署によると、男は昨年4月1日から今年3月14日までの間に、埼玉県毛呂山町のアパートで、男の親族が住む一室の屋根裏と、20代の女子大学生が住む隣室の屋根裏を隔てる石膏(せっこう)ボードを壊した疑いがある。男は親族に断りなく合鍵を作り、親族の外出中に作業していたとみられるという。 屋根裏からハシゴが見つかっており、同署は、男が屋根裏を通って女性の部屋の風呂場の天井にある点検口を開け、ハシゴを使って部屋に出入りしていたとみている。女性の部屋の天井には小さな穴が開けられ、小型カメラが設置されていたといい、署は男が設置したとみて調べている。 県警は、男が3月14日、この女性宅に侵入し、寝ていた女性の体を触るなどしたとして、準強制わいせつと住居侵入の疑いで同15日に逮捕。男は「間違いありません。性欲を満たすためにやった」などと話しているという。この時は無施錠だった玄関ドアから部屋に侵入したとみられ、女性が目を覚ましたため逃走したが、通報を受けた県警が翌日逮捕した。(仁村秀一) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北朝鮮「衛星」打ち上げ警戒、沖縄にミサイル迎撃部隊の配備進む
有料記事 小野太郎 国吉美香 成沢解語2023年4月24日 19時23分 北朝鮮の軍事偵察衛星の打ち上げに備え、自衛隊がミサイル迎撃のための部隊を沖縄に展開する準備を進めている。22日の破壊措置準備命令を受け、石垣島(石垣市)、与那国島(与那国町)、宮古島(宮古島市)に航空自衛隊の地対空誘導弾「PAC3」の部隊を配備する方針だ。 北朝鮮はこれまで、人工衛星の打ち上げを名目に弾道ミサイルを2009年4月、12年4月、同12月、16年2月の4回発射した。このうち直近の3回は南方向への発射だったため、今回の命令では沖縄県に迎撃ミサイル部隊を展開することなどを命じている。 地元の関係自治体によると、空自の輸送機などが23~24日、与那国島と石垣島にPAC3に関連する車両を輸送した。与那国島へのPAC3の展開は初めて。今後、船舶による輸送も調整されているという。宮古島にも25日以降、関連する車両が輸送される見通し。 自衛隊の担当者らは24日、沖縄県庁を訪問し、溜(たまり)政仁・知事公室長と面会した。出席者によると、PAC3の部隊を石垣島、与那国島、宮古島の自衛隊施設内に配備すると説明し、港や空港の使用について協力を求めた。 沖縄県によると、防衛省から沖縄本島の中城湾港を使用したいという照会があったが、貨物船などの利用でしばらく空きがなく、入港が難しいという。 自衛隊は石垣市、与那国町… この記事は有料記事です。残り456文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル