社会

自宅に両親の遺体放置か、50歳男を遺棄容疑で逮捕 神奈川県平塚市

中村英一郎、阿部育子2022年12月15日 0時07分 神奈川県平塚市撫子原の住宅で13日に男女2人の遺体が見つかり、県警は14日、この家に住む職業調査中、新谷嘉朗容疑者(50)を死体遺棄容疑で逮捕し、発表した。「遺棄はしていない」と容疑を否認しているという。遺体は70代の父母とみられ、県警が身元の特定を進めている。 逮捕容疑は自宅で2人の遺体を放置し、遺棄したというもの。捜査関係者らによると、この家は夫婦と息子の新谷容疑者の3人暮らし。夫婦の知人が13日、近くの交番に「連絡がとれない」と届け出て、交番の警察官が家の中で2人の遺体を見つけた。付近住民によると、新谷容疑者は同日朝に車で家を出ていったという。 新谷容疑者をめぐっては、2021年10月~22年9月まで、6回にわたり、家族から「息子に暴力をふるわれた」「息子があばれているので現場を沈めてほしい」などと通報があり、警察官が現場にかけつけたという。家族が事件化を望まなかったため、同容疑者に警告するとともに、高齢者虐待防止法に基づき、行政機関に通報したという。 遺棄事件の現場はJR平塚駅から約2キロの住宅密集地。近くの60代の会社員男性は「家の中から怒鳴り声やものをたたく音が聞こえた」と振り返った。近所の女子中学生は「事件だとしたら、外に出るのが怖い」と話し、外出を控えていたという。(中村英一郎、阿部育子)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

旧統一教会信者ら、自治体にも「関係断つ宣言しないで」 文書提出

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者らが11月以降、福岡県や久留米市に対し、特定の宗教法人とその関連団体との関係を絶つ宣言などをしないよう求める文書を提出していたことがわかった。福岡市には差別などに対する配慮を求める文書が出されていた。 県には11月25日、担当課を訪れた4人から、「民主主義・立憲主義の基盤である信教の自由、請願権等を守る為の要望」と題した知事宛ての要望書が出されたという。 県と県議会で、特定の宗教法人とその関連団体との関係を遮断する宣言・決議をしたり、特定の宗教に対する信仰の有無を問うたり、団体との関係を調査・質問したりしないよう求める内容だった。 提出者は教団の「福岡県信徒…この記事は有料記事です。残り343文字有料会員になると続きをお読みいただけます。旧統一教会問題2022年7月8日に起きた安倍晋三元首相銃撃事件をきっかけに、旧統一教会の問題に注目が集まっています。特集ページはこちら。[記事一覧へ]Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

巡回や点検怠り虚偽報告 容疑者自殺、「府警の体質に問題」指摘も

 大阪府高槻市の女性への殺人と保険金詐取未遂の疑いで再逮捕された養子の高井凜容疑者(当時28)が9月、府警福島署の留置場で自殺した問題で、署員が直前の巡回や私物の点検について、やっていないのに実施したとする虚偽の書類を作成し、府警本部にうその報告をしていたことがわかった。府警が14日、検証結果を公表した。府警は署の留置管理課の男性警部補ら署員3人を虚偽有印公文書作成・同行使容疑で書類送検し、署幹部ら18人を処分した。 府警によると、高井容疑者は9月1日午前7時2分ごろ、1人で入っていた留置場の居室(約5平方メートル)で、首をつっているのが見つかった。署では巡回・巡視の時刻を記載し押印する書類を作成。同6時台には7回実施したことになっていたが、実際には一度も確認していなかった。 自殺を図る前の容疑者の最終確認は、巡回とは別に同6時36分に茶を提供した時だったという。署は同6時44分に巡視し、「布団をかぶり寝ていた」とも府警本部に説明していたが、監視カメラなどを確認し発覚した。1日午前7時までの10時間に50回、巡回すべきだったが、容疑者の居室への巡回は15回だけだったという。 また容疑者が自殺に用いたとみられるTシャツをめぐっても虚偽の記録作成が明らかになった。自殺6日前の8月26日に容疑者の衣類などを収めた居室外の私物庫を確認したとする検査簿を作成。ただ実際には点検していなかった。容疑者の自殺を受けて私物庫を調べたところ、破られたTシャツが4枚あった。容疑者はシャツの裾を破った布で首をつっていた。 府警の内規では私物庫は月2回以上、点検することになっているが、実際に点検したのは別の容疑で逮捕された7月20日が最後で、8月26日は容疑者の私物について「異常なし」とする虚偽の報告書を同日に作成していたという。府警は大阪地検に書類送検した際、起訴を求める、厳重処分の意見を付けたという。2日前に自殺ほのめかす便せん でも監視レベル上げず 調査報告書では、容疑者の監…この記事は有料記事です。残り1754文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

渋谷親子刺傷事件で15歳少女を少年院送致 さいたま家裁

仁村秀一2022年12月14日 22時30分 東京都渋谷区の路上で8月に母子が刺されて大けがをした事件で、さいたま家裁(加藤学裁判長)は14日、埼玉県戸田市の中学3年の少女(15)が2人を殺害しようとした殺人未遂などの非行内容を認めて、少年院に送る決定をした。少年院での矯正教育は相当長期間(3年程度)とするのが相当とした。 決定などによると、少女は8月20日午後7時20分ごろ、東京都渋谷区円山町の路上で19歳の女性と53歳の母親を果物ナイフで複数回突き刺して殺そうとし、全治1~3カ月の大けがをさせた。少女は2人とは面識がなかった。 決定は「無関係の第三者を殺害しようとしたもので悪質」と指摘。前もってナイフを買って準備していたことや殺せそうな相手と場所を選んでいたことから、「計画性が認められる上、行為態様も執拗(しつよう)かつ危険」とした。 一方で、殺人が未遂に終わっていることや非行歴がないこと、少女の家庭環境なども考慮。少女が「本件の重大性や自己の問題性に向き合い始めている」ことも踏まえたうえで、刑事処分でなく、少年院での保護処分が相当と示した。(仁村秀一)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

大阪・ミナミの三津寺、本堂と一体のホテルが来年11月にオープン

 「大阪ミナミの観音さん」と親しまれる三津寺(大阪市中央区)で、江戸時代後期の本堂と一体となったホテル「カンデオホテルズ大阪心斎橋」が2023年11月にオープンする。寺などが14日発表した。檀家(だんか)離れや葬儀の簡素化が進む中、本堂を未来に残し、信仰心を育むためという。 三津寺は奈良時代、聖武天皇の勅命で行基が開いた。京都・仁和寺を総本山とする真言宗御室派に属する。三津寺墓地には、道頓堀を開いたとされる安井道頓の墓がある。今の本堂は1808年に再建され、1945年の大阪大空襲でも焼けなかった。 工事は本堂を残し、その真上にホテルを建てるかたちで行う。建物は地上15階地下1階。1~3階部分に本堂が収まり、4~15階がホテル、地下1階~地上3階に商業施設が入る。ホテルの客室は180室。最上階には露天風呂やサウナのある大浴場を設ける。 朝の勤行、絵写経、瞑想(め…この記事は有料記事です。残り234文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

「恋人だと考えてしまった」生徒にわいせつ行為、中学教諭を懲戒免職

2022年12月14日 20時00分 女子生徒に自宅でわいせつな行為をしたとして、東京都教育委員会は14日、23区内の区立中学校に勤める男性教諭(40)を同日付で懲戒免職処分とし、発表した。面識のない女子児童の体を触った多摩地域の市立中勤務の男性教諭(26)も同日付で懲戒免職処分とした。 都教委によると、区立中の教諭は昨年7月ごろから、かつて担任した女子生徒の相談に乗るうちに親密になった。同10月ごろ~今年5月、校内で生徒を抱きしめたり、自宅で体を直接触ったりした。教諭は「対等の恋人だと考えてしまった。教員としての倫理観や道徳性を欠いた行動だった」と話しているという。 市立中の教諭は4月、面識のない女子児童を自転車で追跡し、児童が自転車を降りた際に尻を触ったという。警視庁が5月22日に都迷惑防止条例違反で逮捕した=6月22日に不起訴処分(起訴猶予)。教諭は「被害者の方を傷つけて大変申し訳ない」と話しているという。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

渋谷・美竹公園、野宿者の出入りも禁止に 区が追加で仮囲い設置

 東京都渋谷区は14日、渋谷駅に近い区立美竹公園に追加の仮囲いを設置した。これまでは公園生活者らの出入りが可能だったが、今回の措置で禁止となった。園内に置かれていたテントや荷物について、区は所有者に引き渡していくとしている。 同公園をめぐっては、周辺で進む複合施設の整備に伴う準備工事のため、区は10月25日に公園を利用禁止とし、同日から仮囲いの設置を始めた。これに対し、園内で生活していた数人の野宿者や支援者らが、事前告知が不十分だとして「追い出しだ」と抗議。区は野宿者たちが公園に出入りできるようにする一方で、借り上げアパートを紹介するなどして公園からの移動を求めていた。 ただ、野宿者側は「アパートの利用は期間が限られ、再び路上に戻る可能性がある」「希望する困窮者は申請できないのに、区が立ち退きを求める人には案内していて選別的だ」などと訴え、区との話し合いは平行線となっていた。 12月に入り、区議会で追加…この記事は有料記事です。残り368文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

女性住職の道は開けてきたが… 夫の坊守が抱える孤立と「素通り感」

 住職の集まりは、住職である妻(37)に声がかかる。住職の配偶者である坊守(ぼうもり)の集まりも妻に声がかかる。 「自分は素通りされている。存在自体が認識されていない」 九州地方の寺で坊守を務める男性(39)は、旧来の性別役割とは逆転した状況の中で、もがいている。 「女性住職の道はかなり開けてきたのに対して、男性坊守の道はまだまだとても見えない」 「女性が声を上げやすくなったのに、今度は男性が声を上げにくくなっているなんて、どうしてこんなにもうまくいかないのか」男性の登録は全国に5人 妻は寺に生まれ育ち、2017年、父の友人の住職の養子に入って、後継ぎのない寺を継いだ。ほぼ同時に男性と結婚。男性は当時、関西で会社員をしており、週末だけ九州に通う形で結婚生活が始まった。2人の子どもにも恵まれた。 コロナ禍で行き来が難しくなったのを機に、男性が九州に転居。今年3月に得度し、会社員を辞めて男性坊守になった。 本山の規定は「住職の配偶者…Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

熱海土石流の損賠訴訟、県と市は争う姿勢「繰り返し行政指導をした」

魚住あかり2022年12月14日 16時32分 静岡県熱海市で昨年7月に発生した土石流災害を巡り、遺族や被災者らが市と県を相手取り、約64億円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が14日、静岡地裁沼津支部(古閑美津恵裁判長)であった。市と県は請求の棄却を求め、争う姿勢を示した。 原告側は訴状で、市が土砂崩落の起点付近にあった盛り土の危険性を認識しながら、措置命令の発出など適切な対応を取らなかったと主張。県は市の不適切な対応を是正する義務があったと訴えている。 これに対し熱海市は答弁書で、事業者には繰り返し行政指導をしたと反論。県は、市に是正を求める法的義務はないとしている。 遺族らは盛り土の土地の前・現所有者に約58億円の損害賠償を求める訴訟を別に起こしており、同支部は、今回の訴訟と合わせて審理することを決めた。(魚住あかり)Source : 社会 - 朝日新聞デジタル

品川にまつわる「六」の謎 理事長は言った「ろっこう、じゃない」

 京急線で品川駅から2駅、新馬場駅(東京都品川区北品川2丁目)でおりると、すぐにお目当ての建物が見えた。 数年前、朝日新聞の1面コラム「天声人語」の補佐役をしていた時、足しげく通った品川図書館だ。小説や解説書、歳時記から絵本まで、コラムの糧となる知識や情報がそこにはたくさんあった。探し求めていた一冊に出会えることもとりわけ多かった。 ただ、当時から気になっていた「謎」が一つあった。 駅前にあるビルの2~4階に入居する図書館に行くたび、「六行会」という聞き慣れない名が目につくのだ。「りっこうかい」と読むらしい。ビル自体が六行会総合ビル、すぐ脇には六行会マンション……。これは、吉田義信館長(58)に聞くしかない。 「この区立図書館のはじまり…この記事は有料記事です。残り1349文字有料会員になると続きをお読みいただけます。Source : 社会 - 朝日新聞デジタル