久保田一道2023年4月10日 12時42分 茨城県教育委員会は、来年度に採用する教員の選考試験で、講師として学級担任を経験した人の筆記試験を免除する仕組みを導入する。中高に比べて志願倍率が低い小学校教諭の採用でとりいれ、受験者数を確保するのが狙い。 教育改革課によると、昨年実施された選考試験で、小学校教諭の志願倍率は2・53倍だった。中学校の4・65倍、高校の6・59倍と比較して低い傾向にある。 この状況を受け、小学校の採用については、選考試験の出願時に県内にある公立の小中学校や義務教育学校で学級担任をしていることなど、一定の要件を満たした人の1次試験を免除することにした。学校の業務のかたわら、試験の準備をしなければならない人の負担を減らす狙いもある。 県教委は、教員の確保に向け、教員免許を持っているものの教職に就いていない「ペーパーティーチャー」向けの取り組みにも力を入れる。今年1、2月にはこうした人を対象にした「教員再チャレンジ研修会」を土浦、水戸の両市で初めて開催した。 国は、教員免許に10年の期限を設け、講習を受けなければ失効する教員免許更新制を昨年廃止。免許の有効期限や更新講習がなくなり、ペーパーティーチャーを任用しやすくなった。 研修会では、こうした制度変更を踏まえた手続きや講師登録の方法、教員選考試験の日程などを説明するほか、現在教壇に立っている教員が仕事のやりがいを伝えた。(久保田一道) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】上皇ご夫妻、結婚から64年 二人三脚で「平成流」
2023年4月10日 7時00分 上皇ご夫妻は10日、64回目の結婚記念日を迎えました。テニスコートでの出会い、結婚。そして、戦没者慰霊や被災地へのお見舞いなど、在位中は国民と寄り添う「平成流」の象徴天皇像を二人三脚で築きました。 2022年6月9日、上皇ご夫妻は東京都台東区の東京国立博物館を訪れ、「沖縄復帰50年記念 特別展『琉球』」を鑑賞しました。ご夫妻による展覧会鑑賞などでの外出は約1年7カ月ぶりでした。 同年9月、上皇さまは、東京大学医学部付属病院(東京都文京区)で左目の白内障と、右目の白内障と緑内障の手術を受けました。上皇后美智子さまも付き添いで同病院を訪れました。 2023年1月2日、3年ぶりとなる新年一般参賀が皇居で行われ、上皇ご夫妻も午前中に3回、宮殿・長和殿のベランダに立ち、参賀者に応えました。 同年3月20日には、東京・丸の内の東京ステーションギャラリーを私的に訪れ、開催中の展覧会「佐伯祐三 自画像としての風景」を鑑賞しました。ご夫妻は東京駅前や駅構内に集まった大勢の人々の前を約100メートルほど歩き、声掛けに会釈をするなどして応えました。 お二人のこれまでの歩みを豊富な写真で紹介します。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
男性も化粧「堂々と」 花王のZ世代が戦う壁 WBC選手の追い風も
ファンデーションを塗っていることは、絶対にばれてはいけない。家族にも。彼女にも。 男はメイクをしないものだから。 大学生の時、李賢世(ひょんせ)さん(30)は隠し続けた。 それは、7年前に「花王」に入社してからも続く。 肌や髪、自分の生まれ持ったものをより高めて、自信を持って生きていく。そんな仕事をしたくて入社した。 それでも、人前では化粧道具をさっと隠してしまう。 「堂々と化粧直しができなかった」 入社3年目の宮尾健吾さん(25)は、大学生時代にミスターコンテストに出場。撮影時にメイクをすることもあった。 その夜、飲み会で「あれ? メイクしてるの?」と聞かれると、こう答えた。「落とすのめんどくさくて」。メイクをする理由に「言い訳」が必要だった。 そんな2人が2021年、新部署に配属された。 新入社員の疑問から生まれた男性用ブランド 男性用の化粧品「UNLIC… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
木桶の文化は絶やさない 醬油の蔵元らが挑む復活プロジェクト
古くから醬油(しょうゆ)、みそ、日本酒など伝統食品の発酵に使われてきた大容量の木桶(きおけ)。しかしタンクでの大量生産が主流になり、製造技術は途絶えそうになっていた。危機感を抱いた醬油の蔵元たちが中心になって、桶づくりに取り組む動きが広がっている。2013年に最初の一つを完成させてから10年。新しい桶が次々と生まれている。 毎年1月、香川県・小豆島のヤマロク醬油で「木桶職人復活プロジェクト」による木桶づくりが行われる。今年も、木桶に関わる食品メーカーや流通業者、大工らが集まり、力を合わせて高さ、直径各2メートル前後の大きな桶を3本作った。 吉野杉の板を削り、丸く組み合わせる。底板を落とし込み、地元の真竹で編んだたがをはめていく。 集まって作るのは、技術を共… この記事は有料記事です。残り1550文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「人のようなもの」確認されず 陸自ヘリ事故、捜索態勢を増強へ
2023年4月9日 9時39分 沖縄県・宮古島周辺で陸上自衛隊の隊員10人が乗ったヘリコプターが6日に消息を絶った事故で、防衛省や海上保安庁は9日も捜索を続けている。8日夜には伊良部島周辺で「人のようなものが浮いている」との情報があったが、9日朝の時点で確認されていないという。 防衛省はこの日、前日の8日と同様に海空自衛隊の航空機6機、掃海艇を含む海自艦艇3隻、陸上自衛隊員約270人態勢で捜索。潮の流れを想定し、航空機や艦艇の捜索範囲は当初より広げている。事故後に漂流物が見つかった海域では、掃海艇が音波で水中を探査するソナーを使って機体の有無を調べている。 機体が見つかれば、潜水艦救難艦も作業を始める。 9日昼からは、陸上部隊を陸自約350人、空自約30人の計約380人態勢に増強する。宮古島や、ヘリがレーダーから消失した海域に近い伊良部島、下地島の北側の沿岸部を中心に、漂流物や漂着物がないかを沿岸から観測する。 前日の夜には、伊良部島周辺の海で「人のようなものが浮いている」との情報が寄せられ、海保のヘリが近づいて現場付近にサーチライトを当てるなどして捜索したが、それらしきものは見つからなかった。9日朝も確認を続けているが、何も見つかっていないという。 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元ひめゆり学徒隊 本村つるさん死去 同窓生「心細くて悲しくて」
国吉美香2023年4月9日 10時00分 「ひめゆり学徒隊」として78年前の沖縄戦に19歳で動員され、戦後はひめゆり平和祈念資料館(沖縄県糸満市)の館長を務めた本村つるさんが7日、老衰で死去した。97歳だった。通夜は9日午後3時、葬儀は10日午後5時から沖縄県浦添市前田2の15の1のサンレー中央紫雲閣で。喪主は長男昌一さん。 太平洋戦争末期の1945年、沖縄師範学校女子部在学中に、沖縄県立第一高等女学校の生徒らとともにひめゆり学徒隊に動員され、負傷兵の看護にあたった。軍と住民が入り乱れる中、学徒隊は沖縄本島南部に追い詰められ、生徒ら136人が亡くなった。 戦後は約35年間、小中学校で教師を務めた。退職後の84年、学徒として亡くなった友人らの遺品を展示する資料館開設に向けて本格的な活動を開始。元学徒の中心的人物として、壕(ごう)の中での調査や遺品整理を行った。89年に開設した資料館では、2002年から10年まで館長を務めた。退任後も証言活動を続けたほか、継承のために若い世代の職員の育成に力を注いだ。 同じくひめゆり学徒として動員された同窓生たちは8日、資料館を通じて本村さんをしのぶコメントを寄せた。 前館長でもある島袋淑子さん(95)は「優秀で全校生徒からの憧れの的でした。下級生にもとても親切で、全然威張ったりもしない性格の優しい人でした」と学生時代を振り返った。「資料館で一緒のときも、本村さんに聞けば何でもわかるというぐらい、みんなが信頼していました。大事な人を失って。とても心細くて悲しくて。元気でいらっしゃるときはいつでも聞けると思っていたのに、ほんとにいらっしゃらなくなったと思うと本当に悲しいです」とつづった。 仲里正子さん(95)も「本村さんは先輩だけど私たち下級生にも同僚として接してくれて、何でも言い合えた。感謝の気持ちでいっぱい」とし、「私たちとずっと一緒におられると思っていたし、まだまだ大丈夫だと思っていたので、とてもショックを受けている。資料館づくりの一番中心になってくれて、私たちの心の支えだった。悲しいけれど、安らかに眠られることを祈っている」と思いを寄せた。(国吉美香) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
スーパーから悲鳴、逃げる買い物客 金具で客ら襲った疑いで男を逮捕
甲斐江里子2023年4月10日 6時00分 9日午後6時半ごろ、大阪市平野区瓜破(うりわり)西1丁目のスーパーマーケット「スーパーサンコー瓜破店」で、男性従業員から「包丁で刺され、何人かけがをしている」と119番通報があった。大阪府警によると、40~80代の客や従業員の男女4人が負傷。平野署は現場にいた同区の無職、飯田雅史容疑者(56)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕し、発表した。女性(85)の頭を鋭利な金具で突き刺し、重傷を負わせた疑いがある。否認しているという。(甲斐江里子) 店内から悲鳴、逃げ惑う買い物客 9日夜に大阪市平野区のスーパーで客ら男女4人が負傷した事件は、殺人未遂の疑いで大阪府警に現行犯逮捕された同区の無職、飯田雅史容疑者(56)が突然、凶器の金具を取り出し、客や従業員に次々に襲いかかったとみられる。店員が取り押さえるまで、逃げ惑う客らで店は混乱した。 現場の同区瓜破(うりわり)西1丁目の「スーパーサンコー瓜破店」は、大阪メトロ谷町線の喜連瓜破(きれうりわり)駅から南西約700メートルの住宅街にある。近所の女性(24)によると、入店しようとしたところ、店内から「きゃー」と悲鳴が聞こえ、客らが外に逃げてきたという。女性は、容疑者とみられる男が警察官に囲まれ、パトカーに乗る場に居合わせた。男は笑っているように見えたという。女性は「よく使うスーパーでこんなことが起き、すごく怖い」と話した。 スーパー運営会社の男性社員(37)は、飯田容疑者がリュックから、テントを固定する先のとがった金具を取り出したと報告を受けたという。男は店内を移動しながら客や従業員に襲いかかった後、店員に取り押さえられたという。 平野署によると、飯田容疑者は逮捕容疑を「全然知らず、事実無根だ」と否認しているという。(甲斐江里子) 有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【そもそも解説】成田空港反対派と機動隊 なぜ30年ぶり大規模衝突
Q 成田空港で警察と空港反対派がぶつかったの? A 滑走路(かっそうろ)近くで2月、千葉県警の機動隊と反対派が衝突(しょうとつ)したんだ。反対派の農家が借りていた耕作地をめぐり、土地の明け渡(わた)しの強制執行(しっこう)があった。機動隊数百人と反対派数十人が約12時間衝突し、空港反対のやぐらなども強制撤去(てっきょ)された。3人が公務執行妨害(こうむしっこうぼうがい)容疑で逮捕(たいほ)された(いずれも不起訴(ふきそ)処分)。 Q なぜ今衝突したの? A この土地は成田国際空港… この記事は有料記事です。残り847文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
被害者の8割「自分はだまされないと…」 特殊詐欺、警察が再現動画
「有料サイトの利用料金が未納です」「あなたの口座が犯罪に利用されているのでキャッシュカードを交換する必要がある」などと言われ、お金をとられた被害者の8割が「自分はだまされない」と思っていた。滋賀県警が被害者から聞き取り、集計した。「特殊詐欺」という言葉は知っていても、どんな手口があるかを知らない人が多いことも浮き彫りになった。 特殊詐欺には、①偽の未納料金を口実にする「架空料金請求詐欺」②銀行協会職員や警察官を装って「犯罪に利用されている」などの名目でキャッシュカードをだまし取る「預貯金詐欺」③親族が起こした事件や事故について示談金を名目にする「オレオレ詐欺」など複数の手口がある。 2022年に県警が認知したのは特殊詐欺は132件で、被害総額は3億2400万円。21年は104件、1億4100万円だった。被害額は倍以上に増えている。 22年の被害者のうち104人に「特殊詐欺というものを知っていたか」と尋ねると、「知っていた」が96%の100人。ただ、そのうち「自分が被害に遭った手口を知っていたか」という問いには、77人が「知らなかった」と答えた。被害の6割は自宅の固定電話への着信がきっかけだった。 また、被害者のうち52人に「自分が被害に遭うかもしれないと思っていたか」と聞くと、79%の41人が「だまされないと思っていた」と答えた。75%の39人は家族や知人、金融機関、警察などに相談したり確認したりして、だまされたことに気付いた。 電話を常時留守番に設定するなどの防犯対策をしていなかった人は81%の42人だった。常に留守番電話にして、犯人と会話をしないことが被害防止につながると考えられる。 そのほかの注意点として県警は、「電子マネーの購入」「ATMで振り込み」の話が出たら、全て詐欺▽銀行協会や警察官のような信頼できる肩書の人にも、キャッシュカードを渡したり暗証番号を教えたりしない▽急に心当たりの無い「お金の話」があったら1人で対応せず、信頼できる人や機関に相談する▽迷惑メールの受信拒否を設定する、などを挙げる。 県警はYouTubeの公式チャンネルで、被害に遭うまでを再現した動画を公開している。「架空料金請求詐欺」「キャッシュカード詐欺盗」「還付金詐欺」などがある。県警の担当者は「被害者の多くは手口を知らなかった。知ることが防止につながる。ぜひ見て欲しい」と呼びかけている。(鈴木洋和) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
坂本龍一さんはキーウの音楽家に語った 曲にこめた「怒りや悲しみ」
有料記事 岡田将平 興野優平2023年4月9日 10時30分 ロシア軍の攻撃で破壊された学校跡。壁も屋根も崩れ落ち、ブロックが散乱する。穴の開いたカーテンが風に舞う。その前でウクライナの青年がバイオリンを弾く。奏でるのは、3月に亡くなった坂本龍一さんがロシアによる侵攻に対する怒りや悲しみを込めた曲だ。青年は坂本さんの死を悼み、「戦争が終わってほしい」と願っている。 「坂本さんはウクライナで起きていることをとても良く理解していた。私やウクライナの人々に、音楽家として最も大きな贈り物をくれた」 キーウの音楽家、イリア・ボンダレンコさん(21)は5日、オンラインの取材に応じ、そう語った。 ボンダレンコさんと坂本さんは昨年、コラボして「Piece for Illia」(イリアのための曲)を制作した。被害を受けた学校跡でミュージックビデオを撮影し、侵攻の深刻さを伝えてきた。坂本さんの悲報に「音楽の父が去ったように感じます」。 ボンダレンコさんは、バイオリン奏者や作曲家として活動する。5年前には広島、長崎から訪れた人と出会い、広島から運ばれた被爆バイオリンを演奏した経験がある。 侵攻開始後の昨年3月、30近くの国の90人以上のバイオリニストと一緒に演奏する動画を公開し、人道支援のための寄付を呼びかけた。 坂本さんはこの取り組みを伝… この記事は有料記事です。残り997文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル