片田貴也2023年4月13日 19時57分 政府が掲げる「異次元の少子化対策」の財源の一部を、社会保険料に上乗せして徴収する案を検討していることについて、労働組合の中央組織・連合の芳野友子会長は13日の定例会見で「徴収しやすいところから取るという方法はどうなのか」と異論を唱えた。芳野氏は少子化対策を議論する政府の「こども未来戦略会議」のメンバーの一人。 医療保険などの社会保険料は、企業と従業員が折半で負担している。芳野氏は会見で「社会保険料から(徴収する)となると賃金にも影響する。今は賃上げの方が非常に重要だ」と指摘。「子育てを社会全体で支える考え方にふさわしい財源のあり方について、合意形成が可能となる議論を丁寧に進めていくということではないか」と話した。 政府は児童手当や育児休業の拡充といった少子化対策を検討している。最大の課題となるのが数兆円規模ともみられる財源の確保策で、6月までに大枠を示す方針だ。(片田貴也) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
5人死亡の火災、放火の可能性含め捜査 1人は同居家族以外か 青森
有料記事 渡部耕平 奈良美里 古庄暢2023年4月13日 20時37分 13日午前1時ごろ、青森県六戸町の左官業、十文字利美さん(68)方から出火し、木造一部2階建て住宅約340平方メートルと敷地内の車庫など2棟計約145平方メートルが全焼した。住宅の焼け跡から性別不明の5人の遺体が見つかり、県警は身元の確認を進めるとともに、建物が激しく焼けていることなど現場の状況から、放火の疑いもあるとみて捜査している。 県警によると、十文字さんは8人家族で、火災当時は、仕事で不在だった次女の夫(38)を除く7人が家にいたとみられる。そのうち妻(67)と義母(88)、次女(39)、孫(9)の4人と連絡が取れておらず、さらに、同居する家族以外の遺体1体も見つかった。5人の遺体を司法解剖する予定だが、損傷が激しいため、身元や死因の特定に数日かかるという。 また、近所の住民によると、十文字さんの家族が、土地をめぐるトラブルに巻き込まれていたという情報があり、県警は火災との関連を含めて調べている。 現場は六戸町役場の西約40… この記事は有料記事です。残り612文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
気温上がり架線にたわみ? 日暮里・舎人ライナーのパンタグラフ損傷
東京都交通局が運営し、東京都荒川、足立両区を走る日暮里・舎人ライナーで、運転見合わせが相次いでいる。13日午前にもあり、10日から4日連続で発生。車両や架線関連の装置の不具合など理由は異なるが、同局はトラブルが続くことを重く見て、それぞれの詳しい原因を調べている。 都交通局によると、最初にトラブルがあったのは10日午前11時46分。舎人―見沼代親水公園駅間を走行中の車両で停電が発生。その後、約3時間半にわたって全線で運転を見合わせた。同局が調べたところ、車両に電気を引き込むパンタグラフが損傷していた。 11日午後2時前には、江北―西新井大師西駅間で車両に電気を送る架線にトラブルがあり、約4時間にわたって運転を見合わせた。寒暖差で架線がたわんだものの、そのたわみを補正する装置が機能しなかったという。同局は点検を実施。106本が運休し、約1万6千人に影響が出た。 12日午後9時前には、停電… この記事は有料記事です。残り459文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ドクターマーチンの「黄」とルブタンの「赤」 独自性で分かれた判決
「黄色いステッチ」のブーツが定番の英国の「ドクターマーチン」と、「赤い靴底」のハイヒールで知られるフランスの「クリスチャン・ルブタン」。海外の有名な靴ブランド2社が、類似品を販売する日本の会社にそれぞれ差し止めを求めた訴訟で、裁判所の判断が分かれた。結果を分けたポイントは何だったのか――。 類似品の販売差し止め求める ドクターマーチンのブーツは、ロックやパンク文化のシンボルでもある。大きな特徴の一つが黄色の「ウェルトステッチ」だ。足の甲を覆う革と、靴の周りを縁取るウェルト(細革)の縫い合わせに黄色の糸が使われている。 マーチンは、1960年から扱う主力ブーツ「1460」について、よく似た製品を売る千葉県の会社を、不正競争防止法に基づいて提訴した。 同法では、誤認や混同のおそ… この記事は有料記事です。残り1755文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ふるさと納税流出額、上位20に東京の8区 危機感で返礼品競争参戦
東京都世田谷区83億9600万円、港区61億2900万円、大田区42億3100万円……。 ふるさと納税による税の流出が都内23区で深刻さを増している。総務省によると、2022年度に流出額が多かった全国の自治体の上位20位内に、都内から8区が入った。8区で計381億円。住民サービスの低下にもつながりかねない事態だと、区側は危機感を募らせる。 流出額が全国5番目、都内最多の世田谷区。区によると、総務省のデータを上回る87億円超の財源が失われた。区によると、一般的な小学校2校分の改築費にあたる金額だという。 区はこれまで、「制度の問題点を提起するため、自治体間の返礼品競争には加わらない」方針だった。ふるさと納税による減収の75%は地方交付税で補われるが、世田谷区のような交付税を受けない不交付団体は補塡(ほてん)がない。流出額は15年度の2億6千万円から30倍以上に膨れあがった。 方針転換、返礼品競争に参戦 区は庁内で議論を重ね、昨年… この記事は有料記事です。残り1447文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
最後の「元路面電車」2000形・2003号 現役引退で引っ越し
北九州市や福岡市の路面電車として走り、筑豊電気鉄道の電車として昨年11月に現役を引退した「2000形・2003号」が、福岡県直方市のNPO法人「汽車倶楽部」に譲渡され、13日、搬出作業が行われた。現役車両としては県内最後の「元路面電車」だったが、余生を鉄道の街・直方で過ごすことになる。 北九州市八幡西区の筑豊電鉄の車庫から3両編成の2003号が出され、連結を解かれた。1両の重さは7・3~12トン。車台を外し、1両ずつトレーラーに積み込まれた。夜間に搬送し、頓野地区にある汽車倶楽部の敷地に敷かれた線路上で元の形に戻される。 2000形はもともと西日本… この記事は有料記事です。残り392文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国史跡の石柱破損、車衝突で 和歌山・高野山への表参道
伊藤秀樹2023年4月13日 13時15分 12日午後6時15分ごろ、和歌山県高野町高野山の県道で、同町の町職員女性(26)が運転する乗用車が、道路脇に立っている国史跡指定の石柱の道標「町石(ちょういし)」に衝突した。橋本署によると、女性は額を打って軽傷の見込み。町石は二つに折れ、先端部が隣接する民家にぶつかり壁に穴があいたという。 町石は、大正時代に再建された石造の五輪塔形で高さ約2メートル。町教育委員会によると、町石は平安時代に木製で建てられ、鎌倉時代に石造に建て替えられた。九度山町の慈尊院から高野山までの表参道に1町(約109メートル)ごとに立ち、216基が現存するという。2004年にユネスコの世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣(さんけい)道」を構成する文化財の一つという。 高野町の平野嘉也町長は「町職員が交通事故を発生させ、世界遺産の構成要素である町石を破損したことについて、最大限のおわびを申し上げるとともに誠に遺憾であります」とコメントを出した。修復方法や時期は未定という。(伊藤秀樹) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
みずほ証券を公取委が注意 公開価格めぐり独禁法違反につながる恐れ
企業の株式上場の際に投資家に売り出される株の「公開価格」を決める過程で、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)につながるおそれがある行為をしたとして、公正取引委員会は13日、証券大手のみずほ証券を注意したと発表した。 公開価格は、新規株式公開(IPO)する企業と、上場手続きを中心となって担う「主幹事」と呼ばれる証券会社が協議して設定される。上場の承認時点で付ける「想定発行価格」や機関投資家の意見をふまえて決める「仮条件」の設定などを経て決められ、企業価値に見合わない低い価格になると、企業が調達できる資金が少なくなる。 公取委によると、みずほ証券は2020年6月~21年5月に東京証券取引所に上場した企業21社の主幹事を担当。このうち2社について、みずほ以外の証券会社からの意見に基づく算出方法を十分に検討せずに想定発行価格を設定したり、中立性が疑われる聞き取りによって得た機関投資家の意見をもとに仮条件を設定したりして、2社に受け入れるよう要請した。 その後、この仮条件などをも… この記事は有料記事です。残り793文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「原発事故がなければ生きてたよ」 奪われた「お父ちゃん」との時間
福島県南相馬市鹿島区の藤田八重子さん(68)は最近、同世代の知人夫婦から旅行に行った話を聞くたびにうらやましくなる。「お父ちゃんがいたら、『俺らも行くか』なんて言って、出かけていたかなぁ」 こわもてな外見とは裏腹に、人に優しい守さんと結婚したのは1972年。建物のコンクリートを成形する型枠工事を専門とする建設会社を立ち上げ、守さんが社長、八重子さんは経理を務めた。4人の子どもを育てながら、会社の規模も徐々に拡大。そんな人生を暗転させたのが、12年前の原発事故だった。 東京電力福島第一原発の1、3号機で水素爆発が発生。国が避難指示区域を徐々に広げていくなか、2011年3月16日、守さんと八重子さん夫婦は北西の山形市の体育館に避難した。 従業員たちの給料日の前日に… 守さんが避難中も気にかけて… この記事は有料記事です。残り702文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
給食の費用は誰が負担するべき? 文科省の答えと保護者の胸中
子育て世帯の経済的負担を軽くする方策の一つとして、全国の自治体で広がりつつある公立小中学校の「給食の無償化」。大阪府内でも、無償化を打ち出す自治体が増えてきた。保護者に聞くと、「物価高で苦しい家計が助かる」という一方、「食費なのだから本来払うべきもの」という意見もある。そもそも給食費は誰が負担すべきなのか。 府教育庁などによると、昨年5月時点で公立小中学校の給食を無償化しているのは、大阪市、泉佐野市、松原市など少なくとも12市町村。小学校だけ無償化したり、数カ月間だけ実施したりしている自治体もあり範囲や期間は様々という。 今年度からは新たに交野市で中学3年生が1年間無償になるなど、無償化が広がっている。 高槻市では、市立小中学校の給食が無償だ。市立桃園(とうえん)小の西村大樹前校長(50)は「各家庭の経済的な状況が様々ある中で、無償化によって、子どもの食の心配がないということはありがたい」と話す。 同校では、給食費や学用品の費用など月5千~8千円を保護者の口座から引き落としていた。だが、食物アレルギーで牛乳が飲めない児童や市から就学援助を受けている世帯などには、一部を返す必要があった。西村前校長は「無償化で、こうした事務が大きく減った」という。 高槻市の給食無償化のきっかけはコロナ禍だった。 2020年の春、市立小中学… この記事は有料記事です。残り1497文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル