三宅梨紗子2023年4月20日 17時30分 日本列島は20日、広い範囲で高気圧に覆われ、各地で夏日を観測した。気象庁によると、最も気温が高かったのは真夏日となった熊本県山鹿市の30・9度。東海地方では、岐阜県飛驒市で29・4度、三重県伊賀市で28・7度、愛知県豊田市で28・4度、岐阜県多治見市で28・2度、名古屋市で27・4度を観測し、今年一番の暑さとなった。 同市西区の井浦千尋さん(32)は庄内緑地へ、2歳の息子と生後5カ月の娘を連れて遊びに来た。「娘はきょう日焼け止めデビューしました。息子も今シーズン初めての半袖。夏が心配」と話した。抱っこひもで娘をだっこしており、「熱がこもるのでお互いに暑い」。 名古屋地方気象台によると、21日も各地で25度を超える夏日となる見込み。だが、週明けは平年より気温が下がると予想され、担当者は「肌寒い日もあって寒暖の差が大きい。体調管理に注意が必要」としている。(三宅梨紗子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
岸田首相襲撃事件、聴衆の避難誘導に課題 国家公安委員から意見
和歌山市の選挙演説会場で岸田文雄首相の近くに爆発物が投げ込まれた事件について、谷公一・国家公安委員長は20日の定例会議後の記者会見で、聴衆の避難誘導のあり方が課題だとの意見が委員からあったことを明らかにした。 谷氏は「事件は民主主義の根幹をなす選挙のさなかに敢行され、断じて許されるものではなく、強い憤りを感じる」と強調。谷氏によると、この日の会議で委員から、警察庁は会場への侵入や爆発物の投げ込みを許したことを重く受け止めて、事実を詳細に調べ、今後に生かさなければならない、との指摘があったという。 また、爆発物が投げ込まれた際に首相のそばにいた警護員が首相を守った対応は的確だったが、一方で聴衆を避難させる対応に課題があるとの意見が出た。さらに、要人警護には政治家・政党側の協力も不可欠との指摘もあったという。 ともに会見した警察庁の露木康浩長官は、「警護要則」に基づき和歌山県警が今回の警護の確認作業をし、警察庁に報告してくると説明。「どのようなことができたのかが確認の重要なポイントになる」とし、確認結果に基づき、警護に問題点があったかなどの評価を行う考えを示した。(編集委員・吉田伸八) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ウイルス感染」と焦らせて4400万円 解決装うサポート詐欺被害
山田暢史 森下友貴2023年4月20日 14時00分 埼玉県警浦和署は19日、さいたま市浦和区の男性(72)が約4400万円の詐欺被害に遭ったと発表した。ウェブの利用者のパソコン画面に「ウイルスに感染しました」といった警告文を表示し、焦らせ、問題解決を手伝うとウソをついてだます「サポート詐欺」と呼ばれる手口で、県警が注意を呼びかけている。 被害があったのは3月中旬。男性が自宅のパソコンでウェブ検索していると、ブザー音が鳴り、「ウイルス感染しました」という警告が表示された。男性が画面上に出てきた電話番号に連絡すると、パソコン関連会社員を装う人物から「ハッキングされているので口座のお金が危ない」と脅され、別の口座に振り込むよう提案された。男性は5日間で20回にわたり、指定された口座に約4400万円を振り込んだ。やり取りの中で、相手はパソコンの遠隔操作もしたという。 サポート詐欺は近年急増中だ。ウイルス感染などを解決する報酬名目で、現金を求める手口が多い。県警はそうした表示が出たら電話番号を無視し、パソコンを再起動するか、警察に通報するよう求めている。(山田暢史、森下友貴) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
拘置所で色つき眼鏡を使えないのは「違法」 国に賠償命令 大阪地裁
松浦祥子2023年4月20日 14時50分 目の負担を和らげる「色つき眼鏡」の使用を拘置所や刑務所で禁じられ、接見交通権を侵害されたなどして、元受刑者の男性と弁護人が国に330万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が20日、大阪地裁であった。徳地淳裁判長は、接見で使用を認めなかったのは「違法」などとして、国に計37万5千円の賠償を命じた。 訴状によると、男性は視力が両眼ともに0・03で、普段から色つき眼鏡を使っていたが、2019年に勾留された大阪拘置所では使用が認められなかった。 男性は、弁護人の接見で証拠書類が見えないといった影響があったほか、弁護人から新しい眼鏡を差し入れてもらうまでの約1カ月間、裸眼での生活を強いられたと主張。実刑判決の確定後、大阪刑務所では弁護人から差し入れてもらった眼鏡も使えず、日常生活や刑務作業に支障が出たと訴えた。判決は、差し入れてもらった眼鏡の使用を認めなかった対応も「人格権の侵害」と判断した。 国側は、色つき眼鏡については原則、大阪拘置所では眼鏡のレンズが通す光の程度が「75%以上」で許可し、大阪刑務所では透明の眼鏡以外は認めていないと説明。「被収容者の目の動きが分からないと、動静の視察に支障がある。刑事施設の秩序の維持のための判断で、裁量権の逸脱や乱用はない」として、請求を棄却するよう求めていた。(松浦祥子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
寝過ごし恐れ飲酒運転→物損事故 大阪府警の巡査部長を懲戒処分
2023年4月20日 11時24分 大阪府警枚方署刑事課の男性巡査部長(40)が出勤途中に飲酒運転し、物損事故を起こした問題で、府警は19日、巡査部長を停職6カ月の懲戒処分とし、道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑で書類送検したと発表した。起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。巡査部長は同日、依願退職した。 監察室によると、巡査部長は2月23日午前4時40分ごろ、大阪府高槻市大塚町3丁目の路上で、酒気を帯びた状態で乗用車を運転した疑いがある。 巡査部長は22日午後7時~23日午前0時ごろの間、同僚2~5人と枚方市や大阪・ミナミで飲酒。2店舗でビールの中ジョッキや焼酎の水割りを合わせて約20杯飲み、タクシーで午前4時ごろに帰宅した。 午前9時までに出勤する必要があり、寝過ごすことを恐れ、帰宅後まもなく車で自宅を出て、6・3キロ先のコンビニまで運転。駐車場で車を移動中、隣接する別の店舗のフェンスを突き破り、自ら110番通報した。当時、駆け付けた高槻署員に対し、職業を「会社員」と偽っていた。 巡査部長は高槻署の取調室で酒の臭いに気づかれ、午前9時50分ごろに実施した検査で、呼気1リットルあたり基準値を上回る0・25ミリグラムのアルコールが検知された。巡査部長は事故現場でマスクを着用。酒の臭いに気づかれなかった。 熱田好司・監察室長は「犯罪行為を取り締まる警察職員としてあるまじき行為であり、厳正に処分した。今後、職員に対する指導教養を徹底し、再発防止に努めて参りたい」とコメントした。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪の路地裏に「珈琲焙煎研究所」 誰でも手軽に、焙煎を練習できる
大蔦幸2023年4月20日 11時30分 白い建物の2階から、コーヒーの香りが、立ちこめる。看板には「日本珈琲(コーヒー)焙煎(ばいせん)研究所」(大阪市旭区高殿4丁目)の文字。ここは、コーヒーの焙煎を誰でも気軽に試せて、練習できる、少し変わった場所だ。 店主の下町加奈さん(54)が、2021年にオープンした。下町さんがかつて働いていたカフェの焙煎機は大型で、練習しようにも失敗すれば大量の豆を無駄にする。自分で焙煎機を購入するには、高額で手が出ない。 「同じように、焙煎を練習したい人がいるのでは」。そう思って、焙煎を練習できる店を始めた。 2階が「焙煎研究所」。海外メーカーや日本で主流の焙煎機など5台を置く。最大250グラム~1キロを焙煎できる小型のものだ。3時間3900円から時間貸ししており、誰でも予約すれば利用できる。 生豆も常時20種類ほどそろえ、その場で購入できる。豆の持ち込みも可能。 焙煎後すぐに試飲できるように、豆を挽(ひ)くミルや淹(い)れる器具も充実している。 下町さんは、「焙煎に興味がある人、カフェの開業を控えて練習したい人、いろんな人に使って欲しい」と話す。1階では、下町さんが焙煎したコーヒーなどを楽しめるカフェも併設している。 詳細は、ホームページ(https://japancoffeeroasting-lab.com/)か電話(06・7502・2171)へ。(大蔦幸) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
カフェで焙煎担当、1日習っただけだった 過去の苦労が生んだ研究所
路地裏からコーヒーを焙煎(ばいせん)する良い香りが漂ってくる。地下鉄谷町線「関目高殿」駅から歩いて2分ほど。2階建ての白い建物が目に入った。大阪市旭区にある「日本珈琲(コーヒー)焙煎研究所」。焙煎の研究所? 何をするところなのだろう。 「コーヒーの焙煎を誰もが手軽にできるように、小型の焙煎機を多数置いて、時間貸ししています」 店主の下町(しもまち)加奈さん(54)が教えてくれた。 焙煎は、煎(い)る温度や時間で味や風味が変わり、熟練の技が必要になる。近年は自家焙煎のカフェや、自宅でコーヒーを楽しむ人も増えており、焙煎の需要が高まっているという。 ただ、下町さんは言う。 「焙煎を習得するには、失敗を重ねながら何度も練習すること、焙煎機に慣れることが一番です。でも、そんな場所が、あまりないんです」 下町さんには、切実な実体験がある。 以前働いていたカフェで焙煎担当になった。1日使い方を習っただけで、店で提供することに。 使い方を習得するだけで一苦労。「もっと焙煎がうまくなりたい」と思ったが、店で練習しようにも、店の焙煎機は大型で、失敗すれば大量に豆が無駄になる。 少量で、気軽に練習できるところを探したが、全く見つからなかった。 自分と同じように、焙煎を練習したい人がいるのではないか――。そんな人が利用できる場を作ろうと、2021年に店を開いた。予約すれば、3時間3900円から利用できる。 案内された2階の「焙煎研究… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
絶滅危惧種ハヤブサのヒナ、県庁舎で孵化 ストレス対策が奏功
山田健悟2023年4月20日 8時00分 石川県庁舎で営巣している、国の絶滅危惧種ハヤブサのヒナが今年も孵化(ふか)した。今年3月以降、4個の産卵が確認され、うち3個からヒナが誕生した。県庁舎でのハヤブサのヒナ誕生は、これで10年連続になるという。 県自然環境課によると、県庁舎(19階建て)でハヤブサの営巣や産卵が確認されるようになったのは2005年。しかし、それから8年間は産卵は確認されたものの、孵化には至らなかったという。 13年夏ごろから専門家からの助言を受け、ハヤブサが営巣するベランダに砂を敷いたり、窓のブラインドを閉めてハヤブサのストレスを減らしたりする対策がとられるようになり、翌14年から毎年ヒナが誕生するようになった。これまでに累計42個の産卵があり、38羽のヒナが誕生している。 ハヤブサへの刺激を減らすため、具体的な営巣場所は非公開だが、石川県の公式サイト(https://www.pref.ishikawa.lg.jp/index.html)で、ヒナの写真やこれまでの記録を公開している。(山田健悟) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
女性は「男性に観られる」存在か? ゲリラ・ガールズがばらまく警告
有料記事 緒方江美/アフリーダ・オー・ブラート2023年4月20日 8時00分 「裸にならなければ女性は美術館には入れない?」。渋谷パルコに3月、ゴリラマスク姿の裸婦が問いかけるショーウィンドーが登場しました。美術業界における女性は芸術家として評価されず、「男性に観(み)られる客体」と位置づけられる状況に皮肉を込めた一文です。 【連載】VIVA LA VIDA! 昼は展覧会などの進行を担うアートマネジャー、深夜0時からはドラァグクイーン。二つの顔を持つ緒方江美/アフリーダ・オー・ブラートさんが、現代美術やクラブカルチャー、社会の多様性についてつづります。 国際女性デーにあわせて、渋谷のブティック「Sister」が企画した「『F』ワードの再解釈:フェミニズム!」。1980年代にニューヨークで結成されて以来、アート界のジェンダーギャップに抗(あらが)ってきた集団「ゲリラ・ガールズ」のメッセージを、ファッションとともに伝える展覧会でした。 会場では、倉敷芸術科学大学川上幸之介研究室の協力を得て、ポスターや映像作品が紹介されました。映像作品「男の視線(放飼〈ほうし〉)」では、有名な男性芸術家たちが10代の女性と次々結婚を繰り返し、配偶者に手を上げ、ハラスメントを続けた歴史が語られます。牛羊の放し飼いのように、自由に女性を食べ荒らしてきた男性作家の悪行と戦うと、ゲリラ・ガールズが声を上げます。 88年に制作されたポスター… この記事は有料記事です。残り626文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Think Gender 男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[もっと見る] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
省庁OBの言動は「モラル頼み」 人事介入問題、天下り規制に「穴」
有料記事 東郷隆 柴田秀並 畑宗太郎2023年4月20日 8時30分 国土交通省の元事務次官らOBが国交省の威光を背景に上場企業の幹部ポストを要求していた問題をめぐり、国会で天下りの実態調査を求める声が相次いでいる。調査に否定的な政府に対し、野党は衆院規則に基づく「予備的調査」を衆院に要請。天下りを規制するルールでは今回のような退職者の言動は対象になっておらず、新たな手立てを求める意見も出ている。(東郷隆、柴田秀並、畑宗太郎) 「放置すれば癒着」野党が追及 19日、参院本会議で立憲民主の高木真理議員は「元次官が一民間企業に乗り込み、社内人事に露骨に介入した案件」「(官僚の)再就職先が指定席化していないかなど、天下りの実態を明らかにすべきだ」と政府による調査を求めた。岸田文雄首相は「すでに公務を離れた、予算や権限を有していない民間人としての活動に関して、調査は予定していない」と述べた。 その後の衆院国土交通委員会でも、立憲の城井崇議員が「放置すれば官民癒着につながる」として新たな規制が必要だと主張し、「矮小(わいしょう)化するのか」と調査を求めたが、斉藤鉄夫国交相は調査の予定はないとした。立憲は、衆院規則に基づく「予備的調査」で省庁幹部の再就職の状況を調べるよう衆院に要請している。 今回の問題では、元国交次官で東京地下鉄(東京メトロ)会長の本田勝氏(69)が昨年12月、東証プライム上場の「空港施設」を訪れ、首脳に対して国交省OBで同社副社長だった山口勝弘氏(63)=3日付で辞任=を社長にするよう求めていた。前年には、当時取締役だった山口氏が役員人事を話し合う会議で、国交省側の意向だとして副社長ポストを求め、就任していた。 再就職先を確保するために談合 天下りは官民癒着の温床と問題視されてきた。 象徴的な例が、旧防衛施設庁… この記事は有料記事です。残り1282文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル